胡椒には、香りだけでなく味があるのだと教えてくれたマリチャMARICHA。

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ろばの家ではいろいろな食材を扱っていますが、決して品ぞろえが豊富と言えるようなセレクションではありません。でもそれが意味するのは、その分そこに並んでいるものは全て、もうとことん納得のいく、心の底からおススメしたい食材であるということです。あくまでわたしたちの主観によるものとはいえ、自分たちが実際に使って「これなしにははじまらない」とまで思えるようなものだけを選りすぐってご紹介しているつもりです。

そしてマリチャは、ろばの家で扱う食材の中でもリピート率ナンバーワンかもしれません。これまで使っていた胡椒はなんだったのだろうと愕然とした、と多くの方に言っていただきました。一度使ったらもう後には戻れないものの代表選手でしょう。わたくしママろばのMARICHA愛用歴もそろそろ10年越えたかな~、という頃。この使用歴、その人がいつマリチャと出会ったかによってその長さに違いこそあれ、皆さん初めて使ってから今に至るまでの期間がそのまま使用歴となっているに違いないと確信しています。

だってあまりにも、そう、”あまりにも”他の胡椒と違うのです。ほかのものを使うくらいなら胡椒なしで行こう、と思えるほどの歴然とした差を感じてしまいます。

ベーコンエッグのお皿にガリリッ、焼きあがったお肉にガリッガリッ、フライドポテトにガリガリガリッ、スープの仕上げにガリッ…。マリチャと出会うまでそれは単なる習慣のような所作でした。あまり効果を意識せずに塩、胡椒、とお決まりのようにセットで使っていただけ。胡椒を選ぶにもせいぜい、挽いてある胡椒ではなくホールのモノを選ぶ、という程度の認識。

10年以上前に初めてイタリアでマリチャの胡椒を食べさせてもらって(丸ごとかじってごらん、と渡された)、それこそ本当に目からウロコが落ちるというかアゴがはずれるというか、ものすごい衝撃を受けたのを覚えています。これまで使っていたものと、本当に植物学的に同じ分類のものなのかしら、と。イタリアにカチョ エ ペペと呼ばれるシンプルなパスタ料理があって、チーズと胡椒だけで味付けしてあるのですが、マリチャの胡椒をたっぷり使ってこのカチョ エ ペペを食べた時には、この料理は胡椒の風味を楽しむためにあるのだとさえ思えました。

胡椒は主役になりうるのです。そのくらい、存在感があります。

この胡椒を満喫するためにジャガイモを茹でたっていいし、ゆるめにオムレツを作ったっていい。胡椒の風味が際立つお料理はなんだろうと、つい考えこんでしまうほどの味なんです。香りだけじゃなく口の中での味が、です。そして、カリッと齧ったときの突き抜けるように強く、しかしスッと引いてゆく上品で心地よい辛味に驚きます。でもだからこそ、使いすぎは禁物なのですが。個性が強いからこそ、何にでもかければいいという訳にいかなくなってくるのです。

ひとたびこういった食材に出会うと、料理におけるそのアイテムの役割りまで見直すきっかけになります。何に、どのタイミングで、どのくらい使うか、ちゃんと考えてみるようになってはじめて、これまでいかに適当にコショウを扱ってきたかということに気が付きました。

”マリチャと出会う前”と”マリチャと出会った後”で、確実に料理の仕方が変わってしまったんです。そうしてその感覚は、わたしだけじゃなかったんだと10年を経た今、ひしひしと実感しています。現在、マリチャの輸出量の多くは日本で消費されていて、ここ最近ではあまりに注文が増え続けてしまったために品薄状態になってしまったのです。生産が追い付かないといって、輸入元のノンナさんで欠品することが多くなってしまいました。もちろん、大手のスパイスメーカーとは比較にならないほど圧倒的に生産量が少ないので、そもそも大量の注文には応えられるわけもないのですが、それにしても、です。プロの料理人はもちろん、日本で食に敏感なひとたちの間に、それだけ定着してきたという証なのではとわたしは見ています。

この、マリチャという会社、実はろばの家の実店舗でもお出ししているエスプレッソ用コーヒー豆の焙煎所ジャマイカカフェのジャンニ・フラージ氏がオーナー。最高品質の胡椒を求めて3年もの月日をかけてようやく見つけ出したのが、マレーシアで出会ったクウチングという原種に近い品種。この品種に魅了されたフラージ氏はクウチング種での胡椒づくりを決意します。更にその地で、収穫後24時間以内に全て手作業で加工する(おそらくそんなやり方でコショウを扱うのは世界中どこを見回しても彼ひとりではないかとフラージ氏は語っていますが)熟練のシエウ氏に出会い、収穫期の見極めや品質の管理、収穫後の洗いや乾燥の行程など細部にまで気を遣って自分自身が納得のいく胡椒を作り上げることに成功します。

インドのサンスクリット語で胡椒の意味を持つ『MARICHA』の誕生です。
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ふくらみのある香り、噛みしめるとわかる甘味、質のよい辛さ、心地よい余韻。本来、胡椒ってこういうものだったんだ!と気づかせてくれる本物の胡椒です。ぜひ、この胡椒のためにお料理してみてください。きっと次々と他にも合わせてみたいものが浮かんできてしまいますよ。

輸入元でも全種類欠品してしまい、しばらくの間マリチャ不足で大変だったのですが、やっと一番スタンダードなブラックペッパーの『ネロ・ディ・サラワク』が入荷してきました!他にはホワイトペッパーにあたるオーロ、完熟のブラックペッパーを塩水に漬けてからローストしたという『カーモ』の2種類が若干量あります。全く個性の違うものなので、それぞれの商品説明をお読みくださいね。カーモは包丁でたたくか、丸ごと煮込みなどに入れて胡椒ごといただくのがよいので、ミル用にネロ、調理用にカーモと使い分けてもよいと思います。ひとパックにたっぷり入っているので、大手メーカーのホールペッパーと比べてみてもそれほど割高ではありません。そのため一度使ってみた人がほかの胡椒を使う理由が見当たらない、ということになってしまうのでしょう。ミルに入りきらない分はきっちり封をして冷凍庫で保存していただくと風味が長持ちします。

おせっかい極まりないのですが、マリチャのパッケージを見たお客さまに「これはなんですか?」と聞かれるとつい「悪いことは言わないから一度使ってみなさいって」と脅してでも買わせてしまいたくなります。この胡椒を知らないで過ごすことがどんなに勿体ないことか、人生の喜びの何パーセントかを逃してしまっているかもしれませんよ~と、大袈裟でなく本気で思ってしまうのでした。

MARICHAのページはコチラです。

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