Indigo Blueインディゴブルー  ~中村恵子さんの”青の名前”~


「わたしのインディゴ史上、最高の出来かも…」と言いながら焼き上がったばかりのうつわがぎっしりと詰まったコンテナをかかえて来た中村恵子さん。最近益子市内で工房を引っ越したばかりだそうで、追加で納品してくださった今回はそこで初めての窯出し。同じ配合の釉薬をかけ、同じ温度で同じ時間焼いても毎回仕上がりの違う発色となることが多い陶器。ことにこのブルー系の釉薬は中村さんにとって窯から出す度に毎回色味や質感が違って現れる、手強い相手。テストピースで何度も試して同条件に揃えたつもりでも、やはり焼き上がった時には違った表情を見せるという。上の画像では随分鮮やかなブルーに見えますが、これはアスパラのグリーンが映えてその対比でより青く見えるのと、光の当たり方のせい。実際には、このオーバルのうつわもここまで青く見えるのは底の部分のごく一部。ヘリの流れている部分などは、あとで出てくるカフェオレボールに見られるような、ざっと擦れた色合いのインディゴブルーです。まるで洗いざらしたデニムのよう、と説明しているのですが本当にデニムの色落ちのように釉薬が薄くかかった部分は明るく抜け、重なった部分は深みを増して見えるという、とても不思議な釉調なのです。確かに何度か届いているインディゴシリーズの中でも、今回の色の出方は今までで一番複雑な色合いに思えます。店頭でも「わ、キレイな色!」と手に取る方が多く一枚一枚じっくり選んでいかれます。

そして次に口にするのは「それになんだかとってもお手頃なんですね」というセリフ。正直、販売しているワタシたちでさえ「安すぎるよなあ…」と思ってしまう価格で、ズバリご本人に聞いてみたことがありました。もう何年前か思い出せないのですが工房にお邪魔した時に、中村さんがその場でろくろを挽いて見せてくれたのです。「わたし、多分ひとより手が早いんです」…え?と目をこらしている間にスルリと形が出来上がってゆく。他の方のろくろ姿をあまり見たことがないのでわかりませんが、確かにこれは早いのだろうと思わされました。「それに、わたしはまだ値段を上げられるような身分じゃないし。」ケロリとそう答えるのです。純粋に材料費と制作にかかる時間だけからは割り出すことのできない焼き物のマーケットでは、価格など言い値といえば言い値。値づけは作家さんが自分でしなければならないのだから当たり前です。もちろん、それなりの正当な理由があって価格を高めに設定せざるを得ない場合も多いですし、安いから謙虚で高いと不当と判断することはできません。それでも、価格のつけ方にはとある姿勢や方針が反映されてしまうことは確かで、作品の質に納得感があればあるほど、相対的に評価は上がるのは仕方のないことです。そしてもちろん使う立場としては「これなら数を揃えられる」と手に取りやすくなるのは自明のこと。実際中村さんの工房にはオーダーが絶えません。陶器市などものすごい人気で、知名度が上がれば大抵は価格も上がってゆくものなのに、中村さんはずっと価格を据え置きにしています。

当の中村さんはというと割に淡々、ひょうひょうとしていて面白い人です。言葉数はそう多くないのに絶妙な間というかユーモアセンスを持っているとても魅力的な女性。なんかカッコイイよなあと思ってしまいます。運転が上手い、というのもその要素のひとつ。ろばの家の駐車場は停めにくいことで有名なのですが、いつもバックでズバッと的確に駐車します。偏見と知りつつ言わせてもらえば、運転の上手い女性は客観的な視点を持った(女性としては珍しい)理性的なタイプだと密かに思っています。理不尽なことで腹を立てたり不機嫌になったりしなさそう…。そしてそれも羨ましい。ちなみにわたくしママろばの運転は…今度パパろばにそっと聞いて見てください(笑)。

そんな中村さんのブルーは、きっと男性も惚れ込んでしまうようなカッコイイ色。緑が映えます。彼女のカレー好きをリスペクトしてカレー写真も最後に載せております。陶器市にお邪魔するといつもカレーを食べている瞬間を捕まえてしまうんですよね(笑)。実際カレーは好きだと話していました。カレーもいいですが、青についてもお話ししていただきましょう。


 

中村恵子さんの”青の名前”

Q1、好きな色は何色ですか?理由があればそれも教えてください。
–黄・緑・青。暖色系より爽やかな色のほうが好きです。

 Q2、よく身に着けている色があれば教えてください。また、好きな異性に身に着けていて欲しい色があれば教えてください(〇〇色が似合う人に憧れる、など)。
–季節によってなど色々ありますが、Q1に加えて黒・グレー。黒を着て雰囲気が変わる人は憧れます。

 Q3、青、と聞いて思い浮かぶのは何ですか?
–爽やか・冷たい など。

Q4、ご自分の作品の青を画像を見せずにどんな色か説明するとしたらどんな青だと表現しますか?
–インディゴ(藍)。

 Q5、Q4の作品の青はいつごろから作り始めた(使い始めた)のですか?またそのキッカケ、経緯を教えてください。
–5年くらい前から。 色の展開として白・黒・緑に加えるとしたら、青かなと。

Q6、よくブルーな気分、などと言いますね。一般に憂鬱な気分を差すようですが憂鬱な時の気分転換法を教えてください。
–強めのミントガムを噛みます。

Q7、この世の中に『青』という言葉も『ブルー』という言葉も存在しないとします。あなたが色の名付け親です。あなたは、それを何色と呼ぶことにしますか?
–単純に思いつきです。 深い意味はなく音の感じで・・・・・「さき」「さく」など。


さき色、さく色…なんだかとても素敵な響きですね。とっても中村さんらしい!濃いさき色、薄さき色とか、なんだか透明感があっていいですね。ワタシが色の神様だったら採用!ですよ。ありがとうございました、中村さん!中村さん史上最高の深さき色、とても素敵です。


中村さんのインディゴブルーのうつわはコチラです。

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