笠原良子さんのうつわ『冬ごもり』


お鍋が嬉しい季節ですね。『冬ごもり』の展示中、何度かこの笠原さんにお借りした私物の土鍋を使ってお店でデモンストレーションにお野菜を炊いたりしていましたが、土鍋で炊いたお料理は身体の温まり方が全然違います。

それにしても、こんなに美しい土鍋なかなかありませんよね。優雅、といったらいいのか気品があるというのか、色も形も上品で、ごくごく普通のお鍋料理でもグレードが上がってしまいそう。栃木県益子町の隣、市貝市に工房を構える笠原良子さんは、冬ごもりの土鍋担当、というくらい沢山土鍋を出展してくださいました。『冬は鍋』以来ですから、こんなに沢山笠原さんの土鍋が並ぶのは3年ぶりです。

土鍋はすべて一点物。鎬(しのぎ)もようや釉薬の流れた感じなどもひとつひとつ違うのでふたつと同じものがありません。

白い土鍋は一般的にも人気ですが、笠原さんの白は軽く焼き色がついたメレンゲ菓子のような質感で、特別感が違います。うっすらと地の赤茶色が透けてふんわりオレンジ色がにじみ、そのオレンジと、白い釉薬がうっすらアクアブルーのように発色している部分との組み合わせが貝殻のよう。とても、とてもきれいです。

この白は、どんな種類のお鍋料理もくっきり色鮮やかに映えてくれること間違いなし。形、サイズもさまざまです。みんなでつつく寄せ鍋専用に、というのなら平たい形のものをおすすめしますが、ご飯を炊いたり煮込みやスープを作ったり、となるともう少し深さのあるものも欲しくなります。

下の土鍋は容量こそ1.7リットルですが、蓋がややドーム型に盛りあがっているため、たとえばキャベツと豚バラのお鍋、というようにギッシリ具材を詰めて火にかけるタイプのお料理は、容量以上に具材を詰め込むことが出来ます。ぎゅうぎゅう盛りあがるくらいお野菜を詰めて、蓋で抑え込むようにして作れば「あんなに作ったのに…」とがっかりしてしまいがちな重ね蒸しも沢山食べられます。

笠原さんは、ちょっとお話しているだけでも相当な食いしん坊ぶりが伝わってくる人。食にこだわりを持つ方で、それは作っているものからもダイレクトに伝わってきます。土鍋って分厚いので、大きい割に内側を見るとあんまり入らない、というものが結構あるのですが、笠原さんの場合は逆なのです。見た目よりも、かなり入る。それはちょっとした角度だったり、蓋の形状だったりいろいろな理由なのですが、使う人が絶賛するのも頷けます。

やはり、自分で料理を作る人が作った土鍋は、料理しやすく出来ているのです。


どのお鍋も、蓋を取ると内側が広々。どんな具材も受け止めてくれそう(笑)。このくらいの深さなら、みんなでつつくお鍋としても調理鍋としても両方に使えます。

もう少し高さのあるお鍋なら、スープや煮込みも作り易い。

こちらは、5~7人用。4リットルの大容量で友人家族を招いてのお鍋パーティーなど大活躍。一度に沢山おでんをしこむことだってできます。

下はグレー。こちらは3リットルですがお鍋なら5人から6人用としても使えます。


色はほかにブラウン、黒も。スッキリとシンプルなデザインで洋風の煮込み料理も映えそう。


3年前も「お豆を煮るのに最高!」と盛りあがったスペインを旅行した時に見たお鍋をモデルに作ったというコシード鍋や、蓋のない平鍋タイプもあります。「土鍋って、実は蓋が邪魔、という方もいらして木蓋で十分、という人にはコチラのタイプがしまうのに場所をとらなくていいんです」と笠原さん。


同様に、持ち手のついていないタイプの土鍋もあるのですが、実は持ち手がなくてもこの形だとしっかり縁を持てるので不自由ないことが判明。土鍋ってただでさえ大きいのですが、持ち手があることでさらに横幅をとってしまいます。どのみち鍋つかみがないと持てないのだから、持ち手なしでいいと言う人にはお勧めです。これだけしっかり蓋が盛り上がっていると相当お野菜を詰め込めます。

笠原さんは、実際にご自分で色々なお料理に使って研究しているので「~だからこうした」というアイデアがリアルなのです。それは、オーブンウエアにも一貫しています。
グラタンって、いくつかのグラタン皿に盛ってみたはいいけれど、一度にオーブンに2個しか入らない…という経験、ないですか?笠原さんはいろいろな形を試して、一般的なオーブン皿に斜めに炒れれば4つ入るような細長い楕円や、長方形の大小を組み合わせてより効率的にオーブンに入れられるよう大きさを調節したのだそう。

確かに、幅の広い楕円だと2個ですら入らない時がありますよね。。。



最後の最期まで使う人の側に立って、洗う時もオーブン料理のこびりつきが取りやすいように角のカーブはゆるやかに、仲は広々と作られています。

笠原さんは今回耐火・耐熱のうつわをメインに出して下さっていますが、ほんの少しだけお鍋の取り皿にちょうどよい取り鉢とスープカップも届けてくださいました。どちらも、本当に使いやすいサイズ。そして、やはり優雅な雰囲気です。

◎笠原良子さん『冬ごもり』の作品はコチラです。

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