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やっぱり、ごはん党。

9月の企画展のご案内です。毎日のごはんを楽しむ道具やうつわの展示で内容は以下の通りです。

今年は夏のはじまりがとても暑かったためか、例年よりずいぶんと稲刈りが早まりそう…と話していたのは『Hachiemon』(つくば市の予約制レストラン。残念ながら現在は休業中)の太田多恵子さん。ご実家は代々続くお米農家。実はママろばの古くからの大親友(と、わたしは思っていますが…)でもあるのですが、今回の企画展に参加していただきます。9月中頃にはもう新米も登場しているはず。お米にちなんだ展示ということは決まっていたので作家さんへ出したはじめのお願い文は、こんな感じでした。その時は仮題のつもりだったのですが、結局そのまま『ごはん党』がタイトルになってしまいました。

今年も新米の季節がやってきた!

糖質制限ダイエットなんてなんのその、日本人ならお米を食べよう。

炭水化物万歳!ご飯が進むよどこまでも…ススメ、ごはん党!

 


毎日のごはんを楽しむ道具とうつわ
『やっぱり、ごはん党』 9月15日(金)~24日(日)会期中は9:00~19:00まで営業いたします。
 *会期中は19日(火)のみお休み。*13日(木)は搬入のためお休みさせて頂きます。

参加作家さん(敬称略)   

  陶 (飯椀、丼、お惣菜やおにぎりのためのうつわ、保存壺、土鍋、調理道具などなど…):
     笠原良子  近藤康弘  嶋田恵一郎  高田谷将宏
     壷田亜矢        壷田和宏        長野大輔   沼田智也   古松淳志

  木のおしゃもじ、サーバー、うつわなど : 宮下敬史
 
     鉄のフライパン、スパイスラック、フックなど : 羽生直記

  割烹着、エプロン、鍋つかみ、キッチンクロスなど  : Suno&Morisson
  
        藁 の鍋敷き :  わら工房たくぼ

        食の提案 : Hachiemon 

Rice Evento  『ごはんをもっと美味しく』 

  Part.1 9月17日(日)11:00~  
  Part.2 9月24日(日)11:00~ 
        *お料理はなくなり次第終了となります。

         つくばのレストラン『Hachiemon』(現在は休業中)の料理人 、太田多恵子さんによるお米&お惣菜の試食会をおこないます。毎日の献立のヒントになるような、秘伝のおかずレシピやちょっとした工夫の数々。出展作家さんの作品にならべたお料理で、楽しい食卓のイメージをふくらませてください。


これから少しずつHPやSNSなどで参加作家さんのご紹介やフードのイベントなどの予定をご案内してゆく予定です。どうか、お楽しみに!

 

 

こんなトマトは初めて。水煮でも、フレッシュでもない反則技トマト。

その潔いまでのシンプルさは、後ろから唐突に膝カックンされちゃったくらいの「なんだよコレ!」という拍子抜け感なんです。正直「ズルイ」としか思えない。イタリア、ズルい。イザベッラ、これ反則。「へっへっへ~~~」と腕を腰にあてて仁王立ち、ド派手なメガネをキラリと光らせ「Hai visto? それ見たことか!」とほくそ笑むイザベッラおばさんの姿が目に浮かびます。ピエモンテでワイナリーとアグリツーリズモ(農家のお宿)を営む四児(全員男の子!!)の母である彼女は、その人気の宿で消費しきれない無農薬のお野菜や果物を使ってジャムやピクルスなどのさまざまな保存食を作り、そこで販売しているのです。わたくしママろばもその昔、ワイナリー巡りでピエモンテを旅した時には必ず彼女の宿を予約するようにしていました。彼女の個性そのものといった感じの気取らないワインと軽快なトーク(ママろばも負けるほどの超お喋り&早口!)を夜更けまで楽しみ、遅めにいただく朝食のテーブルには自家製のジャムがずら~り。窓の外は一面のブドウ畑。ドイツやスイスからの観光客が毎年次の年の宿泊を予約をしてゆく、というのも頷けます。

元薬剤師ということもあり、ハーブの薬効にも詳しいイザベッラ。彼女と一緒に畑を散歩すると「あ、この酸っぱい葉っぱは美味しいのよ。」「この芥子の若芽はフリッタータにすると最高なの」と知らない植物をあれこれ教えてくれたものでした。野草をたっぷり入れた玄米のリゾットも美味しかったな~。イタリアだけに限らずヨーロッパで瓶詰の保存食を買うとジャムはひたすら甘く、塩味のものは塩がキツすぎ、煮すぎて食感がまったく残っていなかったり…という印象があったのですが、彼女の瓶詰はお料理と同様どこまでも軽い。中でもこのホールトマト、一般的にはトマトの水煮と訳されていますが、このトマトの場合には正確には水煮ではありません。初めてコレを食べた時その反則級の美味しさに「なにアレ?」と彼女にメッセージしてしまいました。

「ハッハッハ~~ン。秘密よ!」と答えたのは冗談だったらしくすぐに「トマトを半分に切ってパッパッと塩を振ってまたトマトを重ねるの。その繰り返し。あとは蓋をして、煮沸するだけ」「…それだけ?」「それだけ。」

「あ、あと…。」「…やっぱり!あと、何?」

「たまにバジルの葉っぱも放り込むわ」「うう…。本当にそれだけ?」「…ははん、どう?不味くはないでしょ?」

…とまあ、こんな感じなんです。反則、と思いませんか?それだけでこんなに美味しいなんて。日本のブランドトマトのように糖度が高いという美味しさではありません。あくまでトマトは普通の味です。トマトらしい酸味とほどよい甘み。では何がすごいかというとその食感とフレッシュな香り。皮まで美味しい。明らかに、生ではない。でも、全然煮た感じがしないんです。作り方を聞けば、”蒸した”が一番近いということになりますよね。ひと瓶は1㎏。ずっしり、かなり大きな瓶で片手では簡単に持てないほどです。この量であることにも意味があるレシピなのでしょう。トマト自身の厚みが重なって旨味が滲み出てきたような味わいなのです。同じやり方でも小さな瓶だとこうはならないはず。水を足さずに瓶に入れた状態で煮沸だけで加熱しているので、中の液体はトマトから染み出た水分です。その液体部分がまた美味しい。だから、料理にはこのお水も使います。…といっても、調理と呼ぶほどの技術は不要。まずはそのまま食べてみてください。トマトがメインのご馳走となりうる、そんな瓶詰なのです。

ほら、このずっしり感、見てください。ほんと、これだけでも美味しそうじゃありません?うっすら塩味がついているのでそのままで十分前菜になります。お好みでオリーブオイルを回しかけて。胡椒さえ邪魔になるかもしれない。せっかくだからトマトそのものの味をダイレクトに堪能してください。あとはもう、モッツァレラなんかあったらいつもとは違うカプレーゼが出来ますし、軽く焼いたパンを半切りのニンニクでガリガリッと香りづけしたところにのせれば上等のブルスケッタになります。

太陽をたっぷり浴びてまるまると太った、一番ハリのある時に収穫したサン・マルツァーノ。種が少なく身が分厚い品種で肉質が緻密です。断面図はこんな感じ。むっちりした食感が伝わるかしら?一枚で、相当食べごたえがあります。下の写真は一枚を半分に切ったモノです。適度に水分が抜けているので加熱しても味がボケません。グリルしたナスと重ねてチーズを振り、オーブンで焼いても軽~いパルミジャーナが出来ますよ。ピッツァに使ったりしたら、どうなるんだろう…ワオ!!

とにかくたっぷりぎっしり入っているので、そのまま食べたり、パスタにしたり、ひと瓶あれば相当楽しめます。冒頭の写真はアリアンナ・オッキピンティの古代小麦のペンネで超シンプルにペンネ・アル・ポモドーロ(トマトのペンネ)にしたものですが、ソースを作る必要はありません。茹でるパスタの量に合わせて(80gのパスタにトマト4枚くらいで十分)トマトを瓶から取り出し、フォークで軽く潰します。簡単に切れるので、半量はササッと半切りくらいに、半量はぐずぐずと潰して…と、トマトの形を残すのがおすすめ。鍋に潰したにんにくとオリーブオイルを熱してトマトを入れ、軽く温まったらスプーンで1~2杯瓶の中の液体を加え鍋を揺すり馴染ませます。煮詰める必要はありません。パスタ湯に塩をしてあれば、味付けはこのトマトだけでも十分。よく水を切ったパスタを和えたらトマトを絡めて、ざっくり混ぜ込んであげるだけでいいのです。大きなトマトのかたまりとパスタをフォークで一緒に差して頬張れば、あらら、フレッシュトマトでも、ピューレでもない軽~い食感が新鮮!思わずパクパク、ペロリです!夏トマトの旬もピークを過ぎ、フレッシュトマトで作るパスタともそろそろお別れ、というこの時期に嬉しい保存食ですね。保存食の意義はまさにこれ、ですもんね。美味しくて大量に獲れて、しかも最も安くなる旬の時期に沢山作り置きして、新鮮なものが手に入らない時期に食す。秋から冬にかけては、お豆や雑穀と煮込んでスープにしても美味しそう。

とまあ、本当にただのトマトがこんなに美味しいだなんて…と羨ましくなるイタリア。トマトの生産大国、と思いきや最近イタリアで話題騒然となっているスキャンダルが…。わたしもフェイスブックで知り合いのイタリア人が「まさか!」とシェアしていたページを驚愕の思いで見入ってしまったのですが、Made in Italyと明記されている安価なトマトの水煮缶や濃縮トマトのほとんどの製品が、中国産のトマトを輸入して最終工程だけ完了しイタリア産として出荷しているものだというレポートでした。実際に中国の生産現場での取材も収録されており、めまいがするような内容でした。申し訳ないですが、あれを見てしまうとちょっともう、食べられないです。2週間前に公開されて以来すでに200万回以上再生。かなり話題になっているようです。もちろん、そんなレベルのものと同列に語るものではないので無関係なのですが、とにかくもう、何を信じて良いのやら…?とその番組でも他に横行している食品業界のトリックを次々と暴いて嘆いていました。

ヴィナイオータさんの輸入する食品はどれも、本質的な部分を見据えた健全で真っ当すぎる味わいにプラスして、それを作る人の尋常ならぬ情熱がきちんと映し出されているものばかり。当然ぶっとんで美味しいわけですが、値段もぶっ飛んでしまうこともしばしば…(笑)。でも異なる食文化圏である日本まで、大量の化石燃料を消費してわざわざ海を越え運んで来るからには、それだけの価値があると自負して輸入しているのだといつも話しています。トリュフや、ポルチーニなどの高級食材だってイタリアの食文化であることには違いないのですが、それはとある一面でしかありません。なんでもないただのトマト、ただのナス、ズッキーニが、ちょっと気を遣ってまっとうな材料で丁寧に作れば、そしてそこに自然の恵みを余すところなく、より美味しく食べようという人間の工夫が加われば、何よりのご馳走となる。それを味わいからだけでも証明してくれるような、まったくの日常食としての瓶詰たちなのです。イタリアよりも甘いトマトが栽培されるようになった日本においても、なかなかこういったエッセンスを感じさせてくれる加工品には出会えません。

イタリアでもそろそろ夏野菜が終盤のころ。きっと今日もイザベッラは、畑で獲れた大量のお野菜を大きなお鍋で仕込んでいるのでしょう。例によって、ぺちゃくちゃノンストップでおしゃべりしながら。すっかり大きくなった4人の息子たちに手伝ってもらいつつも大忙しの彼女。大口の予約が入るとレストランもてんやわんや。イタリアから届いたままのペラーティの箱には、緩衝材がわりに小さなメモのような紙がぐちゃぐちゃに丸められて詰まっていました。よく見ると、それはレストランのオーダー票。きっと、詰めるものが足りなくてその辺にあった雑紙をなんでも使ってしまったのでしょう…。読んでみると「特大サラダ×1、アニョロッティ×2、カッフェ×2、2名現金…」などリアルな(笑)オーダーがびっしり。おびただしいオーダー票を見ているだけで、レストランの喧騒が聞こえてきそうです。さあ、彼女の逞しいマンマの腕で次から次へとつめられた飛びっきりのトマトを、ぜひ日常の食卓で味わってみてください。蓋を開けた途端、もしかするとイザベッラのけたたましい笑い声が飛び出してくるかもしれませんよ。

 

イザベッラのホールトマトはコチラです。
イタリア版ケチャップ、サルサ・ルーブラもとってもおススメです。

 

謎の赤いダイヤモンド。胡椒をスパイスから主役に変えるマリチャの宝石。

これはバシッと来ます。今までMarichaマリチャの胡椒の中で一番テンションが高いのはネ・ビアンコ・ネ・ネーロだと思っていたのですが、今回このロッソ・スクーロ(イタリア語でダークレッドの意味)を味見して、スモーキーなのにクリアでシャキッとした香りと、入りは穏やか、後味にじわじわと辛味が走り抜ける爽快さに「こ、これは…!これだったのか!!謎の赤いダイヤの正体は…ウウッ」と倒れてしまいそうになりました。「ママろば!!ママろば!!しっかり!!!」とパパろばが駆け寄ります。床に倒れたママろばが息も絶え絶え血文字で残したのは…”Diamante e’ pian…..” 「ダイヤモンドが何かわかったのか??ピアンってなんだよ」ガクガクとママろばを揺するパパろば。しかしその時すでにママろばは…。ああっ。。。

…あ、すいません。昔の刑事モノ(しかも三流だあ~)の観すぎかも?。。。ほほほ。いや、でも冗談抜きにそれほど謎なんです。もちろん輸入元にも確認したのですが、この胡椒の名前”Rosso Scuro”ロッソ・スクーロの下に堂々と書かれている ”Diamante”ディアマンテの意味するところは謎のままです。ダイヤモンドということはわかっても、なぜその名前がついているのかがわからないのです。ダイヤモンドのように貴重だ、ということかな?と考えがちですが、裏の説明を読むと更に迷宮に入り込みます。なになに…?(←ちょっとイタリア語できる人気取り。ちなみにママろばのイタリア語力はイタリア語検定2級を落ちる程度の実力です。トホホ。)

このロッソ・スクーロ・アッフミカート(直訳するとスモークド・ダークレッド。つまり、スモークした赤黒い胡椒)は、マレーシアのサラワク州サリケイ庭園で丹念に育てられた希少なクーチング種の中でも4~10年の高樹齢の樹の胡椒を使っている。収穫したての新鮮な胡椒の実を冷たい清水で洗った後、実が完全な形のまま残るよう加水せずに6つの圧力釜を使ってほんの数分加熱する。その後マンゴーと”ダイヤモンド”の木の枝でゆっくりと燻煙した後95°Cの簡素なオーブンで14時間乾燥させる。この複雑な作業工程は全て、熟練のシェウ氏ただ一人によって収穫から24時間以内に急いで行われる。このような世界に類をみない驚くべき手作業によって、胡椒本来のありのままの味をお伝えできるのである。

さあて、この「マンゴーと”ダイヤモンド”の木」という箇所がくだんの謎なんです。イタリア語を文法通りに解釈するのなら「ゆっくりと燃焼させたマンゴーとダイヤモンドの木から得られる煙で燻し」となるのですが、誰もダイヤモンドの木などという植物を知りません。検索してもひっかかってきません。アフリカで、ダイヤモンドの原石が出土する土壌の上に必ず咲く植物、ということで話題になった木なら出てきましたが、それとも思えません。輸入元もそこがわからずずっと問い合わせているのですが、とにかくマリチャの人、つかまらないのだそうです。後日情報が入りましたらお伝えしますね。実はママろば、このダイヤモンドが何を意味するのか気になって気になって、マリチャに電話してみようと夜中にひとり色々調べていたのですが、イタリアのイエローページでもマリチャの電話番号掲載されていないし、マリチャはジャマイカ・カッフェのオーナー、ジャンニ・フラージの娘さんがやっている会社だからジャマイカ・カッフェに電話してみるか?と思ったりもしたけどさすがに忙しいコーヒー屋さんに電話して「マレーシアのダイヤモンドの木ってなんのこと?」と聞くのも申し訳ないしとしり込みしたり…と、挙句の果てにはイタリアでネットでマリチャの胡椒を売っていたお店に問い合わせてみたら「あ、ごめん。マリチャの胡椒の裏に書いてあった文章コピーしただけなんだ。詳細は知らないんだよ。マリチャのひと連絡とれないって噂だし」と…。あら、イタリアでもそうなのね。ということで、あきらめることにしました。おそらく植物の名前ではないか、というのかわたしと輸入元のノンナ・アンド・シディさんのたどり着いたおおまかの予想でございます。真相がわかりましたら皆さんにお伝えしますね。

とまあ、こんな感じです。それにしても、この説明!はあ~。すごいですよね。ちなみにこの「シェウ氏ただ一人によって収穫から24時間以内に~」というくだりは、マリチャのどの胡椒にも書いてあります。いや、それはつまり、すべての胡椒をシェウさんが作っているってことですか?収穫して24時間以内に???そりゃあすぐ品切れになるのもわかります。というよりヘルパーさん雇えばいいのに。。。と余計なお世話もやきたくなりますが、もちろん手伝ってくれる方はいるとは思うのですが、きっとここぞという見極めは彼でなければできないのでしょうね。シェウさん恐るべし。

マリチャのほとんどの胡椒は試したつもりでしたが、わたしはこのロッソ・スクーロは初めて見たので(過去に何回か日本に輸入されているようです)、早速開けて試してみました。封を切った瞬間の、上品なスモークの香りに「これはまず、目玉焼きだね!」とパパろばと意気投合。早速焼いてみましたとも~。う、旨すぎる~~~~う(涙)。なんだか胡椒のカリッと感が他の種類より軽い感じがします。

全然関係ないですが、皆さん目玉焼きは蓋する派ですか?蓋しない派ですか?わたくしママろば、人生うん十年ずうっと蓋する派を貫いてきたのですが、つまり黄身を白い膜が覆っている目玉焼きを食べ続けてきたわけなのですが、結婚したパパろばがなんと、蓋しない派だったんですね~。小学生の時に母に習った「コンコン、じゅわ~のあと水を少し足してすぐ蓋をする!」という鉄則を忠実に守り続けていたのです(北海道の実家は今でも白い目玉焼きです)。ある日パパろばが作ってくれた目玉焼きの黄身が、ねっとりしていて鮮やかな黄色で、とっても新鮮だったのです。そして、とっても美味しく感じられたんです。蓋する派のように3分じゃ仕上がらないけれど、蓋をしないでじっくり焼いた目玉焼き、このねっとり感は一度体験しちゃうと、そう易々とは蓋する派に戻れません…という気がするのはワタシだけですかね?

あ、そうそう、で、目玉焼きにロッソ・スクーロ。これはもう、とんでもなく相性ばっちりでした…と、いうことはですよ…つまりかの有名なカルボナーラ、炭焼き職人風スパゲッティに使ってみない手はないですよね!?なんちゃってスモーク?のベーコンとかパンチェッタなど使わず、この胡椒のスモーキーさを生かせばかなり上品な香りのカルボナーラが出来るはず!夏なのに、カルボナーラが食べたくなってきました。

胡椒の辛味だけでなく、スモーキーな香りまでお料理のアクセントに使えば、いろいろな場面で活躍してくれそうです。例えば蛸のカルパッチョや牡蠣のソテー。燻製にできるモノなら何でも合いそう!桃が出回る頃になるとつい食べたくなる『桃とリコッタチーズのサラダ』は、はかなさもまた美味しさの内なのですが、酸味が柔らかでややふんわりした平坦な味わいになりがち。そこへロッソ・スクーロをガリリッと!…ビタッと引き締まりますよ~。早速昨日いただいてきたばかりのKeicondoさんの新作のお皿にも盛り付けてみました。ちなみに、この桃のサラダ、桃を塩とオリーブオイルだけでマリネしてリコッタチーズとさっくり混ぜるだけなのですが、マリネするときシュッとシルクのワインヴィネガーを酢が入っているとわかならい程度に和えておくと(あの、イチゴのマリネの要領です!)酢を使っているとバレなければ勝ち!)…んもう、悶絶ものです。前回は、偉大なお酢とはいえ、お酢界ではロールスロイス並みの値段だし、初めての輸入だし…とめずらしく弱気な量を輸入したヴィナイオータさんでしたが、瞬間的に完売してしまいすっかり自信をつけたのか(笑)今回は豊富に在庫を用意して下さった様子。これは、お酢というよりもう旨味調味料的効き方をするので、しかも半永久的に保存できるので、一家に一本、常備しておくに限ります。ちょっと味が決まらない。これ以上塩を足したくない。そんな時にひと匙。まさに魔法の一滴です。この桃のサラダ、塩の効かせ方次第で前菜としても、食後の軽いデザートとしても使えちゃうので夏のおもてなしに最高ですよ。直前まで冷蔵庫でキンキンに冷やしておくと桃とリコッタが一体化してよりまとまった味になりますが、テーブルに出す時に軽くオリーブオイルを回しかけてくださいね。そしてもちろん、ガリリっとロッソ・スクーロ、ね。


あ、また脇道にそれちゃった。すいません。というわけで(何がというわけなんだろう?)冒頭の謎解きに戻りましてバッタリ倒れたママろば本人が血文字で残した答えを解説いたしますと「ダイヤモンドの正体は、ピアン…?」の正解はピアンタ、植物でした~。多分!

本当の答えはCM、じゃなかったカルボナーラの後で(古いな~、我ながら…)!

Marichaのページはコチラです。*前回入荷時、入荷するや否や輸入元で完売してしまって買いそびれた基本の基本のネロや、たまにしか入荷しない塩漬けスモークのカーモとオーロも再入荷しております。この機会にぜひお試しくださいね。

 

 

 

洗剤不要。ぬるま湯だけでキュキュッと洗える万能びわこ

 

まだ使ったことがないという人がいたら、とにかく一度試してみて欲しい。本当にびっくりします。あまりに色々な用途に使え過ぎて肝心のお皿洗いにも優秀だ、ということをお伝えし切れていなかったので、ここで動画でご紹介しちゃいます(なんだか変なサイズでアップロードされてしまったので、全画面表示でご覧いただくと見やすいです)。エコ洗剤だと油汚れの落ちが悪くてきれいになった気がしない、と何度も洗い直していたパパろばでさえ「エスプレッソマシンのノズルにこびりついたコーヒーの油までピカピカになる!」と言って今ではびわこを手放しません。アクリルたわしだと次第にたわし自体がギトギトしてきてしまうので、頻繁に取り替えなければなりませんが、びわこは違います。これでもかっていうほどボロボロになるまで使い倒しても洗浄力が衰えない。見た目はかわいそうなほどくたびれてしまうのですが、効果はそのままです。買い替え時がわからず困ってしまうほどなのです。

ところが、もう長年愛用しているというひとでさえ「食器洗いに使うのはなかなか抵抗があって…」としり込みしているケースが多いことに気が付きました。なので動画。パパろばが「俺が洗ってるとこ撮ってよ。」と。どうやら、いくら素晴らしさをお伝えしてもなかなか実行にうつしてもらえないのでもどかしくなってしまった様子。正方形の布を折りたたんで使う、ということが面倒なのでしょうか?「細かいところまで包み込んだり溝に詰め込んで洗えるから慣れればかえって便利」とパパろば。本当に使い込んでくると、他のもので洗った後びわこで仕上げ洗いをしたくなるほど仕上がりのスッキリさが違うんです。上の動画は、カレーライスを食べた後の白磁のうつわを洗ったところ。洗剤を使わないので「洗い→すすぎ」と2回洗う必要がなく、スピーディーに洗えます。問題は、洗った後広げて干す場所を確保できるかどうか、だけなはずです。そこさえクリアにしておけば、すぐに乾いて衛生的。折りたたむの自体は苦になりません。本当に、騙されたと思ってぜひ一度お試しください。色々なエコたわしを試したけれど、洗浄力、衛生面、耐久性、どれをとってもびわこにかなうモノはありませんでした。

最初にガラ紡というモノの存在を知ってキッチンで台拭きに使ってみた時にもすごいなあ~と感心しましたが、びわこは、なかでも特別です。他メーカーのガラ紡布巾も使ってみたのですが、もう、手触りからして違うんです。「食器洗い」となっていますがウチでもはじめは抵抗があり、ずうっとキッチンでの手拭きとして使っていました。とにかく吸水性がよいので、手が濡れていても、これでさっとぬぐうだけですぐに「のり」も「かつお節」もつかめちゃう。それがどんなに便利なことかは、使ってみないことには想像できないかもしれません。水分を吸い取る、というより奪われるといった方がわかりやすい程の吸水力なのです。ストレスフリーとはまさにこのこと!

ろばの家で扱うようになってはじめて、わたふや浴用タオルのびわこαを手にすることができました。そこでやっと「びわこを食器洗いスポンジのかわりに」使ってみたのですが、本当に洗剤なしで、お湯だけでお皿がピカピカになったのです!しかも、すすぎが恐ろしく楽。だって洗いとすすぎを同時にしてしまっている感じなのですから。ステンレスやシリコン素材など、一度洗いではスッキリ油を落としきれないという、エコ系洗剤への不満も一気に解消です!ハンバーグをこねたあとのボールやカレーの鍋といった強敵も、一度軽くすすいでからお湯とびわこでキュキュッ!!感動ものでした。

こんなに油汚れがよく落ちるということは、それを吸い取っているふきんの方はどれだけギトギトになってしまうんだろう?と疑問でしたが、使い終わったあとお湯でゆすいで乾かしておくだけで、数時間でパリっと乾いてしまい特に脂っぽくは感じません。シンク拭きには最高で、化繊のものと比べても油落ちは良いし乾きが早いので臭いは出ないし超優秀。さすがに何か月も使い続けるとふきんが重たくなり、また黒ずんではきますが、石鹸をつけもて5分くらい煮沸するとまた元通り!いつまでたっても買い替える必要がないので逆に困るくらいです。いったい、油はどこへ消えたのか?と疑問を持つのはわたしだけではないようで、メーカーさんには多くの問い合わせが来るらしく、ふきんが納品される際には説明書きが色々添えられています。ひとつご紹介してみると…

*****製造元 朝光テープに寄せられたご質問******
Q.油はどこへ?どうなってしまうのか?
A.びわこふきんに抱き込まれた油は繊維によって細分化されて流され出る。布には残らないし、手の平より布の方が油のなじみがよいので手の平も油でべとつくことはない。
Q.油で排水管がつまる心配はない?
A.細分化された油は集合し大きくなることはないが、温度が下がると固まる。でんぷん質とまじりあった油が管に付着するが、EM(ぼかし)菌の液を流すと油もでんぷん質も自然分解されて排水管がつまることはない。
Q.どうしてこんなに丈夫で長持ちするのか?
A.以前は再生綿・落綿を原料としていたが、今は新しい原綿になって耐久力も増している。長持ちもするがいつまでも使い易くて捨てられないというひとが多い。
Q.洗濯の方法は?
A.でんぷん質は木綿に付着して残るので使い込むと重たくなる。一週間に一度くらい石けんをつけて煮沸するのがよい。同時に消毒もできる。(以上、製造元資料より)

この説明にはEM菌の洗剤と書いてありますが、家ではびわこを使わないでアクリルスポンジの場合には石鹸か、洗剤の場合にはドイツのエコ洗剤を使っているのですが、EM菌でなくても排水管はピカピカです。

そして、実は美容の世界でも口コミで絶大な人気があることを後になって知りました。実際に、お風呂でお湯だけで体を洗ってみたら…温泉あがりのように肌がすべすべ!!軽くアカすりにでも行ったかのよう。余計な角質をからめとってくれるのだそうです。アトピーにも効果があるということで、3歳の娘もこれで身体と顔を洗ってあげています。わたしのような中年肌でも、びわこを使ってから肘膝のかさつきがなくなり、保湿剤もいらなくなりました。こうなってくると、おすすめされている用途すべてを試してみたくなりますよね。

書いていない用途にもどうなのか?というチャレンジャー精神もムクムク。子供の髪を乾かすのに使ってはどうか、とか、もしや窓拭きとかも楽にできるのではないか?グラスもピカピカになるのかしら?とか。。。今、いろいろ試してみている最中です。シンク拭きに1年ほど使ってボロボロになったびわこをキッチンの床拭きに下しましたが、洗剤なしでフローリングの油汚れまで取れるので、使いまわしのサイクルがしっかりできて、さらに捨てられなくなってしまいました。最後は窓拭きに回して終わりかな~~~?

こういった、一見なんの変哲もないような一枚の布が、それを知ってしまったその瞬間から「なくてはならないモノ」「他に代用のないモノ」となってしまう。あまりに使い勝手がよくて、心地よくて、周りにすすめずにはいられない。他人にも教えてあげたくなる。

…そんなおせっかいな気持ちが、ろばの家のモノ選びの基本です。

びわこふきんは、ろばの家の道具選びにひとつの基準を設けた、大切な一枚。非常に手のかかる昔ながらの行程をふむため生産が追いつかず、さらに今回は糸工場の職人さんがご病気で入院され、一時生産ストップしていたため半年以上在庫切れで沢山お問い合わせをいただいていた時期もありました。周りから「こんな手間のかかる仕事を、この値段で続けられるわけがない」などと言われても「昔から贔屓にしてくださっているお客様を裏切りたくない」と、コストを最低限に抑えて無理をしながら生産再開への努力を続けた朝光テープさん。糸職人さんがお休みされている間何か月も、片道1時間以上もかけて毎日交代で工場に出向き、さらには老朽化した工場の修繕まで請け負って、布を織れるように糸工場の再建へと奮闘したとのお話に「待っているひとがいるから早くしてくれ」とは言えず、ただひたすら、ずうっと再開を待ち続けていたものです。当時びわこよりもサイズの大きいわたふやアルファの生産再開の目途は立っておらず、びわこのみ再開されていたのですが、やっと和太布も少量であれば分けていただけるようになりました。一番サイズの大きいお風呂用のアルファはまだ生産が安定しておらず、本当に少しずつしか分けて頂けないため、心苦しいのですがおひとり様1枚までのご注文とさせていただくことにしました。早く全面的に生産体制が整ってくださることを祈るのみです。

日本の手仕事の誇りと良心のたまものともいえるガラ紡、びわこふきん。品質の良さで選ぶのはもちろんですが、わたしたちが支持し続けることで、大切な伝統技術を後世に伝えるための買い支えにもなるのです。ろばの家で扱っているのは実際に自分たちが使って納得しているものばかりなのですが「中でも一番のお薦めはなんですか?」と聞かれたら迷わずびわこの名を挙げます。それほどまでに、心から皆さんに使ってみて欲しいと願っているものなのです。びわこ条約から名前をとってガラ紡ふきんを「びわこ」と名付けた時、朝光テープさんが「地球をこれ以上よごさないで欲しい」と心から願ったように。びわこを紹介することで、彼らの想いを少しでも広げられたらと思っています。

びわこふきんのページはコチラです。

 

 

夏の間”ひたし豆”さえ常備しておけば!おかずもお酒のおつまみもアレンジ自在。


青大豆のひたし豆です。夏なので、生姜を効かせてスッキリ仕立てました。これが、これがですね。申し訳ないほど簡単なんです。一度に200gくらいずつ仕込んで冷蔵庫にスタンバイさせておけば、千切り人参とサラダにしたり、お豆腐と和えたり、ツナとトマトと紫蘇で食べたり、キュウリやキャベツの塩もみと酢の物風にしたり…とまあアレンジ無限なのですが、何よりもそのままコリコリ、モグモグ食べてしまうのがひたし豆の正しい(?)食べ方だとわたしは思います。お出汁ごとね~。これがホント、ビールにもお酒にもワインにも合うのよね~。おススメは鞍掛豆と青大豆!この甘さ、お豆から出てるだけ?とびっくりしますよ。案外子どもも好きで、ウチのチビろばちゃんたちにも大好評です。

ひたし豆の作り方随分前に『べにや長谷川商店の豆料理』という本で知ったのですが、あまりに美味しくて簡単で何度も何度も繰返し作っていました。ろばの家でべにやさんのお豆を色々販売していてわかることは、お豆は好きだけど自分で戻すところから料理するのは面倒でハードルが高い、と感じている人が多いということです。そんな中ダントツの人気を誇っているのがミックス大豆。2~3分フライパンで空煎りしてお米をセットした炊飯器にジャッと入れ、普通に炊くだけで簡単に美味しい豆ご飯が出来るのです。色とりどりで見た目にも可愛らしいのですが「事前にお水に浸けておく必要がない」という一言で皆さん「やってみようかな」と思って下さるようなのです。一度試していただくと「炊いている時のあの香ばしいにおいがたまらない」「冷めても美味しい」「子どもがおかわりする」と沢山の方がリピートしてくださいます。お豆料理ってもっと大変だと思っていた、と言いながら。

お豆料理を避けてしまうという人は、レシピによくある「8時間たっぷりの水に浸け…」という一文のせいで「その時間にちゃんと調理体制に入れるのだろうか?」と不安で気持ちが折れてしまうのではないかと思うのですが、実はそんなに厳密じゃなくても大丈夫なのに…。冷蔵庫に入れておけば一日放っておいても平気です。さらに言えば、8時間と書いてあってもそれより短くたってたいていの場合問題なく茹で上がります。「冷蔵庫にお肉もお魚もない!明日買い物に行かなきゃ」というような夜にお豆を水で戻しておけば、それで翌日立派なメインのおかずができるんです。ゆで時間も、案外早い。このひたし豆など15分くらいです。慣れてしまうと、便利で手軽で美味しくて、しかもお肉やお魚よりも安い!ヘルシーで栄養価も高い!と、これほど優秀な食材は他にあるまいという素敵なお豆。でも、お豆料理は苦手、という方も多いんですよね。それはひとえに、長らく日本でお豆料理の主役の座を占めてきた、お砂糖たっぷりの甘煮のせいではなかろうか?とワタシは思っているのです。スイーツとしてではなく、食事としてお豆を食べるのに甘煮仕立てにすることが多いのは、おそらく日本だけの事なのではないでしょうか?つまり、諸外国では圧倒的に甘くない料理が主流なのです。お豆料理があまり好きでない人、特に男性に多いように感じるのですがその多くは「甘くて苦手」という印象を持っている。でも、チリコンカンやひよこ豆のカレーもダメ?と聞けばそちらは大丈夫だったりすることも多く、要は、豆が苦手なのではなく「甘い豆が苦手」ということのようです。そういう方にぜひとも試していただきたいのがこのひたし豆!まずはそのまま、コリコリどうぞ。お砂糖ではない、自然なお豆の甘さならきっと甘くて嫌い、とはならないはすです。

ここで、べにや長谷川商店さんの本にあったひたし豆のレシピをほんの少しだけアレンジしたものをご紹介します。お醤油の量が少な目なのは、梶田さんのお醤油を使っているからかも。旨味が強く、よくのびるのでレシピ通り入れるとワタシには味が濃すぎるように感じてしまうのです。あくまで目安なので味を見て調味料の量を調節してくださいね。液が冷めてゆく間に味が入るので浸し汁が熱いうちに調味料を加えるのがポイントです。

ひたし豆

材料 : 大豆系のお豆200g(大豆、青大豆、鞍掛豆など)
            お醤油 大匙1
             レモンの絞り汁または米酢 大匙1
            お好みで薄切り生姜(繊維に添って切る) 5~6枚 

1、お豆は一度ざっと洗ってからたっぷり、約4倍ほどのお水に浸しておく。
  (時間がない場合は戻さずに炊飯器に4倍のお水とともに入れて炊飯スイッチを入れるだけで上手にふっくら炊けるという裏ワザもありますが炊飯器がかなり汚れます)

2、お豆がふっくら戻ったら火にかけ、沸騰したらふつふつするくらいの中火で15分~20分。歯ごたえを残して茹で上げます。

3、茹で汁を半分くらいに調節して熱いうちに調味料、生姜を入れて冷ます。冷めたら汁ごと冷蔵保存。夏場は3~4日で食べきる。

以上。残った茹で汁は、捨てずにたっぷりの摺りおろし生姜とお醤油を少し垂らすと、蕎麦湯のように滋養たっぷりのスープに。浸し地に茹で汁を使わず、熱いかつお出汁300ccに調味料を入れたものに茹でたての大豆を入れても同様にできます。もっとクリアで上品な味わいのひたし豆が出来ますが、お豆の茹で汁だけでダイレクトにお豆の旨味を感じられるひたし豆もワタシは好きです。同じやり方で米酢をワインヴィネガー、お醤油を塩に、生姜を薄切りにんにくに替えて、食べる時にオリーブオイルとコショウをかけるとまた違った雰囲気が楽しめますよ。

さて、手軽なお豆ご飯やこの浸し豆で塩味のお豆料理にハマったら、ぜひぜひ他のお豆料理に挑戦してみてください。先のレシピ本にも載っているメニューは本当にどれも驚くほど簡単で時間もかかりません。ちなみにママろばの超、超おススメメニューは、 ●青大豆の青のりがけ(P33) ●手亡ペースト(P38) ●ミックスビーンズのマリネ(P42) ●豆の天ぷら(P67) ●じゃがいもと白花豆のスープ(P76) などなど。他にもたっくさん美味しいレシピが載っているのですが、どれも一度作ってしまえば次から材料や手順をみなくても作れるようなシンプルなものばかり。「さて、あれを作るぞ!」という時にいちいち本を引っ張り出してきて(何ページだったかな?)材料を計らなければならない(えっと、醤油が大匙一杯に、お酢が…?)ようだと面倒で、結局つくらなくなってしまいます。ママろば、わが家の定番となるお料理が1冊に3つでも載っていればもうけもの、と割り切ってレシピ本を買うようにしています。これだけライフスタイルが多様化している中で、他人の紹介する料理が家族構成や家族の好みなど自分の境遇に何もかも合致するということなどそうそうない、ということなのでしょう。メニューが決まっているなら、検索すればすぐ調べられる時代ですしね。だからこそ、身体が覚え込んでしまうまで何度も作るような一品がいくつも載っている本に出会える喜びが貴重なことに感じられるのです。今はもうあまり手に取ることがなくても、これだけヒントを与えてれたのだから十分すぎるくらい元をとった、と思って感謝する。これはそんな本のうちの一冊です。海外編もあって、こちらも世界各国のシンプルで美味しいお豆料理とレシピが、その国の食文化や暮らしぶりとともに楽しめる読み応えのある本です。

そのべにや長谷川商店さんから、100グラムずつ3種類のお豆をお試しできるお楽しみセットが新しく届きました。色とりどりでとってもキレイ!中にお豆の扱いの基礎などが書かれたリーフレットも入っているのでプレゼントにもおすすめです。この機会にぜひお豆料理に親しんでみてください。

べにや長谷川商店さんのページはコチラです。

 

 

 

 

蓋を取るのが毎日楽しみ!壷田和宏さんの自由な土鍋たち。

「ごはんを炊く鍋、ずっと探してたんです」という方、結構いらっしゃるんですね。「365日付き合うパートナーなんだから、こんな風に明るく愉快な相手がいい!」と、同じく長年ずっと探し続けていたワタシ、ママろばはすぐに飛びついてしまったわけです。「え?このクソ暑い真夏に土鍋?」とギョッとしていたパパろばまでが、包みを開けてどどどん!と並べた瞬間「わ、コレやばい。まじ、どれもこれも全部いい」と速攻納得してしまったほどの訴求力。えっへん、でしょうでしょう??

こんなにも楽しいお鍋さん、これまで出会ったことがありませんでした。なんとも言えないユーモラスなお顔。じっと見ていると見えない目と目が合ってしまう。ぱっかりと口が開いて話しかけてくる。…「はよ炊いて~な!」…ぷぷっ。こんなお鍋でご飯を炊いたり、お豆を煮たり…。炒め煮だってお任せください。使えば使うほど、風合いに味が出てきて貫禄も十分。そりゃあもう、台所の主役です。夜の寝静まった台所、ぺちゃくちゃお喋りをする小なべやフライパンたちに「おーい、ちゃんと休んどかんと明日しっかり働けへんで!」と一喝。頼りになる番長就任間違いなし、です。え?どこに仕舞うか困る?いやいや、片付ける必要なんてないでしょう?ぜひとも台所の一番目立つところにどかんと置いちゃってください。ろばのウチにもひとつ、とびっきりのがやってきました(すぐ下の写真の子です)。毎日眺めてはニヤニヤしています。これからずっと一生、この子で美味しいご飯を炊けるのかと思うと、それだけでお米の研ぎかたまで丁寧になってしまいます。毎回炊き上がりの蓋を取る瞬間が楽しみで楽しみで…。

さて、この表情豊かな土鍋たち。なんとはるばる宮崎県からやってきてくれました。西臼井郡高千穂の、壷田和宏さんの手によるものです。どんな作家さんともそうですが、壷田さんとの出会いは、またしてもろばの家にとって特別なものとなりました。ろばの家というお店としてのお付き合いだけではなく、わたしたちの人生においても大切なご縁。これからもずっとずっと家族全員で関わらせていただけたら嬉しいなあ~と思いながらつくばに帰って来ました。あまりに色々なことが起こりすぎて、でも何もかもが印象的で楽しくて、皆さんにその感動をお伝えしたい気持ちもかな~り盛り上がっているのですが、それを長々綴っているとまた例のごとく本題のお鍋にたどり着けないので、それは次回の旅行記に譲るとして(本当か?)、とにかく和宏さんの作品のお話をしましょう。

作品の中に、その人の魂まで乗り移ってしまったかのように感じてしまうのは、今回届いたのが土鍋中心だからで、たまたま大きい作品ばかりに目がいってしまうだけなのか、それとも和宏さんの作品はいつもこんな風なのかワタシにもわかりません。でも、今回届いたモノに関して言えば、大きいものから小さいものまで、土鍋で言えば取っ手の先っぽから蓋の裏まで徹頭徹尾和宏さんです。土鍋でご飯など炊けば、湯気がアラジンの魔法使いのように和宏さんの姿にモクモクと変形して「あ、どうも。使ってくれてありがとう」と控え目にお礼だけ言って消えてしまいそうな気がしちゃう(笑)。あ、ちなみに無茶苦茶低姿勢な人なんです。僕なんかの作品手に取ってくれるだなんて…的な。スキレット鍋の取っ手をつかんで見れば、和宏さんが鳩を調理する姿が目にうかぶし、阿蘇の土で焼いたという小鉢なんてその姿形だけで十分に愉快なんです。なんで?どうして?こんなにシンプルな、ただの丸っこい小鉢なのに?もう、何もかも200パーセント和宏さんすぎて、可笑しくなってきます。わたしにとっては、そう見えてしまうんです。…といっても、皆さん和宏さんがどんな方かわからないですよね。わたしばっかりすみません(汗)。こんな方です。

ご本人に聞かれたら怒られてしまうかも、ですが、一言でいうと「子どものような人」です。勉強が嫌いで嫌いで、ある時美大というものがあるのだと先生が教えてくれて、一日中絵を描いていられるということが夢のようだった。美術系の塾に夜中に忍び込んで一晩中デッサンを描いたりした、と話していました。小学生の時は、こうと決めたら絶対何があってもやり通すタイプで「今日は絶対に曲がらない」と決意したら他人の家の塀だろうが川の中だろうが、ひたすら真っ直ぐ歩いてびしょ濡れになって学校に行ったり…と、照れながら話してくれる笑顔は小学生のまんま。叱られて立たされている姿まで目に浮かんできそうです。呆れるくらいに好奇心旺盛で、無垢で。子育てについてお話をしていて「僕はずっと、子どもに憧れてきてるんで、ぜんぜん彼らを見ていて飽きないんです」と言っていました。子どもの感性が、羨ましくて仕方がないのだと。小学3年生の娘さんがつくるキュウリのサラダを見て「感性のほとばしる、完成されない自分でいたい!」とコメントされていたことがありました。一日ご一緒しただけで断言するのはおこがましいですが、おそらく和宏さんは本気でそう願っているのです。彼はきっと、モノを作る人間として、そして恐らくは自分の人生を懸命に生きる上でも、本気で心の奥底から、完成されない感性を切望しているのです。そして、それを本気で求め続けることは、実のところ、そう簡単なことではないのではと思うのです。時に、生きずらいのではないかと思ってしまうほどに。

陶芸を始めて20年以上。陶磁専攻を卒業した美大のある愛知県で、在学中に籍を入れた奥様とともに独立して登り窯を作ってからすでに2度県をまたいで工房を引っ越した。その度に南下して、ついに宮崎までたどり着いちゃった、と和宏さん。現在は高千穂で登り窯と穴窯を、自身で焼いた耐火煉瓦で一から作り、さらに譲り受けたガス窯を天ぷら油の廃油でも稼働するように改造。その通称「てんぷら窯」はすこぶる好調。車も廃油とガソリンを併用できるようにしています。「お金がない若い作家さんにもっと知ってもらえたらいいんだけどね」と、廃油を燃料にした窯の情報を発信してゆきたいとも話していました。いわゆる移住組なわけですが、田舎暮らしの素晴らしさだけでは済まされない部分も沢山あるはず。セルフビルドで建てたご自宅の絶え間ないメンテナンスに加え、村の仕事や復興の手伝いなど様々な雑事にも追われるため、なかなか焼き物に専念できないという悩みもあるようでした。でもぜんぜん嫌そうじゃない。いろいろなことを工夫するのを楽しんでこなしている感じです。

土鍋が素敵でぜひ扱いたいとお願いすると、「いつもいっぱい焼くから、沢山出来るよ」と、さも簡単そうにお話しするんです。耐熱の大きなお鍋の難しさをあちこちで聞いてばかりいたのがウソのような、あっさりした答え方。一ヶ月に一回は窯を焚くけど、一度に何十個単位でまとめて作るからと、本当に何でもない事のよう。7合くらい炊ける大きな土鍋も探していて…と聞くと「お寺さんに頼まれて100人用の巨大鍋も作ったことあるし、大きい分にはいくらでも大きくできるよ。そのお寺さんの時は竈まで一緒に作っちゃったけどね」という、なんとも頼もしい答えが返ってきます。壷田さんの耐熱のうつわは伝統的に土鍋が作られてきた伊賀の粘土だけを使っています。土鍋の中には油を使わないでください、というものも多いのですが炒め煮もOK。パエリアなどを作ることもできるし、スキレット鍋でアヒージョを作ったりと、油調理も出来るのでご飯以外にも使えるのが嬉しいのです。シチリアではお豆を煮るのには絶対土鍋がよいと言われていたんです、と話すと「やっぱり!」と盛り上がりました。

昨年スペインに滞在して「いろいろなパエリアを食べたけれど、いちばん美味しかったのはアンコウのパエリアかな~」と壷田さん。おっそろしくお料理が上手なんです。わたしがお邪魔した時も、それはもう10品以上の凝ったお料理をわあ~っとテーブルに広げて歓待してくださり、どれもこれもがとんでもなく美味しかった!タコとお多福豆のアヒージョや、アンチョビ風味のジャガイモに赤い水菜と木苺をさっと和えたサラダ、チダイの軽い煮物はほんのりサフラン風味、ゼンマイとモッツァレラ、オリーブの和え物…そして、一生忘れられない青鳩のグリルは和宏さんの青いスキレット鍋に、青つながりでブルーベリーも入れて。それを天ぷら窯でグリルするときに「桜材で焼けば若干スモークの香りも付くから合いそうだよねなんて話す壷田さんを見て、火の番をしていた息子さんが「なんか最近うつわよりお肉焼いてることの方が多いような…」と笑っていました。もう、よほどお料理が好きなんでしょうね。食材の組み合わせがオリジナルでどのお皿もセンスがよく、そのままオーベルジュでも開けそうなくらいでした。

そんな和宏さんが作る土鍋、ウチではまだご飯だけしか炊いてみていませんが、とても美味しくふっくらとお米をツヤツヤに炊き上げてくれます。でも、もっともっと上手に炊きたいなと思っていたところに、ご飯の本も出版されているお米農家やまざきの山﨑さんご夫婦がたまたま来店してくださり、形状的にもお米を炊くのに理想的と和宏さんの鍋を見て教えてくださいました。直径と深さが同じくらいのコロンとした形がちょうどよくお米を対流させてくれるのだそうです。蓋もかぶせるタイプではなく落とすタイプなのでさらにマル!蒸気穴も小さいから沸騰してから菜箸などを挿せば圧力が加わってより美味しく炊ける、とも。

ちなみにこの山﨑さんの本『お米やま家のまんぷくごはん』、お米の炊き方やお米料理、ご飯のお供にピッタリのおかずなどが満載で、仲の良い山﨑家の雰囲気が伝わってくるなんとも楽しい雰囲気の本なのですが、何よりお薦めな点はものすごく丁寧親切に「美味しいお米の炊き方」を説明してくれていることです。お米農家さんならではの視点で、お米も玄米や五分つき米、白米など別に、また使うお鍋も土鍋なのか深鍋なのか、圧力鍋なのかによって浸水時間から炊飯方法、研ぎ方までもが詳しくケース別に目安を書いてくれているんです。早速わたしも土鍋の欄をみてこの通りにやってみたら、劇的に上手に炊けました!沸騰するまでは何度蓋をとっても構わないだなんて、目からウロコだったなあ~。「赤子泣いても蓋とるな」の呪縛にとらわれ過ぎていました。お酒もお好きだし、小さなお子さんはいらっしゃるしで、紹介されているレシピは子ども向けアレンジのアイデアやお酒のつまみにもなるお皿が多くて、もう、ワタシたちろば家族にはドンピシャリな本でした!

…と、話がそれましたが「もう20年以上陶芸やってきて、最近ちょっとまた大きく方向転換してきたというか、なんかもっとこう、陶芸ってこういうのと違うよな、と思うようになってきてたんです。本来はもっともとっと、身近な人のために作るものであるべきな気がして…」と話していた壷田さん。近所のおじいちゃんやおばあちゃんに、とにかく使ってみて欲しいからと作品を配ってしまったりもするのだとか。近隣のお土産屋さんに作品を置いてもらったりと、もっと地域に根差して行きたいという想いもあるようです。ワタシママろばの気持ちとしては、だったら、私たちがそれに近い形で彼の手から生まれたものを手渡しするようにお伝えできないか、と。実際に手から手へとお渡しする代わりに、ワタシが和宏さんとお会いして感じた気持ちをそのまま、限りなくライブに近い形にして、作品と一緒にお渡ししたい。ろばの家まで足を運んでくださる方には直接、それはできない方にも、作品の写真やこの果てしなく長いお話から”何か”を感じてもらえたら…と。そう思うと長くなっちゃうんですよね~。言い訳言い訳…。

「インターネットでそんなことが出来るもんか?」と思われてしまいますでしょうか。でも、遠いところにいて、なかなか高千穂まで彼を訪ねていけない方も、そもそも彼の存在さえ知らない方も、ただぼんやりと土鍋でご飯を炊いたら美味しいんだろうな~、とだけ思っていた方も、もしその”何か”に心を惹かれて、和宏さんの作品を手に取ってみたいと思ってくれたとしたら、ワタシとしては方法のいかんにかかわらず、橋渡しをしてみたいです。だって少なくとも、わたしはすでに毎日このとびっきりの楽しさを実感している。そして彼の作品たちが与えてくれる力に日々感動している。ごはんを美味しく食べたいという力を与えてくれるということは、生きる力を与えてくれるということですよね。それってすごいことだと思うのです。どこか遠くにこの子たちが旅立って行って、箱を開けられて、そのまだお会いしたことのない使い手さんに対面し、土鍋はきっと言うんです。「はよ、炊いて~な」と。想像しただけで、ワクワクしてきちゃいます。

さあ、今日も炊きますよ~。よろしくお願いしますね。


壷田和宏さんの土鍋・うつわはコチラです。
残念ながら今回はお会いできませんでしたが、壷田亜矢さんの白磁のうつわも届いています。とても個性的で素敵な佇まいです。新潟、柏崎のギャラリーTanneさんで個展を拝見していっぺんに惚れ込んでしまったのがそもそものきっかけでした。まさかこうしてろばの家に作品を置かせて頂けることになるなんて…。とっぷりとした白い肌を眺めながら、ひたすらこの不思議なご縁に感謝してしまうのです。
壷田亜矢さんのページはコチラです。

 

たっぷりバジルのフリッタータ。簡単だけど、ちょっとしたコツが。

DSC_7257 夏になってバジルが出回る季節になると何度も繰返し作ってしまうフリッタータ。具はシンプルにバジルのみ、なのですがこれが本当にやみつきになる美味しさ。イタリアの玉子焼き、フリッタータは一年を通して色々な具で作っていますが「一番好きなフリッタータは?」と聞かれたら迷わず「バジル!」と答えます。シチリアのマンマに教えてもらったフリッタータはオリーブオイルをたっぷり使って揚げ物のようにジュワ~ッと焼くので、卵の端っこがカリッとサクッと揚がったようになるのと、表面のバジルも一緒に揚がってパリパリ香ばしくなるのがたまらないのです。 ここ2年くらいずっと、ウチでは羽生さんのフライパンのSサイズで作っているのでだいたい玉子は3~4個くらい。そこにバジルをこれでもか、というくらいたっぷり入れます。分量的にはこんな感じです。 DSC_7224 ではでは、簡単に作り方を。というかもとから簡単なんです。ただ、いくつか絶対に譲れないポイントがあって、ほんの少しのことなんですけれど大きく出来を左右してしまうのです。少なくともワタシは、このやり方に出会ってからは「フリッタータはこれに限る!」と決め込んでしまいました。以来10年以上貫いてきています。そのポイントとは…

1、卵液は最低限しか混ぜない。

2、たっぷりの油をしっかり熱して全量を一気に流し入れ、最後まで混ぜない。

3、蓋をして卵の焼けるお菓子のような香りがしてきてからひっくり返す。

以上です。たったこれだけ。これはバジルに限らず、どんな具のフリッタータでもだいたい一緒のルールでやっています。 卵液はシャカッシャカッと黄身がつぶれ、ざっくり混ざったくらいで十分。卵白と卵黄を均一にしようと何度もかき混ぜると仕上がりが固くなってしまいます。日本の玉子焼きや、オムレツのようにフライパンに入れてから菜箸で混ぜたりもしません。肝心なのは、とにかく良質のオリーブオイルをケチらないことと、しっかり熱してから卵液を入れること。そうすると卵液を入れた瞬間「ジョワワ~!!」っと土砂降りの様なものすごい音がしていきなり卵の縁がチリチリと焦げはじめます。フリッタータを作っていて「あ、今日のは上手くいくな」と確信できる時は、この音が気持ちよく響いた時なのです。時間が無くて油を熱し足りない時などに気弱なショワ~という音になってしまうと「ああ、失敗だあ」と落ち込んでしまいます。イタリア語でフリッタータ(frittata)とはフリットしたもの、つまり揚げた物という意味。このやり方を台所で実際に見せてくれたマンマも、その点を強調していました。オーブンなどで仕上げるレシピもありますが、ワタシにはやはりフライパンで揚げるように焼くのが本当のフリッタータです。3つ目のポイントは、最初に流し込んだ片面でほとんど火を通してしまうということで、これは油を吸った片面がしっかり焼けてカリッとしてくると吸った油を再び吐き出しはじめるんですね。そのタイミングでもう片面を焼きたいから。両面サクッと行かせたいじゃないですか。

簡単とはいえ、実際の作り方を。分量は、小さ目のフライパンでやりやすい量で、だいたい2~3人分です。一人でもペロッと食べられますが。

材料:玉子3個、牛乳大匙1、塩、コショウ少々(お好みでパルミジャーノチーズを大匙2ほど入れても、入れなくても)、バジルたっぷり
          美味しいエキストラ・バージン・オリーブオイル大匙3(フライパンの底にしっかりゆきわたるくらい)

1、ボールに玉子を割り入れ、塩、コショウを適量入れてシャカシャカと軽くほぐす。

2、バジルは太い茎だけ残して葉っぱは丸ごと、卵液からはみ出るくらいたっぷり入れて軽く卵液を絡めます。

3、フライパンにオイルをいれ、揚げ物が出来るくらい十分熱してから一気に卵液を注ぎます。こんな風にバジルがむき出しですが心配無用。反対面を焼くときにバジルは勝手に卵液の中に納まってくれます。 DSC_7240 4、蓋をして火を弱め、卵が焼けるよい香りがして卵液が中心部以外固まってきていたらひっくり返す。大き目のフライパンで量を増やして作る場合など、上手に返せない時はお皿をかぶせて手で押さえたままひっくり返し、お皿からフライパンにすべり落とすとうまく行きます。

5、2~3分焼いたら出来上がり。もう一度ひっくり返してお皿に盛ると、バジルの色がキレイです。写真のように、フチがチリチリと薄い皮のように焼きあがれば成功。 DSC_7258 蓋をして焼くとフリッタータはふんわりふくらみます。それっ!と焼き立てを頬張るのが一番ですが、お弁当など時間を置いて食べる場合はいったんキッチンペーパーなどを敷いたお皿で休ませ、余分な油を吸い取っておくとしぼんでからも美味しく食べられます。

そして!ジョワワ~ッとフリッタータを焼くにはテフロンだとどうしても役不足です。油っぽく重たい仕上がりになってしまう。やっぱり鉄が一番です。目玉焼きだって同様、フチのチリリが美味しく出来ます。テフロンと違い長持ちしますし、使った後のお手入れが簡単なのも断然鉄です。まだフライパンが熱いうちに、ザアッと水道にあてながら手早くタワシやササラでこすって汚れを落とし、あとは火にかけて水分を飛ばしておくだけです。羽生さんのフライパンの場合だと、適度な凹凸でとても油なじみが良いので、特別手入れをしなくてもくっついたりサビたりせず気持ちよく使えています。

ふふふ。フリッタータがとびっきり美味しく焼ける羽生直記さんのフライパン、実は入荷してきてますよ…って、しっかり宣伝(笑)。賞味期限が11月末なので…と、輸入元のノンナさんが下げて出してくださったイル・レッチェートのオリーブオイルもセールになっていますので美味しいオリーブオイルが手元にない方もぜひ。もう、最強ですね。準備万端です。玉子とバジル、お家にありますか?

 

土と炎との戯れが生む偶然の表情。やきしめの良さ、もっともっと知って欲しい。

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やきしめの最大の魅力は、どれひとつとして同じ色や模様がないという唯一性。

作家さんと話していると、やきしめのうつわの表面に浮かぶムラや銀色に鈍く光る部分などを”炎が走った跡”と呼ぶのを聞くことがあります。同じ粘土で同じような形に挽いても、窯の中の火がどこからどのように駆け抜けたかによってひとつひとつのうつわに違った表情が加わります。炎の足跡だけではありません。窯のなかのどのあたりに置くか、そこが高温になるところか低温になる場所なのか、また送りこむ酸素の量によって酸化状態かあるいは還元状態に置くのかによっても色合いや質感が変わり、歪みの生じ具合も変わります。さらには薪の灰が被ったり粘土の成分が溶け出して自然釉となり、うつわに斑点やグラデーションを絵画のように自由に描き出す。それらの筆致はすべて、窯の炎によって偶然に生まれたもの。人間の思惑が炎の気まぐれにあっさり裏切られることになるのか、予想を上回る自然の遊戯に魅せられることになるのかというドラマチックな窯出しの緊張感は、やはり薪窯の醍醐味なのでしょうね。
DSC_6742けれども、釉薬を使わず土本来の色だけで勝負するということは、それだけ形の持つ力も問われるということです。また、予期しない結果が果たして美しいと感じられるものになるのか薄汚い印象を与えてしまうのか…。経験を積んだ作家さんが「薪だから良いというものではない」と断言するのを、いろいろな作品を数多く見てゆくにつれ深い共感を持って噛みしめてしまうのです。やきしめはその大雑把なくくりだけで見ると、どんなにひとつひとつ表情が違うと言っても所詮明るい黄土から赤茶、黒に近いこげ茶色までのアースカラー(まさに!)の範疇。遠目には似たような雰囲気のものに見えてしまいがちです。けれどその中に、特別に自分を惹きつけるもの、つい台所で毎回手に取ってしまうものがある。ろばの家の一角では今、やきしめの良さをもっとお伝えしたい、と幅広いアイテムを集めたやきしめコーナーを作っているのですが、こうして目の前に境道一さんや境知子さん、加地学さんによるやきしめのうつわを一同に並べていると思わずニンマリしてしまう。だって、ぜんっぜん違うんだもの。電話で話していても声や言葉遣い、抑揚から人がわかるのと同じくらい、同じやきしめでも雰囲気が違うのです。色や形を越えて浮かび上がってくるその人の個性のようなものがうつわにまで反映されているのを見るだに、ああ私たちは「やきしめが好き」なのではなく、道一さんの、知子さんの、加地さんのやきしめが好きなんだ、と思い知ってしまうのです。

やきしめ、やきしめと連呼していますが、もともと”焼き締め”や”締め焼き”と呼ばれる技法による分類のひとつで、備前焼きや信楽焼きに代表される、釉薬を使わずに高温で焼き上げた陶器を指します。同じ無釉でも植木鉢などの素焼き(テラコッタも素焼きのひとつ)との決定的な違いは焼成温度。一般に素焼きが800~900度程度で焼かれるのに対しやきしめは1100~1300度で焼かれています。多くは穴窯や登り窯などの薪窯で1週間~2週間程度かけてじっくり芯まで焼かれていて硬くて大変丈夫です。素焼きと違って水も通しません。油染みしやすいので何か敷いて使うようにいわれることもありますが、むしろ油モノや汁物も気にせずどんどん使いこんだ方が早く艶が出てしっとりした質感になってゆきます。はじめのうちはガサガサしていますが、束子でゴシゴシ洗ううちに徐々に肌質も滑らかになってきます。丈夫で気を使わず扱えることや、使い込んで色合いや手触りが変化し育ってゆくのを見守れることもやきしめの大きな楽しみです。

お料理を盛る前に一度たっぷりと水にくぐらせると、臭い移りを防げるだけでなく気化熱で食材を冷んやりと保ち、見た目にも涼しげです。写真のように氷水で食材を冷やすと驚くほどキーンと冷気を放ちます。古くからやきしめは水が腐らないといわれ水瓶や保存壺にも使われてきました。適度な吸湿性があり蓋物は塩壺としても、にんにく・生姜や梅干などを保存するにも最適。火元近くでも気にせず使えるのも便利で箸立てやツールスタンドにも向いています。お茶もまろやかに美味しく淹れられ、花器に使うと夏場でも水持ち良く切花が長持ちします。よく呼吸して蒸れないのでサクッと食感を残したいような揚げ物やグリル、パンやおにぎりなど湿度を嫌うものにも理想的なうつわなのです。なんだか良いことづくめでベタ惚れという感じですが、実際毎日使っていると優れた点ばかりが目について、やきしめ宣教師として全国を巡業しなければとアナタハツチトヒノチカラヲシンジマスカ?的な使命感に燃えてしまうほどなのです。相変わらず大袈裟かつ意味不明でスイマセン。
DSC_6711和食のイメージが強いかもしれませんが、ウチではイタリアンにも中華にも、何にでも違和感なく合わせています。土から生まれたまんまという印象のやきしめに、畑で採れたばかりの野菜を盛りつけるだなんて料理人としてこれ以上の幸せはない、と言ってくださったフレンチのシェフがいてハッとしました。大地の恵みを感謝していただく返礼のような気持ちでやきしめをに盛る。そんな感性は自分にはありませんでした。

やきしめのうつわがひとつ入るだけで食卓がピリリと引き締まります。この夏ぜひ、冷たいお料理を盛りつけて涼しげなテーブルを楽しんでみてください。

やきしめのうつわばかりを集めたページをつくりました。ぜひ一人ひとりの個性をお楽しみください。

*写真のやきしめのうつわは上から境道一さん(蓋物、箸立て、深皿)、境道一さん(楕円皿)加地学さん(鉢)。

 

冷たいはずの金属にやさしいひとの手の痕跡を。ヘラ絞りの生活道具。

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夏はメタルです。パンテラとかスレイヤーとかのヘヴィなメタルではなく、金属のお話です。涼しげな夏を演出してくれる、ガラス以外の新しい選択肢です。

薄い陶器のようでもあり、漆器のようにも見えます。でも素材はステンレス。Onamiオーナミというヘラ絞りのメーカーのものです。当店でもロックグラスやタンブラーでカフェラテなどの冷たいドリンクを出していて、オープン以来使っているので愛用歴は4年目に入りました。写真のトレイもその時から毎日使って、かなりよい感じに変化してきました。一見何の変哲もないプレーンな形のトレイに見えますが、縁のカーブの角度が絶妙で手で持った時ぴたりと指がはまり、気持ちがよいのです。

アイスカフェラテをタンブラーで出すと口に運ぶ前に「わ、すごいヒンヤリ!」とみなさん驚かれるのですが、続いてひと口飲んでみた時に「口当たりがやわらかい」という点に、そして、何と言っても「相当長い時間氷が溶けない!」という点に、さらにびっくりしていただけるようです。

「こ~れはビールに最高だね」と言って選ぶ方が多いのは、やはりこの冷え冷え感が決めてなんだと思います。実際相当冷たいままですからね。当店から徒歩4分の距離にあるつくばの名店、スコティッシュパブFinlagganフィンラガンの店主さんはこの点に惚れ込んで、ジントニックを出すのにこのタンブラーを使ってくださっています。

余談ですが、シュバルツヴァルドという蒸留所のモンキー47というドライジンは、腰が抜けるほど美味しいですね。あの透明感ある香り!!蒸留酒は苦手なママろばも、コルクを抜いてボトルから香りをひと嗅ぎしただけで、これまで飲んだすべてのジンはなんだったんだろうと思ってしまいました。あれはスゴイ。現在はオーナーが変わってしまい、もともといた蒸留家は辞めてしまったということなので、今出ているものが同じ雰囲気なのかどうかはわかりませんが、それ以前のボトルを見つけたらぜひ試してみていただきたいです。…と、話がそれてしまいましたが、そのフィンラガンでは、このモンキー47を使ったジントニックをシルキーのタンブラーで出しているのです。飲んでいる間いつまでも氷が溶けないので、シャープなジンの味がずっとクリアに感じられて、感動的だったそうです。…いつもパパろばがすいい~っと吸いこまれるように寄り道してしまうパブなので、これはパパろば談です(笑)。
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繊細なグラスで楽しみたいところのカクテルですが、このタンブラーは唇に添うような微妙なカーブから流れるように液体を運ぶため、金属であることに違和感を覚えません。長時間冷たいままで、常にはじめのひと口のような新鮮さを与えてくれるなんてお酒好きにはたまらない美点です。お酒やドリンクだけではなく、シャーベットやアイスクリームなども溶けにくいし、サラダや冷菜などお料理にも使えていろいろアイデアが広がります。アイスクリームを入れる金属のカップというのもあまり芸がないというか、同じような形のものばかりなので、こんなシックななうつわがあると新鮮ですよね。ヴェッキオ・サンペーリをかけるとかして、がぜんオトナなジェラートをよそいたくなります。わ、今そう言っていて思ったのだけれど、キンキンに冷やしたメロンとかのフルーツにこのジンをかけて出したら反則技になりそう!!あ、またまた話がそれてしまいました。。。

Onamiのデザインを手掛ける山崎義樹さんがはじめてヘラ絞りの現場を見たときに感じたのは「まるで陶芸のようだ」という印象だったそうです。原型となる雄型を旋盤にセットして鉄板をかぶせ、そこに形の異なるヘラを人の手であてがってろくろのように成形してゆくヘラ絞り。大量生産のステンレス製品のように金型でガシャンガシャンと次々に成型されていくものと違い、ひとつひとつ職人さんが形を絞ってゆくので仕上げのラインに微妙なゆらぎが生じ、それが金属のシャープなフォルムにやわらかさを与えています。独特のやさしい口当たりも、このヘラ絞りという手仕事だからこそ生まれるのです。

作家さんが作る陶器のうつわのように、よく見るとひとつひとつ個体差があり、ヘラ目ひとつとっても、ふたつと同じものはありません。そして、これまでヘラ絞りでつくられていたステンレス製品がヘラの跡を消してピカピカに磨き上げ、機械で磨いたようなミラー仕上げにするのが常識だったものを、敢えて手の跡を残し、ヘラ目ならではの特徴を生かしたデザインにしたのがこのOnamiブランドなのです。

夏にはガラス、と考えてしまいがちでしたが、さらに涼しげな効果が新鮮なOnamiのヘラ絞り。昔ながらの職人の手仕事を、そこにちゃんとスポットがあたるようにと毎日の生活の中で使える道具として展開しています。ロックグラスやタンブラーだけでなく、トレイやサイズ違いのボールなどがあり、木を組み合わせたツールスタンドなども作っています。

色は、ステンレスそのままの色を研磨せずに光沢を押さえて仕上げたシルキー、生漆を焼き付けたウス茶やウス茶にさらにオハグロ液でムラを出し、漆で仕上げたウス茶オハグロ、黒い漆を焼き付けた黒茶などは本当に漆器のようなしっとり感です。

ボールはサラダやお惣菜、果物、ヨーグルトなどにも使え、もちろんチップスやお菓子などにも便利。色のあるものは漆で仕上げているので、扱い的にはガラスや漆器と同じです。ただし、割れない。落とそうが踏みつけようが、まず割れることはないので食卓にそのまま出せる姿の良いステンレスボールととらえるも、壊れないガラスか漆器と考えるもよし。子どもにも気兼ねなくひとりで持たせておけます。タンブラーをアウトドア用として愛用している人がいるのも頷けます。

シルキーはあえて傷がつきやすい柔らかい表面加工になっているので、使い込むとアルミ製品のようなくたびれ感がでてきて良い味になってゆきます。ウス茶やブラックも、光沢を増してきたり薄れてきたりする部分が出てくるはずで、いずれの色も表情の変化を時間とともに楽しめるというところも、まさに陶器のよう。

時間のかかる手仕事、さらに漆仕上げと、多少コストに反映してしまいますがその分長く、さまざまな用途に使えるのできっと納得感を持って付き合っていただけると思います。

現在実店舗には8月末までの夏限定で、タンブラーとロックグラス、ボール、ツールスタンドなど、一部色が全色揃わないアイテムもありますがほぼ全ラインナップを実際に手に取ってご覧いただけます。そして、アイスカフェラテを店内でご注文いただければ、その口当たりと冷え冷え感を実感していただけます。お近くの方は期間中にぜひお立ち寄りください。

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Onamiのヘラ絞りの生活道具を『夏を愉しむ』アイテムのページに加えました。ほかにも涼しげなアイテムがいっぱいですよ~。
https://68house.stores.jp/?category_id=5940d320428f2d5af100015d

 

火傷するほど熱い郷土愛。アリアンナ・オッキピンティのシチリア食材。

DSC_5210この眼差し!下の写真を見てください。30歳で出版した自伝的エッセイの表紙写真です。どこまでも頑固で気が強く、情熱的。ミラノの醸造学校に通いながら生まれ故郷のシチリアはヴィットリアでワインを造り始めた当時は弱冠22歳。瞬く間にワイン界のアイドルとなったアリアンナ・オッキピンティさん。映画にまで出演し、先述の「Natural Women 」という自伝のサブタイトルは「La mia Sicilia, il mio vino, la mia passione(わたしのシチリア、わたしのワイン、わたしのパッション)」です。Arianna Occhipintiで画像を検索していただくと、さながらモデルか女優の様なショットがずらりと並びます。インスタではワインのボトルよりも彼女を撮影した投稿の方が多いかも、というくらい。学生かなという可愛らしい男の子が「憧れの、超有名生産者アリアンナさんとツーショット!」なんてコメントを入れてたりして、ファンの熱狂ぶりがうかがえます。アリアンナは、現在34歳。実はママろばシチリア滞在時代からの旧友でもあるのです。ずっと年下なのに私を妹のように扱っていた生意気ぶりも懐かしいものです。 arianna ワイン界のシンデレラガールと紹介されてしまうことの多いアリアンナの、生産者としての華々しくも苦難に満ちたストーリーは輸入元のヴィナイオータさんのHPの記事をご覧いただくとして(実はこの記事もママろばが書かせていただいております。オータ社長から”おばちゃん”と呼ばれちゃってるひとがワタクシママろばです…ははは)、ろばの家ではワインはご紹介できないので、アリアンナがプロデュースする食品の方をご紹介させていただきます。 まあ、アリアンナの激しいシチリア愛は当時からハンパなく…といってもシチリア生まれのシチリア人であれば限りなく100%に近い人がこの歴史に弄ばれた美しい島をこよなく愛しているわけですが(本気でシチリア独立を望む人が相当数いますからね…)、それにしても彼女の惚れ込み方はすごいのです。うかつにシチリアを悪く言おうものなら…ほんと、怖いんです。そして特に、食べ物に関しては宮廷料理人としても活躍したという祖母やそのレシピを受け継いだ母親の影響もあり、若いうちから郷土料理や古典料理の知識も相当に持っていました。リストランテのシェフさえ作り方を知らないような古典的なドルチェを、お母さん直伝のレシピで手づくりしたものをごちそうしてくれたこともありました。 当然アリアンナ本人も相当の食いしん坊で、ささっと作るパスタやサラダでさえもビックリするほどセンスがよく、彼女のワイナリーを訪ねた時にはリストランテに連れて行ってもらうよりも彼女のキッチンでごちそうになった方が刺激的で嬉しかったほど。とってもお料理上手なのです。彼女の食に対する貪欲さも、先の記事に載っていますので読んでみてください。 さて、そんなアリアンナがプロデュースする秀逸なシチリア特産の食材。前回入荷時にはほどなく完売してしまった古代小麦のパスタや、極限まで塩を押さえた野生のケイパーの塩漬け、そして、今回日本初輸入の柑橘のジャム3種が入荷してきました。 この古代小麦のパスタ、当店で以前から扱っているイル・カザーレともまた違った食感ですのでぜひ試してみてください。こんなにも滋味深く、小麦の味わいが強いのに滑らかで食後感が軽く、ソースもさほど選びません。たとえるなら、カザーレは十割蕎麦、アリアンナは二八蕎麦、といった感じでしょうか。どちらもとても美味しいのですが、アリアンナが使うトゥミリアと呼ばれるこの古代小麦は、今イタリアでもとても注目されている品種です。その栄養価の高さ、グルテン含有量の低さから小麦アレルギーの救世主として話題にもなっているようです。当然アリアンナは純粋に食味の面からこの小麦に惚れ込んでいるはずですが、トゥミリアは現在では希少品種。シチリアのトラーパニ州、カステルベトラーノの黒パンが有名で、そのお蔭て種が残っているとも言われている古代小麦です。その小麦を100%使って伝統的な石臼で挽き、信頼するパスタ工房に頼んで成形してもらったもので、ペンネとフジッリ、大きなマカロニのようなパッケリの3種。本当にバランスがよくてどれも飽きのこない味です。 773eb520cda3ad18576f シチリア料理には欠かせないケイパーも、彼女が惚れ込んだものはとことん個性的です。ここまで塩を押さえた塩漬けケイパーを、イタリアでは見たことがありません。トラーパニ塩田の天日塩を使用していますが、よく塩漬けケッパーに見られる塩の結晶がまったく見当たりませんよね?当然要冷蔵、賞味期限も一般の塩漬けケイパーよりは短くなってしまいますが、その欠点をカバーしてなお余る美点がありますよ。塩が優しいということは、それだけ塩抜きが必要ないということです。香りが命のケイパー、そのまま使えるなんてこんな贅沢なことはありません。しかも、モンテイブレオという荒涼とした丘陵地帯の野生種。一般に海岸沿いで栽培されることの多いケイパーを、冬には霜も降りるような寒暖差のあるイブレオの、岩原で自生しているものを摘んで使っているあたり、さすがアリアンナという感じです。パッケージの写真を見て頂けると、葉っぱや果実のケイパーベリーなどもゴロゴロ混じっているのがわかると思います。これも一緒に刻んで使ってしまうのがまた美味しい…けどベリーの方はたまにしか入ってないんですよね~。つい見つけると料理に入れずポリポリ味見してしまいます(笑)。 DSC_5359 最後は、日本初入荷の柑橘ジャム!もう、シチリアの柑橘の味の強さにはほとほと参ってしまいます。実はママろば、シチリア滞在時代は相当ジャムづくりにハマリ、ただでもらえるのをよいことにアンズを80kg仕込んだり、悪夢のように硬い花梨の種を3日3晩かけて取除いてジャムにしたり、と多少本格的にジャムを作っていた経験もあり、自称ジャムマニアなんです。知らないジャムがあれば片っ端から試したりもしていました。そして、ジャム造りの大先輩でこれまたワイン生産者のラ・ビアンカーラのアンジョリーノの奥様、ローザマリアさん(彼女のジャムも恐ろしく美味しい)のところに知らないジャムを持ち込んではジャム談義に花を咲かせていたのですが、二人で出した結論は、きび砂糖で果実の風味を残すのはかなり難しい、というものでした。ところがアリアンナ、この3種の柑橘を全て精製されていないきび砂糖100%で作っています。味見してみましたが全然柑橘の風味を損ねていないんです。驚きました。でも、シチリアの柑橘、だからこそできることなのかもしれません。イタリアで初めて知った、柑橘を丸ごとすりつぶしたタイプのマーマレード。アリアンナのマーマレードもこのタイプです。きび砂糖にも負けない果実の風味。それぞれにテクスチャーの個性や苦みの程度も違うので、個別の説明を参考にしてくださいね。 使用した柑橘は、2013年に購入したブドウ畑についていた0.5haほどの柑橘畑のもの。当然畑では一切の農薬を使用せず、完熟で収穫します。彼女が現在セラーとして使っている古い醸造施設にもアラブ式庭園が残されていて、そこでも柑橘が沢山植えられていました。シチリア西部に多くみられるこの庭園、方形で四方を人の背より高い石の壁で囲われています。海が近くシロッコなどの影響も大きい海岸部に多く残っており、おそらくは果樹を強い熱風から守るために作られたものだったのでしょう。ジャルディーノ・アラボ。アラブ文化の影響を強く受けたシチリアならではのエキゾチックな風景。朽ちかけたそれらの古い建物を修復・保存し、活用するのも彼女のシチリア愛の一部。ワイン生産者になると決めた14歳の時から、ただワインメーカーになるというだけでなく「シチリアで自分のワインを造るのだ」と誓っていたのです。それほどまでに愛するシチリア。彼女にとって、愛するシチリアの食文化を世界に紹介することは、ビジネスではなくパッションなのです。 最近は、日本からインスタで#ariannaocchipintiとタグ付けする方も多いのですね。彼女のワインを日本で飲んでいる投稿をよく目にします。彼女の食品を食べて、インスタに投稿されるのでしたらぜひとも#ariannaocchipintiだけでなく#vivasicilia(=シチリア万歳!)とハッシュタグしてみてください。きっと、喜んでくれると思いますよ。 アリアンナ渾身のシチリア食材のページはコチラです。