ワンダフルキッチンのワンシーンより。毎日の食卓がずっとワクワク。


いよいよはじまりました。壷田亜矢さん、和宏さんご夫妻による『ワンダフルキッチン』。

この展示が決まって割と早い段階で、突然頭の中に「ワンダフル」という言葉が浮かんできました。それ以来、その言葉が頭の中にこびりついてしまったのです。そして最終的に企画のタイトルにまでつけてしまいました。

お二人の作品は同じ形、仕様で作っていてもひとつひとつが別個の個性を持っていて、さながら人間のよう。この子はちょっとやんちゃな表情だ、この子はずいぶんおっとりしてるな、などなど見飽きることがありません。見れば見るほど、口をきき始めそうな気がしてくるほどリアルな表情で語りかけてきます。その個性豊かな様子をあらわすのに「ワンダフル」ほどしっくりくる言葉を思いつけませんでした。
ワンダフル、ってなんだか楽しそうな響きじゃありませんか? それになんとなく、ひとりひとりの個性を尊重しているかのような響きを含んでいるような気がするのです。みんなみんな、ワンダフルだよって。


そのワンダフルな作品たちが飛び出してきた薪窯は、こんな様子です。画像は亜矢さん・和宏さんにお借りしました。3枚目の画像が窯の一番奥の棚、2枚目の画像はその一段手前、その手前の棚の前にも石が置いてあるのが見えると思うのですが、そこにも作品を詰めこまれていた棚の足の形跡がありますよね?一枚目の画像はまだ窯焚き途中です。焼きあがった作品を取り出し、棚を崩し、奥へ進んでゆきながらお二人はどんなお気持ちで出来上がった作品を眺めるのでしょうか。

穴窯と呼ばれる窯は手前と奥、置かれる棚の場所によっても温度や炎のまわり方、酸素の量など様々な条件が変わり、また薪窯特有の灰の影響もあるので同じ土、釉薬であっても異なる表情が見られる偶然性の高い窯。作っているお二人ご自身も、焼きあがって窯を開けてみるまで想像できない部分も多い未知の世界。まさにワンダーランドです。

窯の性格上、いうなればすべての作品が一点ものとなるわけですが、そこを考慮したとしてもまだ説明しきれない、それぞれに生き生きと輝くようなd個性。ただ同じようなサイズの取り皿を何枚か選ぶだけでも、ひとつひとつじっくり向き合ってしまいます。どの子も魅力的で選ぶのが一苦労、といった感じです。

本当にどれもこれもワンダフルな作品ばかりなのですが、まずは毎日食卓に並べられるお皿や鉢、そして日々の相棒となるマグカップとしてはこれほど個性的な子はそういないだろう、というびょ~んマグなど『ワンダフルキッチン』の見どころをご紹介してゆきましょう。すべてご紹介できないことが残念なほどどの子も素敵なのですが。


こんな取り皿やボウルをそろえておけば、気を張らずにウチの毎日のご飯がおもてなし料理に。

サラダボウルや取り皿、ワンプレートとしても使えるサイズのお皿、4人分のおかずも盛れる鉢などは、毎日使う出番の多いうつわです。ろばのウチでも亜矢さんの白磁のサラダボウルを愛用しているのですが、陶器のサラダボウルは大ぶりなものがひとつあると本当に便利。ボウルの中で直接ドレッシングをかけ、調理道具のひとつとしても使っています。ザックリ混ぜたらそのまま食卓へ。やはり大地で育った作物たちは、土が恋しいのでしょうか。いつも思っていたのですが、なんだかステンレスやガラスのボウルに入っている時より野菜たちが生き生きして見えるのです。もしかすると、陶器が若干でも水気を保持できるからなのかもしれませんね。

大きなお皿にサラダやお惣菜をたっぷりと盛りつけたら、あとは各自取り皿に自分が食べたい分だけ取り分ける。ろばのウチでもそうなのですが、この取り分けスタイルは壷田家にお邪魔した時の食卓でも同じで、いつもドンドンとお料理が大鉢や大皿に盛られ、各自取り分けていただいていました。その時に出てきていた取り皿がどれもこれもちょうどよかったのです。何種類かお惣菜を取り分けるのに、縁が少しだけでも立ち上がっていると、汁気のあるお惣菜も一緒に盛れて具合が良い。大きさも、食卓に3~4種類のお料理が出ているなら直径20㎝前後で充分だし、もう少し張り切って何品かプラスするような時には取り皿も25㎝以上ある大ぶりなものだと、ワンプレートランチのようにおにぎりやパンなどの主食も一緒に盛り合わせることができます。このわずかな立ち上がりは大事だなあ、と毎食毎食亜矢さんと和宏さんの美味しい手料理を取り分けていただく度に感じていました。
壷田家の食器棚にも、この手の取り皿用のお皿が何枚も重ねてありました。家族で食べるのにも、お客様が入って少し大人数になる時にも、取り皿となる平皿さえ数をそろえてあれば、あとはいつも使っている鉢や大皿にお料理をドンドドンと盛りつけるだけでおもてなしの食卓は完成です。数を揃えるようなうつわは、シンプルな色、飽きのこない形がいい。そして、使い込むほど味が出てくる素材で、縁が欠けたとしてもそれが味になっていくような素材や、キッチリ決まりすぎていない素朴な形だとなお使いやすいですよね。取り皿のように毎日、下手すると朝昼晩三食ヘビーに使うようなお皿は扱いの楽さは絶対条件だと思います。下の土釉平たたき皿は、今回取り皿に使ったもの。焼き締めのような質感の土の素朴な色合いは、使い込むほどに鈍い艶が出てきてワントーン落ち着き、よい味が出てきます。シンプルなのに素朴な温かさがあり、ずっと飽きずに毎日使えるお皿ってこういうものだなあとつくづく思えます。

下は鉄釉のお皿。冒頭の画像でちかえりとゴーヤの炒めものを盛っているお皿です。このサイズだと数名で分ける盛り皿としても、あれこれ取り分けられる取り皿としても使え、幅広く使いまわせます。一枚一枚鉄釉の色合いが違い、枚数を揃えておいても毎日使っていればどれが自分のものか一発で見分けられそう(笑)。

そして今回、一枚一枚梱包を解いていってその同じサイズのお皿がすべて形違いで届いていることに気が付いてしまった瞬間思わず「なんてワンダフル!」と震えてしまったのがこの白磁のお皿。すべてデザインが違います。これを全部揃えて取り皿にしたら…想像するだけで楽しくなってしまいます。シンプルな白磁だからこそ効いてくる遊び。ぽってりとした感じもたまらないですよね。



ワンダフルな食卓の秘密は、ところどころに入る高さのアクセント。


壷田家の食卓で何度も登場していた高坏(たかつき)。足のついたお皿や杯のことです。白磁の高坏にちょこっとお漬物を乗せたり、逆に平たいカッティングボードにチーズや果物を添えたり、高さの違ううつわが間に混じるだけで、途端に食卓にメリハリが出ます。はじめて壷田家にお邪魔して以来、この高坏を日常の食卓で使うという技にすっかり魅せられてしまいました。それまではちょっとかしこまった、祝祭的なイメージの強かった高坏。壷田家ではチーズや食後の果物やを盛りつけたり、お漬物を出したり、みんなが手を伸ばしたくなるお料理にさりげなく使っていて、感動したものです。

これはもう、ひとつあるとそれだけで食卓が特別な印象になります。ワンダフル高坏なのです。

ほら、今回わたしが勝手にワンダフルキムチと命名して(なんでもワンダフルをつけちゃってます)おすすめしまくっている白飯家さんのキムチも、こんなに特別な感じに。*キムチはオンラインでも販売予定です。もう少しお待ちくださいね。

なかなか手を伸ばす機会の少ない高坏。この機会にぜひ毎日の食卓に取り入れてみては?

 


そしてもちろん、びょ~んカップは相変わらず存在感大。


壷田さんと言えば…ですよね?お待お待ちかね、びょ~~んカップです。え?どうして「びょ~ん」かって?まあ、これもわたしが勝手に呼び始めてしまったのですが、ほら。

びょ~~ん!…という感じでしょう?

こんなにインパクト大なマグカップ、それまで出会ったことがなかったのです。でも、一度使い始めるとあまりにも使い心地がよく安定感抜群。もう、ナチュラルすぎてこの持ち手じゃないと不便に感じるほど(笑)…というのは大げさかもしれませんが、毎朝カフェラテを飲むのに愛用しております。

とても安定しているので、パソコン作業をしながらでも、読書をしながらでも、よそ見をしたままでパッと手に取ることができる。

飲むときなぜか姿勢を正してしまう気がするのはきっと、持つとき若干肘を上げるような恰好になるからかも。はじめて飲むときだけ、いつもとは違うそのポジションに戸惑いますが、すぐに全く違和感がなくなります。そして、その角度が一番落ち着く飲み方になってしまう。。。

このカップを見るといつも思い出す、亜矢さんから聞いた可愛らしいエピソード。このHPでもびょ~んカップが入荷するたびにご紹介しておりますが、はじめて見る方もいると思うので何度でも。

壷田家の二男君(現在大学2年生)がまだ小さかった頃、お友達の家から戻って来るなり興奮して
「お母さん、お母さん、〇〇くんのお家、こん~~なにちっちゃな持ち手のカップでみんな飲んでるんだよ。」と…。

「いや、そっちがフツーだがな。」
と笑ったというお話…。大きな取っ手のマグばかり見て育ってきた彼には、普通のカップがさぞ、ちまちま持ちにくそうに見えたのでしょうね(笑)。



どの子も本当に愛らしいのですが、マグカップほど相棒感の強いアイテムはなかなかないので、皆さんどうかたっぷり悩んじゃってください(笑)。

 

ツールスタンドにチーズボード。わき役の小物たちもワンダフル。


数は少ないのですがツールスタンドやチーズボード、すり鉢などのキッチン小道具も届いています。なにからなにまでワンダフルで、壷田家のキッチンを思い出してしまいます。ツールスタンドはどれも沢山ツールを立てられる口の広い形。あの、ツールが収まらずに窮屈になってしまい、一本引き出すと他のものまで一緒に飛び出してしまう時の不快さったらないですよね。

陶器のツールスタンドは火の周りで使っても熱くならず、また常にカラリと乾いた状態を保てるので竹や木のツールがカビにくく衛生的。白磁と焼き締めが届いていて、どちらも使いやすく口の広いタイプです。

今回はじめて登場したチーズボード!愛らしすぎます。チーズやサラミをサッと切ってテーブルにそのまま出したり、果物や和菓子を乗せてプレートとして使ったり、アイディア次第でとっても素敵なテーブルのわき役になってくれそう。吊るしておいてもかわいい!

壷田家のワンダフルなキッチンを再現すべく、展示の一角を台所に見立ててディスプレイしているのですがなぜかあのDM(実際に壷田家のキッチンを撮影していただきました)のような雰囲気にはならないのですね。そう、やっぱりワンダフルなお道具をそろえるだけではワンダフルキッチンはできません。

長い年月使い込むことで、どんどん増してゆく魅力と愛着。毎日の暮らしにすっかり溶け込んで、なくてはならないような大切な存在になる。お気に入りの道具たちに囲まれてごはん支度をする。その台所に立つときの、満たされた気持ち。そこがあなたのワンダフルキッチンなのです。

 

『ワンダフルキッチン 壷田亜矢・和宏陶展』のOnlineページはコチラから。
*土鍋、オーブンウエアなど耐熱のうつわは次回の掲載となります。

この記事をシェアする
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter

関連記事