momento poetico #3 Keicondoさん

“doll” ドール、というタイトルで作られているこの小さな陶人形。keiさんがずっと以前から少しずつ作り貯めてきたシリーズで、実はろばの家で初めてkeiさんの作品をご紹介した時にも、うつわと一緒に並んでいたのでした。その時は三人だけ一緒に連れて帰ってきたのですが、その内keiさんのカラー、イエローの釉薬を纏った人形が今もろばのウチの玄関に置いてあります。鍵を置くトレイの横で、そっと見守るように佇んでいるのです。

今、このdollたちは全員、ろばの家のメインテーブルの真ん中にズラリと整列しているのですが、一人単体で手に取って見るのと、全く印象が違って不思議な感じがします。白いマットな質感のもの、ガラス化して緑がかったもの、焼締の黒が赤茶へとグラデーションになっているもの、薪窯で焼いた土のぶくぶく湧いたさまが、そのままドレスのフリルのように見えるもの、と衣装も色とりどりです。

グループごとに並べても、わざと散らしてシャッフルしてみても、個体が群になった時の面白みがそれぞれに出て飽きません。大人になってから、こんなに真剣に人形遊びに興じる瞬間が来ようとは思いもしませんでした。

中に一人だけ目立つ服装の娘がいるのに、マットな発色で気がつかないでいたらkeiさんが「その子は金彩ですよ」と教えてくれました。 本当だ。前から見るとわからないのですが、後ろ姿を見ると確かに金色です。

すぐにエリザベス、と呼ぶことにしました。

そうなると、町の娘たちにも名前をつけなきゃ、となりますよね。

ではこの白い娘はカテリーナ、かな(笑)

あの娘ばっかり、ズルいわよね。

女性が群れると、どうしても仲間割れが生じます。ダークなカラーの娘を並べるだけで、まるでよからぬ企みをヒソヒソ囁き合っているように見えてきます。 ペーパーウエイトなどにどれか選ぶ時には、仲のよさそうな娘を選んであげてくださいね。

なんとなく、なのですが、用途の明確なうつわを見るより、このdollのように使い途に囚われない作品を見る方が、制作者の心持を想像しやすい気がします。

keiさんの工房にお邪魔した時、作業場の目の前の窓に古そうな馬のオブジェが飾らせていたのですが「馬ってカッコイイですよね。すごく美しい動物だと思う」と話していました。今回いくつも届いた馬の形の作品も、きっとその憧れが何らかのキッカケ、装置となって形を成したものなのかも…などと想像したり。

確か前回カレーの企画でも口頭でうかがった気がするのですが、今回もkeiさんが納品にいらした時に直接インタビューしてしまいました。笠間は近いので、直接搬入してくださることが多いのです。

 


#3  Keicondoさんへの質問

Q : 最近読んだ中で印象に残ってるいる本や記事、文章があれば教えてください。
A : 江國香織  『東京タワー』

Q : 今気になっている、読みたい本や写真集などあれば教えてください。
A : DIY関係の本。
ネットではよく調べものをしているので、本でも見たいなあ、と。

Q : 好きな作家さんのお名前をあげてください。
A : 水木しげるさんの本 戦争のリアルな描写など、どれも興味深いです。

Q : 読書をする時は、どんなシチュエーションが多いですか?
A : 上京する時に使うバスの中、が多いかな。

Q : 自分の人生や生き方に影響を与えたような本、文章、言葉を教えてください。 もしくは、座右の銘としている言葉、お気に入りのフレーズをあげてください。
A : 「たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える。」 ルターの言葉です。
Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree. Martin Luther


keiさんのシステマティックな工房…あちこちに工夫がこらされ、見やすく、機能的に作られた工房は、やはり日々の研究の賜物なんですね。いつもうかがうたびに新たな発見があり、感心して帰ってくるのです。
keiさん、ありがとうございました。

keicondoさんの作品をmomento poetico Onlineページに掲載いたしました。

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