シモヤユミコさんの白い?うつわが届きました。

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笠間で作陶する、シモヤユミコさん。しばらく休業されていたので、ろばの家でも長い間シモヤさんの作品が無い状態で、多くの方からお問い合わせやご予約をいただいていました。

お店で色々な作家さんのうつわを並べていると、その個性の違いにつくづく驚かされるのですが、様々な土や釉薬の種類、焼成技術、その無数の組み合わせがあって、その上で出来上がった作品のフォルムや質感も無数にあり、最終的にその個性を決定する要素はさまざまあると思います。でも、こうして実際に作品を手に取り、棚に並べる作業に集中していると、シモヤさんの作品のパーソナリティの決め手となる要素は、個人的には質感じゃないかな~と感じてしまいます。

なでなで…すべすべ。とにかくずっとなでまわしてしまう気持ち良さ。見た目は温かそうな質感なのに、実際触るとちょっとヒンヤリ感じます。水を打ったあとの道路のような涼しさで、冷たい、というのとはちょっと違うのですが、言葉ではうまく伝えられそうにありません。

以前、はじめてシモヤさんの作品をろばの家で紹介させていただいたときに〝波に洗われたテトラポットのような肌質”と表現した覚えがあります。実際に濡れているわけはないのですが、すべすべした河原の石に、水がしみ込んでいるように見えるのです。ポツン、ポツンとまばらに飛ぶ黒いホールや、白(実際には明るい灰色なのですが)にポッと蛍の灯のように時折浮かぶ黄色い斑点。まさにテトラポットのようですが、コンクリート製というよりは自然の河原の丸い石の方が、実際触った時のきめ細かな質感に近い気がします。同じデザインのものでも本当に表情がひとつひとつ違い、一番のお気に入りを選ぶのがまた楽しいのです。

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パパろばと一緒に、工房で作品を見せて頂いたときにも、頼んでいたものがお店に届いたときでも、お互いに「わたしはコレ」「え~俺は断然こっちだな~」とそれぞれマイベストを決めて、それが売れたら売れたで「ほら、やっぱりアレから一番先に売れた」と自慢してみたり「あ~一番のお気に入りだったのに…。」と嘆いてみたりと、まあ勝手に騒いでいるわけです。「コレだな~」と一方が言うと「だよね!」と合致してしまうこともしばしばで、そんな時には二人して一番目立つところにその作品を祀り上げては、「やっぱキレイだよね~」といつまでも遠目から作品を眺めてうんうん頷きあったりもしています。…っていうか、仕事しなよ、と言われてしまいそうですが(笑)。

もし、お店でシモヤさんの作品を手に取られた時、わたくしママろばか、パパろば(もしくは二人同時)かが、ぎくっとしながらも必死にポーカーフェイスを気取っていたら、それはどちらかの(もしくは二人の)マイベストなのかもしれませんよ…なんて。もちろん遠慮なくお好きなものを選んでくださいね(笑)。自分たちの好きなものだけを選んでお店に並べる、と聞くと大変シアワセな仕事のようですが、そして実際シアワセだよなあと思ってはいるのですが、自分でも欲しいものを並べていると、まあ毎日いろいろな葛藤があります。「売れてほしい、でも、売れると寂しい」「自分用に買いたい、でも買ってしまうとお客様の分がなくなってしまう」など、悩ましい毎日を過ごしております。まあ、この世の中で起きている様々な痛ましい事件や現象を考えれば、あまりにも幸せなというか、ノーテンキな悩みですが。

今回の入荷では、ポットや飯椀などの鎬が、ことさら美しく感じられました。

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そして、お待たせいたしました。沢山の方からご予約や、入荷したら教えてほしい!とお願いされていた波面取りの小さなボールも入荷してきました。お店に作品がなかったのにどうして皆さんそれを望まれたのかというと、当店で温かいカフェラテをオーダーしていただくと、シモヤさんのそのボールで出すことが多かったからなんですね。はじめは、カフェラテを取っ手のないボールで出すということにとても抵抗があったのですが、実際それで飲んでみると取っ手がなくても面取りの凹凸が手によくなじみ、とても持ちやすいのです。お茶と相性がよいことは容易に想像がついたのですが、こうしてカフェラテを入れてもしっくりくるのには驚きました。「はい、こちらがカフェラテになります」とテーブルに置いたとたん歓声があがり、「写真撮ってもいいですか?」と聞かれることもしばしば。さらに、一口飲むと「口当たりがいい」と、実際飲んだ方からの評判もとても良かった。このサイズだと小鉢にもいいですね、ともよく言われました。いろんな使い方が容易に想像できる、というのはよいうつわを選ぶ大切な条件だと思っています。

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個人的には、しっとりとした質感が伝わりやすい、プレーンな削りの入っていないものが好きなのですが、こうしてズラリと並べてみると波面取りやしのぎ、さざ波なども美しくて甲乙つけがたく、これは選ぶの大変だろうなあ~と人事ながら心配しています。ボールはプレーンが好き、飯椀は鎬がいい、そばちょこにはさざ波が映えるよね、など削りの入り方と形の相性についてもパパろばと意見が分かれたり、合致したりとさまざまで、おそらくその好みはお客様によっても違うのだから、それを色々作り分けるシモヤさんってやっぱりスゴイなあ、といつも最後には作家さんの手仕事に感嘆してしまうのです。だって、それだけ違いがあるのに、どれもひとつひとつシモヤさんらしい作品に仕上がっているのですから。ひと削りひと削り、しっかりシモヤユミコさんのDNAが彫り込まれているのかと思うと、どの模様もより一層、生き生きと感じられてくるのです。

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シモヤさんは、自分の作品はあくまで手作業の範疇にあるもので、ひとつひとつ仕上がりも、質感も違うため基本的にインターネットでの販売は難しいものとして対面販売を希望されています。ぜひ、実際に店頭で実物をひとつひとつ触ってみて、ご自分の手にもっともなじむものを選んでいただければ、と思います。パパろば、ママろばがその後ろでビクビクしていても、どうかお気になさらずに!

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