2023-07-20

揺らぎが心地よいランプの炎。二人でお酒を飲むのにちょうどよい灯り。

ろばのウチでも愛用している羽生直記さんのオイルランプ。一年ぶりに入荷しました。

やわらかで温かい色合いの光は、夜二人でワインを飲んだりする時のテーブル用にちょうどよいのです。最近はキャンプなどアウトドア用にという方も多いですね。

正直、自分で使ってみるまでは「見た目」のカッコよさ以外にそれほど利点があるようには見えませんでした。サイズ違いで置いてあるだけでものすごく絵になるなあと、まずは外観から魅かれてしまったのです。でも、実際に卓上で灯してみると癒し効果の高い照明であることがわかりました。この感覚は実際に使ってみていただかないとわからないかもしれませんが、キャンドルセラピーという言葉があるくらいですからね。炎が人の心を落ち着かせるというのはどなたでも経験のあることなのではないでしょうか。くだらない口喧嘩程度の軽いこじれなら、このランプに灯をともすだけでも相当仲直りのスピードが速まりますよ(笑)。

セラピー効果はさておき、実用面でもこのランプはスグレモノなのです。何と言ってもリキッドキャンドルで使えるということが最大の利点。オイルランプと表記していますからオイルでも使えるのですが、無臭のキャンドルの方がお勧めです。点火・消火時にも嫌な香りがしない、煙が出ない、容器が熱くならないという特徴があります。何より、灯油、アルコールなどの液状燃料とは違い、リキッドキャンドルは火を近づけても引火しないので、万が一倒れてキャンドルがこぼれてしまっても安心です。炎の大きさは芯の長さで変えられるので、小さ目の炎で使用していれば一番小さいタイプのランプでも相当長い時間炎が持ちます。真夏の夜など特に照明をつけているだけで暑い気がしてしまうので、ランプの明かりにするだけでも気持ちがいいですよ。

ランプの蓋はネジ式になっていてねじると芯材が出てきます。ネジごと持ち上げると紐がはずれ、口からリキッドキャンドルを注入できる仕組みです。ちなみに蓋をすれば炎は消えるので吹き消さなくても消火できます。羽生さんは専用のキャンドルスナッファー(火消し)も作っていてこれがまたセットで置いてあるととても優雅。ペコッとベル状の部分を火にかぶせてスッと炎を消すのですが、何とも言えない素敵な感覚です。この不要不急な無駄感がたまりません。

木綿の芯材は中心にグラスファイバーが通っているのでほとんど摩耗しません。芯材はホームセンターなどでも買えますが何年も交換の必要がないそうです。火が消えている状態の時に引っ張れば自由に芯の長さを調節できるので、炎の大きさを変えて点灯時間を調節できます。目安としては10mlで2時間ほど(炎の高さ20㎜の場合)。リキッドキャンドルは250ml瓶から5リットルのお特用ボトルまでホームセンターやネットでも簡単に購入できます。

どうして急に羽生さんはこのランプを作ってみたのでしょう。はじめて羽生さんのランプを見た時「なんですかこれ?」と聞いたら「なんとなく作ってみたんですけど、きっとこんなのみんな使わないですよね」なんて呟いていました。今ではすっかり人気のアイテムです。でも、よく考えてみればランプシェードを沢山手がけている羽生さん。灯りを創り出すという点では同じカテゴリーの仕事ですよね。

羽生さんのランプに炎をともす時いつも羽生さんご本人のことを思い出してしまいます。無口で口下手な感じがどことなく鉄の武骨さや実直さとリンクするのでしょうか。炎が人を安心させるのは、余計なことを話さなくても揺れる明かりが緩衝材になってくれるから、と誰かが書いていました。炎の揺れが作り出す影を眺めているだけで間が持つ。無意味なことをしゃべる必要がなくなるのだ、と。そのプレッシャーから解放されるだけで、安心して心を開けるような気がしますよね。

毎日蒸し暑い日が続いていますね。山や川遊び、庭でバーベキューといったシチュエーションはもちろん、食事を終えた後二人でゆっくりお酒を飲みたい時など、やわらかな炎の灯りが夏の疲れを癒してくれるはずです。うちは喧嘩なんてしないから、なんていう仲のよいお二人にもお勧めですよ(笑)。

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