「選んでいただけるだなんてすごいことだ」誠心誠意、目の前の碗に向かう。
この、すごいスケール感、迫力の刷毛目のお碗。愛知県常滑市から届いた、高田谷将宏さんの作品です。…でも実は、こちらは丼、という名前がついたもので直径16㎝近くあります。さすがに、飯碗と名前をつけていませんが、前回の『やっぱり、ごはん党』ではこれが飯碗の標準サイズでした。今回はこれよりひと回り小さい碗が飯碗(ノーマル)で、それより小さいサイズが小、とされていたので、高田谷さんも2年の間に若干世間並みのサイズに合わせたということですね(笑)。
前回、沢山飯椀を出してくださった高田谷さん。「飯わんはみんなマイめしわんがあると思うので、それでも買っても
今回も「ほぼ、飯碗です」という宣言通り、これでもかと飯碗ばかりを出展してくださいました。もう「食事と言えばご飯でしょう、飯食え、メシ!」というメッセージがバシバシ伝わってきます。さすがごはん党、名誉党員。パパろばも高田谷さんの飯碗、愛用していますよ。とても持ち易くて安定感があり使いやすいのです。
会場でもズラリと棚2段にびっしり、高田谷さんの飯碗だけを並べて展示していました。迫力ある飯椀がひしめく中に、下記のアンケートの回答を作家さんのご紹介カードに載せていました。その内容を見るとギャップに笑います。毎回、高田谷さんの回答にはとことんヤラれてしまうのです。豆料理の質問をすれば”とうもろこしのスープ”とか”枝豆”だとか答えるし、今回の「これには目がない」というごはんのおかずの答えは、手巻き寿司…。いや、いいんですよ。確かに、お米と一緒に食卓に並ぶものですからね、間違いではない。でもなんか、ちょっとズレているような…。陶芸以外のことには無頓着。辛党で酒の肴があればいい、と渋路線に見せかけておきながら案外好みがお子ちゃまだったり、お料理名を何でも「~な奴」でまとめちゃうところとか、ホント”らし”すぎて微笑んじゃいます。
高田谷さんの飯椀をじっくり見比べてマイ飯椀を選んでいた女性が「こっちが小、っていうことはこっちが標準のサイズってことなんですね」と彼女の手には大きすぎる飯椀を手に、ボソリと言いました。「これはわたしには大だな」。…えっとこれでも、ワンサイズずつ小ぶりになってるんですけど…。
高田谷さんの存在感たっぷりの飯碗。画像から、この溢れんばかりのパワー、高田谷魂が伝わるでしょうか。オンラインのページでは、全種一点ずつ羅列すると見にくいため、何点かをひとつのページにまとめてご紹介しています。一点一点、すべて趣きが違う高田谷さんの作品には合わない方法です。本当にどれもそれぞれに魅力的な作品ばかりなので、埋もれてしまってはもったいない。このページの最後に飯碗ギャラリー風に画像を並べてみましたので、ペアで選ばれる場合なども参考にしていただけたら嬉しいです。まあ、高田谷さんのお碗は適当にふたつ選んでもペアになってしまうんですけどね。どんな形、色でも、高田谷さんらしさが出ているので。
「自分の作品を選んでもらえるなんて、大きなことだなあ。」という心からのつぶやきが、もの言わぬお碗から聞こえてきそうです。どんなに小さな(高田谷さん的には)作品であっても、そのスケール感、懐の深さはお米を装ってみると歴然。溢れんばかりの、生命力。
お米一粒ひと粒が、より、輝いて見えてきます。毎日食べるお米が美味しそうに見えるだなんて、どれほどその人の暮らしに大きなこと、なんでしょう。
いただきます。ごちそうさま。今日もいち日、お疲れ様でした。
高田谷将宏さんの好きなごはん、お味噌汁
Q1、
—手巻き寿司
サーモン、たまご焼き、かにカマ、マヨネーズの組み合わせ
Q2、ご出身は?
—高知県高知市
Q3、ご出身地もしくは現在暮らしている地方の郷土料理、
—高知県→カツオ(べたべた)
常滑→メジロ→アナゴの小ぶりな奴。目が白いところがメジロ。呼び名が多くて細かいことは不明。
(ママろば注:愛知県では銀アナゴのことをアナゴ、マアナゴのことをメジロと呼ぶようです)
Q4、ご家庭のお味噌汁は、何出汁+何味噌が基本ですか?
—かつお出汁+合わせ味噌
Q5、お味噌汁の具で好きなものを好きな順にあげてください。
—1位:たまごを落とした奴
—2位:そうめん
—3位:
Q6、お味噌汁はお好きですか?
—特に好きではないけど、たまにでてくるとすごくうれしい。
Q7、ご自身の出身地、
—赤みそ
Q8、これまでの人生で見聞きした、
—高地にいる頃に、サワガニをまるごとくだいたサワガニ汁。カラがたくさん入っていたがとてもおいしかった。今はアレルギーになって食べられないけど、もう一度食べてみたい味。
Q9、今回のごはん党のテーマは、「ごはんは、
—最近はまっている朝食、「目玉焼きどん」
ごはんの上にのり、ベーコンエッグをのせる。しょうゆをかけて、気分でマヨネーズやネギ、一味などもおいしい。(料理かな?)
素のままのご回答、ありがとうございました!
目玉焼きどん、立派なお料理ですよ!”どん”をひらがなで書かれてしまうとなんだか別のものみたいですけど(高田谷さんは、アンケートの回答を紙に書いて作品と一緒に納品してくださったのです。パソコンとか苦手なんで、と)。「美味しんぼ」の作者、雁屋哲さんがずいぶん昔に「目玉焼き丼について語り合えない人とは友達になれない」というような内容の発言をされていた記憶があります。美味しく作ろうと思うと、奥が深いものですよね。
さて、目玉焼きを乗っけてはみ出した様子もサマになりそうな高田谷さんのめしわんコレクション、どうかお楽しみください。
◎『あんしんの食卓』高田谷将宏さんのページはコチラです。
めしわん(小)4-11
めしわん8-23
めしわん(小)1-1
めしわん6-16
めしわん4-10
めしわん9-26