村上雄一さんの工房へ

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岐阜県土岐市で作陶される村上雄一さん。まだお店での取扱いはないのですが、村上さんが作るうつわをずうっと見てみたかった私パパろば。せっかく岐阜に行くのだから、連絡してみよう!と電話で突撃アポ。

7月下旬の土岐。とにかく暑い…あつい、あつい、あづい~。駅から散歩がてら歩いて行こうかなんて気持ちが一瞬にして蒸発してしまいました。こんな中歩いて行ったら、工房に着く前にこっちが倒れてしまいそう…そんな訳でタクシー乗り場へ直行。

工房に到着すると、爽やかな笑顔で村上さんが迎えてくれました。

想像していたよりも若く、好青年といった印象の村上さん。村上さんの作るうつわから凛とした印象を感じたので、もしやちょっとストイックすぎて近寄りがたい人だったりして…なんて勝手に想像していたけどとても気さくな方で安心…。念願の作品ともやっと対面できて、高鳴る気持ちを抑えながら見せて頂く。ああ、どれもこれも素敵だ~、と思いながらひとつひとつ見ていると、「良かったら工房も見ていきますか?」と村上さん。

見せて頂けるのなら見たいです!と即答し工房へ。まず彼が手に取って見せてくれたのは次の展示に出す予定の鳩の醤油差し。すぐに鳩とはわからなかったけど、言われてみるとコロンとした愛嬌のある形は鳩。でも、洗練されたラインだ。

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「こんな風に新しく作る形のものは、今日はこれやってみよう、みたいな感じでいきなりやってみたりとかするんですか?」と聞くと、「そうゆうやり方にしようと思ったこともありましたが、こうした方がいいかな?とか繰り返しているうちに、結局何もできていない事があるというか、横道にそれてしまったりで…。今は頭でイメージしたものを紙に書いたりして、イメージを固めてから一気に作業するようにしています。」と言って、イメージした形をスケッチしたものを見せてくれた。

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工房はとても綺麗で、驚いたのは工程ごとに明確に決められた動線。大まかな流れとその作業をどこで行うかに村上さんが場所を移動しながら説明してくれる。「ここで土を保管して、そのままここで土練機を通して、次は重さを測って、轆轤を挽いて…」一連の動きに一切の無駄がない。村上さんのこれまでの経験を基に考え抜かれた作業場は、本当に動きやすいんだろうな~、と簡単に想像できてしまう。今は土や作業の工程によって3台の轆轤を使い分けていて、その上には何とも素敵な照明が。なんと自分で設計して作ったそう。

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自作の昇降式の照明、重さのバランスがとれているため、ロックは不要。用途によって自在に動かせるため、手元を照らしたい時、全体を照らしたい時の上げ下げも楽に出来る。ろばの家にも欲しいくらいの優れもの…

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工房の中で一つ、鎬が入った蕎麦猪口を見つけた。僕のイメージする村上さんのうつわの印象そのもので、白磁に細い、なんともエレガントな鎬が入った蕎麦猪口。暑いせいか、冷たいものを飲むにはいい感じだろうなあと思って、とても素敵だと言うと、「嫁さんからはあんまりって言われます(笑)」って言ってたっけ。他にもカップの把手が嫁さんからは評判悪くて…とも言っていたような気もしないでもない。murakami7

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他にも見たことのない機械が。これは製陶所等で使われているうつわの底面についた釉薬を洗う機械。この機械のおかげで、通常片手で持って片手で洗うという手間のかかる作業も、両手で持ったまま時間をかけずに終わらせることができるそう。
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更にはでっかい包丁。面取りはこれでやるみたいです。工房で包丁を見たのは初めて…

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シルエットが綺麗な鉢。これは焼く前にうつわにRをつけてから焼くと、うつわの自重で歪みが生まれ、歪ませにくい磁器もこの方法なら歪ませられるそう。焼きあがったものを見せてもらうと、確かに緩やかな歪みが生まれていた。この方法は、村上さん自身他にやっている人を見たことがないと言う。murakami5
白磁が中心の村上さん。沖縄の工房で5年勤務したと、聞いていたのでそのまま沖縄で独立しようと思わなかったのですか?と尋ねると…「う~ん、なかったですね~。湿度がすごいんですよ。皮製品とか置いとくとカビるんです。それに沖縄時間もねぇ…。」と、その気はなかった様です。奥さんも同意見だったようで。何よりも、もっと焼き物を深く追求したいと思い、多治見の陶磁器意匠研究所入ることを決心して。その意匠研の2年生の時に磁器との出会いがあって、そこからどんどんのめりこんでいったそうです。磁器がとにかく自分にあっていて、これだ!!と思ったそうです。

村上さんはブログで、ご自身のうつわに様々なお料理を盛り付けたおびただしい数の写真をのせていて、ご自身で写真も撮られている。カメラのレンズの事も聞かれたけど、ママろばから子供を取る様にともらったカメラなので、当然ながら僕は全く知識は無く答えることすら出来ない始末…

そのブログに出てくる奥様のお料理も、ハンパなく美味しそうなものばかりだ。陶芸家の方は食べるのが好きな人や作るのが上手な人が多いけど、このブログに出てくるお料理はちょっとしたお料理好き、とかいうレベルをはるかに上回っているような…。それに料理が盛り付けられたうつわを、自身のブログを通してだとしても、ここまで客観的に見ている人は少ないのではないだろうか?? ブログを見ていると、村上さんの食べることへの情熱が伝わってきて、奥様とこのお料理にはこのお皿がいいね!と相談している、真剣で、でも楽しそうな食卓の情景が浮かんできます。いつもブログを読んでいたので、それをどんな人が作っているのか気になって気になって、うつわの実物も見たくて見たくて…。それでいきなりアポをとって会いに行ってしまったのでした。村上雄一さん、ありがとうございました。(2015年7月訪問)

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