『ごはん党』メンバー紹介#4 わら細工たくぼ 甲斐陽一郎さん

さてさて、今回はおむすび、の話を。正当派お米レンジャーとしてはですね、はずせないわけですよ。おむすびころりんすっとんとん、ですからね。それにしても子どもの頃繰返しつぶやいていたような昔話の内容や歌の歌詞って、かなり適当だったりしますよね。今こうしておむすびころりん…って書いていると「あれ?すってんてん、だったかな?すっこんこん?いや、すっとんとん、だったよね…?」と心配になってしまいました。子どもの頃は歌詞の意味を深く追求したりしないので、耳で聞くままなんとなくそれっぽければオッケーだったんですね。アルプス一万尺だって、どうして子ヤギの上でアルペン踊りをしなきゃならないのか疑問を抱くことなく、ずっと(割に最近まで)小槍を子ヤギだと信じていましたし、山にお爺さんがうしば刈りに行くと聞けば、庭の芝をきれいに刈るんだなと納得していました。子どもにとってはもっと、足の速い鬼だとか、山姥の裂けた口だとか、殴り殺されてしまったおじいさんの犬だとかの方が、ずっと気がかりでリアルに心に残るものだから、些細なことにこだわってなどいられなかったのかもしれません。と、ずいぶん話がそれてしまいました。…ころりんすっとんとん、と。そう、お結び。

わら細工たくぼさんとは、本当に、ご縁としかいいようのないめぐりあわせで、今回『やっぱり、ごはん党』に出ていただけることになりました。6月に一泊二日の弾丸スケジュールで宮崎県西臼井郡、高千穂峡に壷田和宏さん・亜矢さん夫妻(一緒にごはん党に参加して頂きます)を訪ねた際に、和宏さんが連れて行ってくれた蔵造りのおむすびカフェ。そこで出会ったひとつの注連縄(写真下)があまりにさりげなく、そしてなぜかどうにも心落ち着く雰囲気があって、頭から離れなくなってしまったのです。そもそも、神社の境内以外で縄で作られた飾りを見ることなど、お正月以外にはなかったことなのですから。そしてこれまで、しめ縄に興味を覚えたことなどなかったのです。こんなにもさり気なく注連縄というものが壁にかけられている様子が不思議でもあり、とても新鮮でした。高千穂は古事記・日本書紀に記される天岩戸神話を伝える神社などがあるなど日本神話発祥の地として「神々の里」と呼ばれる地域です。和宏さんが、この地方では常に神が宿っているとして一般の家庭でも、一年中注連縄を飾る風習があると教えてくださいました。例えば失くしものをしたり病気の人が出ると郡司さんに相談に行くなど、神事が根強く町の人々の暮らしに浸透しているというのです。和宏さん一家も移住組で、この地方の出身ではないのではじめはとても新鮮なことにうつったようです。でも、ご自宅にはやはりたくぼさんのしめ縄が飾ってありましたし、高千穂のその神聖な空気は肌に合っているんだな、と話していて感じました。

農閑期に自宅の藁を利用して、昔から高千穂に伝わっていた伝統的な注連縄をつくりはじめた先代の時から60年以上、自宅で栽培した稲穂で家庭用のものから、高級旅館の特注品や神社の鳥居、拝殿まで注連縄ならあらゆる種類のものを作っているというたくぼさん。和宏さんから注連縄だけではなく台所道具の鍋敷きも作っているときき、これはもう是が非でも使ってみたいと思ってしまいました。本来ならかなり余裕を持ってお願いしなければ難しいところを、ほかでもない和宏さんの紹介だからと急な注文に応じてくださり、先日届いたのが冒頭の写真の鍋敷きたち。大きな箱の蓋を開けた途端、息をのみました。青々とした、刈りたての藁の香り。高千穂の澄んだ空気まで一緒に箱にとじこめられていたかのように、ろばの家に田んぼの風景が広がりました。…と、すっかり前置きばかりが長くなってしまいましたね。でもこの芳しい香り、皆さんもきっと店内に足を踏み入れた瞬間、ハッと気が付いていただけると思います。深呼吸、したくなりますよ。

さて、そんなたくぼさんの当主として現在しめ縄を綯っている甲斐陽一郎さんのごはん観、かなり気になりますよね。高千穂の澄んだ水が流れる田んぼでとれたお米、きっと、とても美味しいんだろうなあ。


質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?
——-アジ南蛮
宮崎では夏から秋にかけて、漁港でアジゴと呼ばれる小さなアジが釣れます。自分で釣ってきたアジゴを南蛮にしたものがこの時期の最高のおかずです。

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?
——-1位:梅  2位:わさびの葉(めはり)  3位:しいたけ

質問3:愛用の飯椀を見せてください。
——-壷田さんの飯碗を毎日使わせていただいております。土鍋も壷田さんのものです。


質問5:今回出展していただいた作品を、どのような想いでお作りになったか簡単なコメントもしくはメッセージをお願い致します。
——-我が家は自分たちで田んぼをして藁を手がけています。山間の小さな棚田で稲作をしております。モノの向こうに日本の原風景でもある「田んぼのある暮らし」を感じていただけるようなモノづくりを心がけています。わら細工の素朴さと温かみを感じていただけたら幸いです。


甲斐さん、ありがとうございました!お米レンジャーとしては、甲斐さんが2位、3位に選んだおむすびの具(特に3位)が素敵すぎて、思わず過剰反応。し、しいたけって?おむすびの具になりえるんですか?それは、高千穂では一般的なものなんですか?思わず尋ねてしまいました。なんとご丁寧に写真までつけて教えてくださったのですが、先のおむすびカフェで出されているおむすびなのだそう。


なんとも可愛らしい姿のしいたけむすび。そりゃあもう、山を転がり落ちる姿も愛らしいことでしょうね。おむすびころりんすっとんとん。あ、もひとつおまけにすっとんとん、と。ご縁に感謝、です。

わら細工たくぼさんの作品はコチラです。

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