このグリーンを見るだけで、料理欲が湧いてくる。境道一さんの織部グリーン。

境道一さんと言えば、このグリーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。道一さんは香川県高松市で奥様の知子さんとともに工房を構え、ご夫婦で活躍されています。最近では、夏に通常のマットな質感ではなく光沢のある仕上がりのプレートが入荷してきた際、桃を盛った画像を載せたところ大きな反響がありました。

織部というとどうしてもクラッシックな和食器で地味な印象が強く敬遠しがちだったのですが、道一さんのグリーンは鮮やかなのに奥行きがあり、深く印象に残りました。ところどころに釉薬のたまったところなど表情があり、ドラマチックです。毎回届くたびにカッコいいなあ…と惚れぼれ。アンティークの青銅に見られるようなくすみがところどころに出ているところや錆のようにかすかな凹凸のあるテクスチャーなども、道一さんの織部を魅力的に見せている特徴のひとつ。

なんとも言えない深い青緑。秘境とよばれる洞窟の奥の滝壺、古い銅が錆びてできる緑青、美しいけれども人工的な感じのしない色。お客様からよく「作家さんのお名前は憶えていないのだけれど、前にここに深いグリーンのカップがありましたよね?」などと尋ねられることがあります。この色に魅かれて道一さんの作品をはじめて手にした、という方も多いのではないでしょうか。あまり色のない渋めのうつわが好きなひとでも、道一さんのうつわを見てグリーンに挑戦したくなったという人や、男性のファンが多いこともこの色の特筆すべ点かもしれません。

織部釉という日本の伝統的な釉薬であるのにどことなく異国情緒が漂う色合いで、和洋問わずどんな雰囲気のお部屋、テーブルにも溶け込みそうです。

そして、単体で見ている時よりお料理を乗せてあげると、いきなりバーンと見違えます。お料理の中には、存外白っぽい色のものが多いものですが、白の映え方は尋常ではありません。それも深いグリーンならではのコントラストのおかげです。

道一さんの織部のように地模様自体に表情のある場合には盛り付けも余計な加飾はせず、ただお料理を一品単体で装う程度に留めておきたいものです。あまりゴチャゴチャ盛り合わせたりすると、魅力が半減してしまいますよね。ただ梨を切っただけでも絵になります。
Onlineページにも掲載しました。
境道一さんから届いた作品は、織部鉢に織部プレート、織部のお皿、織部浅鉢と、これでもかと道一グリーンをご堪能いただけます。

◇『定番展Online』境道一さんのページはコチラです。

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