Zucchine al vecchio contadino ズッキーニの農夫風煮込み。イタリアで最も感動したズッキーニ料理。

イタリアで食べたズッキーニ料理の中で最も感動したのがこれ。多分ズッキーニの一番美味しい食べ方なんじゃないかと思う。ズッキーニといえばグリルにするのがイタリアでも一般的だし一番いい食べ方だと信じていたけれど、シチリアのおじいちゃんがブドウ畑の休憩小屋で作ってくれたこの煮込みは衝撃的に美味しかった。

赤唐辛子の利かせ方が絶妙で田舎パンを浸して何杯もおかわりしてしまいました。その時はペコリーノ・シチリアーノ(羊乳のチーズ)でしたがパルミジャーノで代用。チーズ味がズッキーニより前に出ないよう量を抑えること、たっぷり使うオリーブオイルは良いものを使うこと以外にはさしてポイントはなく、ただ蓋をして弱中火で30分煮込むだけの簡単料理。

ズッキーニをかなり沢山使うので(ガッカリするほど嵩が減ります)、ひとり3~4本は軽く消費できますよ。届いたばかりの中村恵子さんのインディゴ釉のうつわに映えて夏っぽい!冷やして食べても美味しいです。

では、早速レシピを。…レシピと呼べないくらいの簡単料理ですが、何度でも繰り返し作りたくなる夏の定番料理になってくれると思います。


Zucchine al vecchio contadino  農家のおじいちゃん風ズッキーニの煮込み* (*イタリアにはこの名前のレシピは存在しません)

ingredienti 材料 5~6人分
:ズッキーニ 中くらいのもの6~8本(1㎏~1.5㎏)、E.V.オリーブオイル大匙4、にんにく2かけ、塩大匙1、パルミジャーノチーズ30~50g(粉におろす)、輪切り赤唐辛子 お好みで

Preparazione 手順:
1,ズッキーニは洗ってひと口大の乱切りにする。

2,鍋にオリーブオイルと潰したニンニクを入れ弱火にかける。香りが出たらズッキーニを入れて全体に油をいきわたらせる。

3.蓋をして弱めの中火にかけて、10分おきくらいに下からよく混ぜながら30分程度煮込む。ズッキーニから水分が出るので焦げ付きません。ズッキーニの品種や鮮度などにより水分が少なく焦げ付きそうな場合は少しずつ水を足し焦げないように保つ。

4.ズッキーニに火が通り縁がトロトロとしてきたらチーズと赤唐辛子を加え、塩加減を確かめて足りなければ塩を足す(分量外)。蓋をして軽くひと煮立ちすれば出来上がり。熱々のところをパンを浸しながらスープのように食べても、冷やしてお惣菜にしても。

アレンジ:このままパスタソースにしても美味しいですし、海の幸と合うのでアサリのワイン蒸しやイカのサッと煮を加えてもとっても美味しい…のですがまずは純粋にこのズッキーニのクリーミーさを楽しんでみてください。

今回はいろいろな品種を混ぜて作りました。全部で1.3k。火の通り具合はバラバラでトロットロに煮崩れたところとホロっと身が残る感じと差があっても面白いので切り方も適当でOK。この料理、瑞々しく仕上げたいのでいつもは笹川流れの塩の花で作っていますが、今回は昆布塩を使用。ズッキーニって磯の香りがするので昆布は絶対に合う!と思って。美味しいお塩なら何でもいいですよ。

そういえば、ニンニクの下処理をする際によく「皮がむきにくい」と苦戦している方を見かけるのですが、イタリアの厨房ではみんなバン!と包丁で皮ごと潰してから皮を剥きます。早いですよ。

はじめはこんな感じですが10分ほどでこう↓なります。グツグツ、常に沸いているくらいの中火でOK。弱火でコトコト、というほどでもないのですぐに火が通ります。


30分ほど煮込むとこのくらいトロトロになりますのでおろしたチーズと輪切り唐辛子を投入します。

ちなみに今回はパルミジャーノ・レッジャーノを使用していますが、イタリアで食べた時にはペコリーノ・シチリアーノ(シチリアの羊乳のチーズ)でした。熟成しすぎていない美味しいものが見つかればぜひペコリーノでやってみてください。よりミルキーに仕上がります。チーズをおろす時に使うのはFDさんのオロシ。手早くサクサクおろせてふんわりした粉チーズができます。こびりつきにくい仕様でお湯で流しながらタワシで軽くこするだけできれいに洗えてしまうスグレモノです。
これで約30g。ズッキーニを楽しみたいのでチーズはあくまでコク出し程度。
そして、この料理の決め手でもあるのが実は赤唐辛子!ウチではやまつ辻田さんの国内産輪切り唐辛子を使っているのですが風味の良さはちょっと別格です。ここのものは何でも別格ですが。なんというか、やまつさんの鷹の爪に出会うまでは唐辛子だけでこうまで味に違いが出ると知りませんでした。そのくらい違います。マリチャのコショウに出会った時と同じくらいショックでした。そもそも鷹の爪というのが赤唐辛子の総称ではなく品種名だということを知ったのもやまつさんと出会ってから。本当の鷹の爪は小ぶりで房なりせず、一本の枝に赤い実がひとつっきりしかつかないのです。やまつさんでは創業以来100年以上種を取り継いでいる純血種の鷹の爪を使用。キッパリとした辛味と果実のような香りは他に類を見ません(詳しくはやまつさんの「あれもこれも鷹の爪にあらず」を参照)。噛んでしまった時でも辛いには辛いのですがとにかく後に残らずスキッと切れる辛さが心地よい!そして旨味さえ感じる深い味。エスニック料理などに使っても違いは歴然なのでぜひ一度お試しあれ。もちろんホールの鷹の爪をご自分で輪切りにしても同じ味わいです。面倒でなければ、ね。

塩でもオリーブオイルでも、良いものをお使いください。お料理が格段に美味しくなります。ここでのレシピの分量は上記の調味料を使っているため、量産品だとお伝えしたい味にはなりません。笹川流れのような甘みや旨味の強い塩に慣れていると、同じ感覚で量産品を使った時に塩味ばかりがキツく感じて失敗してしまいます。

同様に絶対に譲れないのがオリーブオイルの品質。オリーブって本当に栽培・収穫において人件費や管理費がとてつもなくかかるし、下手をするとワインよりもコストが嵩むのでは?というハイリスクな農産物なんです。シチリア島でオリーブの収穫をお手伝いして「これは高くても当たり前だわ」と想像以上の大変さに驚きました。やはりそれ相応のお値段を払わなければよいものには出会えません。一定以上の価格帯であれば必ずしも味わいが価格に比例するわけではないのですが、ある程度は仕方がないものと理解して欲しいです。ゴマ油などと一緒ですね。

シンプルなお料理なだけに、調味料とオイル選びは大切。ぜひ良質のものを使ってお試しいただきたいレシピです。

この記事をシェアする
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter

関連記事