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『豆まめしく』まとめ…気になるみんなのマメ度とファイナルマメパのご案内


『豆まめしく』、いよいよ残すところ2日間となりました。3月1日からスタートした”365日地豆を楽しむためのうつわと料理”がテーマのこの展示、11日までの予定だった会期を延長して『もっと豆まめしく』、そして最終週に壷田ご夫妻の追加納品も加わって『さらに豆まめしく』と、どんどんパワーアップ(エスカレート(笑)?)してきましたが、それらがすべて今週末で終了してしまうだなんて…。まだ終わってはいないのに既に寂しい感じがしてきました。これは、豆ロスに陥ること確定ですね。イタリアで暮らしていた頃はレンズ豆やひよこ豆などを使ったスープをよく作っていたのに帰国して10年以上たち、すっかりその習慣もなくなってしまったママろば。お豆料理といえば、年に一度本を見ながらお正月用の黒豆をなかば義務的に煮てみる程度というくらいマメ度が下がっていました。お豆の美味しさはわかっているので、もっとお豆を日常的に食べるようになりたいなと思ってはいるのに”忙しい”を理由につい敬遠していた、というお話は以前書きましたが、この1ヶ月でママろば大きく成長。当初の会期3月1日から11日まで実質9日間、毎日日替わりでお豆のスープを用意していたのですが会期を延長したためその後も3回の週末を全て異なるメニューでシチューかスープをつくるというミッションを自ら課してしまいました。スープ以外にご試食用のお豆のお惣菜も2~3種用意して、さらに土曜日曜には『マメパ』と称してお豆パーティーで5~6種類のお豆料理を作りました。実はその間自宅のろばのウチの食卓にも毎日、余ったお豆や試作のお豆料理を出していました。この一ヶ月で最低でも60種類以上のお豆料理に挑戦したと思います。『地豆の料理』の著者伊藤美由紀さんと「お豆の100本ノック」と呼んで大笑いしていたけれど、文字通り100本に届きそうな勢いでした。今30種類ほどお店にあるお豆で味を知らないのは5~6種類程度なので調理したお豆も20種以上ということになります。短期間でこれだけいろいろなお豆料理に親しめば、嫌でも多少は詳しくなります。

でも、この企画を通してわかったことはお豆料理のポイントだけではありません。まずみんな、お豆が大好きということ。でも意外と家でお豆料理をしないんだという事。そしてきっかけさえあれば誰でもハマってしまうほど簡単で美味しいのがお豆料理なんだということを、確実な手応えとともに実感しました。マメパに来て”甘くない”お豆料理を食べた方(根強い甘煮のイメージについても以前書きました)がとっても新鮮!と感動してくださり、レシピ本とそこで食べたお豆を数種類買って帰る、というケースが会期中どんどん増えていったのですが(美由紀さんの本だけでも60冊近くお求めいただきました)、もっと嬉しいことには「やってみたら案外簡単で大好評でした!」とさらにお豆を買いに戻ってきてくださる方が多数いらっしゃったのです。ざっと計算すると『豆まめしく』でべにやさんから取り寄せたお豆の量は200g袋で450個。それはなんと90kgに相当します。これはまあ、ろばの家のように小さなお店としては結構な量だと思うのです。まだお店に在庫もありますが、一体この期間中どれだけのお豆が皆さんの食卓に上ったのでしょう?。レシピ本あるあるではないですが「買ったはいいけど眺めているだけで満足」というのでは残念ですが、実際に作ってみてさらに他のお豆料理にも挑戦したくなってくれていると実感できたのは、かなり嬉しい経験でした。だって、まったくもって今まさに自分に起きているのと同じ現象なのですから。お豆は美味しくてとってもヘルシー。でも、ちょっとだけハードルが高い…そう思っているのはわたしだけじゃないはず。「みんな一度でも試してさえくれれば、その手軽さ、楽しさにきっと気が付いてくれる。」そう信じて始めた企画だっただけに、この満足感は大きな自信へとつながりました。絶対にまたいつか、来年にでもやりたい!もっともっと、さらにさらに豆まめしく、ブラッシュアップして。

さて、今回の企画展では「お豆のスープやサラダ、お惣菜が映えるうつわ、お豆料理が美味しくできる土鍋」といったお題で作家さんに出展いただいたわけですが、結果お豆だけではなく普段のお惣菜にもぴったりの、とても使いやすい大きさ・形のうつわが沢山届いて大変賑やかな展示となりました。フェイスブックなどのSNSではちょこちょこその場面をご紹介していたのですがまとめた形ではご紹介しきれていなかったので、ろばの家の企画展恒例”作家さんへの突撃インタビュー”の回答とともに『豆まめしく名場面集』といった感じで皆さんといっしょに回想していきたいと思います。ママろばの長ダベリは毎度のことながら前置きが長いのですぐに本題がなんだかわからなくなる!と不評なので、小分けにして単独の記事としてご紹介してゆきますね。

と、なんだかすっかり過去の出来事のようにお話ししちゃっていますが、まだ会期は2日間あるのです。まずはこの1ヶ月のしめくくり、ママろばの100本ノックの成果をとくとご覧あれ!的『ファイナルマメパ』のご案内です。つくばは今、桜が満開。すぐそばの天久保公園も薄ピンクに空が染まっているほど木々が競い合って花びらを振りまいています。暖かな予報のこの週末、お花見がてらぜひ天久保2丁目にお立ち寄りくださいませ。日替わりのお豆スープや、いろいろなお豆料理をお試しいただけます。
ファイナルマメパの詳細は次号で。

 

3月31日は『豆まめしく』最終日。ファイナルマメパで春のお豆メニューを。


3月31日土曜日は『豆まめしく』最終日!ファイナルマメパを開催します。

”365日地豆を楽しむためのうつわと料理”という内容で3月1日からこの1ヶ月お届けしたお豆とうつわの企画。ワタシたち二人がこの1ヶ月間に試したお豆料理の中から、美味しくて誰でも簡単にできるような特におススメのメニューをご試食いただけるようご用意します。同時に春の食卓のスタイリングもお楽しみいただけたらと思っています。


ファイナルマメパ(お豆パーティー)
日時:3月31日(土) 12時~お料理がなくなるまで

  1:お豆料理のご試食会。春にぴったりなサラダやマリネ、旬の野菜を組み合わせたお惣菜など
     2:本日の地豆『』スープの販売(冷たいスープにする予定です)
  3:かえる工房さんの和菓子販売。べにや長谷川商店さんの赤えんどうを使った『豆かん』、そしておなじみの『笑び餅』をご用意します。

 *いずれも数量限定ですので売り切れ次第終了となります。


ご予約なしでどなたでもご参加いただけます。すぐ目の前の天久保公園では桜が満開!空まで薄ピンク色に霞んで見えます。お天気もよいこの週末。絶好のピクニック日和。お花見がてら、ぜひ天久保2丁目まで遊びにいらしてください。沢山のお客さまのお越しをお待ちしております。

 

またしてもSabadiにやられてしまいました。シュワッと根本から固定概念を崩されます。

これ以上爽やかで、これ以上濃厚で、これ以上美味しい(どんなに考えても美味しいという形容詞以外浮かばなかった…)柑橘ジュースがこの世に存在するというのなら、お願いだから誰か持ってきてほしい。この、非現実なまでの果実味。自然な果汁がこんなに凝縮されているはずがない、と疑ってしまう濃厚な果実。でもいっさい濃縮などしていないストレート果汁です。原材料はレモン果汁ときび砂糖のみ。炭酸水で薄めて飲みます。濃縮でない証拠に、ゴクゴク飲み干した後もまったく喉が乾かない。あれほどまでに鮮烈な味わいであったはずが、跡形もなく身体の内部に吸い込まれている。こんなすごい商品を”Limonata madre リモナータ・マドレ=レモネードのもと”だなんてカワゆくつらっと呼んじゃって…。またしてもワタシたちは彼にジュースというものの概念を引っ掻き回されてしまうのです。根本から。シュワッと。そう、カカオ界の革命児サバディが次に殴り込みをかけてきたのは、”炭酸飲料”界、です。

…殴りこみといったってね、ご存じシチリアの出来すぎ君シモーネ(???という方はコチラをご参照ください)のこと、そこは優雅なものです。ピンと背筋を伸ばして「Prego(どうぞ)」とワタシたちに開いてくれた扉は、シュワシュワとはじけるジュースのお部屋へと続いていました。誰からともなくそう呼び出してしまった、噂のナチュラルファンタ(コ〇コーラボトラーズ様、悪気はないのでお許しを!)のお部屋です。

昨年11月の生産者来日イベント『ヴィナイオッティマーナ』会場で、ワインばかり20生産者以上も並んだ出展者の中ただでさえ異色なチョコレートブース。試飲とは言ってもとんでもない種類のワイン数に、ちょっとひと休みという感じでブースに近づいてくる来場者に「はい、こちらサバディの新商品です。」と言って手渡したのがアランチャータ。今回入荷したレモネードのもとのオレンジ版です。シモーネの指示通り、炭酸水できっちり3倍希釈してお試しいただいたのですが、たった50㏄くらいのその試飲ひと口で、サバディを知らなかったひともすでにチョコレートのすごさを認識していた人もみな「なんですかこの恐ろしく美味しい飲み物は?」と眼をパチパチ。一発で度肝を抜くことに成功、です。ママろば、通訳としてお手伝いしていたのですがこの目で見ちゃいましたよ。東京会場は月曜火曜開催だったこともあり、一般のナチュラルワインラバーだけでなく飲食業に従事するひとも多数来場していました。ソムリエとして日々相当数のワインをテイスティングし、プロとして飲料の味わいをお客さまに伝えることを常としている人たちが、そのオレンジ色の飲み物を前に表現すべき言葉を失っているのです。「ちょ、ちょっともう一杯頂いてもいいですか?」と真剣にテイスティングし直したひとまでいました。「なんなんだこれは?」と驚く人にシモーネがニヤニヤして答えるんです。「ファンタだよ」って。プロでなくとも「なにこれ~?美味しい~~~。これ売ってるんですか?」…どれだけ多くのひとに、まだ見入荷なのだとお断りしたでしょう。そう、このとんでもない飲み物、老若男女誰が飲もうと360度どこからでも美味しいのです。こんなにもきゅう~~っっっと甘酸っぱくて、それでいてスッと身体に入り込む。べたつかず、喉も乾かず…こんな炭酸飲料、この世に存在できたはずないんです。

「世の中に自分が納得できるものがないのなら、つくってしまえばいい」

あ、そうですよね。そうでしたよね、シモーネ様。「僕が家のキッチンでね、作っていたやり方なんだよ。ほら、チョコレートに柑橘のピール部分だけを使うだろ。大量の果汁が余るから、消費しきれなくて以前は知り合いのジェラート屋に売っちゃってたんだ。だけどモディカの町に直営のバールをオープンしたからね。それなら自分たちのジュースを出せるだろ?」…さも、もったいないから作ってみたんだって感じに軽々と言う。後に続く輸入元のヴィナイオータさんの資料にも書いてありますが、彼ほどの完璧主義者がなぜ炭酸で割った完成形で消費者のもとに届くような商品にしなかったのかと聞けば、保存料を使わず最低限の量のきび砂糖だけしか加えずに炭酸飲料を作ろうと思ったら、この希釈前の状態で瓶詰めするしかなかったのだそう。40度以下(果汁の風味も栄養も損なわれない温度)で搾りたての果汁にきび砂糖を溶かし、すぐさま瓶詰する。それを瓶ごとパスチャライズドするだけという極めてシンプルな製法。それでこの味になるのだから、元のレモンの味わいを想像するだに寒気がしてきます。一度シチリアのモディカ近くで、大ぶりのレモンを木からもいでそのまま齧ったことがあるのですが、甘酸っぱく普通に食べられてしまうことに驚いた覚えがあります。きっとああいう品種だったんだろうなあ。もちろん、シモーネのことです。完熟度の見極めやどの程度の強さで絞るか、ピールの香り、後味にわずかに残るほろ苦さなど全ての要素が計算づくなのでしょう。もちろん相変わらずラベルだって超カワイイ。どこまでもイケてるところが腹立たしいくらい。

そして、何度も繰り返し話していたのは”自分でブレンドする”その行為自体にこの商品の満足度が含まれているのだということ。これから自分が過ごすリフレッシュタイムを、自分で演出する。一緒に食卓を囲む仲間の目の前でガラスのカラフェにシュワ~っとスパークリングウォーターを注ぐ。わっとテーブルに集まってくる人の歓声まで聞こえてきそうです。飲食店ではなおのこと。ワインをオーダーする人にはあんなに色々な手順を踏むのに、ソフトドリンクをオーダーした途端「プシュッ」と缶を開ける、トポトポと紙パックから注ぐ…味気ないことこの上ない。だから、333mlの小瓶は消費者向け、1リットルのお特用ボトルは飲食店向けに作ったのだと説明してくれました。ラベルにはご丁寧に、このリモナータのもと1本は50mlに炭酸水150mlを加えて作る200mlのレモンスカッシュが6本できる量です、と図解してあります。つまり、この小瓶一本333mlは1リットルの炭酸水にぴったりな量ということ。ケチなママろばはつい、もうちょっと薄く作ればもっと沢山飲めるなあと考えてしまうので実際やってみたのですが、実はもう少し薄めでも十分美味しいです。でも、それはあくまで個人的な好みを問うレベルの美味しさであるのに対し、きっかりシモーネの指示通りに計って作ったものは”誰が飲んでも間違いなく、とびきり、とんでもなく美味しく感じる”味に仕上がるのだから、本当にくたらしいものです(笑)。
桜の花も咲き始め、一気に外に出かけたい気持ちが高まる季節。このリモナータ・マドレと炭酸水のボトルを持って、お花見やピクニックに出かけてみてください。懸けてもいいけど、ワインやビールで盛り上がっている呑兵衛たちだってみんな絶対に「それ欲しい」って言い出しますよ。いつもいつも”飲めない”からと運転手役を命じられている皆さん、たまには意地悪してやりましょうよ。「これは、飲めない人専用です」ってね。「ああ、美味しい!車で来てよかった~っ」なんて立場が逆転して、さらに美味しく感じちゃうかもしれませんよ。

Sabadiの新着リモナータ・マドレはコチラです。

<<以下、輸入元のヴィナイオータさん資料より>>
味覚&美的センス、商才、どの点においても全く隙のないシモーネ サバイーニのサバディから新商品が届きました!その名を「リモナータ マードレ」と言いまして、“レモネードの素”とでも訳せば良いでしょうか。レモン果汁に砂糖を加え、瓶詰加熱殺菌したもので、この素1に対して炭酸水を3の割合で加えれば、極上レモネードの完成!当然のことながら、レモンも砂糖も農薬を一切使わずに生産されたもので、保存料などの添加物は一切なし。

シモーネに、炭酸を加え製品として完成した状態のものをなぜ売り出さなかったのかと聞いたところ、「砂糖の量を極限まで減らし、無添加でとある賞味期限を実現するためには原液の状態である必要があったというのが一番の理由。バールなどの飲食店での利用されることを想定した時、原液だったらスペースも削減できる上に、(素と炭酸を混ぜ)その場でレモネードに仕上げるわけだから“手作り感”みたいなものも演出できる。缶をプシュッと開けてコップに注ぐよりもカッコいいだろ?味わいに関しては、世に出回るあらゆるメーカーのレモネードやレモネード的な商品と比較すること自体がナンセンスなほどの差があると思ってるし。

チョコレートやキャンディはマーケットがとても限定的だけど、清涼飲料水は(マーケットが)メチャクチャ大きい上に、自分がやろうとしているような“高品質&ナチュラル”なものってそう多くない…。サバディが新たに進むべき道はこっちのほうだと思っているんだ。」との事。
333ml入りは小売り用、1リットル瓶は飲食店などでの利用を念頭に置いているそう。

ヴィナイオッティマーナの会場では、ナチュラル オ〇ンジーナないしナチュラル ファ〇タオレンジとでも呼ぶべき、アランチャータ マードレ(オレンジソーダの素)をお出ししていて、本当ならリモナータ マードレと一緒に届くはずだったのですが、彼の不在中に生産されたロットの出来に納得がいかず出荷を取りやめることに…。今現在新ロットが船旅の最中ですので、こちらの方も楽しみにしていてくださいね!!

 

今年こそ、豆まめしく!ろばでも出来る超簡単お豆レシピ

写真は紫豆といろいろキノコ、タコのアヒージョ。直接コンロにかけられる耐火のスキレットにぎゅうぎゅう詰めてオイルを回しかけ火にかけて20分放置するだけ。美味しいオイルで作りたいわたしはオイルをけちって通常の半量くらいで仕上げます。Theの木綿のキッチンペーパーできっちり包んでその上からオイルを回しかけて落し蓋代わりにするのです。普通具材がつかるまで注ぐとレシピには書いてあるのですが、それだと大量のオイルを使ってしまう。食べた後も沢山余ってしまい、いくらパスタなどに使えると言っても新鮮なうちに使いきれません。久しぶりの『食べろば』はマメパと称してお豆パーティー。現在実店舗で開催中の『豆まめしく~365日地豆を楽しむためのうつわと料理~』という企画展中のイベントで実演したお料理の中で、とっても好評だった一品です。その場で、ストーブの上に置いて出来立てを食べていただいたのです。自分で言うのもなんですが、これがまた美味しいのなんのって!紫花豆にキノコとタコの旨味が浸み込んで、ホクホクとろーり。ところどころカリッと焦げた芳ばしい皮の食感もたまらなく。…ああ、ワインが進みそう。「へえ、お豆をアヒージョにするんだ!」と知ったのはこのスキレットを作った壷田亜矢さん・和宏さんのお宅でいただいてから。スペインに一ヶ月ほど滞在したことがある壷田さんご夫婦はアヒージョやパエリアなどの料理を日常的に、いろいろな具材で作られるのです。あまりにも美味しくて、絶対自分でも作ってみようと思っていたのです。そうしたら、偶然つくば市の図書館でみつけた『地豆の料理』という本に、紫花豆とキノコのアヒージョのレシピが載っているではありませんか。これはもう試してみるよりほかありません。

で、出来上がりはコチラ。どうです~?美味しそうじゃないですか??コチラのレシピはメルマガで~(笑)。なんちゃって。伊藤美由紀さんの本に載ってますのでぜひそちらをご参照ください。意地悪じゃないですよ。他にもご紹介したいレシピだらけの素晴らしい本なのですが、著作権もありますのでね。ネタばらしはこのくらいにしておきましょう。

それにしても”今年こそは豆まめしく!”そう誓ったのは去年のお正月。「今年は毎週お豆料理を作るぞ~。だってこんなに簡単で美味しくて、その上ヘルシーなんだから!」そう思っていたはずなのに、実際には去年一年間で何回お豆を戻したでしょうか…。ただ袋から出して水に漬けておく。それだけのことなのに、なぜだか面倒に感じてしまう。例えばこんな経験はないですか?いざお豆を調理しようと戻してみたはいいけれど、次の日なんやかんやと忙しくてお豆を煮る余裕がなくなってしまう。ああ、時間のある時にしておけばよかったと後悔。そんな挫折を数回味わってしまうともうダメです。本当はただタイミングが合わなかっただけなのに″お豆料理って大変”という印象だけが残ってしまう。でも、断言しますがお豆料理は”超”がつくほど簡単です。お料理初心者こそ手に取るべき食材なのです。でも自分で乾物のお豆から調理するだなんて、きっととても料理上手な人だろうと思ってしまいませんか?そんなことはありゃしません。お豆料理といってもいろいろあるのです。確かに、黒豆や甘い煮豆などを上手に作るのにはそれなりに経験が必要だと思います。でも黒豆や五色豆ばかりがお豆料理じゃないのです。「今夜は五色豆を作ったわよ」だなんて、相当マメな奥さまのイメージですよね?それがいけません。大豆料理の代表みたいにクラシックな教本に出てくるあれは、本当にマメな人しか継続してつくれませんから。だいたい五目ご飯とか八宝菜とか、名前に数字がつくお料理って大抵手かずが多いんですよね。大豆を素茹でして青のり振りかけただけだって立派なお豆料理なんです。そっちを試してみる方が、よっぽどお豆にハマると思うんだけどな。それだけで十分に美味しいし。だってね、いいですか?ジャガイモよりも手軽なんですよ?泥もなく皮を剥く必要さえなく、ゴミも出ない。ただ、お水に浸しておけばお鍋ひとつですぐ調理できるのです。その浸水さえ不要なレシピやお豆だって、沢山あります。お豆は、ぜんぜんマメじゃなくても使えるんです。それが今回の『豆まめしく』で、最もお伝えしたいことなのです。簡単、美味しい、ヘルシー。もっとお豆を食べましょう!今日からあなたもマメ人間、です。

…とまあ、ずいぶんエラそうにお豆の達人ぶっていますが、かくいうワタシもべにや長谷川商店のミックス大豆でお豆ご飯の美味しさとその呆れるほどの簡単さに開眼するまでは、年に一度本を見ながらお正月用の黒豆を煮るくらいが関の山でした。シチリアで暮らしていた時には毎日のようにお豆をスープやサラダ、パスタにしたりしてマメに調理していたのに。そう、お豆は本当に習慣の問題。料理スキルとは関係ないのです。やるか、やらないか。ただそれだけ。この企画展が決まってから、これまでの人生において調理したトータルの回数を優に上回る数のお豆料理をこなしてしまいました。しかも、さほど苦でもなく。夜お豆を水に漬けて、朝起きたらすぐ火をつける。そうすると、もう出勤前にはあとは調理するだけという茹で豆が出来上がる。ろばのウチでは今、部屋のいたるところにお豆を戻すためのお鍋が置かれています。雨漏りでもしてるのかと思うくらい。もう、戻すお鍋が足りなくてボールやら鉢やら総動員です。毎日最低3種類はお豆を戻し、その横でまた3、4種類茹で上がったお豆がスタンバイしているという光景を見ながらお豆料理をいただく、という生活が続いています。でも、全然飽きない。チビろばたちも文句を言いそうなものですが、お豆の種類も調理法も違うので喜んで食べています。でもさすがに今日はお肉にしてあげようかな(笑)。でも大人だけならずっとお豆だけでも十分だねと話しています。そのくらい美味しい。そして楽しい。いや~お豆って、ほんっとうにいいですね~。

『豆まめしく』には、お豆は一度も調理したことがないという方から毎日何かしらお豆を調理しちゃうという筋金入りのマメ人間まで、様々なお豆感を持つ方が来てくださいます。大多数の方は「お豆ってちょっとハードルが高い」と敬遠してきた人たちです。ところがお店でご試食の黒千石大豆のマリネを試していただくと、まずお豆自体の風味の強さに驚いて「なんですか、これ。本当にお豆?」と興味を持ってくださるのです。マリネと言えば聞こえがいいですが、要は茹で上げたお豆にオリーブオイルと塩をふりかけるだけ。ところがこれが、眼からウロコというほど仰天の美味しさなのです(下のレシピに写真アリ)。コクのある凝縮したお味とコリコリ感は、ナッツのよう。「大豆は浸水しなくても調理できるんです。特に黒千石大豆や間作大豆なんかは小さいので、熱湯を注いでぴちっとラップをしていれば2時間くらいでもこのコリコリの食感になりますよ~」と説明すると「そんなに簡単ならやってみます」と、お豆を手に取ってくださるのです。いやはやママろば、デパードで実演販売できちゃうかも(笑)。

そうしてこのマリネ、一度に一袋200gをまとめて作ってしまえばさまざまなお料理に展開できるスグレモノ。日曜日のマメパでは、この黒千石大豆と同様にして作った間作大豆を残り物の玄米と和え、ひじきとレンコンを加えてライスサラダを作りました。ひじきは紫蘇と合うのでやまつ辻田さんの香りのいいしその粉を振って、さらに刻んだ梅干も加えたらバッチリでしたよ。梅干の殺菌効果でお弁当にもよさそう。

ではここで、この2週間毎日皆さんにご試食をお出ししていた中で特に評判のよかったお豆料理のレシピを書き留めておきます。沢山のお客さまの前で約束してしまったのです。店頭でご登録いただいた方に不定期でお届けしている『ろばレター』でも、マメパの告知欄に”お料理の展開レシピ配布”と書いていたのに間に合わず「HPにアップします!する、予定です(←弱気)」と豪語してしまいました。実は今回の企画のために、なんと現在べにや長谷川商店さんに在庫のある地豆(在来種)を全種類取り寄せてしまいました。それが結構な種類になりまして、お豆料理に挑戦したことのない方は何から手をつけてよいかわからないと思うのです。いろいろなお料理に展開できて、そのままでおつまみにもお惣菜にもなるという”ひたし豆”は一度このHPでご紹介しているので、それ以外のお薦めレシピを。騙されたと思ってこの3つだけは作ってみて欲しい。一度でもこの美味しさとその簡単さを実感してもらえたら、きっとお豆料理にハマってしまう…そんなお料理ばかりです。

さあて、久々のレシピ集『ろばでもできる、超簡単クッキング』の、はじまりはじまり~。


基本のコリコリ食感マリネ

材料:小さ目の乾燥大豆(黒千石大豆、間作大豆など) ひと袋(200g)
    オリーブオイル 
          塩

1、大豆は軽く洗って大き目のボールに入れ、たっぷりの熱湯を注いでラップをぴっちりかけておく。

2、1~2時間ほどで食べられる硬さになります。味見をして好みの硬さになったところで戻した汁を減らし、ひたひたに浸る程度に調節する。ちょっと硬すぎるなという時はお水を減らさずそのまま火にかけ、沸騰直前で弱火にして蓋をしたまま5分。そのくらい短時間で十分です。

3、熱いうちにオリーブオイルを回しかけ、塩を振る。

*塩味を薄めにしておくと、後からお醤油を足したり梅酢を加えたりアレンジが効きます。サラダなどに使いたい場合は、熱いうちにみじん切りの玉ねぎを和えておくとお豆の熱で火が程よく通りシャキシャキの食感に。
*シンプルさが身上の料理です。地豆は味が濃いのでそれに負けない力のある調味料を使って欲しいです。ちなみにマメパでは、パーチナのオリーブオイル新潟の美味しいお塩を使いました。黒千石大豆には藻塩、間作大豆には塩の花がおすすめです。ママろばは自分でレシピをアレンジする際、カラーコーディネートに一番気を付けています。黒や紫など色の濃い食材はやっぱりお味にもクセがあります。ミネラルたっぷりで旨味の強い藻塩や魚醤などが合います。一方色の白い食材はやはりお味もデリケート。クリアな味に仕上げたいので塩の花や笹川流れの塩など甘みの強い調味料を合わせてみると、たいていの場合よく合うのです。同様の理由で青大豆に青のり、もドンピシャリでした。これはべにや長谷川商店さんの超使える料理本『豆料理』で見てなるほど!と膝を打ちました。


基本のホクホク煮(ペイザンヌ)

材料:乾燥青えんどう(グリーンピース)一袋(200g) すべてのいんげん系の豆、ひよこ豆でもできますがまずは青えんどうで。
    玉ねぎ 大1個
    オリーブオイル 大匙2
          塩 大匙1

1、お豆は軽く洗ってたっぷりの水に浸し、6時間以上置いて戻します。

2、戻したお豆を火にかけ、沸騰したら中弱火にしてお豆がゆらゆら舞う程度(ブクブク沸かない)の火加減で30~40分(いんげん豆の粒の大きいものは1時間近くかかる場合も)茹で、かじってみて生っぽい芯がなくなったら蓋をしてそのまま置きます。

3、お鍋にオリーブオイルをたっぷり入れ、ダイス状に切った玉ねぎと塩を入れて炒めます。透き通ればOK。焦がさないように注意。

4、煮汁を切ったお豆(煮汁は別によけておく)を3に入れ、ひたひたになるように煮汁を加えて蓋をし中弱火で煮る。時々煮汁が減ってしまったらその都度加え、常にひたひたの状態になるよう保って20分ほど火を通す。

5、好みの硬さになったら出来上がり。蓋をしたまま仕上げればトロトロに。最後に蓋を外して水分を飛ばせばホクホクに仕上がります。角切りのベーコンを加えたり、さっと炒めたイカを加えて和えると立派な主役に。でもまずは、そのまま食べてみてください!

*青えんどう(=グリーンピース)は一般のお豆で在来種ではないのですが、お豆料理が苦手という方でもこのお料理だけは大絶賛してくださることが多いので、きっかけになればと敢えて載せました。えんどうの煮汁は濁らずクリアな色に仕上がります。お味も見た目通りとてもクリアで、煮汁だけでもその高貴な味わいにびっくりしてしまいますよ。出来上がったトロトロ煮をフードプロセッサーやブレンダーでピューレにして煮汁でのばせば美味しいポタージュが出来ますよ。


手亡豆のペースト

材料:乾燥手亡豆 半袋(100g)  大福豆、白花豆、紫花豆なども向いています
    アンチョビ 大きいものなら1尾、小さいものなら2尾
    にんにくスライス2~3枚
    オリーブオイル 小さじ2
          塩 適宜  *2倍量で作ってペースト状で半分冷凍しておくと楽です。

1 、手亡豆は軽く洗い4時間~6時間たっぷりの水で戻します。手亡は小さいので戻し時間も短いため大きないんげん豆は一晩戻す。

2、1を中火にかけ沸騰したら火を弱め注弱火で30分~40分、柔らかくなるまで茹でる。指で押して楽々つぶれるくらい。蓋をしてそのまま冷ます。

3、粗熱が取れたら豆だけ水をきり、アンチョビ、にんにくと一緒にフードプロセッサーかブレンダーでペーストにする。回しにくい時には茹で汁を少しずつ加え硬さを調節し、なめらかな状態にします。やわらかく茹でてあればすり鉢でも潰せます。

4、味を見て塩を加え、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせる。好みで胡椒をふっても(分量外)。

*こちらも大人気のひと品。薄めにスライスしたバケットにパテのように塗ってお出ししたところ、皆さんチーズみたい!とびっくり。その場で即、手亡豆を買って帰られました。小さいので戻すのも茹でるのも時間がかからない上、皮がやわらかくなめらかに仕上がるのです。紫花豆で同様に作って食べ比べていただいた時も、お豆だけの違いでこんなにも味が変わるのかと感心。紫花豆はもっとコクのある味に仕上がります。そう、お豆本来の味を楽しんでいただきたいので、くれぐれもにんにくやアンチョビは控えめに。このペースト、茹で汁でさらに伸ばせば和え衣にもドレッシングにも変身するのでお豆料理を作る時余分に茹でて色々なお豆で試しています。茹でた豆類はとにかく傷みやすいので食べきれない分は冷凍してしまうことをお勧めします。ペースト状でも、茹でて水を切った状態でもジップロックに入れて冷凍できますよ。


さあて、どうです?お豆料理、作ってみたくなってきませんか?『豆まめしく』はまだこれから後半戦。レシピの画像にも登場してくる、地味になりがちなお豆料理をぱあっと映えさせてくれる素敵なうつわやお豆がホックリ炊ける土鍋や耐熱ウエアなどなどたっくさん届いているのに、そのご紹介もまだまだ追いついておりません。写真の撮影に時間がかかりますので、うつわはもう少々お待ちくださいね。その間、基本のお豆料理を試しながら「こんなうつわに盛ったらさらに美味しそう~」と楽しみに待っていてください!今回は本当に素晴らしい作品ばかり集まりました。今年こそ、豆まめしく。まだまだ、間に合います。

『豆まめしく』のページはコチラです。希少なお豆は再入荷の予定がありませんので完売の際は来年の新豆時期が次回入荷となります。ご了承ください。

ちなみに画像のうつわは、上から耐火スキレット/壷田亜矢さん、耐熱土鍋/壷田和宏さん、輪花小鉢/関口憲孝さん、青白磁輪花鉢/関口憲孝さん、白磁小高坏/壷田亜矢さん、濃紺釉八角皿/関口憲孝さん、白磁テクスチャー皿/白石陽一さん

 

  

 

 

 

作為と無作為の境界に横たわるグレーゾーン。白石陽一さんの磁器。

白も黒も概念。完璧な白や100%の黒などこの現実世界には存在しない。濃い薄いという印象もあくまで相対でしかないのだから、グレーなどさらに多様な概念です。だからこそグレーゾーンという言葉があるのでしょう。白黒つけられない領域。この、無限の可能性を持つグラデーョンを前に「これはグレーなのかそれともベージュなのか?」と腕を組むのはナンセンス。明度や色相を数値で表してみたり、ひとつひとつのグレーに名前を与えてみたり…。それを定義してみたところで見る人変われば印象も変わります。ワタシが薄グレーととらえる色をオフホワイトと呼ぶ人がいるかもしれないし、濃いグレーが黒にしか見えない人もいるでしょう。正解なんて必要ありません。

「白い磁土に黒を混ぜてグレーを作るんですけど、ざっくり濃い目、薄目と意識するくらいでグラムを計ったり記録をとったりはしないんです。」電話口で聞いた白石陽一さんの口調は静かでとても穏やか。作品から受ける印象からはかけ離れたおっとりした話し方でした。ヒトより先に作品に出会ってしまった場合いつもそうなのですが、必要以上に想像を膨らませてしまうので、後から十中八九、想像と違う人物像に驚くことになるのです。白石さんの場合ははじめに作品、次に声、そして先日ついにご本人、という順序で解禁していったので(笑)、膨らみすぎた想像をある程度修正しながら自分の中の白石さん像を固めてきました。この、ソフトフォーカスな輪郭とシャープなフォルムとが同居する独特の世界の創造主。どんな人とまではわからないけれど、きっとすごく色んなことを突き詰めて考える人なんだろうなあと思っていました。無口なのかな?と思いきや、疑問に思うことを質問すると簡潔な言葉で淀みなく答えてくれます。微妙なニュアンスが宿命的に生んでしまう誤解にまで備えてあるかのような、厳重に抑制を効かせた表現。まるでその種の質問についてはすでに考え尽くしてきたとでもいうように滑らかに出てくる的確な言葉の数々が、彼の表現の核にあるモノを浮き彫りにします。言葉の選び方もさることながらワタシが驚いてしまったのは、彼の言葉によってそぎ落とされて残った芯の要素、核となる精神性のような何かが作品からもダイレクトに感じられる、そのことでした。そしてそれがすべての作品に共通して滲み出ていること、何よりその整合性に魅せられてしまったのです。均一なものを作るつもりがもともとないのだから、色だって揃える必要はないし部分的に色がまだらになったっていい。言葉だけ聞くと、ただテキトーに作ればいいと思われてしまうかもしれませんが、出来上がったモノを見ればその不均一さが美しく見える時にだけ、テキトーさえをもよしとしていることがうかがえます。バッチリフルメイクで決めるより、まるで素肌でいるかのようなナチュラルメイクに仕上げることの方が数倍難しい、というのと似ています。こんな風に例えてしまうと白石さんに嫌がられそうだけど…(笑)。

鋳込みと呼ばれる、型に泥漿を流し込んで作る磁器。ろくろなどで成形する陶器と比較して一般的には、同じ形のものを量産できるやり方と認識されています。白石さんのうつわはしかし、二つと同じ形のものがありません。”自然に生まれた形の面白さ”に魅かれるという言葉の通り、カップのエッジもプレートの縁も、ひとつひとつ絶妙にズレたゆらぎを作りだしています。一定の軌跡を持たない自由曲線。砂浜に寄せる波が幾重にも残してゆく泡のように規則性のない、けれど美しく、自然なライン。それは彼が型に泥漿を流し込む際にあえて手を加えず、自然な泥の流れにまかせているから。仕上げ作業でも余計なラインの処理はしないため、純粋に泥の動いた形跡だけがエッジに残ります。まるで動画をストップモーションで見るように、まさに泥が撥ねたその一瞬をフリーズさせたのでは?と息をのむような臨場感をともなう作品まであります。自由なラインと呼ぶとあまりにも人工的に聞こえてしまうかもしれません。自然な、と表現するべきでしょうか。それは意図しようとしてもできない種類のラインなのです。どんなに自然なラインを描こうとしても、自然にしようという意図がそのまま作為となってしまう。作為的でないようにする行為。それもまた作為、です。合わせ鏡を覗き込むように終わりのない、自我との戦い。どこまでが作為で、どこまでが自然なのか…。

「だってね、そもそも鋳込みという手法自体、むちゃくちゃ人工的な手法じゃないですか。泥の自然な動きを楽しみたかったら、違う手法の方がよかったのでは?」「そう、そうなんです。」ズバリ、聞いてみたかったことをたずねるとやはり想定内の質問だったらしく慌てる様子がない。「僕は陶芸を始めたのが人より遅くてスタート地点で出遅れちゃったんです。」「それまで何をしていたんですか?」「地元の福岡で、はじめは運送会社のドライバーをしていて、その後古着が好きだったから古着ならやっぱり東京だろう、と東京に出て行ったんです」「そりゃまた極端な。ご両親びっくりしたでしょうね。」「東京の古着屋で働いていて、いつかは自分でお店をと思っていたんですけど僕が好きなモノは本当に古いヴィンテージのものだけで、そういう品物は当時でもどんどん枯渇してきていた。結局他人からモノを買って売っている限り、常に商材に左右されてしまうでしょう?だったら何か、自分で作りだせる方が将来性があるって思って仕事を辞めたんです。」「え?いきなり?何かアテはあったんですか?」「ありません(笑)。ただもうクラフトと呼ばれるものは金工でも木工でも片っ端から見て歩いて、あれこれちょこっと試したりしているうちに陶芸もいいな、と。」「その間、バイトで食いつないでいた、とか?」「そんな感じです。それで、岐阜の多治見市陶磁器意匠研究所に入ったんです。」「確か村上さんも意匠研ですよね。」白石さんは、村上雄一さんにご紹介いただいたのでした。非常に仲良くしているからと、快く連絡をとってくださったのです。…と、またまた大きく本題からそれてしまいました。そう、なぜ自然な泥の動きを楽しむのに直接泥をこねる手法にたどり着かなかったのか、という質問でした。はじめは彼自身The陶芸!というイメージの土をこねてろくろを挽き…という海原雄山的な(注:ママろばの勝手な補足例です)作品を目指していたし、現に展示会などを見ていたのもクラッシックな作品ばかりだったそう。それが、東京で現代的な作品を見て衝撃を受けたこと、研究所の授業で磁器をやり、その時に鋳込みの手法が思っていたより色々な表現ができるところに面白みを見出せたこと…という両方の理由が彼を磁器へと導いたようです。「正直、スタートが出遅れたのもあってそのThe陶芸的世界には飛び込む余地がないなあ、とひるんだというのもあります」そして「鋳込みには無限に表現の可能性があるのに、面白いことをやっている人がまだそう多くはないという点も魅力的だった」と素直に語ってくれました。

「でも僕のやってることって鋳込みには鋳込みなんですけど、ものすごく手間のかかる、生産性の低いやり方なんです。全然人にはおすすめできません」「このすべすべした肌、ひとつひとつ磨いてるんですよね?」「そうなんです。素焼きの状態で全部磨いてから焼くから全然進まない。粉塵もすごいし」「あとこのイレギュラーなカタチの多角形プレート、角が直角じゃないのにどうやって型を作っているんですか?スティック状の型をその都度自由に組み合わせるから同じ形のものは二度とできない、と聞いて不思議だったんです。どうして泥が漏れないのか、って」「まさに。実は無茶苦茶大変です(笑)。あれは、いったんそのスティック同士を泥漿でつなげてから流し込むんです。一回限りしか使えません」なるほど。謎が解けました。まあそれにしても、相当クレイジーなやり方をしているんですね。確かに、これでは全然数をこなせないはずです。



「でもさ、意地悪な質問しちゃうけど、じゃあ自分で作ってみてさ「コレはちょっと作為的すぎるな」とか言って、ナチュラルさが強調され過ぎてわざとらしく見えちゃうようなものをはじいたりとか、そうなったりしないの?」「いや、もちろんなりますよ。でも最近は自分がそう思うボーダーラインの外側にあるようなモノも、許しちゃうようにしてるんです。というか、許せるようになってきました。僕はいいと思わなくても、他人がいいと思ってくれるんならいいや、って。以前はもっと頑なだったんです。もっとギスギスにとんがってて、こんなの全然ダメだ!こっちも全部ボツ!!みたいに(笑)。ある程度は相手にゆだねることが出来るようになってきたんです。いいと思うモノだけを選んでもらえばいいんだし。」…なるほど。肩の力が抜けてきたということなんでしょうね。


「こんな風に話すとものすごく達観しているみたいに思われそうですけれど、実際にはもう全然、逆です。その場その場で必死にアップアップ、もがき続けてきました」と笑います。笑うととてもシャイな感じで、でも同時に結構アクが強くひょうひょうとした雰囲気もあり、ますます白石さんへの個人的興味が募ってきたママろば。どんどん話を引き出すべく、さらに質問攻めに。結局一時間以上話したでしょうか。電話でも30分くらいお話をうかがいましたが、やはり実際に会って話をするのとでは同じ言葉を聞いていても伝わる内容が変わります。刺激的な時間でした。自分より(とても)若く感性豊かで、一生懸命何かと向き合っている人と接することほど若さを保てることはないというのがママろばの持論なんです(笑)。でもなんというか、ナマの白石さんとお話ししてみると実際には”若い人と”だなんて上からな言い方は全くそぐわない気がしました。彼が落ち着いているからとかではなく”世界観が確立されている”ということなのだと思います。歳って、本当に関係ない。ものの見方~この世界で自分がどこに立ってどちらを向いているのか~を意識できているか。それがきっと、迷いを払ってくれる。そして迷いのない姿勢で作られたものには、一本すっと筋が通る。説得力を持つ。それを核、と呼んでいるのかもしれません。

けれど白石さんは、今獲得しているように見える彼のモノの見方を、簡単に肯定してきたわけではないようでした。「ようやく最近、本当に何とかやっとその片鱗に触れはじめたところなんです」と。そしておそらく彼は今、一番波に乗っているのではないでしょうか。今年は色々なことにチャレンジする年になるだろうという話も、淡々と語る中に隠せない意欲が感じ取れました。自分がやってきたことに対して、ある程度自信がついてきたひと特有の勢いを持っています。その印象をとても爽やかに、嫌味なく身にまとわせていました。その自信は作品にも現れているように思えます。「どれもこれも違っちゃってますけど、何か?」的なふてぶてしさはなく、ただ「今の自分にはそうする以外に仕方がないのだ」という抑制された自己主張を持つ作品たち。もしも気に入ってもらえるなら嬉しいけど、と。

“白黒つけない”白石陽一さんの世界においては、すべての物質を有機質と無機質とに二分する必要もない。鉱物でしかないはずの泥は、明らかに生きている。グレーゾーンは、いつか明らかにされるべき領域とは限らない。その無限のグラデーションは名前を持たず、ただそこに存在する。静かに、陽の光を浴びて。あとはあるがままに、好きなように受け止めればいいだけなんじゃないか…。さんざんべらべら喋っておいて今更なんですが、白石さんの作品は実際に触ってみるのが一番その魅力を感じられると思います。遠目にはなんの変哲もない、シンプルなモノトーンの作品にしか見えませんが、ちょっと近づくとぐっと惹きつけれられる磁力を持っています。Sabadiのシモーネが自身のパッケージデザインに対して話していた言葉が浮かんできました。「その道のプロが見ないとわからないような微細な、0.1ミリ単位のディティールまで徹底的にこだわり抜く。自己満足にしか見えないような些細なことまでもね。だけどその差は確実に出る。素人が一目見てもわかる違いとなってね」どうか、お手に取ってそのすべすべの素肌(と、みせかけてナチュラルメイクかもしれませんよ~(笑)!)と、内に秘めた吸引力を感じてください。

ろばの家には初登場の白石陽一さんです。嬉しいことに、続く3月1日からスタートの『豆まめしく』の展示にも参加していただけることが決定しています。今年第一弾目の展示、面白いことになってきましたね!

白石陽一さんのページはコチラです。

 

 

これを紹介しないのは犯罪…そこまで言い切れるお菓子はそうそうありません。


それほどまでに特別なお菓子です。もしかするとチョコレート以上にSabadiの特別さを証明してくれるのではないのでしょうか。写真はピスタチオナッツのトローネ(正確にはトッローネ)、イタリア版ヌガーです。見てください!このずっしり、ギッシリとつまったピスタチオを!そしてそのピスタチオの、なんとも信じられない複雑な風味!こんなお菓子がイタリアに、いやこの世に存在することをぜひ皆さんに知って欲しい。ヌガーと聞いて「甘ったるそう…」とひるんではいけません。こんなに上品で、軽やかで、かつ自然な甘さのお菓子…はんなりが身上の和菓子の世界でさえ体験したことのない領域であるはずです。高っ!!と思うのは食べてみていないからです。一度実際に口に入れていただければむしろ、安すぎると思えるほどの満足感を得られるはずです。ピスタチオがなぜ翡翠より高価な緑の宝石と称えられるのか、このお菓子を食べていただければ納得できると思います。前回同様、3種のトローネとプラリネ(写真下)が待望の入荷です。

ああ、どれだけこの日を待っていたことか…。このプラリネはイタリアでアッブルストリート(=焦がした)と呼ばれているものですが、アーモンドときび砂糖とハチミツ、オレンジピールという4つのシンプルな原材料で作る、ナッツをただキャラメリゼしただけのお菓子。これがもう、驚愕の軽さなのです。スイーツと呼ぶのがはばかれるほどビターで、カリッと芳ばしくて、今アーモンドの樹から収穫してきたのでは?としか思えないフレッシュなアーモンドの風味に腰が抜けそうになります。きっと、採れたてのアーモンドの風味を硬いキャラメルの衣でそのまま閉じ込めているんです。これはもう美味しいとかいうレベルじゃあありません。いやそりゃあもちろん、文句なしに美味しいですよ。美味しくないわけがないでしょう、ドンッ!!(←ひとりで勝手に逆ギレ)。あの、出来すぎ君シモーネが商品化してるんだから飛び抜けて美味しいことは最低条件、既成概念を壊してくれることも盛り込み済み。これだけでもう相当にナッツのお菓子への認識、いや甘いモノへの認識を変えられてしまうと思います。

「世の中に納得できるレベルのものが見当たらないなら、自分が作るしかない。」…シモーネかく語りきの記事でも説明した通りです。輸入元のヴィナイオータの太田社長が昨年このトローネを初めて日本へ輸入するにあたり、ぎょっとする価格と6か月という短い賞味期限(うち1ヶ月以上は輸送&税関で費やされることを考えてみてください)に弱腰になってみたものの「こんなに美味しいモノを紹介しないのは犯罪」とまで思い輸入に踏み切ったたというのが、全く誇張に聞こえません。そう、このトローネの凄さを知っているワタクシが皆さんに内緒で独り占めしていたら本当に捕まってしまう。だから、というわけではないですが実は何か月も前から社長に「トローネいつ入ってくんの?」としつこく聞いていたのです。前回の入荷数があまりに少なくて、泣く泣く自分で食べたかった分もお店で販売したことをまだ根に持っているというのも嘘ではありませんが、本当に多くの方から再入荷希望をいただいていたのです。いやあ~、長かった!!ワタクシがオータ社長に「少なすぎるよ~!」とぶうぶう文句を言っていたからか、今年はかなり気合を入れた量をオーダーしてくれたみたいです。皆さん、そんなに殺気立たなくても大丈夫そうですよ~(笑)!

ああ、それにしても…キラキラと琥珀色に輝くキャラメル部分は、本当に潔いほど思いっきりほろ苦い。全然甘くないんです。その潔さがアーモンドのミルキーな甘さを引き立てているんですね。いえいえ、ひとつひとつのトッローネの美味しさを解説するだなんて野暮なことはしませんよ。ただ、出来すぎ君は何もかも計算づくだということを言いたいのです。そう、ゾーッと寒気がしてしまうくらいに、完璧なのです。こんな風に徹底的に狙い通りに物事を運ばせることがこの世の中で可能なのか、と疑ってしまいたくなる。本当に、ちょっとじゃなくてあんまりにも出来すぎなんだよ~シモーネ…。 0.1ミリのスキもない緻密な細部への配慮。その積み重ねが全体像としてあぶり出された時には、どうすることもできない圧倒的な差をありありと映し出してしまう。

「試作?そんなものは必要ない。事前にじっくり考えるんだ。一、二度試してダメなら、もとから成功しない定めなんだよ。」

そんな風に不敵に笑うシモーネはきっと、信じられない程複雑なシュミレーションを繰返し、トローネを作り始めたに違いない。頭に描いた通りの、最高の素材を最高のタイミングで。作り始める前からすでに、完成形を手にしていたのです。ナッツの種類によって蜂蜜の種類も配合量も違います。加える柑橘のピールの種類も変えています。それゆえ、同じトローネでも硬さがそれぞれに違います。昨年食べた時には、アーモンドのシンプルなタイプが一番硬く、カリッとしていました。次に硬いのはアーモンドにカカオニブを加えたタイプ、いちばん柔らかいのがピスタチオでした。もしかすると今年は何かのコンディションで敢えてそれを変えているかもしれませんが。あ、言い忘れましたが無論一番硬いのはアッブルストリート、焦がしタイプです。歯が折れるかと思うくらい硬いですから召し上がる時には十分お気をつけて!





4種全部を並べると、シモーネの愛するモディカの街並みになるところがまたニクイですね。4種全部買えってことですかね、シモーネ?
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リゾットの一番簡単な作り方。土鍋で炊けばさらにふんわり。

明日はクリスマスイブですね。メインディッシュはチキンを用意したけれど主食を何にすればよいか困ってしまう、というケース結構ありませんか?パエリアなんかもいいけれど、結構手間も時間もかかる上チキンがホールだったりするとそれほどボリュームのある主食を食べられません。普段夕食にパンを食べることがない人が突然バケットを買っても、なんとなくいつ何と食べてよいのかわからなかったり…。そんな時おすすめなのがリゾット!早い、簡単、軽い!!というイタリアのリゾット専門点のレシピをご紹介しますので、ぜひ試してみてください。本当に、ワタシもこのレシピにしてから失敗知らず。誰でもすぐに美味しいリゾットが作れますよ。材料はお米と具材(今なら牡蠣がおすすめ。ほかにアサリ、ムール貝、クレソン、乾燥ポルチーニ、トレビス、ドライトマト、生ハム(プロシュットやスペックなど)やベーコン、グリーンピースやソラマメなどお豆も美味しいです)とお出汁(水でも構いません)だけ。何にも具材がない素リゾットだってお出汁となるブロードがあれば美味しくできます。砂抜きしたり、ドライを水で戻したりという具材の下処理さえしておけば、調理時間は20分以下というのもありがたい。お米を浸水しておかないので、炊飯より早いくらいです。

リゾットの作り方にもいろいろあって、地方によっても作る人によっても様々です。リゾットはお米が作られるロンバルディア州やヴェネト州、ピエモンテ州など北の地方でよく食べられお料理で、稲作に適さない南の地方では伝統料理のレシピに登場しません。有名なところではサフランとバターをたっぷり使ったリゾット・アッラ・ミラネーゼやアマローネという赤ワインで作るリゾット・アル・アマローネがありますが、どちらも作るシェフによって「これが理想のミラネーゼ」「いやいやこれこそ本家本元アマローネのリゾットだ!」というべきレシピが違い、正解はない状態です。まあ、そういうものですよね、お料理って。あ、そういえば!面白い場面に遭遇したことがあります。ワインの銘醸地にはだいたいその土地の名産ワインの名前がついた、例えばリゾット・アル・バローロなどのような名物リゾットが存在するのですが、ワインをお好きな方はブショネ(イタリア語だとサ・ディ・タッポ)という用語をご存知かと思います。これはワインの欠陥とされている香りで、とある状態のコルクを使用したボトルに発生するものでワインそのものの品質に問題があるわけではないのですが、レストラン側からするとちょっと困った欠陥品なのです。お客さまに「これブショネだから交換してください」と言われてそれがブショネだと思われる場合には断るわけにはいきません。ソムリエであれば、むしろそんな状態のワインを提供したことを謝罪してしかるべきシーンです。ワインは無駄になるし、新しくボトルを開けなければいけないし…高価で希少なワインであればますますトホホ状態です。だからでしょうか?ブショネのワインをお料理に使うレストランが結構あるのです。ブショネはそれを摂取したからといって健康被害が起きるようなものではないので食べても問題ないのですが、ブショネの程度によってはお料理から明らかにコルクの異臭がただようことがあるのです。これは痛い。一度ヴェネトのアマローネ生産で有名なヴァルポリチェッラという小さな村で、ここに来たらそれを食うべし的雰囲気でリゾット・アル・アマローネを注文したら…出てきた出てきた、赤紫色のブショネリゾットが!!これには本当にびっくりしました。そしてその時はコルクの香りがまたかなり強烈で、一度そうと認識してしまうととても不快で飲み下せないほどひどいものだったのです。思わずリゾットを「ブショネだから変えてくれ」と言いたくなりましたが、確かワイン生産者に連れて行ってもらったか何かでホストに遠慮をして言い出せませんでした。いくらもったいないからって、あんなにたっぷり使ったら、ねえ。あの時にブショネは加熱しても飛ばない、ということを学びました。

…とまあ、例によってまた大きく本題からそれてしまいましたね。リゾット、そうリゾットのレシピのお話でした。今日ここでご紹介するのは、ヴェネト州のイゾレ・デッラ・スカーラという一大お米生産地の中心にあるお米屋さん直営レストラン、フェロンというお店のシェフに教えてもらったレシピです。他に何にもない、広大に続く水田の中にポツリと建っているのですぐわかる場所にあります。実はワタクシママろばが直接聞いたわけではなく「フェロンのガブリエレシェフ直伝のリゾットだよ」と言って作ってくれた人から何度も詳しくやり方を教えてもらっただけなのですが。お店にはワタシも何度か行ったことがあります。グルッポ・ヴィーニ・ヴェーリという自然派ワインのグループが主催するワインフェアがその町で行われるので、その帰りに寄っていたのです。『Antica e Rinomata Riseria Ferron』というそのレストランは、リゾット専門店。当然自社ブランドFerronという名前のナノ ヴィアローネという小粒の最高品種のお米を使用しています。1650年創業というから相当歴史のあるおこめ屋さんですね。それまでは、日本でイタリアンのシェフなどがフライパンを大きく回しながらアツアツのブロードを少しずつ加える、マンテカーレ(言葉自体は捏ね回す、の意)と料理人が表現するやり方でリゾットを作るところしか見てこなかったワタシにとっては衝撃的な作り方でした。だって、どこからどこまでも日本の炊飯と同じやり方に思えたからです。唯一の違いはお米を研がないところ、でしょうか。なんだ、リゾットってこんなに簡単なんだ!そうわかってからはとても気軽にリゾットを作れるようになりました。お米はそうっと扱わないと壊れてしまう。だからガシガシ混ぜたりしない。「沸騰したら一度鍋肌から離すのに優しくかき混ぜて、あとは一度蓋をしたら火が通るまで蓋をとらない」というポイントもお鍋でお米を炊くときと全く一緒です。そうして、ワタシが食べさせてもらったそのガブリエレシェフ直伝レシピのリゾットは、これまで食べたどんなリゾットより軽く、ふんわりしていました。チーズだってしっかりと使っているのに、重たさが全くないのです。リゾットってどうもお腹にたまってあまり量が食べられない、という印象があったのにいくらでもおかわりできそうでした。

先日イタリアから沢山ワインの生産者が来日した際に、ロンバルディア州のアール・ペ・ペという造り手にドライポルチーニ茸をいただきました。上の写真はそのポルチーニとその戻し汁を使ったリゾットです。こんな乾燥ポルチーニは初めて!というほど上品で香り高いキノコでした。リゾットに使うお出汁は、わざわざ鶏ガラやお魚で時間をかけてブロードやフュメを用意しなくても大丈夫です。もちろん、美味しいお出汁があれば何も具材がなくても美味しいリゾットができるので、たまたまあるならば使うべきですが、お鍋の残り湯や鶏ささみを湯がいたあとのお湯、お豆の戻し汁などでも十分美味しく作ることが出来ます。なぜなら、白飯だって十分美味しいからです。寄せ鍋をした翌日なんてチャンスですよ。お鍋のシメに雑炊を作る時ご飯がひたひたになるように余分な水を捨てますよね。それをとっておけばよいのです。今なら牡蠣がおすすめです。牡蠣からいいお出汁がでるのでお水だけでも上等のリゾットができますよ。

レシピは今手に入りやすい牡蠣でご紹介しますが、さまざまな具材でアレンジ可能です。ではでは、Risotto al Ferron フェロン風のリゾットの作り方へと移りましょう。ああ、我ながら前置き長かったあ~。いつもお付き合いありがとうございます!


牡蠣のリゾット(2人前)

お米(あまりモチモチが売りの品種じゃない方がつくり易いです) 1合
水か野菜のブロード 380cc (お米の約倍量) *具材を炒め始めたら火にかけておきます。
洗った牡蠣 小ぶりのものなら10粒~12粒くらい *洗って冷凍したものがあれば、出汁が出易くリゾットに最適です。
玉ねぎ 半分をお米粒大程度にみじん切りしたもの *ここでだいたいお米と大きさをそろえておくと口当たりのよいリゾットができます。
白ワイン 少々(なければ水で代用)
エキストラ・ヴェルジネ オリーブオイル 大匙2(お米、具材それぞれに大匙1杯ずつ使います)
おろしたグラナ・パダーナチーズ(パルミジャーノでも) 20g
バター ひとかけ(10gくらい)
塩、こしょう

1、玉ねぎをオリーブオイルで炒め、少し強めに塩をします。焦がさないように優しく、透明になる程度で十分。

2、牡蠣を加え少し炒めてからすぐに白ワインを回しかけます。ジュジュッとワインが音を立てたら優しく混ぜて蓋をします。冷凍した牡蠣を使う場合は回答せずに凍ったままで加えます。

3、牡蠣に火が通ったら(縁が少しチリッとするくらい)いったん牡蠣だけ別によけます。

4、お米をあらわずに玉ねぎが残っている鍋に入れ、全体にオイルが回りお米がしっかり温まる程度に(数分です)優しく混ぜます。

5、そこに熱湯か熱したブロードを一気に加え、ひと煮立ちしたら鍋肌からお米をはがすようにそっとかき混ぜ具材とお米を均一にします。

6、蓋をして極弱火に調整し、13分~15分。火を止めてから蓋を開けて先によけた牡蠣を戻し、チーズとバターを加えて全体を下から返すようにふわりと混ぜ合わせます。ここで味をみて足りなければ塩を足します。

7、お皿によそい、胡椒(もちろんマリチャ!牡蠣には特にロッソ・スクーロ・ディアマンテがスモーキーでおすすめです)を挽いて食卓へ。お好みで一筋オリーブオイル、足りなければチーズも散らして。Buonappetito!



写真は先日作った牡蠣のリゾット。自宅なので携帯撮影です。画質はお許しを…。ベッカライさんで購入できる平飼いたまごのみたらいさんが朝清流で摘んだ、摘みたてをもってきてくれるクレソンがあったのでクレソンも入れました。その場合は牡蠣を最後に投入するときにちぎったクレソンも入れて、いったん蓋をして少しだけ蒸らすと風味が残って美味しいです。

家でもお店でもヘビロテで使用している関口憲孝さんのリム皿。スープにもシチューにも、リゾットにもパスタにも使える上、ちょっと汁気のあるおかずにも使える万能選手。昨日岩手から、3色オーダーしていたものが届きました。このお皿のようにリムが適度にあると、ワタシのように雑多にただどかんと盛り付けてもなんとなく上品にまとまるからありがたいです。リムの幅は心の余裕、という素敵なセリフを東海地方の有名ギャラリーのオーナーから聞いたといって、一宮の友人でリストランテをやっているご夫婦から聞きました。なるほど!言われてみれば確かに、リム幅が広ければ広いだけ、非日常感みたいなものが醸し出される気がします。上のポルチーニのリゾット、例えばちょっと、白石さんのこんな白磁のお皿に盛っただけでほら、おリストランテちっくな特別感が!クリスマスにぴったりのひと皿、できました~!

とまあ、お皿で遊ぶのはほどほどにしつつ、ガブリエレ・フェッロン氏が説く「これだけは押さえて欲しいリゾットのポイント」をおさらいしておきましょう。
1、お米は研がない(これはイタリアでは当たり前なので彼は言及していませんが)
2、お米が壊れて余計な粘りが流れ出ないよう、そっとやさしくかき混ぜる(炒めつけない)。
3、お出汁はアツアツの状態で、同じ温度になったお米に一気に加える。お米と液体の比率は1:2。
4、お米の過熱は極弱火。赤子ないても蓋とるな!
5、チーズとバターは最後に和えるだけで、さっくりふんわり混ぜる。

以上の点だけ押さえれば、フェロン風の軽くて優しいお味のリゾットができますよ。イタリアではもう少しトロリとした、液体状のリゾットが主流な気がしますがワタクシは断然ふんわりと、盛り付けた時だら~っとお皿に広がるようじゃなくちゃんと立っていられる質感のリゾットが好きです。お米の硬さはお好みですが、アルデンテだからといって芯に粉っぽさが残っているのはNG。日本の硬めの白飯、くらいの硬さが好みだし消化にもよいと思います。それから、お鍋はルクルーゼやストーブ、耐熱土鍋など厚手で保温力の高いモノを使うこと。土鍋はかなりふっくら仕上がります。ちなみに写真のリゾットはどちらも土鍋でつくりました。ポルチーニのリゾット、笠原良子さんの土鍋で作ったんです…お店で。そのままパパろば、ママろばのまかないとなりした(笑) 油調理もできる耐熱お鍋ならリゾットにも適しているのでもっともっと土鍋を活用してみてください。『冬は鍋』特集で、絶賛耐熱調理土鍋ご紹介中ですよ~ってさりげなく宣伝!もちろん昨日岩手から届いたばかりの関口さんのうつわも大宣伝!スープ皿は色違いでもスタッキングできるのでお好みで何枚かそろえても楽しいですよ。

#新着!関口さんの毎日使いたいうつわが届きました。
#笠原さんの耐熱調理土鍋はリゾット・パエリアもお手の物。

 

 

どこの世界にでもね、いるんですよ。売れるモノを作るんじゃなくて作らなきゃならないモノを作る変な奴が。

わたくしママろばとパパろばの間では、お会いする時に最も緊張してしまう作家さんといえば若杉さん、に決まっています。益子でこの緻密な急須を作っている、若杉集さん以外ありえません。

益子でたった一人、40年近くひたすら益子の土で急須を作り続ける孤高の陶工。理工系のアタマと理論的なアプローチで、機械ですらここまでできまいという神業のような見事な手仕事を操る。組織と群れず体制に立ち向かう一匹狼的なストイックさは、この業界に足を踏み入れて間もないワタシたちにとってはちょっと恐れ多い、大きすぎる存在でした。

先週のお休みに、久しぶりに若杉さんの工房を訪ねました。隣接するご自宅へと続くアプローチに覆いかぶさるようににびっしりと植えられた木や山野草。中にはずいぶんと珍しい品種のものもあるようです。「ほら、これなんか見てごらんよ。夏椿なんて呼ばれているけれど山茶花(さざんか)の一種だよ。でもこれは葉っぱがギザギザじゃないよねえ?」と、帰り際わたしたちを車まで見送りに出てきてくださった際に、(ワタシには)椿にしか見えない木を指さして若杉さんが言いました。白と赤の混じった小ぶりの花をつけた背の高い木です。意地悪っぽく笑っているのは、少し前にワタシが「椿と山茶花って、葉っぱにギザギザがあるかどうかで見分けるんですよね?」と話したからです。「山茶花はね、こうやって花びらがバラバラに散るでしょう?椿は花房がボトリと丸ごと散ってしまうんだよ」と正しい見分け方を教えてくださいました。なるほど、そうか。若杉さんは自然のことは何でもよく知っていて、本当に博士のようです。学者肌なのか気になることがあると数年かけて生態系について調べ上げ、詳細なレポートを作ってしまいます。どこかに提出するためとか学会で発表するためとかではなく、全くもって純粋に自分が気になることを調べるのです。若杉さんが益子のあちこちで地層の中に埋もれていた異なる種類の粘土の層を偶然見つけたのも、あるトンボの分布を調べるために近隣の山をくまなく歩いていた時のことだったのです。

そのあたりのいきさつは、ぜひ昨年の6月にご紹介した本HPの『急須というカタチをした、土の、地球の記憶』という記事を読んでみてください。ワタシタチがどうしてここまで若杉さんの急須を特別扱いするのか、きっと理解していただけると思うのです。そう、手仕事とは思えない程の美しい精密な作り。そこに存在する物体から感じ取れる気迫のようなオーラだけでも十分凄さは伝わると思いますが、それ以上に、その陰に潜む若杉さんがたどってきた険しい道のりに、涙が出るほど切実に胸に迫る重みを感じとっていただけると思うのです。その記事にも書いたのですが、決してそれを知った上で購入してほしいとか、この急須を手に取るからにはそれくらい知って欲しいとか、そういう前情報を与えることが目的ではないことを、どうか理解してください。ただあまりにも重たい現実を目の当たりにして、若杉さんが抱えている危機感や絶望を、もっと多くの人に知って欲しくて、ただそれだけの思いでご紹介しているだけなのです。

消えてゆく原土。最後の一人となった手濾し業者の廃業。さびれてゆく窯業地の生き残りのために書き換えられてゆく伝統。若杉さんの中には次の世代に伝えたいことが湧き出るほどあるのに、それを受け止める担い手がいない。耳を傾けようとしない。

「もう僕も歳だからね。急須なんてそんなに沢山作ったってしょうがないんだよ」とボソリとつぶやく若杉さんはしかし、70歳を目前に少しも精彩を欠いていません。ロクロを挽く手だってきっと0.1ミリたりともブレたりしない。にもかかわらず若杉さんが感じているのは使命感よりも絶望と落胆なのです。そして諦め。商業的成功に重きを置くように見えてしまう益子という土地にも、ペットボトルでしかお茶を飲まない世の中にも。

工房へお邪魔するのは今回で5回目くらいでしょうか。はじめは取りつくシマのないように思えた硬い対応も、最近は心なしか少しだけくだけてきたように思える瞬間が出てきした。作品を見せていただいた後にはご自宅のダイニングで自らお茶を淹れてくださるのがお約束のような感じになってきていて、恐縮しつつもものすごく嬉しいパパろばとママろば、です。その日も、すでにテーブルには塗りの小皿に3人分のお菓子が用意されていて御煎茶を淹れてくださいました。完璧な温度とちょうどよい濃さで。煎茶道の手習いを長年続けられているせいかもしれませんが、それ以上に感じるのは「この人はここに一人で暮らしているんだ。でも自分のためにお茶を淹れる時でも絶対にこうして丁寧に淹れるのだろうな」という確信です。ご自身の湯冷ましにお湯をくぐらせ、タイマーもかけずお喋りしながら適当な頃合いに汲み出しに順に注いで…。

数年前にやはり陶芸家でいらした奥様に先立たれ、広い2階建ての家に一人で暮らす若杉さん。わたしが塗りの小皿が素晴らしいと告げると作家さんのお名前や、その方にまつわるエピソードを話して下さいました。そこからひとしきり、話題は漆についての深い考察まで発展していったのですが、その話のひとつひとつのまあ面白いこと面白いこと。ワタシたちのようにまがいなりにも手仕事に関わっている人間にとっては、お金を払ってでも受けたい、まさに「世界一受けたい授業」のように貴重なお話しばかりです。素晴らしい作品も拝見して、とても豊かな気持ちでお宅を後にしました。その時に椿の話をしてくださったのです。

毎回、若杉さんのお宅を訪ねた帰り道は、ワタシもパパろばも胸に何か大きなつかえのような重しを載せられたように黙って車に乗ってくることになります。もっと力のあるひとなら、それを使命感と呼べるのでしょうか。いつも若杉さんに言われるんです。今回も漆の話をしていて言われてしまいました。

「どんな世界にもね、いるんですよ。変なのがね。売れるものを作るんじゃなくて、作らなければいけないものを作っている、変わり者がね。面白いですよ。そういう奴を見つけてきなさい」

まだまだ若杉さんに向かって「いや、アナタ十分面白いですよ」とは言えないな~。「若杉さん、ワタシたちもっともっと色々なモノを見て、世界を広げていきたいです。ご指導お願い致します!その内お酒持って遊びに行きますからね!」っていつもパパろばとは言ってるのに、まだまだ面と向かっては言えないな~~~(笑)。

と、なんだか誰に向かってお話ししているのだかさっぱりわからない文章になってしまいましたが、とにかく読んだことのない方は『急須というカタチをした、土の、地球の記憶』の中の土祭の記事を読んでみてください。ワタシにはそのくらいしかお願いできません。

これだけ大層なこと言っておいて「その若杉さんの急須やポット、湯冷ましも入荷しております」なんて書いたらそれだけで一気に興ざめな気がしないでもないですが、とにかく実物を一人でも多くの人に手に取っていただかないことには話が前に進みませんので、そこは悪びれずいきますよ。飾り物ではないですからね。美味しいお茶を淹れてくださいね。若杉さんのように、自分自身で自分のために淹れるお茶も美味しく淹れられたら、それはとても素敵なことだと思うのです。

若杉集さんの作品はコチラのページでご覧になれます。

 

贈らなければならないから選ぶのはやめにする。本当に贈りたいものを選ぶ。

歳をとってくると(なんだか最近この書き出しが多いな~)、贈答品に費やす労力を省略するようになってきます。旅先でのお土産、帰省時のご挨拶、ママ友と集まった時の手土産。お誕生日のお祝いに進学祝、発表会の花束やお菓子に先生へのお礼。ご転勤と聞けばお別れのご挨拶、家を建てたと聞けば新築祝い。寒い季節はさらに多忙です。お歳暮と言う制度が下火になってきた代わりにハロウィーンやらクリスマスやらやたらに集まりが多い。自分の子どもへのプレゼントだけでも大変なのにパーティーがあればプレゼント交換用に、誰に配られても無難なものを選ぶ…。誰に配られてもよいような無難なものなど最初から贈る必要がないものだろうに、なぜか余計に神経を使わされてしまう。いらぬ苦労と余計な気遣い。そんなわずらわしい(?)経験、数え挙げたらきりがありません。結婚をして子供が出来てフルタイムの仕事を辞めたりすると、これまでに選んできたプレゼントの意味合いが全く性質の違うものに代わってしまいます。よくよく考えてみると、贈る相手との関係性は浅くなっているのに贈る機会は反比例するかのように増えているのです。「気持ちだから」を言い訳にお返ししたという事実さえ成立すればとりあえずセーフ。相手が自分に費やした金額なのか労力なのか、等価交換が成り立つことが大事なのです。恋人のために足が棒になるまであちこち探しまわった一枚のマフラーやセーターなど、遠い想い出です。バレンタインに想いを伝えようと相手の好みをさりげなくリサーチしていたあのカワイイ自分はどこへ行ってしまったのでしょう。「喜んでくれるかな?」「毎日使うたびに、自分のことを思い出してくれるかしら?」と想像しては、渡す瞬間が待ち遠しくて仕方がなかったピュアなワタシ…。あ、すいません。学生時代の思い出にひたりきってしまって…。いえいえ今だって、パパろばにプレゼントを選ぶときはちゃんと頭を悩ませていますよ(笑)。

筆マメな方では全くない不精なワタクシは、学生時代からの友人や職場の仲間などともどんどん連絡が途絶えてしまって今親しくしている友人は本当にごくわずか。毎年欠かさずHappy Birthdayメールを交わしていた友人にも、ついに今年はメッセージするのを忘れてしまったりと、トホホな人間関係です。でもそんな中、ひとりだけ同世代で毎年欠かさずお誕生日プレゼントを交換している友人がいます。料理人である彼女は近くに住んでいるし子どもの年齢が近いこともあってよく顔を合わせます。今更お誕生日プレゼント、というほどでもないのですがなぜか彼女にはどうしても贈りたいものが出てきてしまう。一年中アンテナを張って「これはぜひ彼女に」となるものを虎視眈々狙っているといってもよい。それがお互い伝わっていて「今年はこうきたか!」みたいな攻防戦となってきている感じです。でも、彼女のプレゼントを選んでいる時とても楽しいのです。付き合いも長くて相手の好みが大分わかってきているので、相手がビビッときそうなものが自然と目についてしまう。「こ~れ~はツボだぞ~」というものが見つかると3か月早くてもつい買ってしまいます。でも、そういうプレゼントって選ぶ行為自体がもうギフト的要素に満ちていますよね。相手の為に使う時間、労力、それを惜しまないようなものをギフトと呼びたいものです。

そんな風に「なんだか贈らなきゃならないから選ぶみたいなのはいやだなあ。」と漠然と思うようになってきていました。自分が使っていて、あまりにも使い勝手が良かったからどうしてもあの人にも使ってみて欲しい。あの人は最近疲れているみたいだから少しでもリラックスしてほしい。彼女は食べることが大好きだからきっとこういうのは喜ぶだろう。そんな風に相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら選べるギフト。世の中ギフトシーズンでどこに行っても洪水のようにギフトの提案が押し寄せてきます。そんな中で「ろばの家にしかできないギフトって何だろう?」と腕組みして、とにかく「自分がもらったら嬉しいものだけを組み合わせつつ、他のお店だと簡単には組み合せられないようなコラボに徹してみよう」と決めてセットを組むようにしました。例えば表題のバラのセット。ひそかにLa Vie en roseセットと呼んでいるのですが、一見関係のないイタリアの老舗店のお砂糖菓子と大阪の手作り石けん。でも、ろばの家ではどちらも女性から不動の人気を誇るベストセラー商品(実は結構男性のファンも多い石けん)です。そしてその二つを結び付けているのは自然で上品なバラの香り。天然の精神安定剤と呼ばれてしまうほど即効性のあるリラックス効果を持つ香りなのです。きっと、バラと聞いて想像するのとは全く異質の、優しく癒される香りですのでぜひ試してみてください。石けんとの出会いにはいわくつきのストーリーもあるので、ぜひセットページの詳細もご覧になってくださいね。

さあさあ、明確にテーマも決まった今年のLife is a gift。人生は贈り物のようなもの。存分に楽しまなければ。他人のための無難なプレゼントを選んでいる時間なんて、ナンセンス以外の何モノでもないじゃないですか。このバラ色の人生セットの他にも、ささやかだけれど、贈られた人の心を温かく満たすような組み合わせのセットやアイテムを吟味して、少しずつご紹介していきたいと思います。ろばの家で選ぶものはもともと自分たちで試してコレはと思うモノばかり。幅の狭いセレクションである代わりに、心から良いと思えるモノしか置かないように心がけているつもりです。だからどれを組み合わせていただいても素敵なギフトになることはなるのですが…。でもね、組み合わせによっては相乗効果が期待できるものも沢山ありますからね。せっかくですからラッピングも含めて、もっともっと喜んでもらえるよう趣向を凝らしてとびっきりのギフトを用意したいなと思っています。Life is a giftページの更新、どうぞお楽しみに。

Life is a gift2017のページはコチラです。

 

生き方を変えられてしまうようなチョコレートが存在します。そしてその男に、会えるのです。


Q.O.L=クオリティー・オブ・ライフ。そんなタイトルのチョコレートがあります。Qualita’ della vitaクアリタ・デッラ・ヴィータという、日本で言う健康機能食品にあたる効能をうたった、カカオがもともと持っているとされる薬効別に、その機能をさらに高める薬草や果実、スパイスをブレンドしたシリーズで実際にフェッラーラ大学薬学部との共同研究によって生まれたものです。人生のクオリティーを高めること。それがすなわち仕事の質を高めるのだと、意識して生き方を選んできたシモーネ。でもそんな彼が、唯一ブレンドに苦心したのもこのシリーズ。…理由は後ほど!

只今来日中!輸入元ヴィナイオータさん主催の生産者来日イベントVinaiottimana(ヴィナイオッティマーナ)のために、日本に滞在中のSabadiオーナーのシモーネ・サバイーニさん。わたくしママろば、東京会場では二日間サバディブースの通訳を担当させていただき、シモーネの濃厚なトークをみっちりがっちり齧り付きで聞いてきました。実はシモーネとお会いしたのは初めてだったのです。

…どこからどう見ても天才です。常人ではありません。

話を聞いていて何度も鳥肌が立ってしまいました。完璧主義者でかなり神経質であろうことは会う前から、彼のチョコレートを食べただけでも想像できましたがここまですごいとは。でも全然、冷たい感じの人じゃないですよ。ウィットに富んでいてものすごくチャーミングです。むっちゃくちゃ頭がキレるのでバシッバシのトークの中にひょいっとジャブの効いたギャグをはさんできます。それをキャッチするのがかなり大変でした。通訳側にもスキルが要求される、質の高すぎるお話の数々。刺激的でした~。

あまりにすごいので、せっかく来日している間に「これはシモーネ語録を作っておかなければ損!」と思い、忘れないうちに書きとめることにしました。すべては、人生のクオリティーに関わる問題に帰結するので、チョコレートに興味のないひとでも、どんな職業の人でも、きっと心に響く何かを見つけていただけるはずです!

誰もが彼のように潔く生きられる訳ではありませんが、条件に縛られて毎日何かに追われているような日々を変えられるかどうかは自分次第、という大切なヒントを与えられました。すぐには実践できない。でも、そうすれば良いのだと意識するかしないかでは、確かにクオリティー・オブ・ライフが大きく変わってゆく気がします。

まずは、シモーネ語録を列挙。彼の口からこぼれるセリフ全てを書き留めても、そのまま金言集ができたでしょう。これを読むだけでも、彼の作るチョコレートを片っ端から食べてみたくなりませんか?

では、行きましょう。シモーネかく語りき。


「一日のうち、半分しか仕事は入れない。残りの時間は自然の中に身を置いて、ただ身をゆだねる。そうしないと、クリエイティブな思考が出来ない」

「能力の問題じゃない。勇気の問題なんだ」

「頭の中を空にして自然の中に身を置く時間がないと、感覚を研ぎ澄ますことはできない」

「もちろん、その自由な時間の中で考えることはするよ。ひたすら考えるんだ。でもそれを仕事とは呼ばない」

「試作?そんなものは必要ない。事前にじっくり考えるんだ。一、二度試してダメなら、もとから成功しない定めなんだよ。」

「必要なのは、その道を究めるための鍛錬ではなく感覚を研ぎ澄ます訓練」

「チョコレートじゃなくてもよかったんだ。モディカに住むことさえできればね。オリーブオイルでも、ワインでも。でもたまたまモディカにはチョコレートの歴史があって、なのに満足できるクオリティーのものが見当たらなかった。考え方自体は間違ってないのにね。」

「僕は、僕が食べたいものを作っただけだよ。誰も作ってくれないから」

「仕事を選ぶことはそれほど重要じゃない。正しい人生の選択さえできていれば、どんな仕事でもクオリティーをたたき出せる。」

「人生のクオリティーを上げていけば、おのずと仕事にも結果が現れる。妥協しなくなるんだ。」

「やりたいことだけやっていればいいのさ」

「デザインは、常に僕の最も好きな分野だったよ。プロダクトにおいては、唯一の有効な武器なんだ。僕が直接コミュニケーションを取れない場合のね。」

「こだわらなければならないディティールは無数にある。そのどんな細部も見逃さないこと。専門家が見なければ気が付かないような0.1ミリの差でも、出来上がったものは明らかな違いを見せる。素人でも惹きつけられるような違いをね」

「ジンとかリキュールとか、これから挑戦してみたいことなら山ほどある。誰もやったことがないようなモノしか、作りたくないんだ。」

 


…どうです?これ、2日間ブースにいて聞くことのできた発言の、ほんの一部です。そして言うまでもないことですが、彼が暇人であるはずはないのです。創設して4年(2015年現在)で25ヶ国へ輸出していることからもその多忙ぶりは伝わりますが、スタッフはたった6人。シモーネ一人ですべての製品のレシピを決め、国内はもとより海外との折衝など取引のすべてを彼がこなします。プロモーションの為に世界各国を飛び回るのも、もちろん彼ひとり。それでも「忙しいのは9月から5月まで。繁忙期でも半日しか仕事しないようにしている」と言うのです。これだけの大口を叩かれれば「そこまで言うなら味見してやろうじゃないか」と多少意地悪な気持ちもわいてきます。なのに、改めてずらりと並ぶ(ヴィナイオッティマーナでは全種類のチョコレート、キャンディを試食できるのです)チョコレートを口に放り込んでみても、ひたすら黙ってうずくまり「負けました! 」とひれ伏すしかないのです。そういうチョコレートを、ヤツは作る。そういうチョコレートしか、作らない。

凄いヤツだろうとは思っていました。密かに、結構嫌なヤツなんじゃないかとさえ思っていました。身のこなしがスマートで背筋がピシッと伸びていて、ブラックジョークも上手くポーカーフェイスで…もしかすると本当に一部の人には「気取ったヤツ」と思われているのかもしれません。でも、仕方ないですよね。いや本当に、彼なら許される気がする。そしてワタクシママろばは、一目で大好きになってしまいました。というか虜になりました、はい。とっても紳士で優しくて、チャーミング。ちょっと出来すぎじゃないか、とは思うけど。彼に会う目的のためだけでも、ヴィナイオッティマーナのチケットは十分価値があると思います。それどころの騒ぎじゃないんだけれど、ワインが主であるのにもかかわらず、たった3人しか出ていないフードチームの、甘いモノ担当シモーネでさえこの有様です。実はパスタと生ハムの人たちもシモーネと同レベルのぶっ飛び具合ですけどね。とまあ、ママろば激押しのヴィナイオッティマーナ、東京は早々とチケット完売したりほぼ満席だったりでしたが、大阪、なんと当日チケットでも入れるようです。当日チケットと言っても予約が必要なようなので、皆さん忘れずチェックしてお出かけくださいね。

 

11月25日(土)、26日(日) Vinaiottimanaヴィナイオッティマーナ大阪 当日券の予約フォームはコチラ


上記はSicula Terraシクラ・テッラシリーズ。ヴィナイオッティマーナの会場で来場客に「一番オススメのチョコレートは?」と聞かれると「せめてダークチョコかミルクチョコ、フレーバー有がいいのかない方がいいのかくらい言ってくれないと答えられないんだけど」と言いながらも「今の気分ならコレ」と言って指差したのがこのシリーズ。「食べた瞬間にシチリアにいる感覚を思い出させてくれるから」がその理由。面白いことに人によって指さすフレーバーを変えていました。食べた人から「どうしてこんなに香りが強いのですか?」と質問されると「それはね、ハーブがもっともストレスを感じている時をねらって収穫するから」という驚きの答え。化学的な根拠があるわけではなかったが、真夏にシチリアの田舎道を歩いていた時、普段より強い野草の香りが漂っていることに気が付いたシモーネ。これは、水不足のストレスで植物が自分自身の養分を濃縮させているのだと想像。早速その時に収穫してその日のうちに乾燥させてみたところ、ビンゴ!それ以来、最も湿度が低く日照りの続いている時に収穫しているのだそう。すごい、シモーネ。ちなみにすべてのラインナップの中で農産物に有機栽培の認証がないのはこのシクラ・テッラだけ。だって、野生のハーブですからね。申請もなにも。。。

とまあ、エピソードにはことかかないシモーネですが、百聞は一見にしかず。行けるかたはぜひヴィナイオッティマーナ会場へ。行けない方は一口召し上がって、ご自分で感じてみてください。

生き方を根本から変えてくれるようなチョコレートを作ってしまう男、その彼から直接(通訳さんがいます)話を聞きながら、そんなスゴイヤツの作品を全種類味見できる。こんな機会、多分そう簡単にはありません。彼のような人間が存在するという事実を知ること。それを体感できる食べものが存在するということ。それを知るだけでも価値があります。シモーネと握手を交わして「Grazie!」と会場を後にするとき、あなたの人生も、きっと今より少しだけ豊かになっているか、そうでなければわたしのように自分で豊かにしてゆくためのヒントを与えられているはずです。

Sabadiサバディのページはコチラです。

これが噂のシモーネ・サバイーニ!不敵な笑いが腹立たしいほどキレる男。「黙って自分は天才だって言えばいいじゃん」と詰め寄ったら「能力の問題じゃないんだ。勇気の問題なんだ」だって。。。ますます腹立たしい!!

*ろばの家HPのブログ、ママろばの長ダベリよりSabadi関連記事

『カカオも砂糖も農産物であったことに気づかせてくれる感動的なチョコレート』

『ミルクチョコレートは子どもの食べるもの?コレを食べても、そう言えるでしょうか?』

「僕の人生は、常にバカンスのようだよ。それがクオリティーを保つ秘訣なんだ。」と話すシモーネの、インスタグラムのプライベートアカウントではシチリア島モディカのため息が出るほど美しい画像がズラリ。♯Lamiavitainvacanza ラ・ミア・ヴィータ・イン・ヴァカンツァ (常に)バカンス中の僕の人生、とでも訳したらよいでしょうか。注目すべきは、ヴァカンツァ・ネッラ・ヴィータ、人生の中のヴァカンス、ではないところ。あくまで、人生そのものがヴァカンスであるという彼の哲学が現れたハッシュタグ。

 

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