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生き方を変えられてしまうようなチョコレートが存在します。そしてその男に、会えるのです。


Q.O.L=クオリティー・オブ・ライフ。そんなタイトルのチョコレートがあります。Qualita’ della vitaクアリタ・デッラ・ヴィータという、日本で言う健康機能食品にあたる効能をうたった、カカオがもともと持っているとされる薬効別に、その機能をさらに高める薬草や果実、スパイスをブレンドしたシリーズで実際にフェッラーラ大学薬学部との共同研究によって生まれたものです。人生のクオリティーを高めること。それがすなわち仕事の質を高めるのだと、意識して生き方を選んできたシモーネ。でもそんな彼が、唯一ブレンドに苦心したのもこのシリーズ。…理由は後ほど!

只今来日中!輸入元ヴィナイオータさん主催の生産者来日イベントVinaiottimana(ヴィナイオッティマーナ)のために、日本に滞在中のSabadiオーナーのシモーネ・サバイーニさん。わたくしママろば、東京会場では二日間サバディブースの通訳を担当させていただき、シモーネの濃厚なトークをみっちりがっちり齧り付きで聞いてきました。実はシモーネとお会いしたのは初めてだったのです。

…どこからどう見ても天才です。常人ではありません。

話を聞いていて何度も鳥肌が立ってしまいました。完璧主義者でかなり神経質であろうことは会う前から、彼のチョコレートを食べただけでも想像できましたがここまですごいとは。でも全然、冷たい感じの人じゃないですよ。ウィットに富んでいてものすごくチャーミングです。むっちゃくちゃ頭がキレるのでバシッバシのトークの中にひょいっとジャブの効いたギャグをはさんできます。それをキャッチするのがかなり大変でした。通訳側にもスキルが要求される、質の高すぎるお話の数々。刺激的でした~。

あまりにすごいので、せっかく来日している間に「これはシモーネ語録を作っておかなければ損!」と思い、忘れないうちに書きとめることにしました。すべては、人生のクオリティーに関わる問題に帰結するので、チョコレートに興味のないひとでも、どんな職業の人でも、きっと心に響く何かを見つけていただけるはずです!

誰もが彼のように潔く生きられる訳ではありませんが、条件に縛られて毎日何かに追われているような日々を変えられるかどうかは自分次第、という大切なヒントを与えられました。すぐには実践できない。でも、そうすれば良いのだと意識するかしないかでは、確かにクオリティー・オブ・ライフが大きく変わってゆく気がします。

まずは、シモーネ語録を列挙。彼の口からこぼれるセリフ全てを書き留めても、そのまま金言集ができたでしょう。これを読むだけでも、彼の作るチョコレートを片っ端から食べてみたくなりませんか?

では、行きましょう。シモーネかく語りき。


「一日のうち、半分しか仕事は入れない。残りの時間は自然の中に身を置いて、ただ身をゆだねる。そうしないと、クリエイティブな思考が出来ない」

「能力の問題じゃない。勇気の問題なんだ」

「頭の中を空にして自然の中に身を置く時間がないと、感覚を研ぎ澄ますことはできない」

「もちろん、その自由な時間の中で考えることはするよ。ひたすら考えるんだ。でもそれを仕事とは呼ばない」

「試作?そんなものは必要ない。事前にじっくり考えるんだ。一、二度試してダメなら、もとから成功しない定めなんだよ。」

「必要なのは、その道を究めるための鍛錬ではなく感覚を研ぎ澄ます訓練」

「チョコレートじゃなくてもよかったんだ。モディカに住むことさえできればね。オリーブオイルでも、ワインでも。でもたまたまモディカにはチョコレートの歴史があって、なのに満足できるクオリティーのものが見当たらなかった。考え方自体は間違ってないのにね。」

「僕は、僕が食べたいものを作っただけだよ。誰も作ってくれないから」

「仕事を選ぶことはそれほど重要じゃない。正しい人生の選択さえできていれば、どんな仕事でもクオリティーをたたき出せる。」

「人生のクオリティーを上げていけば、おのずと仕事にも結果が現れる。妥協しなくなるんだ。」

「やりたいことだけやっていればいいのさ」

「デザインは、常に僕の最も好きな分野だったよ。プロダクトにおいては、唯一の有効な武器なんだ。僕が直接コミュニケーションを取れない場合のね。」

「こだわらなければならないディティールは無数にある。そのどんな細部も見逃さないこと。専門家が見なければ気が付かないような0.1ミリの差でも、出来上がったものは明らかな違いを見せる。素人でも惹きつけられるような違いをね」

「ジンとかリキュールとか、これから挑戦してみたいことなら山ほどある。誰もやったことがないようなモノしか、作りたくないんだ。」

 


…どうです?これ、2日間ブースにいて聞くことのできた発言の、ほんの一部です。そして言うまでもないことですが、彼が暇人であるはずはないのです。創設して4年(2015年現在)で25ヶ国へ輸出していることからもその多忙ぶりは伝わりますが、スタッフはたった6人。シモーネ一人ですべての製品のレシピを決め、国内はもとより海外との折衝など取引のすべてを彼がこなします。プロモーションの為に世界各国を飛び回るのも、もちろん彼ひとり。それでも「忙しいのは9月から5月まで。繁忙期でも半日しか仕事しないようにしている」と言うのです。これだけの大口を叩かれれば「そこまで言うなら味見してやろうじゃないか」と多少意地悪な気持ちもわいてきます。なのに、改めてずらりと並ぶ(ヴィナイオッティマーナでは全種類のチョコレート、キャンディを試食できるのです)チョコレートを口に放り込んでみても、ひたすら黙ってうずくまり「負けました! 」とひれ伏すしかないのです。そういうチョコレートを、ヤツは作る。そういうチョコレートしか、作らない。

凄いヤツだろうとは思っていました。密かに、結構嫌なヤツなんじゃないかとさえ思っていました。身のこなしがスマートで背筋がピシッと伸びていて、ブラックジョークも上手くポーカーフェイスで…もしかすると本当に一部の人には「気取ったヤツ」と思われているのかもしれません。でも、仕方ないですよね。いや本当に、彼なら許される気がする。そしてワタクシママろばは、一目で大好きになってしまいました。というか虜になりました、はい。とっても紳士で優しくて、チャーミング。ちょっと出来すぎじゃないか、とは思うけど。彼に会う目的のためだけでも、ヴィナイオッティマーナのチケットは十分価値があると思います。それどころの騒ぎじゃないんだけれど、ワインが主であるのにもかかわらず、たった3人しか出ていないフードチームの、甘いモノ担当シモーネでさえこの有様です。実はパスタと生ハムの人たちもシモーネと同レベルのぶっ飛び具合ですけどね。とまあ、ママろば激押しのヴィナイオッティマーナ、東京は早々とチケット完売したりほぼ満席だったりでしたが、大阪、なんと当日チケットでも入れるようです。当日チケットと言っても予約が必要なようなので、皆さん忘れずチェックしてお出かけくださいね。

 

11月25日(土)、26日(日) Vinaiottimanaヴィナイオッティマーナ大阪 当日券の予約フォームはコチラ


上記はSicula Terraシクラ・テッラシリーズ。ヴィナイオッティマーナの会場で来場客に「一番オススメのチョコレートは?」と聞かれると「せめてダークチョコかミルクチョコ、フレーバー有がいいのかない方がいいのかくらい言ってくれないと答えられないんだけど」と言いながらも「今の気分ならコレ」と言って指差したのがこのシリーズ。「食べた瞬間にシチリアにいる感覚を思い出させてくれるから」がその理由。面白いことに人によって指さすフレーバーを変えていました。食べた人から「どうしてこんなに香りが強いのですか?」と質問されると「それはね、ハーブがもっともストレスを感じている時をねらって収穫するから」という驚きの答え。化学的な根拠があるわけではなかったが、真夏にシチリアの田舎道を歩いていた時、普段より強い野草の香りが漂っていることに気が付いたシモーネ。これは、水不足のストレスで植物が自分自身の養分を濃縮させているのだと想像。早速その時に収穫してその日のうちに乾燥させてみたところ、ビンゴ!それ以来、最も湿度が低く日照りの続いている時に収穫しているのだそう。すごい、シモーネ。ちなみにすべてのラインナップの中で農産物に有機栽培の認証がないのはこのシクラ・テッラだけ。だって、野生のハーブですからね。申請もなにも。。。

とまあ、エピソードにはことかかないシモーネですが、百聞は一見にしかず。行けるかたはぜひヴィナイオッティマーナ会場へ。行けない方は一口召し上がって、ご自分で感じてみてください。

生き方を根本から変えてくれるようなチョコレートを作ってしまう男、その彼から直接(通訳さんがいます)話を聞きながら、そんなスゴイヤツの作品を全種類味見できる。こんな機会、多分そう簡単にはありません。彼のような人間が存在するという事実を知ること。それを体感できる食べものが存在するということ。それを知るだけでも価値があります。シモーネと握手を交わして「Grazie!」と会場を後にするとき、あなたの人生も、きっと今より少しだけ豊かになっているか、そうでなければわたしのように自分で豊かにしてゆくためのヒントを与えられているはずです。

Sabadiサバディのページはコチラです。

これが噂のシモーネ・サバイーニ!不敵な笑いが腹立たしいほどキレる男。「黙って自分は天才だって言えばいいじゃん」と詰め寄ったら「能力の問題じゃないんだ。勇気の問題なんだ」だって。。。ますます腹立たしい!!

*ろばの家HPのブログ、ママろばの長ダベリよりSabadi関連記事

『カカオも砂糖も農産物であったことに気づかせてくれる感動的なチョコレート』

『ミルクチョコレートは子どもの食べるもの?コレを食べても、そう言えるでしょうか?』

「僕の人生は、常にバカンスのようだよ。それがクオリティーを保つ秘訣なんだ。」と話すシモーネの、インスタグラムのプライベートアカウントではシチリア島モディカのため息が出るほど美しい画像がズラリ。♯Lamiavitainvacanza ラ・ミア・ヴィータ・イン・ヴァカンツァ (常に)バカンス中の僕の人生、とでも訳したらよいでしょうか。注目すべきは、ヴァカンツァ・ネッラ・ヴィータ、人生の中のヴァカンス、ではないところ。あくまで、人生そのものがヴァカンスであるという彼の哲学が現れたハッシュタグ。

 

パッションフルーツのよう!エキゾチックな香りのスコールにひたすら圧倒されます。

パッションフルーツ、グレープフルーツ、ライム…もう何と形容してよいのかわからないほど魅惑的でエキゾチックな、そして爆発的に広がる圧倒的な爽快感は、山椒とも、胡椒とも違う…まったく新たなカテゴリーのスパイスに出会ってしまいました。もちろん、そんなことをやっちゃうのは、マリチャです。先日のロッソ・スクーロ・ディアマンテの謎の赤いダイヤに引き続き、こちらも赤い実がはじけています。目にも美しい、ティムールペッパー。ネパールのタライ地域にある熱帯雨林に住んでいる民族が栽培していたものです。マリチャのジャンニ・フラージ氏がこの胡椒(ペッパーと呼ばれていますが山椒に非常に近いです)に出会い、その驚くべき芳香に衝撃を受けイタリアに輸入しはじめたもの。日本ではあまり一般的ではないですが、フランスのパティスリー界ではかなり以前から話題となっており、超人気メゾンからこのティムールペッパーをアクセントに使ったムースや焼き菓子が出てきていたようです。ワタクシままろば、これを見てあっ!と思いだしたのですが、去年uf-fuさんの紅茶セミナーをろばの家で行った際、岸本恵理子さんに特別に作って頂いたケーキに添えられていたのもこのティムールペッパーでした。でも、その時以上の衝撃を今日、このマリチャのティムールを開封した時に受けてしまいました。もう、ろばの家中に広がっています、その香り。

一番近いのはパッションフルーツ。グレープフルーツやライム、仏手柑など様々な柑橘系の香りと、マンゴーやパパイヤの熟れた香りに混じって、青いパパイヤのようにかすかなグリーンノート。もう、あまりにも良い香りで、そのままルームフレグランスにしたいくらい!これはお菓子にも使いたくなりますよね。それでちょっと、官能的な香りがあるんです。いかにも熱帯という雰囲気のくぐもった香りで、それがパッションフルーツを思わせるのでしょうね。イタリアから戻ったばかりでふらりと立ち寄った西田シェフ(近くつくばにGigiというオステリアをオープン予定!)が「わ!なんだこれ!すげ~いい匂い!!これ絶対、蒸した白身魚とかエビとかに合いそう!」と大喜び。パパろばと3人で「でもさ、山椒に近いといってもマーボー豆腐に入れる感じじゃないよね」「それならもっと辛い方がいいもんね~」「単純に、たまごかけご飯にガリガリッと挽いてかけても美味しそう!」「わ、それやばいね。やまつの山椒でも相当美味しいもんね」「ウチでよくやる鶏手羽のナンプラー煮」なんかにかけてもイケるんじゃない?」「それ絶対旨いに決まってるでしょ」とまあ、次々出るわ出るわ、沸いて出てくるティムール料理のアイディア!そのくらい、なんだかそそられる香りなんです。エスニック料理には間違いなくばっちりハマるよね、とまたまたやってしまいました、ラープ丼。かけちゃいましたとも、たっぷりと。

あ、ちなみに皆さんに「ラープ丼って何ですか?」と皆さんに聞かれちゃうのでこの場を借りてご説明しておきますね。実はワタクシたちもよく知らないのです。それなのに、この夏もう何十回と食べているのです。ゴーヤでやったり、玉ねぎを白、赤混ぜてやったり。だいたい、ラープとは何か、どこの国の料理なのかも知らずにただ真似して作ってみただけだったんです。そもそものはじまりは土鍋でご飯を美味しく炊くために買った『お米やま家のまんぷぐごはん』という本に載っていたラープ丼の写真があまりに美味しそうで真似して作ってみただけだったのですが、もう一度作ってみたらドハマリで、しかもおっそろしく手早くできるスピードメニューで作り置きできて職場に持って行けちゃうため、リピートリピートで。。。今回『やっぱり、ごはん党』のウエルカム小むすびも「毎日おにぎりじゃあなあ」と若干飽きてきて、ふと「わたしたちがお昼に持ってきたラープ、小どんぶりで出してみちゃう?」だなんてゴーヤのラープ丼を出したら案外好評で。その日フェイスブックに写真を載せたら、驚くべきことにお電話で「ラープ丼って何ですか?なんだかとても美味しそうで…」とお問い合わせまで来てしまい…。「そっちですか?」とあらぬ方向で評判を呼んでしまいちょっと戸惑いながらも、まあ本当に美味しいもんね~と今日も今日とてラープ丼です。

その時のフェイスブックの写真がコレです。

ラープとはラオスで非常にポピュラーな料理で、ラオスの影響を強く受けたタイ北東部でもよく作られる肉類を使っサラダの一種だということを後で調べて知りました。魚醤とライムで味付けされるのが特徴なようです。お米農家やまざきさんの本のレシピは鶏ひき肉でしたが、魚でも、他のお肉でも作られるようです。一度やまざきさんとバッタリ会って「毎日作ってます!」と話したら「鶏ひき肉の代わりにささみを自分で刻んでもとっても美味しくできますよ」と教えて頂きました。これはやってみなくちゃ!まあ、単純に言えばニンニクで香りづけした油にひき肉を入れて、そこに玉ねぎのスライスを入れて軽く炒めたところにたっぷりのライムの絞り汁(なければレモン汁やビネガーでも)と魚醤をあわせたもので味をつけ、そこにゴーヤ(塩をふっておく)なり空芯菜なり、冷蔵庫にある緑の野菜を食べやすい大きさに切ったものを生のまま和えてしまう。炒めたお肉と玉ねぎの熱で他の生のお野菜をしんなりさせるぐらいの感じです。仕上げにスライス玉ねぎを生のまま混ぜ込むのがポイントで、これがシャッキリ美味しいのです。赤玉ねぎだとよりそれっぽいし、パクチーやミントをたっぷりかけて食べるとかなりアジアンな感じでよいですが、なくても十分ご飯が進みます。作り方は、かなりアレンジしてしまっているので原本とは違うかもしれませんが、まあ、大方そんな感じです。とにかく5分でできちゃいます。野菜を炒め続けたりしないから。朝の忙しい時間でもできてしまうので、これとご飯だけ持って出勤、という日がこのレシピに出会って以来何日あったことか。。。そして今日は、さらにグレードアップ!!この、ティムールペッパー、最高にラープに合うのです。

簡単にミルで挽けるし、包丁でたたいても香りが豊かで、お料理の仕上げに使うと一気に世界が変わりますよ。果物のコンポートやジャムに入れたり、チャイにプラスしたりもいいよね、と西田さん。おやつに西田さんからいただいたローマで大人気のBonciの田舎パンのスライスにロビオラというフレッシュチーズを塗り、そこにオリーブオイルとこのティムールペッパーを載せてみたのですが…fine del mondo! …この世の終わりだわ。昇天、という言葉が似合いそうな楽園の香りです。ああ、天罰が下りそう。

Marichaのページはコチラです。大反響をいただいた謎の赤いダイヤモンド=ロッソ・スクーロ・ディアマンテも再度入荷してきましたよ!スモーキーでバシッときまる味わいは、今までトップを走っていたネ・ビアンコの座も奪ってしまいそうな勢いです。欠品していた定番ネーロもやっと届いたそうです!

 

『ごはん党』メンバー紹介#10 宮下敬史さん

土鍋で炊いたごはんは、とにかく美味しい。炊きたても美味しいけど冷めても旨い。ちょっとおこげなんて混ざっていたら得した気分、たまりません。炊きあがりから蒸らし時間を十分とって、パッと蓋を開ける時のあのなんとも言えない幸福感は、炊飯器の便利さと比較してもひけをとらないどころかおつりがたっぷりくるほど勝っていると思えるのは、やっぱりごはん党だからでしょうか。シャキーンと整列して天をあおぎ、ピカピカ光るお米の粒たちにパッと十字に分け目を入れて鍋肌から返すとき、ああ、おしゃもじってだから片面は平らなんだなあと納得します。

宮下敬史さんの桜のおしゃもじ、見た目も美しいですがなんといっても使いやすい。鍋肌にフィットしてお米粒を残さない絶妙なカーブと、手に吸い付いてくる持ち易い柄。薄くてご飯の返しが楽で、手彫りの跡が米粒もつきにくく作用し…と、良いところを並べたらきりがないくらい。でも彼の道具における最大の特徴は、やすりをかけずに細部までナイフで仕上げているところ。やすりをかけてなめらかにすれば一見すべすべでより美しく見えるように思えますが、表面積を増やすことになり、水が浸みやすくなってしまうのです。それが、不要に木を乾かしてしまうことにつながり、劣化を早める。木の道具がすぐに白っぽくガサガサになってしまうのは、そういう理由だったのかと教えてもらった時には目からウロコでした。だから、よおくエッジを見ると、曲線ではなく無数の直線によってラインを形づくっているのです。ほんのわずかに窪ませて、おしゃもじだけでなく取り分けスプーンとしても使えるサーバーも同じ。じっとキワの部分を眺めていると、その手数の多さに気が遠くなってしまいそうです。「手はかかるけど、絶対こっちの方が長持ちするから」と、初めて工房を訪ねた際に話していたのが心に残っています。

今回『やっぱり、ごはん党』のための作品を納品するのに、奥様と1歳10か月の娘ちゃんを連れて横須賀からかけつけてくださった宮下さん。食べるのが大好き、小さな体で元気よく動き回る彼女のパワーの源は、お料理上手な奥様の美味しくて体に優しい手づくりごはん。アンケートの回答に添付されていたお料理の写真がキレイすぎて料亭みたいと褒めると「だって、いきなり振るんですもの。その時作ってたご飯を仕方なく撮りました」と言うのですが、いやいや…。宮下さん、羨ましすぎです。

カワイイ娘ちゃんと素敵な奥様に始終目じりが下がりっぱなし、といった感じの宮下さん。お一人でお会いした時とあまりにイメージが違ってなんだかちょっと可愛らしく見えてしまいました(笑)。大柄なせいか余分に男っぽく見えてしまいますからね。ぜひご飯茶碗片手に撮影を、とお願いしたら「それだけは…お許し下せえお代官様」というメッセージが来たので、宮下さんのお顔を見てみたいという方は以前にご紹介した時の記事をご覧ください。照れ屋さんなんです。でも、幸せいっぱいなムードは隠しきれず、一緒にいるだけでこちらまで温かな気持ちになってしまいました。

いいなあ、こういうの。お米レンジャーも、しばし休戦といったほんわかさです。ではでは、シアワセのおすそ分けをいただきましょう。


質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?
——-豚のしょうが焼き ・キムチ

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?
——-1位:玄米の塩むすび 2位:いくら  3位:しゃけ 

質問3:愛用の飯椀を見せてください。
——-竹本ゆき子さん

質問4:「わが家の定番」的おかず、もしくは「思い出の母の味」など、特に印象的なおかずがあれば教えてください。
——-嫁が最近よく作っていた料理で記憶に残っていたものを二品。

【とりごぼう】

とりもも肉
ごぼう
しょうゆ
みりん
だし

1.とりもも肉を一口大に切り、熱湯をかけ、余分な油を除く
2.ごぼうを適当な大きさに切る
3.鍋にしょうゆ、みりん、だしを煮立たせ、1.2を入れ、柔らかく煮る
☆だしがなければ水でも。ごぼうを柔らかくしたかったら、先にごぼうだけ煮てから、鶏肉入れます。

【スパニッシュオムレツ】
たまご
豆乳
玉ねぎ
トマト
ピーマン
パプリカ
キノコ
しお こしょう

1.熱したフライパンにオリーブオイルと切った具材を入れて、しおこしょうでしんなり炒める
2.炒めた具材を取り出し、フライパン洗う
3.再びフライパン熱し、割りほぐした卵と豆乳に少しだけ塩を入れ混ぜたものを投入する
4.しばらくかき混ぜ、炒めた具材を入れる
5.底に焦げ色がついてきたら、ひっくり返し、蓋をしてじっくり火を通す。

☆具材は何でも。ベーコンチーズ、残った野菜。具沢山が美味しい。

質問5:今回出展した作品を、どのような想いで作りましたか?
——-おにぎりをずら~っと並べるのをイメージして長皿を作りました。水分を多少吸ってくれるので木との相性はとても良いです。焼きたてパンも相性抜群です!


わあ~~~~美味しそう~~。宮下さん、そして奥様、ありがとうございます!そして、ご馳走さまでした~(笑)。

宮下さんの作品はコチラです。

 

『ごはん党』メンバー紹介#7 高田谷 将宏さん

『ごはん党がゆく!突撃お米レンジャー』ことママろば、ちょっと苦戦しております。なんだか今回の相手はかなり手強い気が…。もしや、あれですか?同じお米でも”ごはん党”じゃなくて”お酒党”が出てきてしまったのでは…。高知出身。大柄で屈強そうな体躯で大変な酒豪、と聞いていたせいかもしれませんが、まずアンケートが一向に戻ってこないことでも手こずっていたのに、どうやらアンケートをお願いしたメールそのものを読んでいないらしいということをパパろばから聞くだに「う~ん、ますます手強そう」と構えてしまうばかり。

そうしてやっとこさ戻ってきたアンケート回答を見てまた絶句。…み、短い。

いや、これでも上出来としよう。何せとこっとん口数が少ないと、パパろばが2年前常滑の工房にお邪魔した時にも話していたではないか。それにこのそっけなさ、かえって高田谷さんらしくてより人となりが伝わりやすいのかもしれない、とどこまでもポジティブ志向のお米レンジャー。気を取り直してアンケート内容を読んでみると…ガクッ。…そ、そっけない。そして料理内容も…やはりどこから見てもそれは、ごはんというよりお酒がススむお料理ばかりのような気が…。

いやいや、それこそキャラクターを物語っている。だいたい、そっけないアンケート内容など見なくても、あの馬鹿でかい飯椀の持つ迫力、堂々とした佇まいを見るだけで十分ではないか。しかも、作品リストのそれは「飯椀・小」と書かれている。丼かと思ったものが飯椀・大なのだ。大きな手で、がっしりとお椀をつかんでわっしわっしと飯をかっくらう姿が目に浮かんできたぞー。やはり、お米レンジャーの敵ではなかった。お酒好きが常にお米を食べないわけではないのだ。お酒も飲んで、ご飯もしっかり。いや、お酒の後の〆のお茶漬けか…?もう、余計な脚色はやめておこう。お米レンジャーの喋り方をすっかり男っぽく(そしてなぜか昭和っぽく)してしまうくらい十分に説得力があるんだから、もう何も言うまい。

そう、男は黙って!!

 

…というわけで、高田谷さんの回答を。


質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?
——-お刺身。特にぶり・かつお

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?
——-1位:うめ  2位:しそこぶ  3位:シーチキン

質問3:愛用の飯椀を見せてください。
——-村木雄児 唐津

質問4:「わが家の定番」的おかず、もしくは「思い出の母の味」など、特に印象的なおかずがあれば教えてください。
——-蒸し鶏むね肉のねぎソース

質問5:今回出展した作品を、どのような想いで作りましたか?
——-めしわんはみんなマイめしわんがあると思うのでそれでも買ってもらい使ってもらうってのは大きなことだなぁ。と


高田谷さん、ありがとうございました。なんか変なテンションですいません、失礼いたしました!

…でも、そうですよね。言われてみれば、本当にすごいことです…おおきなこと、だあ。

高田谷さんの作品はコチラです。

 

『ごはん党』メンバー紹介#6 Hachiemon(太田多恵子さん)

『やっぱり、ごはん党』2日目を無事に終了いたしました。今日、17日の日曜日は、ライスイベント『ごはんを、もっと美味しく』を行います。ろばの家に新米のおにぎりとお野菜たっぷりのお惣菜を持ってきてくださるのは太田多恵子さん。3年前に育児休暇に入り休業してしまったHachiemon(はちえもん)さんは、代々お米農家である生家の母屋を改装した予約制のレストラン。広告なども一切出さず完全に口コミだけで集客していたのにも関わらず、わたしたち家族がつくばに越してきた頃はずいぶんと予約で忙しそうにしていました。休業して3年も経つというのに今でも予約の問い合わせが来ることもあると言って本人は驚いていましたが、ワタクシお米レンジャーママろば、全然驚きません。多恵ちゃんとはかれこれ15年以上のお付き合いになりますが、札幌からつくばに遊びに来るたびに泊めてもらったり、つくばに来てからはチビろばたちと遊びに行っては夕飯をご馳走になり、食卓に並ぶ彼女のオリジナル料理の数々にいつもいつも刺激され続けていたのですから。一刻も早く復帰してほしいよねと、いつもパパろばと話しているのです。だって本当に、ああいうお料理を食べさせてくれるお店がないんですもの。ああいうお料理って、どんなお料理なんだ?といういと、それはもうひたすら”軽い”としか形容できません。先日写真にも出てくる豚キムチを撮影しに図々しく夫婦のランチタイムにお邪魔した際に「わ、なにコレ軽い!」と声をあげると、旦那様(実はろばの家でも扱っているイタリアの食材を輸入している某ワインインポーターの社長だったりするのですが)が「お母さんの苦手料理はね、重たい料理なんだよね。何作ってもどうしても軽くなっちゃうんだよ、ね、お母さん」と腰に手をまわしていました。とても仲が良いのです。

女性にとって、特に、家族のために毎日台所に立たなければならない立場の人間にとって献立のヒントをくれる友人ほどありがたい存在はありません。多恵ちゃんの料理はいつも何か特別なひと手間や「これだけは気をつけなければならないポイント」が必ずあって、いわば彼女自身そのポイントをつかむまで何度でもその料理を繰返し作っては納得のゆくまでアップデートしてゆくようなのですが、その驚きの食後感の豚キムチひとつとっても「とにかくガッチリキムチを炒めつけることだね~」と言い切っていました。なんというか男気があるというか、さっぱりしているというか、ぐじぐじしたところのない、べらんめえな喋り方をするんです(笑)。レシピを教えてよ、というのはNGらしく「だからあたし、料理教室とか頼まれるんだけど絶対できないんだよね。あの、大匙いくつとか、小さじ2分の1とか、無理無理…」と。「多恵ちゃんさあ、料理本見ながら調味料計って何かつくる、とかしたことないの?」と一度聞いたことがあるのですが、お菓子はともかくおかずなどではやったことがないと言っていました。どこかで感動する美味しさの料理に出会ったら、ひたすら舌の感覚で再現してみるだけなのだそうです。きっと、料理の基本が身体の中に出来上がっているひとはみな、そんな感じなのでしょうね。この豚キムチも、つくばが誇る銘韓国食堂白飯家さんで食べて多分こうやって作るんだろうな、と思ってやってみた結果、腑に落ちたやり方なのだそうです。作るところを見させてもらいましたが、レシピに「キムチをよく炒め…」と書いてあったら自分がやるであろうポイントよりずっと先まで、よく焦げないな~というくらいのレベルまで焼き付けていました。「え~、こんなに炒めるんだあ」と驚くワタシに「ただ和えるだけみたいに炒めるんなら、生のキムチ食ってりゃいいじゃん」とまたまた旦那様がボソリ。うう、確かに。ふわふわトロトロの卵を添えるのも白飯家流で、しっかり発酵しきった熟成キムチの辛さを卵を和らげて一緒に口に入れるとんも~う、たまりまへん。こりゃあ本当にごはんがススムってもんですよ。

写真がイマイチだったらすいません。もたもたしてると「さっさと食えよ」とまた旦那様からどやされそうで、撮影もそこそこにご相伴にあずかってきちゃいました。ちなみにその日は他にも厚揚げを焼いたのに人参、えのき、しめじを干してお出汁でさっと煮たゆるい餡と生姜をかけた副菜と、漬物名人である多恵ちゃんのお母様のばくら瓜の鉄砲漬け(もしかするとライスイベントで皆さんにもお味見していただけるかも!)が食卓に並んでいました。そしてもちろん、土鍋で炊いた美味しいご飯。笠原良子さんの白い鉢も、嶋田恵一郎さんの渋い色合いの鉢も、多恵ちゃんの料理がどーんと無造作に盛られただけでパッと命を吹き込まれたよう。

というわけで、カメラを置いて「いっただっきま~す!」……はうう~~~、シアワセ…。残念ながらこの豚キムチを今日のイベントではお出しすることはできないので、モーレツに豚キムチが食べたくなってしまった方は白飯家さんに行ってください(笑)。ろばの家のキッチンはとても小さいのです。ごめんなさい、食べたくなっちゃいますよね。

さて、彼女のアンケート回答もご紹介しておきましょうね。「なんか、自分が好きっていうより子供たちが好きなのって感じになっちゃうんだけど」と言って教えてくれました。上から小5、小3、3歳の3児の母。旦那様がかかえる従業員のまかないを作ることも、名だたるシェフたちを自宅でもてなすことも、イベントで大人数にお料理を出すことも「家で作ってる料理となんら変わんないんだけどね~」とあっさりこなす、頼もしいお母さんです。


質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?
——-豚キムチ、生姜焼き、マーボー豆腐かな。

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?
——-1位:梅干し  2位:塩昆布 

質問3:愛用の飯椀を見せてください。

——-田村文宏さんの飯椀の色違いを夫婦で使っています。明るい色の方が自分用。


多恵ちゃん、ありがとう!!そして、いつもごちそうさまです!

2017-09-17 | Posted in Blog, Ricetta レシピNo Comments » 

 

『ごはん党』メンバー紹介#3 笠原良子さん


ワタクシ突撃お米レンジャーのママろばは、この、笠原さんの飯椀のカタチが大好きなんです。高台が高くて持ち易く、厚みもしっかり。形は浅めなのに山盛りお米を盛ってもサマになる。「お米を食べてる!」という実感がガシガシ湧いてきます。手に持った時の安心感が違うんですよね。笠原さんの作品はどれも。ごはんって、日本人のパワーの根幹をなしてきたものです。「ちゃんとごはん食べなきゃ力が出ないぞ!」なんて、よく言われませんでした?小さなころ。だから、個人的に飯椀は繊細な感じなものよりしっかり手に馴染むものが一番と思っています。

笠原良子さんは益子にほど近い市貝町に工房兼ご自宅を構え、制作されています。かわいいお子さんがいらして、しばらく制作活動をお休みして育児に専念されていた時期もありましたが、そろそろ本格的に仕事に戻ろうという頃にご縁をいただきました。独立前はずっと益子で活動されていて、今回一緒に参加してくださる益子の近藤康弘さんとは修行時代からのお付き合い。その近藤さんが「良子ちゃんにはかなりお世話になりましたよ~。ろくに食べられるだけのお金もなかった自分に、畑で獲れた野菜で料理を作ってくれたり。どんだけ救われたか…」と回想。その頃から、お料理上手と評判だったそう。

そう、何を隠そうワタクシ、今回のアンケートで密かに狙っていたのが笠原さんのレシピだったのです。だって、わかるんですよ。お話ししていると。この人はお料理好きな人なのか、そして、どのくらい食べることが好きなのか…。笠原さんは多分とっても、控えめに言ってものすご~く、食べることが好きな人、食いしん坊なんです。美味しいモノの話になると、眼がキラーン!と光ります(笑)。教えて頂くお店は秘密にしておきたくなるほど美味しいし、いただくものはとびっきりだし、第一、子育てや家事だけでも忙しいのにあの広大な家庭菜園!!いつ仕事してるんですか?と聞いたら「雑草放置です」と笑いながらワサッと新聞にくるんだパクチーを下さったり。「ご迷惑じゃないですか?」と言いながら納品の度に立派なお野菜を持ってきてくださるのが嬉しくて嬉しくて…。SNSなどで笠原さんの投稿を見ると、90%くらい食べもののことで占められている気が…言いすぎかしら(笑)。インド料理の教室にも通ったと話していたし、2年前の冬笠原さんの土鍋や耐熱のお皿を中心に『冬は鍋』展を行った際にも、ご自身の耐熱皿でいつも作っているというアヒージョの作り方を教えてくださったり、スペインの郷土料理コシード用のお鍋も作ったりと、守備範囲が広い!今回も、期待通り美味しそう~なお茄子のお料理を教えてくださいました。なんとママろば、レシピいただいたその日に試しちゃいましたからね。これがまた、ちょうどタイミングよくお茄子が冷蔵庫にあったんですよ。お米レンジャーも真っ青の、おかわり攻撃です。確かに、ご飯が進むすすむ…。

笠原さんはご自身で「主婦目線」だなんて言ってましたが、とにかく料理をする人がつくるうつわなのです。お料理が映えることばかりではなく扱いやすさ…洗う時やしまう時のこと、テーブルに運ぶ瞬間まで…を、ここまで考えてうつわを作っているひとは、あまりいない気がします。笠原さんの説明を聞いていると「少し汁があるおかずにもイケるしパスタも食べやすい」「長いサンマでも切らずに盛り付けられる」「お鍋の取り皿にもよいサイズ」など、ああ、本当に料理をしながら、家族と食卓を囲みながら「もっとこうした方が使いやすい」「こういうのがあったらいいのに」と日々試行錯誤されているのだなあ、と思ってしまうコメントばかり。そしてそれを、これまたカッコイイ姿で具現化してしまう。笠原さんのうつわがどれも、使えば使うほど手放せなくなってしまうのはそのせいなのかもしれません。ウチでは、あの笠原さんの大きなオーバル皿がなかったら出来ないお料理もあるのでは?というほど愛用しています。

さて、ついつい熱が入りすぎてアンケートの回答までなかなかたどり着けませんでした。お米レンジャーの仕事もしなくては!はい、笠原良子さんに聞きましたよ~。

 


質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?
——-質問4にレシピを載せました。

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?
——-1位:鮭  2位:青菜  3位:シーチキン

質問3:愛用の飯椀を見せてください。
——- 自分の品物ですが、 「カフェオレボウル」を飯碗として使っています。深めでちょうどいいので。

質問4:「わが家の定番」的おかず、もしくは「思い出の母の味」など、特に印象的なおかずがあれば教えてください。
——-肉とニラの餃子。ナスと大葉の味噌炒め。

◉肉とニラの餃子
材料 大判20個分
豚ひき肉250g、ニラ100g(一袋)みじん切り、餃子の皮(大判薄皮)20枚入り
調味料・にんにく一片 すりおろす、醤油 うどんのつゆ(濃縮タイプ) 酒 みりん 砂糖 ごま油 全て大匙二分の一 卵1個
油(焼く時に)大匙2

すべて混ぜ合わせ 包んで焼きましょう。焼きあがる最後にごま油を少し回し掛けすると 美味しくなります。*実家の母が作る餃子はいつも 肉とニラの餃子でした。しっかり目の味付けをすると 美味しいです。

◉ ナスと大葉の味噌炒め
材料
ナス4本(好みで増やしてください) 大葉10枚

調味料
味噌 大匙一と二分の一、酒 みりん 砂糖 各大匙1 油大匙2から3

・ナスを縦半分に切り 斜めに切り込みを入れ さらに縦半分か3分の一に切る。水にさらしてアクを取り ざるに上げ水気をとる
・フライパンに油を2から3入れ ナスを敷き詰める。中火でじっくり火を通す(焦げ色をつけるように 焼いてください)
・ナスを箸で押して柔らかくなったら火を弱め 油以外 合わせておいた調味料を 入れ 炒める。(味噌を入れると焦げやすいので弱火で)
・刻んでおいた大葉を入れて サッと炒めて完成です。

 ✳︎家庭菜園をしていると ナスや大葉がたくさん採れます。味噌炒めをすると ご飯とあって美味しいです。

質問5:今回出展した作品を、どのような想いで作りましたか?
——-ご飯をいつも作るので こんなのがあったら良いなと思うものを作りました。惣菜を入れて 冷蔵庫から食卓にそのまま出せるようなイメージで 蓋物も作りましたので 見てください。


笠原さん、ありがとうございました!またぜひ美味しいおかずのレシピ、教えてくださいね。個人的にはエスニック料理も教わりたいです!!

さあ、しっかりおかわりもして満腹気味のお米レンジャー、寝ている場合じゃありません。どんどん前に行かなければ。ススメ、ごはん党!

笠原さんの作品はコチラです。

 

 

『ごはん党』メンバー紹介#2 古松淳志さん

『ごはん党がゆく!突撃お米レンジャー』ママろば、今回は南伊豆の古松淳志さんをご紹介します。突撃しようにも、いつも優しく穏やかな印象の古松さん。直接お会いしたこともないレンジャーは出番なしの空回りです。いつもお電話の声やパパろばから聞く話だけで勝手に妄想していたのですが、いただくメールを見ても、作品などにちょっと添えている言葉をみても、「んもう古松さん、仏っ」と思わずつぶやいしまうような溢れる気遣い…しかも、ものすごく自然な感じで。その人当たりの滑らかさ加減でなんとなく年上の方を想像していたのですが、何かで写真を拝見したところアレ??とっても若い!?作品が落ち着いていて渋いのでつい、、、。失礼しました!!

ろばの家では、シンプルで温かみのある粉引きのうつわ、同じく粉引でも古代中国の壁画からヒントを得たという篆刻がほどこされた岩画シリーズなど、初年度から古松さんの作品を置かせて頂いています。優しいフォルムや穏やかな色合いのために軟らかそうに見えるのですが、古松さんのものは非常にしっかり、キーンと芯まで焼けている感じでとても丈夫です。粉引でも安心して普段使いできますよ、とご本人も太鼓判。岩画の動物モチーフのなかに、店名にちなんでカワイイろば柄のものを忍ばせてくださったり、実はなかなかお茶目な人なのかも。背筋の伸びた品のある佇まい、でもとても親しみやすい。その意外性がたまりません。月並みですが、やはり自然と人柄がにじみ出てしまうのでしょうか。

薪窯は年に1、2回ほどしか焚かないとうかがっているので、ずいぶん前からお願いしていました。今回は、どんな肌合いの作品が届くのでしょう。粉引きだけではなく三島や刷毛目、焼〆の作品も出展してくださるとのこと。嬉しくてドキドキします。

というわけで、古松さんの回答を。なんとなく、南伊豆って海の幸も山の幸も美味しそうだな~。

 


 

質問1:『ご飯が進むおかず』といえば?

——-刺身、納豆、梅干、塩辛←これおかずですか?

質問2:あなたの『好きなおにぎりの具ベスト3』は?

——-1位:梅干  2位:鮭  3位:全部好き 

質問3:愛用の飯椀を見せてください。

——-恥ずかしながら、拙作でございます。

質問4:「わが家の定番」的おかず、もしくは「思い出の母の味」など、特に印象的なおかずがあれば教えてください。

——-春:新じゃがの肉じゃが
     新たまねぎドレッシングのサラダ(玉ねぎすりおろし、ごま油と醤油)
        春キャベツと塩麹鶏のサラダ
   夏:夏野菜の揚げびたし
         秋:金時草のすだちがけ
         ローストベニソン(ご飯は進みません)
         鹿肉燻製(これもご飯は進みません)  
        冬:鍋(色々)
        あとはとにかく刺身、イノシシ焼肉

質問5:今回出展した作品を、どのような想いで作りましたか?

——-難しい質問ですね。


 

はい、塩辛。立派なおかずと思います。他にも塩辛を挙げた方いましたよ。ローストベニソンってなんだろう?と思い調べたらローストビーフの鹿バージョンだそうで、鹿、イノシシ…工房はかなり山の中と聞いていますが、もしやご趣味は狩猟!?燻製も自家製??ご飯は進まないかもしれませんがお酒は進みそうです。それにしても謎すぎます、古松さん。やはりここでも意外性にやられます。春夏秋冬、どのメニューもそそられ過ぎて(特に秋から冬にかけて!)南伊豆に引っ越したくなってきました。…イノシシ焼肉って。。。。南伊豆ではスタンダードなんですか!!!???

ぶももっ!!古松さん、ありがとうございました!

古松さんの作品はコチラです。

 

やっぱり、ごはん党。

9月の企画展のご案内です。毎日のごはんを楽しむ道具やうつわの展示で内容は以下の通りです。

今年は夏のはじまりがとても暑かったためか、例年よりずいぶんと稲刈りが早まりそう…と話していたのは『Hachiemon』(つくば市の予約制レストラン。残念ながら現在は休業中)の太田多恵子さん。ご実家は代々続くお米農家。実はママろばの古くからの大親友(と、わたしは思っていますが…)でもあるのですが、今回の企画展に参加していただきます。9月中頃にはもう新米も登場しているはず。お米にちなんだ展示ということは決まっていたので作家さんへ出したはじめのお願い文は、こんな感じでした。その時は仮題のつもりだったのですが、結局そのまま『ごはん党』がタイトルになってしまいました。

今年も新米の季節がやってきた!

糖質制限ダイエットなんてなんのその、日本人ならお米を食べよう。

炭水化物万歳!ご飯が進むよどこまでも…ススメ、ごはん党!

 


毎日のごはんを楽しむ道具とうつわ
『やっぱり、ごはん党』 9月15日(金)~24日(日)会期中は9:00~19:00まで営業いたします。
 *会期中は19日(火)のみお休み。*13日(木)は搬入のためお休みさせて頂きます。

参加作家さん(敬称略)   

  陶 (飯椀、丼、お惣菜やおにぎりのためのうつわ、保存壺、土鍋、調理道具などなど…):
     笠原良子  近藤康弘  嶋田恵一郎  高田谷将宏
     壷田亜矢        壷田和宏        長野大輔   沼田智也   古松淳志

  木のおしゃもじ、サーバー、うつわなど : 宮下敬史
 
     鉄のフライパン、スパイスラック、フックなど : 羽生直記

  割烹着、エプロン、鍋つかみ、キッチンクロスなど  : Suno&Morisson
  
        藁 の鍋敷き :  わら工房たくぼ

        食の提案 : Hachiemon 

Rice Evento  『ごはんをもっと美味しく』 

  Part.1 9月17日(日)11:00~  
  Part.2 9月24日(日)11:00~ 
        *お料理はなくなり次第終了となります。

         つくばのレストラン『Hachiemon』(現在は休業中)の料理人 、太田多恵子さんによるお米&お惣菜の試食会をおこないます。毎日の献立のヒントになるような、秘伝のおかずレシピやちょっとした工夫の数々。出展作家さんの作品にならべたお料理で、楽しい食卓のイメージをふくらませてください。


これから少しずつHPやSNSなどで参加作家さんのご紹介やフードのイベントなどの予定をご案内してゆく予定です。どうか、お楽しみに!

 

2017-09-01 | Posted in BlogNo Comments » 

 

謎の赤いダイヤモンド。胡椒をスパイスから主役に変えるマリチャの宝石。

これはバシッと来ます。今までMarichaマリチャの胡椒の中で一番テンションが高いのはネ・ビアンコ・ネ・ネーロだと思っていたのですが、今回このロッソ・スクーロ(イタリア語でダークレッドの意味)を味見して、スモーキーなのにクリアでシャキッとした香りと、入りは穏やか、後味にじわじわと辛味が走り抜ける爽快さに「こ、これは…!これだったのか!!謎の赤いダイヤの正体は…ウウッ」と倒れてしまいそうになりました。「ママろば!!ママろば!!しっかり!!!」とパパろばが駆け寄ります。床に倒れたママろばが息も絶え絶え血文字で残したのは…”Diamante e’ pian…..” 「ダイヤモンドが何かわかったのか??ピアンってなんだよ」ガクガクとママろばを揺するパパろば。しかしその時すでにママろばは…。ああっ。。。

…あ、すいません。昔の刑事モノ(しかも三流だあ~)の観すぎかも?。。。ほほほ。いや、でも冗談抜きにそれほど謎なんです。もちろん輸入元にも確認したのですが、この胡椒の名前”Rosso Scuro”ロッソ・スクーロの下に堂々と書かれている ”Diamante”ディアマンテの意味するところは謎のままです。ダイヤモンドということはわかっても、なぜその名前がついているのかがわからないのです。ダイヤモンドのように貴重だ、ということかな?と考えがちですが、裏の説明を読むと更に迷宮に入り込みます。なになに…?(←ちょっとイタリア語できる人気取り。ちなみにママろばのイタリア語力はイタリア語検定2級を落ちる程度の実力です。トホホ。)

このロッソ・スクーロ・アッフミカート(直訳するとスモークド・ダークレッド。つまり、スモークした赤黒い胡椒)は、マレーシアのサラワク州サリケイ庭園で丹念に育てられた希少なクーチング種の中でも4~10年の高樹齢の樹の胡椒を使っている。収穫したての新鮮な胡椒の実を冷たい清水で洗った後、実が完全な形のまま残るよう加水せずに6つの圧力釜を使ってほんの数分加熱する。その後マンゴーと”ダイヤモンド”の木の枝でゆっくりと燻煙した後95°Cの簡素なオーブンで14時間乾燥させる。この複雑な作業工程は全て、熟練のシェウ氏ただ一人によって収穫から24時間以内に急いで行われる。このような世界に類をみない驚くべき手作業によって、胡椒本来のありのままの味をお伝えできるのである。

さあて、この「マンゴーと”ダイヤモンド”の木」という箇所がくだんの謎なんです。イタリア語を文法通りに解釈するのなら「ゆっくりと燃焼させたマンゴーとダイヤモンドの木から得られる煙で燻し」となるのですが、誰もダイヤモンドの木などという植物を知りません。検索してもひっかかってきません。アフリカで、ダイヤモンドの原石が出土する土壌の上に必ず咲く植物、ということで話題になった木なら出てきましたが、それとも思えません。輸入元もそこがわからずずっと問い合わせているのですが、とにかくマリチャの人、つかまらないのだそうです。後日情報が入りましたらお伝えしますね。実はママろば、このダイヤモンドが何を意味するのか気になって気になって、マリチャに電話してみようと夜中にひとり色々調べていたのですが、イタリアのイエローページでもマリチャの電話番号掲載されていないし、マリチャはジャマイカ・カッフェのオーナー、ジャンニ・フラージの娘さんがやっている会社だからジャマイカ・カッフェに電話してみるか?と思ったりもしたけどさすがに忙しいコーヒー屋さんに電話して「マレーシアのダイヤモンドの木ってなんのこと?」と聞くのも申し訳ないしとしり込みしたり…と、挙句の果てにはイタリアでネットでマリチャの胡椒を売っていたお店に問い合わせてみたら「あ、ごめん。マリチャの胡椒の裏に書いてあった文章コピーしただけなんだ。詳細は知らないんだよ。マリチャのひと連絡とれないって噂だし」と…。あら、イタリアでもそうなのね。ということで、あきらめることにしました。おそらく植物の名前ではないか、というのかわたしと輸入元のノンナ・アンド・シディさんのたどり着いたおおまかの予想でございます。真相がわかりましたら皆さんにお伝えしますね。

とまあ、こんな感じです。それにしても、この説明!はあ~。すごいですよね。ちなみにこの「シェウ氏ただ一人によって収穫から24時間以内に~」というくだりは、マリチャのどの胡椒にも書いてあります。いや、それはつまり、すべての胡椒をシェウさんが作っているってことですか?収穫して24時間以内に???そりゃあすぐ品切れになるのもわかります。というよりヘルパーさん雇えばいいのに。。。と余計なお世話もやきたくなりますが、もちろん手伝ってくれる方はいるとは思うのですが、きっとここぞという見極めは彼でなければできないのでしょうね。シェウさん恐るべし。

マリチャのほとんどの胡椒は試したつもりでしたが、わたしはこのロッソ・スクーロは初めて見たので(過去に何回か日本に輸入されているようです)、早速開けて試してみました。封を切った瞬間の、上品なスモークの香りに「これはまず、目玉焼きだね!」とパパろばと意気投合。早速焼いてみましたとも~。う、旨すぎる~~~~う(涙)。なんだか胡椒のカリッと感が他の種類より軽い感じがします。

全然関係ないですが、皆さん目玉焼きは蓋する派ですか?蓋しない派ですか?わたくしママろば、人生うん十年ずうっと蓋する派を貫いてきたのですが、つまり黄身を白い膜が覆っている目玉焼きを食べ続けてきたわけなのですが、結婚したパパろばがなんと、蓋しない派だったんですね~。小学生の時に母に習った「コンコン、じゅわ~のあと水を少し足してすぐ蓋をする!」という鉄則を忠実に守り続けていたのです(北海道の実家は今でも白い目玉焼きです)。ある日パパろばが作ってくれた目玉焼きの黄身が、ねっとりしていて鮮やかな黄色で、とっても新鮮だったのです。そして、とっても美味しく感じられたんです。蓋する派のように3分じゃ仕上がらないけれど、蓋をしないでじっくり焼いた目玉焼き、このねっとり感は一度体験しちゃうと、そう易々とは蓋する派に戻れません…という気がするのはワタシだけですかね?

あ、そうそう、で、目玉焼きにロッソ・スクーロ。これはもう、とんでもなく相性ばっちりでした…と、いうことはですよ…つまりかの有名なカルボナーラ、炭焼き職人風スパゲッティに使ってみない手はないですよね!?なんちゃってスモーク?のベーコンとかパンチェッタなど使わず、この胡椒のスモーキーさを生かせばかなり上品な香りのカルボナーラが出来るはず!夏なのに、カルボナーラが食べたくなってきました。

胡椒の辛味だけでなく、スモーキーな香りまでお料理のアクセントに使えば、いろいろな場面で活躍してくれそうです。例えば蛸のカルパッチョや牡蠣のソテー。燻製にできるモノなら何でも合いそう!桃が出回る頃になるとつい食べたくなる『桃とリコッタチーズのサラダ』は、はかなさもまた美味しさの内なのですが、酸味が柔らかでややふんわりした平坦な味わいになりがち。そこへロッソ・スクーロをガリリッと!…ビタッと引き締まりますよ~。早速昨日いただいてきたばかりのKeicondoさんの新作のお皿にも盛り付けてみました。ちなみに、この桃のサラダ、桃を塩とオリーブオイルだけでマリネしてリコッタチーズとさっくり混ぜるだけなのですが、マリネするときシュッとシルクのワインヴィネガーを酢が入っているとわかならい程度に和えておくと(あの、イチゴのマリネの要領です!)酢を使っているとバレなければ勝ち!)…んもう、悶絶ものです。前回は、偉大なお酢とはいえ、お酢界ではロールスロイス並みの値段だし、初めての輸入だし…とめずらしく弱気な量を輸入したヴィナイオータさんでしたが、瞬間的に完売してしまいすっかり自信をつけたのか(笑)今回は豊富に在庫を用意して下さった様子。これは、お酢というよりもう旨味調味料的効き方をするので、しかも半永久的に保存できるので、一家に一本、常備しておくに限ります。ちょっと味が決まらない。これ以上塩を足したくない。そんな時にひと匙。まさに魔法の一滴です。この桃のサラダ、塩の効かせ方次第で前菜としても、食後の軽いデザートとしても使えちゃうので夏のおもてなしに最高ですよ。直前まで冷蔵庫でキンキンに冷やしておくと桃とリコッタが一体化してよりまとまった味になりますが、テーブルに出す時に軽くオリーブオイルを回しかけてくださいね。そしてもちろん、ガリリっとロッソ・スクーロ、ね。


あ、また脇道にそれちゃった。すいません。というわけで(何がというわけなんだろう?)冒頭の謎解きに戻りましてバッタリ倒れたママろば本人が血文字で残した答えを解説いたしますと「ダイヤモンドの正体は、ピアン…?」の正解はピアンタ、植物でした~。多分!

本当の答えはCM、じゃなかったカルボナーラの後で(古いな~、我ながら…)!

Marichaのページはコチラです。*前回入荷時、入荷するや否や輸入元で完売してしまって買いそびれた基本の基本のネロや、たまにしか入荷しない塩漬けスモークのカーモとオーロも再入荷しております。この機会にぜひお試しくださいね。

 

 

 

土と炎との戯れが生む偶然の表情。やきしめの良さ、もっともっと知って欲しい。

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やきしめの最大の魅力は、どれひとつとして同じ色や模様がないという唯一性。

作家さんと話していると、やきしめのうつわの表面に浮かぶムラや銀色に鈍く光る部分などを”炎が走った跡”と呼ぶのを聞くことがあります。同じ粘土で同じような形に挽いても、窯の中の火がどこからどのように駆け抜けたかによってひとつひとつのうつわに違った表情が加わります。炎の足跡だけではありません。窯のなかのどのあたりに置くか、そこが高温になるところか低温になる場所なのか、また送りこむ酸素の量によって酸化状態かあるいは還元状態に置くのかによっても色合いや質感が変わり、歪みの生じ具合も変わります。さらには薪の灰が被ったり粘土の成分が溶け出して自然釉となり、うつわに斑点やグラデーションを絵画のように自由に描き出す。それらの筆致はすべて、窯の炎によって偶然に生まれたもの。人間の思惑が炎の気まぐれにあっさり裏切られることになるのか、予想を上回る自然の遊戯に魅せられることになるのかというドラマチックな窯出しの緊張感は、やはり薪窯の醍醐味なのでしょうね。
DSC_6742けれども、釉薬を使わず土本来の色だけで勝負するということは、それだけ形の持つ力も問われるということです。また、予期しない結果が果たして美しいと感じられるものになるのか薄汚い印象を与えてしまうのか…。経験を積んだ作家さんが「薪だから良いというものではない」と断言するのを、いろいろな作品を数多く見てゆくにつれ深い共感を持って噛みしめてしまうのです。やきしめはその大雑把なくくりだけで見ると、どんなにひとつひとつ表情が違うと言っても所詮明るい黄土から赤茶、黒に近いこげ茶色までのアースカラー(まさに!)の範疇。遠目には似たような雰囲気のものに見えてしまいがちです。けれどその中に、特別に自分を惹きつけるもの、つい台所で毎回手に取ってしまうものがある。ろばの家の一角では今、やきしめの良さをもっとお伝えしたい、と幅広いアイテムを集めたやきしめコーナーを作っているのですが、こうして目の前に境道一さんや境知子さん、加地学さんによるやきしめのうつわを一同に並べていると思わずニンマリしてしまう。だって、ぜんっぜん違うんだもの。電話で話していても声や言葉遣い、抑揚から人がわかるのと同じくらい、同じやきしめでも雰囲気が違うのです。色や形を越えて浮かび上がってくるその人の個性のようなものがうつわにまで反映されているのを見るだに、ああ私たちは「やきしめが好き」なのではなく、道一さんの、知子さんの、加地さんのやきしめが好きなんだ、と思い知ってしまうのです。

やきしめ、やきしめと連呼していますが、もともと”焼き締め”や”締め焼き”と呼ばれる技法による分類のひとつで、備前焼きや信楽焼きに代表される、釉薬を使わずに高温で焼き上げた陶器を指します。同じ無釉でも植木鉢などの素焼き(テラコッタも素焼きのひとつ)との決定的な違いは焼成温度。一般に素焼きが800~900度程度で焼かれるのに対しやきしめは1100~1300度で焼かれています。多くは穴窯や登り窯などの薪窯で1週間~2週間程度かけてじっくり芯まで焼かれていて硬くて大変丈夫です。素焼きと違って水も通しません。油染みしやすいので何か敷いて使うようにいわれることもありますが、むしろ油モノや汁物も気にせずどんどん使いこんだ方が早く艶が出てしっとりした質感になってゆきます。はじめのうちはガサガサしていますが、束子でゴシゴシ洗ううちに徐々に肌質も滑らかになってきます。丈夫で気を使わず扱えることや、使い込んで色合いや手触りが変化し育ってゆくのを見守れることもやきしめの大きな楽しみです。

お料理を盛る前に一度たっぷりと水にくぐらせると、臭い移りを防げるだけでなく気化熱で食材を冷んやりと保ち、見た目にも涼しげです。写真のように氷水で食材を冷やすと驚くほどキーンと冷気を放ちます。古くからやきしめは水が腐らないといわれ水瓶や保存壺にも使われてきました。適度な吸湿性があり蓋物は塩壺としても、にんにく・生姜や梅干などを保存するにも最適。火元近くでも気にせず使えるのも便利で箸立てやツールスタンドにも向いています。お茶もまろやかに美味しく淹れられ、花器に使うと夏場でも水持ち良く切花が長持ちします。よく呼吸して蒸れないのでサクッと食感を残したいような揚げ物やグリル、パンやおにぎりなど湿度を嫌うものにも理想的なうつわなのです。なんだか良いことづくめでベタ惚れという感じですが、実際毎日使っていると優れた点ばかりが目について、やきしめ宣教師として全国を巡業しなければとアナタハツチトヒノチカラヲシンジマスカ?的な使命感に燃えてしまうほどなのです。相変わらず大袈裟かつ意味不明でスイマセン。
DSC_6711和食のイメージが強いかもしれませんが、ウチではイタリアンにも中華にも、何にでも違和感なく合わせています。土から生まれたまんまという印象のやきしめに、畑で採れたばかりの野菜を盛りつけるだなんて料理人としてこれ以上の幸せはない、と言ってくださったフレンチのシェフがいてハッとしました。大地の恵みを感謝していただく返礼のような気持ちでやきしめをに盛る。そんな感性は自分にはありませんでした。

やきしめのうつわがひとつ入るだけで食卓がピリリと引き締まります。この夏ぜひ、冷たいお料理を盛りつけて涼しげなテーブルを楽しんでみてください。

やきしめのうつわばかりを集めたページをつくりました。ぜひ一人ひとりの個性をお楽しみください。

*写真のやきしめのうつわは上から境道一さん(蓋物、箸立て、深皿)、境道一さん(楕円皿)加地学さん(鉢)。

2017-06-29 | Posted in BlogNo Comments »