冷たいはずの金属にやさしいひとの手の痕跡を。ヘラ絞りの生活道具。

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夏はメタルです。パンテラとかスレイヤーとかのヘヴィなメタルではなく、金属のお話です。涼しげな夏を演出してくれる、ガラス以外の新しい選択肢です。

薄い陶器のようでもあり、漆器のようにも見えます。でも素材はステンレス。Onamiオーナミというヘラ絞りのメーカーのものです。当店でもロックグラスやタンブラーでカフェラテなどの冷たいドリンクを出していて、オープン以来使っているので愛用歴は4年目に入りました。写真のトレイもその時から毎日使って、かなりよい感じに変化してきました。一見何の変哲もないプレーンな形のトレイに見えますが、縁のカーブの角度が絶妙で手で持った時ぴたりと指がはまり、気持ちがよいのです。

アイスカフェラテをタンブラーで出すと口に運ぶ前に「わ、すごいヒンヤリ!」とみなさん驚かれるのですが、続いてひと口飲んでみた時に「口当たりがやわらかい」という点に、そして、何と言っても「相当長い時間氷が溶けない!」という点に、さらにびっくりしていただけるようです。

「こ~れはビールに最高だね」と言って選ぶ方が多いのは、やはりこの冷え冷え感が決めてなんだと思います。実際相当冷たいままですからね。当店から徒歩4分の距離にあるつくばの名店、スコティッシュパブFinlagganフィンラガンの店主さんはこの点に惚れ込んで、ジントニックを出すのにこのタンブラーを使ってくださっています。

余談ですが、シュバルツヴァルドという蒸留所のモンキー47というドライジンは、腰が抜けるほど美味しいですね。あの透明感ある香り!!蒸留酒は苦手なママろばも、コルクを抜いてボトルから香りをひと嗅ぎしただけで、これまで飲んだすべてのジンはなんだったんだろうと思ってしまいました。あれはスゴイ。現在はオーナーが変わってしまい、もともといた蒸留家は辞めてしまったということなので、今出ているものが同じ雰囲気なのかどうかはわかりませんが、それ以前のボトルを見つけたらぜひ試してみていただきたいです。…と、話がそれてしまいましたが、そのフィンラガンでは、このモンキー47を使ったジントニックをシルキーのタンブラーで出しているのです。飲んでいる間いつまでも氷が溶けないので、シャープなジンの味がずっとクリアに感じられて、感動的だったそうです。…いつもパパろばがすいい~っと吸いこまれるように寄り道してしまうパブなので、これはパパろば談です(笑)。
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繊細なグラスで楽しみたいところのカクテルですが、このタンブラーは唇に添うような微妙なカーブから流れるように液体を運ぶため、金属であることに違和感を覚えません。長時間冷たいままで、常にはじめのひと口のような新鮮さを与えてくれるなんてお酒好きにはたまらない美点です。お酒やドリンクだけではなく、シャーベットやアイスクリームなども溶けにくいし、サラダや冷菜などお料理にも使えていろいろアイデアが広がります。アイスクリームを入れる金属のカップというのもあまり芸がないというか、同じような形のものばかりなので、こんなシックななうつわがあると新鮮ですよね。ヴェッキオ・サンペーリをかけるとかして、がぜんオトナなジェラートをよそいたくなります。わ、今そう言っていて思ったのだけれど、キンキンに冷やしたメロンとかのフルーツにこのジンをかけて出したら反則技になりそう!!あ、またまた話がそれてしまいました。。。

Onamiのデザインを手掛ける山崎義樹さんがはじめてヘラ絞りの現場を見たときに感じたのは「まるで陶芸のようだ」という印象だったそうです。原型となる雄型を旋盤にセットして鉄板をかぶせ、そこに形の異なるヘラを人の手であてがってろくろのように成形してゆくヘラ絞り。大量生産のステンレス製品のように金型でガシャンガシャンと次々に成型されていくものと違い、ひとつひとつ職人さんが形を絞ってゆくので仕上げのラインに微妙なゆらぎが生じ、それが金属のシャープなフォルムにやわらかさを与えています。独特のやさしい口当たりも、このヘラ絞りという手仕事だからこそ生まれるのです。

作家さんが作る陶器のうつわのように、よく見るとひとつひとつ個体差があり、ヘラ目ひとつとっても、ふたつと同じものはありません。そして、これまでヘラ絞りでつくられていたステンレス製品がヘラの跡を消してピカピカに磨き上げ、機械で磨いたようなミラー仕上げにするのが常識だったものを、敢えて手の跡を残し、ヘラ目ならではの特徴を生かしたデザインにしたのがこのOnamiブランドなのです。

夏にはガラス、と考えてしまいがちでしたが、さらに涼しげな効果が新鮮なOnamiのヘラ絞り。昔ながらの職人の手仕事を、そこにちゃんとスポットがあたるようにと毎日の生活の中で使える道具として展開しています。ロックグラスやタンブラーだけでなく、トレイやサイズ違いのボールなどがあり、木を組み合わせたツールスタンドなども作っています。

色は、ステンレスそのままの色を研磨せずに光沢を押さえて仕上げたシルキー、生漆を焼き付けたウス茶やウス茶にさらにオハグロ液でムラを出し、漆で仕上げたウス茶オハグロ、黒い漆を焼き付けた黒茶などは本当に漆器のようなしっとり感です。

ボールはサラダやお惣菜、果物、ヨーグルトなどにも使え、もちろんチップスやお菓子などにも便利。色のあるものは漆で仕上げているので、扱い的にはガラスや漆器と同じです。ただし、割れない。落とそうが踏みつけようが、まず割れることはないので食卓にそのまま出せる姿の良いステンレスボールととらえるも、壊れないガラスか漆器と考えるもよし。子どもにも気兼ねなくひとりで持たせておけます。タンブラーをアウトドア用として愛用している人がいるのも頷けます。

シルキーはあえて傷がつきやすい柔らかい表面加工になっているので、使い込むとアルミ製品のようなくたびれ感がでてきて良い味になってゆきます。ウス茶やブラックも、光沢を増してきたり薄れてきたりする部分が出てくるはずで、いずれの色も表情の変化を時間とともに楽しめるというところも、まさに陶器のよう。

時間のかかる手仕事、さらに漆仕上げと、多少コストに反映してしまいますがその分長く、さまざまな用途に使えるのできっと納得感を持って付き合っていただけると思います。

現在実店舗には8月末までの夏限定で、タンブラーとロックグラス、ボール、ツールスタンドなど、一部色が全色揃わないアイテムもありますがほぼ全ラインナップを実際に手に取ってご覧いただけます。そして、アイスカフェラテを店内でご注文いただければ、その口当たりと冷え冷え感を実感していただけます。お近くの方は期間中にぜひお立ち寄りください。

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Onamiのヘラ絞りの生活道具を『夏を愉しむ』アイテムのページに加えました。ほかにも涼しげなアイテムがいっぱいですよ~。
https://68house.stores.jp/?category_id=5940d320428f2d5af100015d

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