食べるチョコレートから感じるチョコレートへ。広島USHIO CHOCOLATLE入荷。

久しぶりに、新規お取り扱いのお知らせです。

実はずっとずっと、ろばの家に置きたいチョコレートを探していました。今現在置かせていただいているのはイタリアのシチリア島にあるSabadiサバディ一社のみ。以前はDOMORIドモーリという同じくイタリアのチョコレートも扱っていたのですが、輸入元が変わってしまい取扱い終了となってしまいました。世界て初めてカカオ豆100%のチョコレートを世に知らしめたDOMORI。本物のカカオのクオリティーという点では群を抜いていました。それゆえに創始者が去って輸入元が取り扱いを中止してしまった時にはとても残念でした。サバディだけでも十分にカカオの魅力を堪能できる、楽しめる、とは確信しながらも、ここ最近のBean to barブームもあって新しい出会いには前向きでいようと、常に気にはしていたのです。かといって、言うほどあれこれ試食してきたわけではありませんが…。というのも、サバディほどの楽しさ、刺激を与えてくれるチョコレートには、そう簡単に出会えるはずがないと、なかば諦めていたというのが本音です。

でもいるんですね。ちゃんと。しかも、ぶっ飛んでるのが。

広島は尾道の、USHIO CHOCOLATLウシオチョコラトルさん。2014年に出来たというのですから、ろばの家と同い年です。なんとなく親しみを覚えてしまいました。

実は、3人いるという創業者のどなたにもお会いしたことがありません。さらに言うなら、広島の尾道どころか広島県自体、行ったことすらありません。このチョコレートの存在は、ママろばの旧友が「すごいチョコレートがある」と教えてくれたのでした。速攻彼女に頼んで、手に入る全てのチョコレートを取り寄せて食べてみました。

その時手に入ったのは、六角形の板チョコレートが6種類。産地別に国の名前がつけれられていて、ハイチ、ベトナム、グアテマラ、ガーナ、タンザニア。全て、カカオ豆とお砂糖だけを作って作られています。一枚だけ、コーヒー豆をブレンドしているコーヒーブレンド、というものがありました。ガーナとハイチだけは、粗く砕いたカカオ豆が入っているクランチタイプとスムースタイプの2種類あって、ほかは全てスムースタイプでした(下の画像2枚目がクランチタイプ)。


まず食べたのはハイチ。ひとかけ食べただけで、ビビッときました。口の中に爆発的に広がる果実味。すぐに思い出したのは、岸本恵理子さんのフォンダン・オ・ショコラのアマゾン&マダガスカルのローカカオケーキでした。甘酸っぱいファーストインパクトの後ろに、しっかりとカカオ豆の深み、コクがついてきます。

そして、ひと種類だけでなく、何種類か食べてみればその直感は、確信に変わりました。わたしたちがずっと探していたチョコレートには「美味しい」というだけでは十分ではなかったのです。「面白い!」という、背中がゾクゾクするほどのワクワク感。まるで個性の異なるワインの違いを楽しむように、官能と知性を同時に刺激されることの快感。

Bean to barという言葉で表されるように、自分たちでカカオ豆から加工する小さなチョコレートメーカーが出てきて、これだけ盛り上がりを見せている日本市場においては、美味しいチョコレート、クオリティーの高いチョコレートなど、沢山存在すると思います。他にもきっと、素晴らしいチョコレートが沢山あるのでしょう。

でもUSHIO CHOCOLATLのチョコレートを食べてみて受けた衝撃、高揚感は、単なる知識欲や、品質や味わいに対する賞賛とは、ちょっと種類の違うもののようでした。何だかわからないけれど、面白い。次に何が飛び出すのか、予測がつかない。もちろん美味しいし、カカオの質の高さという前提があってこそ、ここまではっきり産地による違いを楽しめるのでしょう。でも明らかにそれだけではない何かが感じられたのです。プラスアルファ的な要素が。カカオ豆そのものの味わいをダイレクトに感じるだけではなく、そこに、何か人間臭さというか泥臭さというか、情、のようなものまでもが閉じ込められている。必ずしもすべてのチョコレートが洗練された、綺麗な味わいなわけではないかもしれない。雑味もある。でも伝えたいものはストレートに届く。「ありのまま」を伝えたいという強い想い、懸命にもがく姿。それらを補ってまだ有り余る、莫大なパッション。会ったこともないのにそこまで特別に感じてしまうのは、後になって彼らがまったくの素人で、体当たりでカカオと取っ組み合ってきたことを知ってしまったからでしょうか。

あまりに面白いので、HPとかSNSとか調べてみますよね、当然。

…腰がくだけました。なんなんだ?これは??本気???…それとも、ふざけてる???

2014年、尾道に誕生した脳天直撃チョコレート工場USHIO CHOCOLATL (ウシオチョコラトル)。「知れば知るほどわからなくなる」そんなウシチョコの世界、とみずからのブログに書かれている通り、情報を得れば得るほど訳がわからなくなる、それほどぶっ飛んでいます。なにこのCCCって?ChemiCal Cookersケミカルクッカーズ?ラップやってる人たちなのかな?ウシオチョコラトルの創業者3人とDJのHIPHOPクランだそうで、ライブの情報ばかりアップされてるけど本業は歌手なの???疑問はどんどん大きくなるばかりです。若干、世代の違いのようなギャップも感じるノリだし…汗。一瞬、引いてしまいそうになりました。

取扱いが決まり、初めてのオーダーを出した際に現工場長だという女性とお電話で話す機会がありました。「オーナーさんは音楽好きなんですね?」と聞くと、

「違うんです。とにかく存在をアピールするのに、必至だっただけなんです。まったくのゼロからはじめて、無名の存在で。身体張ってラップで宣伝してみただけなんです。」というではありませんか。

…それは、確かにすごい。必死感、ハンパないです。身体張ってますね、文字通り。

でも「食べるチョコレートから、感じるチョコレートへ」という彼らのHPにあるフレーズは、妙に説得力があります。きっと彼ら自身理由もわからずに、産地やそれをつくる農家さんがどんな人であるかによっても変わるカカオ豆の個性、その不思議さにただひたすら感動しているのではないでしょうか。「難しいことなんていいからさ、とにかく感じてみてよ、ほら。」そう思いながら、祈るようにカカオ豆を砕いているのです。

HPには「輸入したカカオ豆を、選別、焙煎、殻を取り除く、擦り潰す、砂糖を加える、テンパリング、型に流す、冷やし固める、パッケージをする、販売。という行程を自分たちの手で行っています。ひとつの産地のチョコレートを販売するまでに1週間から10日間かかります。その工程の中に、自分たちの面白いをできるだけ詰め込んで、個性あふれる味やパッケージが楽しめるよう、毎日、歌いながら作っています。」と書いてあります。

「一番のアーティストはカカオ豆をつくる農家さん」

そう彼らが明言しているように、自分たちはただ、それをいかに損なわず、チョコレートになるまでテンションをキープしてあげるか、それだけに注力する。そして、まず、自分達自身が一番に、楽しむ。

彼らの楽しそうな様子は、チョコレートの味わいから伝わってきます。食べた人の驚く顔を、想像しながら歌っているのでしょう。例えば今回届いたガーナ。食べた時に「へえ、ココナツ入りのチョコも出してるんだね~」と原材料を見ると、カカオとオーガニックシュガーしか書いていない…ギョッ?としました。同様にベトナムも他の材料が入っていないなんてどうしても信じられなかった。チョコレートには、ブラジル産のオーガニックシュガーか、無農薬サトウキビからウシオチョコラトル用に作ってもらっている有機黒糖”和二盆”を使いわけているようです。コーヒーなどのブレンドチョコ以外、他の材料は一切入っていません。「絶対何かフルーツが入っている」そう思ってしまうほどフレッシュな果実の酸。ベトナムはドライクランベリーのチョコ掛けを齧っているようなはっきりした風味なのです。でも、それがベトナム産カカオの特徴かあ、ふむふむとメモするのは賢明ではありません。一般的にベトナムのカカオ豆は酸味があってフルーティーである、そう定義することはできる。でも、このチョコレートから感じられる、ヨーグルトのようにくすぐったい風味は、ベトナムのこの地方の、この農園の、下手をするとこの人が手に懸けたカカオ、でしか、表現できないのかもしれないのです。その条件が全て整っていてさえ、違う年、違う時期に収穫したカカオ豆は、また違った個性を持っているかもしれない。いや、実際持っているのです。とある瞬間、とあるシチュエーションでなければ実現できない一期一会的な出会い。まさに、セッション。だからこそ、奇跡のようなその一瞬のセッションに立ち会えることが貴重に思える。頭で食べるのではなく、感じるチョコレート。本当にその通りです。

身体を張ってはじめたライブ活動かもしれませんが、瞬間瞬間の出会い、セッションをライブで共有できることの喜びがすなわち、カカオ豆を作る農家さんへのリスペクトと同義なのではないでしょうか。

本当は自分たちが使うカカオ豆すべてをダイレクトトレードで、そうでない場合でも可能な限り有機栽培など環境に負担をかけない農法のものを選んでゆきたいと願っているものの、買い付けた豆だと完全にそれを保証しきれないという現実もあると、工場長が教えてくださいました。それで、オーガニック表記はしていないのだそう。

環境へ、地球へと目を向けること。世界中の人に愛されるチョコレートを、誰にでも、どんな人にでも楽しんでもらうこと。彼らの夢は、どんどん広がってゆきます。2018年に広島空港にオープンしたファクトリーで作られるチョコレート、foochocolatersのラインは、完全にヴィーガンチョコ。動物性の原材料を排し植物性原材料100%。それでいてきちんとカカオの風味を楽しめるチョコレートを作りだしました。空港という、世界中の人が行き来する場だからこそ生まれたアイディアなのかもしれません。その、柔軟性にまた驚かされます。そして、もっともっと驚かされること。それはヴィーガンでも食べられるチョコレートでありながら、ヴィーガンじゃない人だって食べたくて仕方がない味になっていることです。正直、ホワイトチョコレートなんて一生食べなくていいと、わたくしママろば心に決めておりました。だって脂っこいんですもの。そして、大味なんですもの。ところがこのヴィーガンシリーズのNEU、カカオバターとカシューナッツと砂糖だけで、ミルクティーのような上品な甘さと繊細な口どけのチョコレートに生まれ変わっているのです。特定の人しか興味を持ってもらえなくなるから、ヴィーガンとうたわないでくれと懇願してしまいそうになったくらいです。同様にPANはカシューナッツをカカオにブレンドして、まるでイタリアのジャンドゥイヤのように濃厚な、ねっとりとしたナッツ風味を楽しめるミルクチョコレートに。そこに熟成ほうじ茶をブレンドしたCHAは、茶葉そのものを齧っているかのような渋みと芳香がカカオの風味と拮抗していて、食後の一服代わりになってしまうほどの満足感。昔から、ヴィーガン向けの代用思想になじめなくて「お肉の代わり」とか「バターの代わり」という発想のお料理がどうしても苦手でした。そういう但し書きなしに「これが美味しいから」と作った味が欲しいのだ、と。実は今回、foochocolatersラインは一度も試したことがないままオーダーしていたので「産地別のウシオチョコより少な目でいいや」と思っていたのですが、心地よく裏切られました(笑)。

「現在、全てのカカオ豆を直接仕入れているわけではないですが、まだ見ぬ最高の作り手と出会うために、旅を続けます。」この、もっと成長したいという思いが、彼らの原動力なのだ。若々しく張りのある工場長の声や愛溢れる説明書きなどを眺めるにつけ、わたしたちもまたずっと彼らの軌跡を追い、その出会いをライブで楽しんでみたい、そう願わずにはいられませんでした。ああ、早く彼らに会って直接話をしてみたい!

この感動を皆さんとも共有したい。まずは、産地や説明を読まず、自由に感じてみてください。「カカオって、こんなに楽しいものだったんだ!」そう感じてもらえたら、心から嬉しいです。

頭から入らず、身体で感じて欲しいので産地別に食べ比べができるセットを組みました。
ぜひ、パッケージを開いた瞬間聞こえて来る彼らのさまざまな歌声に、耳を傾けてみてください。

USHIOCHOCOLATLが現在リリース(2019年7月25日現在)しているタブレットは以下の6種。種類ごとにデザインが違うパッケージは六角形で組み合わせるとモザイクのよう。ゆかりのあるアーティストに依頼してデザインしてもらった作品を採用しているのだそう。下の画像上段左からタンザニア、グアテマラ、ハイチ、下段左からコーヒーブレンド、ガーナ、ベトナム。ハイチとガーナはスムースタイプとクランチタイプの2種があり、カカオ豆の粒の粗さが違うだけでも風味が変わるため、食べ比べSetでは両方お試しいただける8枚セットも組みました。

USHIO CHOCOLATL 全種食べ比べ8枚Set

fooCHOCOLATERSのラインナップは3種(2019年7月25日現在)
こちらも食べ比べSetをつくりました。ヴィーガンじゃない方もぜひ体験してほしい、新しいカカオのアプローチです。
foo CHOCOLATERS NEU &PAN&CHA 3枚Set

USHIO CHOCOLATLウシオチョコラトルの全ラインナップはコチラです。

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