Mid Night Blue ミッドナイトブルー ~加藤仁志さんの”青の名前”~

「これ、黒ですか?ん?紺色なのかな?」そう言って手に取ったお皿を窓辺で見ている時などふとした加減でこの色があらわれると、息をのんで魅了されてしまいます。陽の光に反射した部分だけこんなに鮮やかなブルーが浮かび上がるのです。この画像、まったく色の加工も特殊な撮影もしていません。ただ、直射日光のもとで撮影しただけです。オープン以来扱わせて頂いている仁志さんのルリ釉シリーズ。今回のBlue展はこの色がきっかけで思いついたのです。…ミッドナイトブルー。その秘めごとじみた響きの名前は自然に浮かんできました。真夜中の青。限りなくブラックに近い闇のようなブルーが、一瞬見せてくれる別の顔。深い海の底や宇宙を連想させる、漢字だと青ではなくて碧、という字が使いたくなるようなブルーです。このハッとするような鮮やかな色は、けれど、太陽の光が差し込んだ時だけに見せてくれる特別な色。電灯の光ではダメなようです。黒い土にコバルト釉という真っ青に発色する釉薬をかけることでこの独特な色が出るのだそうです。はじめて加藤さんのルリ釉のうつわを見たのは17cmほどのプレートで、パッと見は黒いお皿だと思っていました。でもそれが実は黒ではなく、とても深い紺色なのだと気がついた瞬間にもうすっかりやられてしまいました。何の変哲もないオーソドックスなデザインに、でも色はちょっと他にないよというような組み合わせ、多分そういう意外性に弱いのです(笑)。形がシンプルだからこそなおのこと、特殊な色が引き立つのでしょうね。とても丁寧な作りで加藤さんのお皿や鉢はどれもラインが美しく、形も引き締まって見えるのは濃い色のせいだけではないということは青白磁の作品を見てもわかります。それでもこの特別な色を話題にしないわけにはいきませんでした。でも実際に使うのは家の中なのですからそうそうこのブルーの輝きに出会えるわけではないし、また実際料理を盛りつける時には真っ青でない方が食材が映えるでしょう。自己満足といえば自己満足。でも、上質な素材が使われたシンプルで長く着られる洋服のように、そっと心の中にしまっておきたい自分だけの満足感なのかもしれません。

そんなセクシーな色のうつわを作っている加藤仁志さんは岐阜県土岐市で作陶しています。ワタクシママろばはろばの家を始めるずっと以前にこのお皿に出会い、愛用歴もそろそろ10年くらいになります。お客さまが来た時にも便利と12枚ほど揃いで持っていたこの17cmプレートは今でも不動の万能皿として、取り皿用にはもちろんケーキ、パン、果物、と何にでも使っています。丈夫で形が普遍的で使えば使うほどそのシンプルな魅力と作りの良さに愛着が増すばかり。正直、使っていてミッドナイトブルーの秘密を意識することはありません。家にはブランチできるような広いテラスやベランダもないですし(笑)。使い込むと今よりもっと表面の艶が鈍り、マットな質感に落ち着いてゆきます。本当に素材のよいシンプルなデザインの洋服といった存在で、こういうもののことを”飽きがこない”と呼ぶのだろうなあとしみじみ思います。いつか自分でお店を始めた時にはパッと見の派手さではなく、こういう芯のある質の良さを伝えていきたいなあ、と思わせてくれた特別な存在でもあります。本当に根っから真面目で実直な方で、もう5年以上のお付き合いになるのにお電話いただくたびに「岐阜県土岐市の加藤仁志です。」と名乗るのです。おそらくは加藤と言うありふれた苗字で混同されないように名乗ってくれているのだとは思うのですが、もうワタシはお声だけでもわかっているのだと、いつか言ってみようと思いながらつい「茨城県つくば市のろばの家の福江ですが」とこちらも名乗ってしまい堂々巡り(笑)。では、そんな岐阜県土岐市の加藤仁志さんのブルーについてのあれこれ、うかがってみましょうか。


 

加藤仁志さんの青の名前

Q1、好きな色は何色ですか?理由があればそれも教えてください。
–白色。理由は特に無いです。

 Q2、よく身に着けている色があれば教えてください。また、好きな異性に身に着けていて欲しい色があれば教えてください(〇〇色が似合う人に憧れる、など)。
–仕事中に履く靴は、10年ほど前から、赤色の入ったランニングシューズ。

 Q3、青、と聞いて思い浮かぶのは何ですか?
–空と海。

Q4、ご自分の作品の青を画像を見せずにどんな色か説明するとしたらどんな青だと表現しますか?
–深い青色。

 Q5、Q4の作品の青はいつごろから作り始めた(使い始めた)のですか?またそのキッカケ、経緯を教えてください。
–10年ほど前から制作しています。学生(20年近く前)の時に買った釉薬がたまたま残っていて、普段使っていた土に使ってみたのがキッカケです。

Q6、よくブルーな気分、などと言いますね。一般に憂鬱な気分を差すようですが憂鬱な時の気分転換法を教えてください。
–子供と遊ぶ。

Q7、この世の中に『青』という言葉も『ブルー』という言葉も存在しないとします。あなたが色の名付け親です。あなたは、それを何色と呼ぶことにしますか?
–空色。(海色も良いかと思いましたが、住んでいる岐阜県には海が無いので…。)


そそそ想像通り、真面目で実直なご回答…。ミッドナイト!と勝手に盛り上がっているワタクシママろばみたいに変にロマンやストーリーを盛らないところも説得力がありますね。これ以上加藤仁志さんらしい回答はない、というくらい仁志さんらしいです。素っ気ない職人気質、にとられてしまいそうな回答ですがとっても温和でやわらかい方なんですよ。きっととっても優しいお父さんなのでしょうね。想像がつきます。声を荒げる事なんてあるのかしら。。。仁志さん、ありがとうございました!

加藤仁志さんのページはコチラです。



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2018-06-17 | Posted in Blog, 加藤仁志さん Hitoshi KatoNo Comments » 

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