midnight blue…加藤仁志さんのあの、吸い込まれるような深いブルー。

b520f0c1e7a8668d69de

ろばの家の窓際の棚は今、にわかにダークな色合いに支配されています。なんだかダースベーダーでも登場しそうな言い回しですね。あのテーマ曲が流れてきそう…(笑)。電灯の光だと黒いお皿が沢山並んでるな~という感じですが違うんですよ。これ、黒じゃなくてブルーなんです。黒い土の上から真っ青な瑠璃色のうわぐすりをかけて焼かれているために一見すると黒に見えるような深いブルーに発色しているんです。これが、太陽の光に透かされるとその瞬間に陽にあたった部分だけが鮮やかな青色を浮かび上がらせるんです。その、吸い込まれそうになるような奥行きのある色合いは、ちょっと言葉ではお伝えできません。ちなみに、写真でもうまくお伝えしきれません。上の写真でも、実際に陽の光の下で見るのとはやはり少し違うのです。パパろばが写真を撮りながら、いつも「仁志さんは難しい!!」と嘆いているのですが、少し見る角度を変えるだけで深みの変わる本当に不思議な色なのです。上下ふたつの写真を比べていただければ、見る角度によって色が違って見える、ということは伝わるでしょうか…。
026f9542b7aaeeb8229b言葉の響きが与えるイメージというのは、もちろん人それぞれに違うとは思うのですが、色の名前に関しては特に日本語で呼ぶのと外来語のカタカナで呼ぶのとで、相当に受ける印象が違うなあと思っていました。まだ桃色とピンク、灰色とグレーなんかではそれほど大きなギャップを感じずに済みますが、肌色とベージュ、茶色とブラウンあたりだとわたしの中では結構イメージが違ってきます。そして青色とブルーに関して言えば、相当な隔たりを感じてしまうのです。それは多分、ブルーという言葉がすでに特定の心情を表すのに使われてしまっているからなのかもしれません。「わたし、なんか今日は青色だからさあ…」と言ってもあんまり落ち込んだ感じがしないですもんね。むしろ無駄に元気良さそうです。ブルー=Blueという言葉が持つ音色自体、なんともいえないニュアンスがあって個人的に好きな言葉のひとつです。

以前から加藤仁志さんのルリ釉の色合いを伝えようとするときに「ミッドナイト・ブルーという言葉を思い出してしまう」と言っていたのですが、仁志さんのルリはまさに青色という言葉では表現できない、深い闇を覗き込むような、宇宙へとつながる果てのない夜空を連想するような、そんな不思議な感覚を呼び起こさせるブルーです。黒よりも洗練された感じで、形がシンプルなだけにこのひとひねり効いた色がとても品良く見えるのです。緑や赤の色が映えるのでグリーンサラダやパスタなどの色をシャキッと鮮やかに見せてくれますよ。とても丁寧な作りで加藤さんのお皿はどれも丈夫で欠けにくいのですが、このルリ釉は中の土が黒いので万が一チップしてしまっても目立たないというのも密かに有り難いです。大きな声では言えないのですが…。鎬(しのぎ)の入ったものは、削った跡の波型になった部分に光が溜まりキラキラとブルーが反射しやすいです…が、個人的には鎬のないプレーンなものもシンプルの極みといった感じでミッドナイトブルーの上品さがより際立つ気もしたり…悩ましいところですが完全に好みの問題かも…(笑)

加藤さんは普段は粉引や青白磁の方を圧倒的に多く作っていらっしゃるようで、ルリ釉は年に一度、多くても2度くらいしか窯を焚かないそうです。今回の入荷も本当に久しぶりで、実に2年近く待った作品も届きました。…こうして一年ぶりにとくとくと眺めてみても、やっぱり、なんて美しい色なのだろうとため息をついてしまいます。こんな色のうつわが食卓に登場したら、ブルーな気分もどこかへ吹っ飛んでしまうかも。

加藤仁志さんの新着のうつわはコチラです。

記事をシェアするShare on Facebook0Tweet about this on Twitter0Share on Google+0Pin on Pinterest0Email this to someone

関連記事