1月の新入荷2:宮下敬史

届いたばかりの高田谷さんの作品と同じ場所で、同じように堂々とした姿でろばの家の入口から現れる人を出迎えているのが宮下敬史さんの木のうつわです。本当に少しですが、迫力のあるものばかり入荷しました。

このお二人には、なぜか色々共通点を感じてしまうのです。実際に仲が良いことを知っているからかもしれませんが、作品から感じる伸びやかさ、男性的なカッコ良さ、そしてやはり二度とは出会えないであろう一期一会感を何より大切にしている、そのスタンスも。

宮下さんにとって何が一番楽しいことかって、ふたつと同じ個性を持つことのない唯一無二の木という材との出会いなのだそうです。もう、そっちが楽しくて楽しくて、危なく制作の時間まで削られてしまいそうになるほど、どんどん素材の持つ魅力そのものに囚われるようになってきた、と。よい材が出たと聞けば遠くまで出かけて伐りに行き、丸太で持ち帰り数年寝かせる。その間にも変化するし、切ってみるまでわからない時もある。最近はよく長野まで出かけてゆき、ずいぶん良い材を集めることができたと嬉しそうに教えてくれました。

何よりも、自分で伐りに出かけるとその木の育った環境、出自が明らかになることも重要なのだそうで、どんな季節に伐られたものか、どのように乾燥させたかは根本的な要素なので、自分で採りに行けばそれ以上の保証はありません。

そうして、素材自体が良ければ、その材が持つ個性や特徴をまるごと受け入れるようになる…。今回届いた山桜の作品の中には、虫食い穴が開いたものや、小さなギザギザのあるもの、ろくろで挽かれた陶芸作品のようなゆがみが木に生じているものもあります。一時、そういったことが欠点になってしまうのでは?と避けてきた時期もあったそうですが、実際の材の良さ、自身で使ってみての使い心地などから全く問題ないと判断し、逆に今はそれが魅力となっているのでは、とまで感じて安心して制作できているのだそう。


けれども、全ては材次第だ、と念を押していたのが印象的でした。ただ個性を与えるために細かな特徴を強調するのではなく、あくまで材が良いものだった時に宮下さん自身がすべてを受け入れて、よりその材を生かせてあげられるように丁寧に作る。虫食い穴や節なども魅力となるその裏には、材への深い愛情があることが伝わってきます。工房で、ずうっとまだ削られる前の材を撫でまわしていた宮下さんが忘れられません。

本当に、木が好きなのです。同じ材には、二度と出会えない。一人ひとり、個性の違う人間とつき合うように作られた宮下さんの作品は、使い込んでゆくことでさらに自分だけのものに変化してゆきます。その、ずっと付き合ってもらうモノたちがチャーミングで個性的であること、そうあれるように個性をストレートに表現してあげること。

宮下さんのサーバーは、同じような形でもよく見ると微妙にラインが違います。これも、材に合わせているのだなあと思ってみると、ひとつひとつがさらに愛おしくなってくるのです。

じっくり選んでいただきたい、表情豊かな木の作品たち。木の伸びやかで自由な表情も見て下さい。


宮下敬史さんの木のうつわ、サーバーはコチラです。

この記事をシェアする
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter

関連記事