食卓に微笑みと明るさを添える、沼田智也さんの楽しい絵付け。
ごはん党…と言わず、ろばの家ではもうすっかりおなじみですね。沼田智也さんです。
毎回、展示に沼田さんが入ると会場が華やぐのです。クスッという小さな笑いが生まれる瞬間さえある。そう、沼田さんの絵付けは古典の写しでさえも、よく見るとフッと面白い要素が隠されていたり、伝統柄ではありえないモチーフが登場したりと、遊び心が満載です。手法もスタイルもクラッシックで由緒正しき風格を漂わせているのに、どこかすっとぼけている。垢抜けた感じがするのは、絵付けといっても淡い色調で古陶のように地の色と馴染んでいるからでしょうか。お料理を盛っても柄だけが主張しすぎることがなく、自然とまわりにとけこんでしまうのです。だから、いかにも和食という正統派のお料理からエスニック、イタリア料理まで応用範囲が広い。まるで、誰とでもすぐにお友達になってしまう沼田さんご本人のよう(笑)。タコやUFOなどアクの強いモチーフを描いても、全体の雰囲気は落ち着いているので一瞬見逃してしまいそうになります。「あれ?よく見るとクラゲじゃない?」「…もしかしてこれは、お化けでは…ん?それともオタマジャクシ?」と、後で気が付く場合も。同じような柄のものでも、一枚一枚見比べてみると季節が違ったり、何かアクセントとなるモチーフが加えれれていたり、心憎いアレンジが。なんだか間違い探しのようです。
沼田さんの作品を手に取る方の中には「実はこれまで柄のついたお皿は敬遠していたんですけど…。」という人が結構多いのです。そういうワタシたちも、沼田さんのお皿に出会うまでは、どうもしっくりくるものに出会えず絵付けを避けていました。はじめて食卓にとり入れた染付が、沼田さんの作品だったのです。そして一枚手にしてしまうと、次々に柄違いで欲しくなってしまうのも、沼田さんならでは。すっかり定番化したお多福文シリーズに、こんな強欲なバージョンまで登場してしまいました。円、ドル、ユーロ…どの通貨にも目がなさそうですね(笑)。
もちろん、すっとぼけシリーズだけではなく、相変わらずの耽美な絵柄の作品も健在です。海月(くらげ)、蛍…定番の花唐草。儚げな雰囲気が、沼田さんファンにはたまりません。
”やっぱり”どころかゴリゴリのごはん党。”No rice, No Life”、ナチュラルボーンごはん党です!と自ら宣言するほどの筋金入りのごはん好き、沼田さんはごはんアンケートもすごい熱量!ほんと、なんでも全力でとことん楽しむ、楽しめるタイプの人なんですよね。
海も山もある風光明媚な高萩という地で、とことん遊び、とことん真剣に面白みを追求して、とことん、食べることを楽しんで。そんな人のつくるうつわが、乗せる食べ物を拒むわけがありませんよね。なんだって美味しそうに、特別そうに見せてくれる。それって実は、すごいことだと思うのです。
◎期間限定『あんしんの食卓』沼田智也さんのページはコチラです。
沼田智也さんの好きなごはん、お味噌汁
Q1、
—秋刀魚の塩焼き!
そして絶対におろしを添えたいです。旬の時期なら毎日でも文句言いません‼︎
歳と共にさかながとりわけ美味しく感じるようになりました。時々隣町の魚市場にいきます。あがってるものをみて
選ぶ魚は格別ですね!そして夏は自ら海に銛を持って潜り、獲ったど生活に勤しみました。
今年は蛸や鮎魚女(あいなめ)などが獲れました!
Q2、ご出身は?
—茨城県高萩市です。
海も山もあるとてもよいところですよ〜
Q3、ご出身地もしくは現在暮らしている地方の郷土料理、
—納豆!これはもー説明不要でしょー。
鮟鱇鍋‼︎鮟鱇と白菜などを水なしで炊いて、それらの水分で鍋にするものをどぶ汁と言います。
Q4、ご家庭のお味噌汁は、何出汁+何味噌が基本ですか?
—かつお出汁orこんぶ出汁+赤味噌
Q5、お味噌汁の具で好きなものを好きな順にあげてください。
—1位:ねぎ
—2位:豆腐
—3位:三つ葉
Q6、お味噌汁はお好きですか?
—だいすきです!
和食なら基本的に味噌汁もつくります‼︎
Q7、ご自身の出身地、
—けんちん汁ですね。農家が多いからでしょうか。
野菜がたーくさんはいっていてとってもヘルシーです!
Q8、これまでの人生で見聞きした、
—変わってはいないですが、新潟で食べた海老の頭がはいった味噌汁がすんごい美味しかったです。
なんと海老の頭を軽く噛んで海老味噌もじゅっと吸っていただきます。海老出汁めっちゃ効いてて最高でしたー。
Q9、今回のごはん党のテーマは、「ごはんは、
—最近はリゾットにハマりがちです。
ごはん炊くより早いので、お腹すいたのにごはん炊いてへんやん!ってとき助かります。
お米は洗わず、ニンニクとオリーブオイルで米の色が変わるまでしっかり炒め、白ワイン、ブイヨン、水をひたひたくらいに入れて弱火でことこと煮ていきます。水が減ったら時々足してあげます。
コツは「かき混ぜない」こと。
かき混ぜるとお米の粘りがでてきてサラッとしたリゾットになりません。。。
味見してお米がアルデンテなカンジになったら出来上がり!我が家の庭には今、バジル、パクチー、シソなどが生えているので、それらをちぎってリゾットに添えるとさらに美味です。
…おお、なんだかごはん党も幹部までいくと相当スキルが上がってくるようですね。リゾットがお得意料理とは、かなりの変化球で来ましたね~。熱のこもったアンケート、ありがとうございました!!
それこそお出汁の効いた炊き合わせを盛っても、リゾットを盛っても、しっとり見せてくれそうな沼田さんのうつわ。ぜひ一つひとつ、見比べてみてください。手に取る度にワクワクしてしまう、そんな魅力的な作品ばかりです。
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