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生姜を効かせたイタリア産ひよこ豆のとっても簡単なスープ。

イタリアはアブルッツォ州から、とっても美味しいひよこ豆が届きました。ヴィナイオータさんが取り扱うことになった新しいワイン生産者de Fermoデ・フェルモさんが作っている有機Ceciチェーチ(ひよこ豆)です。有機栽培、と書かれていますが実際には無農薬、無施肥、いっさいの薬剤を使用しない自然農法で育てられています。とても味がしっかりしているのでシンプルに調理するだけでその深い味わいが引き立ちます。

de Fermoさんの紹介はヴィナイオータさんのHP新入荷記事をご覧になって下さいね。なんと総面積170ヘクタールの農場でワイン用ブドウ、オリーブ、野菜や穀類、牧草など全ての作物をビオディナミ農法で栽培しているのだそう。なかなかにすごいスケールでそれを全て手のかかるビオディナミ農法?と思ってしまいますが、弁護士であるデ・フェルモさんが奥さんの実家のこの広大な畑に通うことをきっかけに自分の人生を取り戻してゆく過程をきけば、当然の選択と思えなくもありません。

今日は、イタリアマンマ直伝のお豆の茹で方をベースに作る超簡単スープレシピをご紹介。シチリアで隣の家に暮らしていた主婦が教えてくれた、お鍋ひとつでできるスープですが「こんなんでいいの?」というくらい簡単で拍子抜けしたほどでした。ただし、シチリアのマンマは生姜などは使わず、香味野菜と一緒に皮付きのニンニクを入れて煮ていました。ひよこ豆に生姜を効かせるのはわたくしママろばの友人のレシピで、ややもするとやぼったく重たい味わいになりがちなひよこ豆のスープを、生姜がキリリと引き締めてくれて衝撃的に合う!と感動したのが15年以上前。以来ろばのウチではすっかり定番化している組み合わせです。

手順5番の『煮汁を別によけておく』ことだけはものすごく重要なので絶対に忘れないでくださいね!同じやり方でグリーンピース(青えんどう豆)でもできます。煮汁の上品さ、旨味の深さは、グリーンピースとひよこ豆、双璧だと思う。



生姜風味のひよこ豆のスープ(8~10杯分)

材料: ひよこ豆250g(de Fermoだと半袋分)、香味野菜(玉ねぎ1個、にんじん1~2本)、あればセロリ(葉っぱ以外)1本、ローリエ1~2枚、フレッシュのローズマリー2枝、ショウガ大ひとかけ、塩適宜、E.X.V.オリーブオイル適宜
*2倍量の一袋分で作って、お豆が茹で上がったところで煮汁ごと半量冷凍しておくと便利です。

1、ひよこ豆はよく洗い、一晩6倍ほどのたっぷりの水に浸しておきます。

2、ひよこ豆の水を変えて厚手の鍋に6倍ほどのたっぷりの水とともに入れ、皮を剥いてくし形に切った玉ねぎ、よく洗った人参は縦に半分、セロリは半分に折って入れ、火にかけます。ハーブは煮すぎると苦みが出るため煮上がる直前に入れます。

3、お鍋を中火にかけて煮立ったら火を弱火にする。はじめのうち小まめに灰汁を取る必要はなく、一度ふわ~っと硬く白い泡がでてくるので、その都度泡を取除く。

4、蓋をしてお豆がゆっくりゆらゆらと揺れるくらいの火加減で30分~40分ほど茹でる。味見をして見てお豆が芯はないなというくらい柔らかくなったところで塩とハーブを加え、さらに10分ほど煮ます。

5、お豆が十文柔らかくなったところで火を止め、粗熱が取れたらお豆を3分の1ほど別によけます。よけた状態でお豆がひたひたになるくらいの煮汁に調節し、余った煮汁にハーブを入れた液を別にとっておきます。

6、ハンドミキサーやブレンダーでお豆と煮汁を香味野菜ごとピューレ状にします。そこへ少しずつよけておいた煮汁を加え「ちょっと薄いかな?」と思うくらいのゆるさに調節し、塩味が足りなければ塩を足しハーブとよけておいたホールのお豆を戻します。

7、生姜をすりおろしたものをたっぷり加えて混ぜ、ひと煮立ちしたら出来上がり。たっぷりのオリーブオイル、コショウ(もちろんMaricha!)を加えて食べます。


注意:ひよこ豆のスープは、このように一部をピューレ状にすると冷めた時にびっくりするほど茹で汁を吸ってしまい、もったり粉っぽくなります。温め直して食べる場合には必ずまた煮汁を足す必要が出てくるので捨てずにとっておいてください。また、余った茹で汁はホウレン草やジャガイモを入れてスープにしても美味しいですよ。

茹で上がり時間はお豆の乾燥度合いによっても変わるので硬さを見ながら。冷めると意外と硬くなるので注意。親指と薬指でつまんでも楽につぶせるくらいの硬さが目安です。

de Fermoさんの有機ひよこ豆はコチラ

 

サラダもマリネもこれ1本ですべて完結。飲めてしまうまろやかさの白バルサミコ。


ろばの家の定番調味料のなかでも間違いなくリピート率No.1. リピート頻度もNo.1でしょう。そのくらい皆さん「もう手放せない」と頼り切ってしまう便利さのワインヴィネガーです。イタリアの中部、伝統的なバルサミコ・ヴィネガーで有名なモデナ近郊の生産者Sante Bertoniサンテ・ベルトーニのものです。あの、トロリとしたアチェート・バルサミコは黒ブドウで作られていますが、こちらはその白ブドウ版。かつもっとフレッシュな状態のお酢だと思ってください。ゴクリと飲めてしまうほどまろやかでツンツンしない優しい酸味、100%有機ブドウ由来の自然な甘さ。お砂糖を使わずにマリネ液が出来るので、日本でも今やサラダの定番となっている”人参のラペ”も、塩とこのヴィネガーだけでササッと作れてしまいます。ドレッシングなど作る必要なし。千切り人参をボールに山盛り作ってお塩をパラパラと振りかけ、そここの白バルサミコを回しかけてざっくり混ぜれば完成です。これがまた、べらぼうに美味しい。ウチのチビろばたちはこのヴィネガーで和えるだけでかなり小さな頃から生野菜をバリバリ食べてくれたので相当助かりました。2歳くらいだと生野菜って、なかなか食べてくれないですからね。でもホント、大人ならひとりで人参2本分くらい軽く平らげられます。お好みでオリーブオイルを少々加える場合でも、ダイレクトにサラダにかけて混ぜ込むだけでよいのです。粒マスタードを少々加えればビストロで出てくるようなラペの味がお家で楽しめます。

ところで、冒頭の写真はワタクシママろばが家にひとを呼ぶときによく作るサラダ。実はただの千切りキャベツなんです。ホームパーティーで千切りキャベツなんて、出したことないでしょう?これが皆さん、ハマるんです。眼からウロコの美味しさなのです。ひとに食べさせると「レシピ教えて!」と言われるのですが、例によって千切りキャベツに塩をパラパラッと振って、この白バルサミコとガリガリ挽いたコショウをかけただけなので「ごめんなさい。」と申し訳なくなるのです。ただ、塩の花マリチャのブラックペッパー(ロッソ・スクーロかネロがおススメ)で武装しているので、ただこのお酢で和えただけというのは嘘になっちゃうかな。どちらも超絶に旨味が強いですからね。もちろん、お手持ちのお塩、コショウでも相当美味しくできるはずですよ。誰がやっても美味しくできてしまう、絶対ハズさない…そういう類のお手軽さがウリなのです。でもまさか、千切りキャベツがおもてなし料理になるなんて思わないでしょう?トンカツに添えるだけが彼の居場所じゃないのです。ポン酢で食べるよりも塩味を押さえることができるので相当な量のキャベツを食べられますよ。パスタの時や、焼肉、お鍋など何かお野菜でもう一品欲しい時に重宝します。

千切りキャベツ、人参、などひとつのお野菜単体でこの白バルサミコ酢を使うのならばさらし玉ねぎを塩と白バルサミコ酢でマリネしておくのもおススメです。この玉ねぎマリネ、ポテトサラダやマカロニサラダに混ぜたりハムやツナ、ゆで玉子などと一緒にサンドイッチの具にしたり、焼肉で巻いたり、魚介類のお刺身にオリーブオイルと和えてマリネにしたり、作り置きしておくとかな~り重宝します。薄切り玉ねぎを少し多めの塩でもみ、氷水に放してしばらくしてから絞ったものに白バルサミコ酢を和えてガラスの保存容器に入れておけば1週間ほど持ちます。夏場、ざく切りのトマトをこの玉ねぎで和えて出すと、チビろばたちは残った汁まで飲み干します。余ったご飯で出来るライスサラダも、ろばのウチでは定番でなんどもお店のご試食に出しています。

そして、一見上級者向きですが実は超簡単でものすご~く美味しくできるのが果物をこの白バルサミコ酢で和えたサラダ。いちじく、柿、りんご、夏みかんなど好みの果物をサラダに入れてみてください。あらかじめ果物をマリネしておくのがポイントです。はじめに果物を切って軽く塩をしてから白バルサミコ酢で和えておき、それをレタスやベビーリーフ、ルッコラなどのグリーンサラダにさっくり混ぜ込むのです。甘酸っぱい果物がアクセントになって、ルッコラやからし菜などほろ苦い葉野菜でもモリモリ食べれられる味になります。柿と春菊、りんごとほうれん草、いちじくとルッコラ、夏みかんとセロリなど、ろばのウチではすっかり定番化している組み合わせが沢山。果物と野菜だけだと味がつながらないところを、白バルサミコがどちらもうまく絡むようにまとめてくれるのです。イチジクなど、果物として食べるよりサラダで食べる方が美味しさが引き立つ気がします。

でも、この白バルサミコ酢はサラダやマリネだけが得意なのではないのです。意外や意外、炒め物にも大活躍。コクのあるマリネといった感じでしょうか。お酢の効果で冷めても油っこくならないしお肉も柔らかいままなのでお弁当などにも重宝します。この白バルサミコで試してみていただきたいサラダ以外のレシピが…

1、いろいろキノコのマリネ

しいたけ、えのき、エリンギ、マッシュルームなどお好みのきのこを全て食べやすい大きさに揃えて切り、潰したニンニクを入れたオリーブオイルを熱して強火で炒め、最後に塩、コショウで味を整えたら火を止め、白バルサミコをたっぷり回しかけ軽く混ぜる。お好みで赤唐辛子を少し加えても。酸味が足りない時にはレモンを少し絞って。

2、豚肉、玉ねぎのマリネ

豚バラ肉(薄切りもも肉、切り落としなどでも)は薄めにスライスして、オリーブオイルで炒める。塩をしてからスライスした玉ねぎを加え、1~2分炒めたら白バルサミコ酢をお好みで加え、さらに1分程度加熱し火を止める。

3、鶏肉のソテー(かじきマグロでも)
鶏もも肉(かじきの切り身)は軽く塩をしてオリーブオイルで皮目から焼く。両面こんがり焼き色をつけてから薄切り玉ねぎをフライパンのわきに加え、さらに白バルサミコ酢と刻んだケイパーを加えて軽く混ぜ、蓋をして蒸し焼きにする。お肉に火が通ったらバターをひとかけら加えてフライパンを揺すり、煮詰まったお酢をとろりとしたソース状にしてお肉にかけていただく。

どれもこれも、美味しそうじゃないですか?全ての画像が無くてごめんなさいね。普段作った時に撮りためておかなきゃダメですね。とにかく酸味がまろやかなのでたっぷり使ってもツンツンしません。

でも、まずはお野菜単品をざくざく切って、そこに美味しいお塩とこの白バルサミコ酢をかけてさっくり混ぜただけの超シンプルサラダから、ぜひお試しください。もちろん、レタスだけでも見違えるほど美味しく仕上がります。もうドレッシングなんて買う必要がなくなりますよ。お酢なので開封後も常温保存可能です。これこそ、一家に一本。東が『しこの露』なら、西はこの白バルサミコ、サンテ・ベルトーニのアグロドルチェにお任せです。

サンテ・ベルトーニのアグロドルチェ(白バルサミコ酢)はコチラです。

 

出汁いらず。お助け調味料「しこの露」は無敵の旨味です。


『ろばの家の定番展』、はじまりました。同時開催『ろばの家の定番調味料』と題してろばのウチの食卓に欠かせない調味料や食材のご紹介もしております。ご試食を用意して実際にその味わいを試していただく、ただそれだけのことなのですが何が楽しいって、特集するにあたってさらに新しい定番レシピが生まれることなのです。毎日ご試食を用意していると普段食べているお決まりのメニューだけでは自分たちが物足りなくなり、つい新しい組み合わせを試してしまう。『豆まめしく』のお豆料理1000本ノックではないですが、今回も果敢に挑戦しております。ろばの家で扱う調味料の中ではルーキー的存在の魚醤ですが、まあ使うこと使うこと。便利この上ない。それでオープニングはこの魚醤を使ったお料理をいろいろお出ししていました。そのため定番展が始まる何週間か前からほとんど塩もお醤油も使っていないんじゃないか?というほど、味付けはこの「しこの露」一辺倒です。

しこの露とはなんじゃい?と聞かれれば、ラベルに書いてある通りカタクチイワシの魚醤なのです。原材料はカタクチイワシ、食塩、のみ。潔いです。

何を隠そう、何にも隠してないけどワタクシママろば、かなりの魚醤マニアなのです。なってしまったのです。魚醤愛用歴は10年程度とそれほど長くはないのでエラそうなことは言えませんが、とにかくあっちこっちの直売所、旅行先のお土産売り場などで知らない魚醤があればつい試してしまう。というのも、ろばの家がある茨城県つくば市には韓国料理の名店『白飯家』さんがあり、そこで販売していた自家製の魚醤があまりに美味しくてそればかり使っていたのです。とある時から販売されなくなってしまい途方に暮れてしまいました。それなくしてはできないレシピが沢山あったのです。ピーマン炒め、チジミのつけダレ、スンドゥブの下味つけ…。それからはもう魚醤難民と化してあちこちさまよい歩く日々が…。鮭の魚醤から、イカ、鮎、はたはた。さまざまな魚で作られたさまざまな地方の魚醤を高価なものも含めてあれこれ試しましたが、なかなか気に入るものに出会えず、また見つけたとしても高価すぎたりして気軽に使えるものがありませんでした。ナマ臭い、塩味が強すぎる、アクが強すぎ…。

そこへ救世主のように現れたのが『しこの露』だったのです。でかした~、パパろば!!去年の夏、男子3人で愛知に旅行に出かけて地元のスーパーで売られていたのをお土産に買ってきてくれたのです。安っぽい容器で全く高級感などないですが味は天下一品!そして安っぽいだけでなく本当に安い。最近気に入って使っていた鮎の魚醤が150mlで1000円近くしたので、これはもう快挙です。もちろん原材料の安さは大きいですが業務用1リットル1296円は国産品ではこれまで見たことのない価格帯でした。とにかくまろやかで塩も控え目、香りも穏やかです。1年半しっかり寝かせてある、と書いてあったのでそこがポイントなのでしょうか、やわらかいのです。ナンプラーやニョクマムは苦手、という人でもこれなら大丈夫なはず。魚醤と言うとついエスニックなお料理に使うイメージですが、どっこいこれがイタリアンや中華、カレーの下味つけにも最高なのです。魚介類はもちろんお肉と合わせてもコクが出るので、鶏でも豚でもしこの露をもみ込んでおくだけでなんとも複雑で深い味わいになります。鶏手羽の魚醤煮込みはろばのウチの定番でしたが、それをこのしこの露でやるともうわれながら「美味しすぎる!!」とうなってしまう出来に。

ただ、初めはぜひシンプルな炒め物に挑戦していただきたいです。皆さんに「絶対美味しいからぜひ試してみてください」とおススメしていたお料理があるのですが、翌日「あれ、すぐにやってみたんですけど家族にめちゃくちゃ好評で!!」とわざわざ伝えに戻って来てくださった方までいたのが…。

もやし炒め。

あ、お料理じゃない?すいません(汗)。でもこれは本当にこのしこの露の美味しさがストレートに伝わるメニューだと思います。にんにくを入れるとさらにお箸が進む味になりますが、しこの露だけで十分美味しい。お好みで仕上げに胡椒をパッパッと。こんなにシンプルで、こんなに手早くて、そしてこんなに安上がりで…4人で1kg袋くらいペロリと平らげてしまう美味しさですよ。

そう、手抜きなシンプルなお料理こそ、しこの露の旨味が効いてくれるのです。『ろばの家の定番調味料』のご試食で皆さんに出して好評だったメニューをご紹介してみましょう。どれもホントお料理、と呼べるほどのものでもないのですが…。というより、普段皆さんが作っている定番おかずのお塩やお醤油を、しこの露に変えてみてください、というだけの話です。すいません。

 

 


人気No.1メニュー:『冷や玄米の魚醤炒め』 …究極の貧乏シンプル具なしチャーハン。意外や意外、大好評でした!


材 料:冷やご飯(玄米がおすすめ)1合、オイル大匙2、しこの露大匙1.5~2、コショウ適宜

作り方:中華鍋をよく熱し、オイルを温め強火で一気に冷めたご飯を炒めます。パラリとなったらしこの露を回しかけ、ジャッジャッと味をなじませたら火を止め、お皿に盛ってコショウをふります。

*ご試食ではオイルは地あぶら、コショウはマリチャのネ・ビアンコ・ネ・ネーロを使用しています。はっきり言ってこの組み合わせは最強です(笑)。また、ご飯は玄米がよく合います。ただし圧力鍋などで炊いてもっちりした玄米ではなく普通に炊いたものの方が仕上がりが軽いです。

アレンジ:ご飯に生たまごをまぶしておいて同様に炒め、パラリとなったところで刻んだニラを加え軽く炒めあげるニラ玉チャーハンもおススメです。そのほか、何味のチャーハンでもしこの露を隠し味に使うだけでお店の味になります。


 

 


人気No.2メニュー:『ピーマンの魚醤炒め』 …こちらも沢山「美味しい!」をいただきました。

材 料:ピーマンひと袋、オイル大匙2、しこの露大匙1、
作り方 :1、 ピーマンは縦半分に切り、種をとって(新鮮なら種つきで)長さを半分か1/3くらいに切り水洗いする。
2、フライパンにオイルを熱し、水がついたままのピーマンを投げ入れ、ジャッジャと強火で炒める。途中焦げ付きそうになったら水を50ml程度足して水気がなくなるまで炒めお好みの柔らかさにする(足りなければもう一度水を足す)。
3、火を止める直前にしこの露を加え、汁気が飛ぶまで炒めあげる。

アレンジ1:ピーマンをしし唐、甘長唐辛子、ゴーヤなどに変えても美味しい。レタスもイケますよ。お好みで叩きつぶしたニンニクを最初に加えても。
アレンジ2:仕上がってすぐに黒すりゴマをたっぷりまぶすととても風味のよい胡麻和えができます。
アレンジ3:ピーマンをもやしに変えるのが、冒頭でおススメした最強のもやし炒め。もやしは一度50度の湯をくぐらせるとシャキッと仕上がります。水分は残ったまま炒めてO.K.


 


人気No.3メニュー:『魚醤だけ玉子焼き』 …なぜか”カニカマ”のような味になるのです。。。お弁当にも、海苔巻にも。


材   料:玉子3ケ、しこの露小さじ2、油適宜
作り方:卵を割りほぐし、しこの露を加えて油を引いたフライパンで玉子焼きを作る…だけ。

アレンジ:金糸卵を作る時もこの味付けで(冷やし中華や海苔巻の具に最高です)
アレンジ:お砂糖を加えた甘じょっぱい玉子焼きにする場合もしこの露とお砂糖で試してみてください。


 

ろばのウチの定番中の定番:『鶏の甘くない魚醤照り焼き』 焼き鳥屋さんの味になりますよ~。


材 料:鶏手羽元6本(手羽元なら8本)、しこの露大匙1~1.5、酒50ml、オイル適宜
作り方 :1、鶏肉は3時間以上しこの露をもみ込みビニール袋に入れてギュッと縛り、冷蔵庫で寝かせておきます。
2、厚手のお鍋にオイルを入れ、皮目を下に鶏肉を並べて中火にかけ、蓋をして両面を焼きつけます。
3、こんがり焼き色がついたらお酒を一気に入れ蓋をして蒸し煮にします。
4、鶏肉に火が通ったら蓋を取り、お肉を転がしながら肉汁をからめて飴色状に煮詰まるまで転がせば出来上がり。

*急ぐ場合はお肉にフォークで穴をあけ、味付けを濃いめにすれば15分程度もみ込んだだけでもできます。
アレンジ1:鶏もも肉、鶏ムネ肉でも同様にできます。
アレンジ2:豚バラ肉の厚切りも同様に美味しい照り焼きができます。それを炊きたてのご飯にキャベツの千切りをたっぷり載せた上からタレごとかけ、丼にするとかなりご飯を食べすぎてしまいます(笑)。
粗めに挽いた黒コショウをガリリとかけても、スッキリ味の朝倉山椒を振っても美味しいですよ。山椒バージョンはかなり大人の味になります。

 


番外編:これ以上手の抜きようがない『卵スープ』(画像なし)

材 料:玉子1ケ、水400cc、酒大匙2、しこの露大匙2~3、コショウ
作り方 :水に酒を入れて火にかけ、沸騰したまま3分ほどアルコールを飛ばす。弱火にしてグラグラしているところに溶き卵を筋状にゆっくり回しいれ、かき玉にする。仕上げにコショウを多めにふる。

これは絶対マリチャのネ・ビアンコ・ネ・ネーロを激押しします。さすがにお湯だけだと物足りないかな?と思っていたところに魚醤を濃いめに入れると「お、イケるじゃん?」となり、細かく挽いたコショウをたっぷり入れた瞬間「おお!!中華料理屋さんの卵スープだあ!」と感動してしまいました。

アレンジ1:ネギや刻み海苔、わかめを入れても美味しい。生姜の千切りを入れても。やまつ辻田さんの金炒りゴマをひねってふりかければもう何もいうことはありません。


 

 

いかがでしたか?これだけではないんですよ。サラダのドレッシングもとっても美味しくできるのです。レシピは次回のお楽しみに!そして、この魚醤は地あぶらだけでなく他にちょっとしたものをプラスしてあげるだけでかなり、さらにグレードアップします。そちらも次の特集で!

水産物加工業協同組合さんの『しこの露(大)』はコチラです。

ろばの家では少ない種類の調味料しか取り扱っていません。でもそれはすなわち自分たちが実際に使って心から納得のゆくものだけしか置いていないということなのです。つまり、考えてみたらろばの家にある食品全てが例外なく『定番』なのでした。
そんなおススメ調味料だけを集めたページを作りました。目をつぶってクリックしても、美味しいモノが届きますよ(笑)。
『ろばの家の定番調味料』のページはコチラです。

 

神々にささげるためのわら細工を、稲を育てるところから。ただただ平和を祈って。


このわら細工のお飾りは『祝結び』。ろばの家の窓に吊るしているだけなのですが多くの方からどういったお飾りなのか、どこの地方のものなのかなど尋ねられます。特に豪華な感じがするわけではなくシンプルで控え目な飾りなのですが、なぜかとても堂々とした印象で、見るものを晴れやかで明るい気持ちにしてくれます。

宮崎県西臼杵郡の高千穂地方、日之影にあるわら細工専門の工房『わら細工たくぼ』さんによるもの。手に取ってみていただくとよくわかるのですが、とてもとても丁寧なつくりで頑丈にしっかりと結わえられ、芯までみっちり詰まった藁の密度に驚きます。横からピョンピョン飛び出た短いわら屑などもなく、美しく整えられています。そして、青い藁の清々しい香り!こんな爽快な気持ちになるお飾りに、それまで出会ったことはありませんでした。毎年、年の暮れにお正月飾りを探していてあまり気に入ったものに出会えず、それでも無理矢理「まあこれならそれほど派手じゃないか」というものを妥協して間に合わせで買い、さほど感謝の念もなく飾っていたわたしとしては、こんなに美しく、見ているだけで清々しくなってくるようなお飾りに出会えたことはある種の衝撃でもありました。

たくぼさんは同じ高千穂で作陶する壷田和宏さんにご紹介いただき昨年からわら細工を置かせていただきました。『やっぱり、ごはん党』の時に初めてご紹介した鍋敷きのような生活道具はもともとは本業ではなく、主に神事に使われるわら飾りを専門に作っていた工房です。一年中飾っておくことのできる平和飾りや祝結びなどのお飾りはここ数年全国から注文が殺到し、何か月も前から予約しておかないと12月にお飾りを納品して頂くことができないのです。昨年ワタシがお願いしたのはもう10月近くだったので、ほんとうにわずかな数しかお願いすることができませんでした。11月以降は地元のしめ縄飾り作りに追われてしまうので、その前に集中して全国の注文分を制作してくださいます。え?それならもっと早くから作り始めればよいのではないか?いえいえ、今やっと、青刈りがはじまったばかりのところなのです。無農薬で安全、良質な藁を手に入れるために自分たちで稲から育て、わら細工専用に原料の藁を作る工房は、おそらく全国的にも相当珍しいのではないかと思います。

家業ではあっても兼業であったわらの仕事。サラリーマンの仕事をしながら地元の注連縄だけを冬の間制作してきたお父様の代から現当主の甲斐陽一郎さんが「この仕事を専業にする」と宣言し、高校教師を辞めてわら細工一本にかけてスタートを切ったのが5年前。今でこそ全国から注文が殺到し数量を制限しなければならないほどですが、専業でゆくこと自体不安ではじめは途方に暮れたと話していました。完全予約制でしか注文を受けないのは、どうやっても一日に作れる量に限界があること、ストックして置けないことが理由です。今年の1月に工房を訪ねた際、わらで縄を綯うところを見せてくださいました。縄を綯うことそのものよりも、藁をしごき、屑を払い仕上がりが美しく揃うよう整える作業に膨大な時間がかかるのだということを教えて頂きました。そして、質の良い藁を手に入れることの難しさも。
上の写真は祝酉。かわいらしい姿でとても人気があり、昨年すぐに完売してしまいその後も一番お問い合わせの多かった形です。昔から神使いといわれ大切にされてきた酉のモチーフは『とりこむ』ということで商売繁盛を連想させ、お店に飾る目的で求める方も多いのです。この酉のねじってある部分などを見ると、いかに美しくささくれができないよう丁寧に整えられているかがわかると思います。

こちらが当店で窓にかけている祝結び。家内安全を願う願掛け飾りでねじりの異なる左縄と右縄の2本の縄が「しっかり結びつく」様を表現しています。

何よりありがたいのは、ずっと飾って置いてよいということ。松の内で外してしまわなくてもよいだなんて!確かにこんなに手の込んだお飾り、何日かだけ飾ってあとは焼いてしまうだなんて勿体なさすぎです。地元でもお祝飾りは、厄除けや無病息災を祈って購入するもので、一年中飾っておける縁起物。それでもやはり、あまりに古くなり色褪せたものを取り替えようという時には新年を機に新調するご家庭も多いとのことでした。考え方も取扱い方もとても自由で、特にルールはないとのこと。表裏があるくらいです。自分の家の、好きなところに飾ればよい。甲斐さんに聞くと「縁起ものですから、その人が気持ち良ければ何でもいいんです」と。ちょっと安心しますよね。一応地元では、下の写真の七五三飾り(七五三でしめなわと読むのだそうです)がお正月用とされていて、玄関や窓、神棚などに飾るのが一般的ということなので、お正月専用に、という方は七五三飾りをお求めになるとよいかもしれません。

これがその、高千穂伝統のしめ縄の形で七五三飾りと呼ばれる飾りです。『天神7代地神5代日向3代』下がった房の数が神様を表します。しめ縄は漢字表記で「七五三縄」とも書き、しめ縄の源流を汲むしめ縄です。これは非常にシンプルな形状なので、ここに葉付きの橙や松の枝などさらに縁起のよい小物をプラスしてもよいですし、家のどちらの方角につけなければ、というようなルールもないということです。

高千穂は古事記・日本書紀に記される天岩戸神話を伝える神社などがあるなど日本神話発祥の地として「神々の里」と呼ばれる地域です。和宏さんが「この地方では常に神が宿っているとして、一般の家庭でも一年中注連縄を飾る風習がある」と教えてくださいました。例えば失くしものをしたり病気の人が出ると郡司さんに相談に行くなど、神事が根強く町の人々の暮らしに浸透しているというのです。和宏さん一家も移住組なので、はじめはとても新鮮なことにうつったようです。でも、ご自宅にはやはりたくぼさんのしめ縄が飾ってありました。1月に工房を訪ねた際連れて行ってくれたどのお店にもしめ縄が飾ってあり、とても不思議な気持ちで見てきました。でも、そのような話を聞く前から高千穂にいるだけで自然と気持ちが清々しくなってきて、町全体にポジティブな空気が流れているのを全身で感じました。自分には高千穂の空気自体が肌に合っているのかも、と後になって和宏さんに話したら、やはり彼らも移住先を探して日本各地を渡り歩いていた頃同じ気持ちで高千穂を選んだのだと話してくださいました。

どの注連縄も、とても丁寧につくられていますので自然と手に取る時に丁寧な所作になります。こんな風に自然とわき出てくる畏怖の念や神聖な心持ちというのは、実は今の世の中にもっとも不足しているものではないか、とふと思ってしまいました。

毎日、何事もなく平和に暮らしている。その奇跡のような事実に感謝する機会が、なかなかないのです。それこそ、突然の事故や病気に見舞われるまで意識することがありません。わたしは無神論者ではありませんが、いわゆる宗教のようなものにはあまり接点を持たないで生きてきました。それでも、ある程度歳をとってくると年老いてゆく親や、子どもたちの健康や、いろいろなことが非常にリアルな重みを持って自分の身にふりかかってくるのを感じられるようになってきます。

仕事や家事、子育てに追われて日々バタバタと暮らしているとその日その日をやり過ごすことで精いっぱいになってしまい、今こうして家族無事に暮らしていられることそのものに感謝することを、つい忘れてしまいます。個人的にはその感謝すべき対象が、世に言うところの「神」という存在なんだろうなと実感できるようになりました。だかこそ、穏やかに迎えたいお正月には自分の周りを神聖な空気で清めることも大切なのだ、と。そう思えるくらいには歳を重ねてきたということでしょう。

毎日じゃなくてもいい。気が付いた時だけでもいい。神々への感謝の気持ちを忘れないよう、日々若々しく(?)健康に暮らせるよう祈ってみよう。心の中で祈るというシンプルな行為にさえ時間が割けなくなってしまっていたとしたらそれは「少し立ち止まってみた方がいいよ」という警告かもしれません。結飾りにふと目をやってその警告に耳を傾けられたとき「ああ、ありがたい」と自然に感じられている自分に気が付きます。きっと、飾りというものはそのためにあるのです。

どうか明日も、平和な一日でありますように。願わくば、世界も平和に近づいてくれますように。

太陽・月・地球、3つの輪がつながる平和を願う飾り物『平和むすび』。

実った稲を根からそのまま使った生命力あふれるしめ縄。「根付く」・「実る」意味深い飾り物『根つき穂つき』

当店でも今年度分のご予約を開始いたしました。
わら細工たくぼさんのページはコチラです。

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刺激されるのは、何よりもまず触感。こんなにも色っぽい焼き締めが存在するなんて。

「思いっきりなでなで、頬ずりしてやってください。」松本かおるさんがご自身で何年か使い込んだというサンプルのうつわ。添えられていたメモにそう書かれていたのでした。下の写真はその汲み出しですが内側がかなり味のある色に育っています。写真からはわかりにくいですが表面もところどころ艶々と光沢を帯びて、なんともなめらかですべすべした触り心地です。とても焼き締めという感じがしません。焼き締め。つまり無釉で焼かれた陶器で要するに粘土だけで出来ているということです。一般に荒々しいイメージのある陶器で手触りももっと粗いことが多い。でもかおるさんの焼き締めはまるで河原で見つけたまん丸の石、波に洗われたガラス石、上質な石鹸…。一番近いのは、子どもの頃母親が洋裁に使っていた三角チョークだと思うのですがわかるかしら?今ではペンタイプのチャコペンが主流だろうけれど、当時は水色やピンク色の薄っぺらい小石のようなもので布に印をつけていました。そのチャコの手触りと、かおるさんの使い込んだうつわの表面の感触がとても似ているのです。


なめし革が使えば使うほど光沢を帯びて色濃く育ってゆくように、かおるさんの焼き締めは手で持ったり洗ったり、使っていくうちにどんどん質感が変わってきます。ワタシがはじめて購入したフリーカップは3月から毎朝使って、もうすでになんともいえない鈍いツヤが出てきました。玉子の殻のようにマットな触感からより滑らかな肌へとテクスチャーを変え、乾いた見た目も濡れたようにしっとりとした質感へ。触れば触るほどなめらかに、気持ちのよいすべすべのお肌になってゆくのです。かおるさんではないですが、いつまでもナデナデしていたい。

そして驚くべきはその軽さです。焼き締めというとどうしてもどっしりと重く分厚い印象がありますが、かおるさんのうつわはかなり薄くシャープな印象です。それでも冷たい印象がないのは、暖かなオレンジ色が基調だからでしょうか。イタリアはトスカーナ地方、シエナやフィレンツェのテラコッタの屋根…「魔女の宅急便」でキキが箒にまたがって空を飛んでいくときに眼下に広がる、あの美しい赤茶色のモザイク模様。はじめて見た時その風景を思い出し心が躍りました。こういう焼き締めもあるんだ、と。そして手に持ってみた時の軽さと独特の質感に、すっかり感嘆してしまいました。なんて洗練されているのだろう。ナチュラルであることと、洗練されていることは、同居できるのだという発見に心から驚きました。

この、さまざまな色調のオレンジ。これらの色の違いが100%、土だけで出されているだなんて…。乾いたタイルのように白っぽいベージュからはじまって、明るいオレンジ、濃いオレンジ、赤茶、茶褐色、そして炭のように焼け焦げた黒褐色。それぞれの濃淡の中にも赤味、黄身、グレーがかっていたりと微妙なニュアンスの違いもあり…要するに無限なのです。さらには一枚のお皿の中にさえ異なる色味や濃淡のついた模様のような表情もあり、ずっと見ていても飽きません。こんな風にまったくのすっぴんでここまで違った表情を見せてくれるなら、確かに釉薬なんて必要ないんじゃないか?とまで思ってしまう。少なくともかおるさんの焼き締めを見る限り、色味がなくて物足りないだなんて思えないのです。


「わたしが使っているのは備前の土だけです。同じ備前という土地の粘土であっても採取される場所により成分が変わります。備前にいた頃はよくあちこち行って掘っていました。さまざまな色合いの粘土があって今は4種類の異なる粘土とそれらをブレンドしたものを使いわけています。さらに、焼く時の温度や酸化・還元の加減、何回焼くのかでも仕上がりの色は変わります。3回焼いているものもあるんですよ。炭や藁を使うこともあるので予期せぬ化学変化により、さらに複雑なうつわの表情を楽しむことができるんです。」その無限の可能性に、かおるさんはすっかり魅了されてしまった様子。もともと複数の飲食店を展開する会社の広報として働いていたせいか、食とうつわには常に関心を持ち続けてきたのだと話していました。

「わたしはスタートが遅かったから…」とおっとりとした口調で続けます。「食べることが大好きだったので、自分が使いたいうつわを作りたいと思って。それで憧れていた備前の陶芸家に師事するため、生まれ育った東京を離れ備前陶芸センターに入りました。思い切りはいい方なんです。フットワークが軽いのかも」と笑っていました。とっても華奢で可愛らしい女性なのに、話していると芯の強さのようなものも感じてしまう。迷いがないという感じでしょうか。「ずうっと焼き締めばかり作っていると、色物(釉薬をかけたもの)をやりたくなったりしませんか?」とたずねると「土だけでこんなにも表情が変わるのに、まだまだその魅力を引き出しきれていないという思いの方が強いんです。」と、どこまでも焼き締めに惚れ込んでいるのだということが伝わってきます。

まだ陶芸自体本格的にはじめて10年ちょっと。比較的早い段階から今のようなスタイルに落ち着いたのは、とにかく自分が使いたいうつわを目指してきたから。焼き締めは好きだけれど、自分で使うのならやはり軽くて扱いやすいものに手がのびます。お酒も好きで、ビールを美味しく飲めるうつわが作りたくなった。極薄のグラスで飲むような感覚を求めて自身の作品にも薄さを求めるように。ろくろで成形した後ろくろで削って厚みを調節し、さらに手持ちで削ってから手で撫でて磨きます。その後完全に乾いてからヤスリをかけ表面を滑らかに仕上げるのです。非常に行程の多い、時間のかかる方法ですが出来上がった姿には唯一無二の個性が生まれています。余計な装飾が一切ない究極にシンプルなデザインは、むしろ男性的でさえあります。ひたすら削ぎ落してゆく、という潔さがそう感じさせるのかも。

女性として、ちょっと羨ましすぎるほどの存在ですが、なんとも気さくな明るい性格で一度お会いしただけで意気投合。一緒に食卓を囲むのが、楽しいこと盛りあがること!そもそもろばの夫婦、食べる事・飲むことに感心がない人とはなかなか分かり合えないのです。ワタシはまだかおるさんがご自身の焼き締めでビールを飲むところを見たことがありませんが、きっと、ものすごく美味しそうに飲み干すんだろうな~。ちょっと小ぶりのビアグラスが似合う、白くほっそりした手指の持ち主。それこそ、ビールのCMに出てきそう。陶器で、しかも焼き締めでビールを飲んだ経験、ありますか?きめ細かい泡ばかりが持てはやされていますが、焼き締めは水気を含むと気化熱でヒンヤリ、ほんとうにキーンと奥までよく冷えているのが手に伝わってきます。サラダやお漬物、お浸しのようにテーブルでもひんやり冷たく保ちたいお料理にも最高です。

手つかず、無垢、といった印象も与える松本かおるさんの焼き締め。まっさらすぎて汚してしまうのでは?と使うのをひるんでしまいそうですが、油モノでも汁ものでも、それこそカレーでもどんどん使ってタワシでゴシゴシ洗い、使い込んであげる方が表面に味がでてくるうえ汚れがつきにくくもなります。土から生まれたばかりの無垢であどけない顔に、だんだんと色々な表情が加わり深みを増してゆく。その時その時の自分の心境まで浸み込んでしまいそうです。

今年の春工房を長野から石川県輪島に移し、新たな生活をはじめたかおるさん。今後は備前の土に輪島の山土を加えた作品にも挑戦してゆきたいと話していました。とても自然体で気取らない、かおるさんという女性の魅力がそのまま作品にも表れています。本当は、作品がうんぬんよりかおるさんという人の魅力をお伝えしたかった。でも、とても文章からだけで伝えきれる気がしません。そして何より、ワタシ自身がもっともっとかおるさんのことを知りたいと思ってしまっている。「え?ジビエカレー?美味しそう!行く行く~!!」っと22日のbeet eatさんの会(ご予約受付終了)にも参加予定です。直接会えばきっと誰もが大ファンになってしまうような、とっても魅力的な女性ですよ。参加ご予定の方、楽しみになさっていてくださいね。ワタクシママろばも、またかおるさんにお会いできるのが(飲めるのも…笑)楽しみで楽しみで仕方がないのです。

下がかおるさん。ママろばと一緒に記念撮影していただいたのですがあまりの顔の大きさの違いにおののき、思わずトリミングしてしまいました(笑)。その下はなんと!今回『Spicy Summer Curry&Beer』のために作ってくださったという三角のプレート。ナンをイメージして作ったのだとか。ナンにでも合いますよ(汗)。かおるさんの作品は、ぜひ色の違いを楽しんでいただきたいです。同じ形で色の違うもの、形も色もバラバラなもの。組み合わせも無限。土の色遊びという感じがまた、楽しいのです。

松本かおるさんのページはコチラです。



 

 

 

使い込むほどにしっとり、艶やかに。宮下敬史さんの木のうつわ。

工房で長年使い込んだ山桜のシンプルな鉢を見せていただいた時、そのゆっくりと年月をかけて染み出してきたような自然な艶に目が釘付けになってしまいました。

横須賀。大雨の月曜日。2度目にお邪魔する宮下敬史さんの工房は屋根を打つ雨の音に閉じ込められて、ただでさえ森に隔離されたような感じのする家が、いっそう孤立して見えました。船の底にいるみたい。はじめてお邪魔した時にも雨音が響いていたことを思い出しました。「すいません、雨男で」とすまなそうに笑う宮下さん。今回に限らず降られる確率が高いのだそうで「なんでですかね~」と首をかしげていました。

宮下さんとお会いするのは実はまだ4度目です。なのに、もうずっと昔から知っているような気がします。益子の近藤康弘さんにご紹介していただいた手創り市で初めてお会いして、パパろばと工房を訪ねたその大雨の日が2度目、昨年の『やっぱりごはん党』に出ていただいた際に納品がてら奥様と愛娘ちゃんを連れてつくばまで来てくださった時が3度目、そしてこの訪問。あれ?つくばでお会いした時は晴れていた気がするし(パパろばが娘ちゃんとボール遊びで盛り上がっていたから)、手創り市もとても寒い日だったけれど快晴だったし、そうそう雨男というわけではないのかも。もしかすると、横須賀という土地が雨がちなのでは…?港町、切り立った坂の多い独特の地形、海岸と山の近さ。湿った空気。

待ち合わせた横須賀中央駅のスタバから迎えに来てくれた車まで走る間ですでに服が濡れてしまい、その湿った服のまま3人で雨の音を聞いていると、なんだか雨宿りをしているような気分になってしまいました。そして世の中の雨宿りをするすべての人に共通する「何もすることがないからとりあえず話す」というルールを律儀に守っているみたいにワタシたち3人は取り留めのないことを話し続けました。正確にはわたくしママろばが八割方喋り倒していたのですが(笑)。仕事の話なんてほとんどしていません。お茶うけに出してくださった奥様手作りの焼き菓子がとても美味しくてそのベトナムのお菓子から旅行の話、子どもの話、知り合いの噂話…。そんな中でほんの少しだけ作品について話した時に飛びだしたのが、使い込んだプレーンなうつわ達の話題でした。

「特別な手入れなんて全然してないですよ。ただ、毎日ガンガン使ってました。パスタ食べたり、汁物盛ったり。油モノでも気にせず使ってるとその油がうつわに染みこむから、わざわざオイルを塗り込む必要がないんです。」

宮下さんは最近、昔よく作っていたようなあまり彫りをほどこしすぎていないシンプルなうつわを自分で再評価しているのだそう。「結局使いやすいんですよね。こんなんでいいんじゃないかな~と思えてきて」そう言いながら見せてくれたうつわはみな、いっさい装飾がなく厚みも適度にあるものばかり。「あんまりにも洗練され過ぎていてもかえって使いにくいんじゃないかと思って」と言われてから最近作ったという作品を見てみると、なるほど鉢の縁やお皿のエッジなど、どことなくこれまでに見てきたものにはなかった雰囲気がある。野暮ったくない程度に丈夫そうな仕上がりになっているのかも。このくらい微妙な縁の角度や薄さだけで、ここまで印象が変わるのだということに少し驚きました。そして漆仕上げのものは心なしかみな、使い込んで味が出てきたような絶妙な鈍い艶感がある。ちなみに上の画像は宮下さんが使い込んできたうつわではなく、今回新しく作られたもので栓の木を漆で仕上げています。

陶器以上に経年変化の激しい木のうつわ。けれど多くの場合その変化は色が褪せ白っちゃけて艶がなくなりただ古ぼけただけの、あまりポジティブな経年変化という印象がない。やはりちゃんとオイルで手入れしないとなあ、とそういううつわやツールを見るたびに思っていました。宮下さんが使い込んだうつわの艶は、オイルで手入れして新品のように保っているのとはまた違う、内側から放たれている艶でした。これ、カッコイイ。正直この状態で欲しい…なんてせっかちなことを言ってはダメですよね(笑)。

「うちももっとガンガン油モノ盛らなきゃダメだよ」と繰り返すママろば。パパろばもすっかりその質感やシンプルな形に心を奪われている様子。単純なワタシたちはすぐにでも試してみたくなるので、もうすでにどのうつわを自宅で使い込んでみようかとウズウズ。パスタにちょうど良いサイズにしようか、サラダボールにしようか…。結局今毎食ガンガン使い込んでいるのがこの下のリム皿。楢の拭き漆仕上げで、最初から唐揚げを山盛りにして、オリーブオイルとヴィネガーをたっぷりかけたサラダをわさわさと盛り付け…。「早く油吸え~」と言わんばかりの料理をヘビロテで盛っているのです。
写真は日曜日にパパろばに届けたお昼ご飯で卵入りビーフン。地あぶらとしこの露というゴールデンコンビで味付けしたなんちゃってエスニック風味です。「めっちゃ油っぽかった。すごい油使ったでしょ」と言われてしまいました。早く油を浸み込ませようと気が早っていたのかも…。でも味ははさておきこんな家庭料理さえカッコよく映っているのはこのリム皿のおかげです。サラダで濃い緑やトマトを盛った時にもバシッと決まりました。お料理の色をビビットに映えさせる背景色として最高なのです。そしてやはり、木のもつ温もりはまったく陶器のそれとは質の違うものです。木のうつわを好んで使う方は皆さんいいますが、軽くて、気兼ねなくラフに使えて、そしてなんにでも合う。木は一色にカウントされないニュートラルさがあり何でも受け入れます。懐の深さ、というのでしょうか。なぜだかホッとさせられてしまう安堵感があります。

同じ種類の材であっても個体ごとに個性が違う木という素材の面白さ。その個体の良さを最大限引き出そうと、真正面から向き合ってきた宮下さん。「漆仕上げものは年輪を隠してしまわないよう薄く残る程度に仕上げていると話していたのに、結構がっちり漆を重ねているものもあるんですね」と聞くと、最近は漆の扱いにも慣れてきて思う通りの質感を出せるようになってきたと話していました。木目の向きや断面の密度によって変わる色の濃淡など、偶発的な表情も魅力のひとつとなっています。「だからどんどん一点物ばかりになってきちゃって…」と困ったように話していました。もとの木が違うんだから、ひとつひとつ違う作品になるのは当たり前というような素材ありきの向き合い方から、さらに一歩踏み込んだ木との関係に思えました。美しく仕上げることより、その素材の持つ個性を見極めて長所を伸ばしてあげる。節や虫食い穴のように欠点となりそうな箇所でもチャームポイントだと褒めてあげる。まるで子育てのようにこちらの忍耐力まで問われてしまう向き合い方のようにも感じます。やはりそれは、月並みですがどれほど深く木という素材を愛しているかということに尽きると思うのです。

はじめて工房にうかがった時に書いた記事もぜひ読んでみてください。素材への思いは宮下さんが木の材を説明しだすとすぐに伝わります。身の上話が始まるのです。「この山桜、いいでしょう?これは本当に良い材でした。標高の高いところで伐ったものです」「こっちの楡は、神代楡といって文字通り神代から地中に埋まっていた材ですよ。密度が全然違います」…ワタシたちから見ればただ色が違うくらいの四角い塊をひとつひとつ手に取って、その材との出会いや性格を語ってくれます。最近長野まで出向いて丸太を一本ごとに買った、という宮下さん。もちろん角材として手に入れるより安上がりになるという利点はあるものの、何より決定的に違うのはその樹がいつ、どのような場所で伐られたものか素性がはっきりするということ。市場で仕入れてきた材は、その履歴までさかのぼることは難しい。樹は葉を落とし根を伸ばさない冬の休眠状態で伐られたものが最も理想的な材となるんです。そしてその後自然乾燥させたものなのかどうかという点もとても重要。木の種類や樹齢だけでなくそういった条件も最終的に作品の質に反映される、ということも初めてうかがった時よりさらに詳しく説明してくれました。

今使っている横須賀の工房は湿度が高くなる時期が多いため、厳密には理想的な環境と言えないのだそう。「長野あたりに移住を考えています」と宮下さん。生まれ育った横須賀を離れ、家族を連れて最も良い状態で樹を寝かせられる場所を探し、もっと広い工房で機材も充実させたい。急な坂の多い横須賀の町。大きな機材を運び込むのにも制限があり、限界を感じ始めているというのも大きな理由だそうで、もしかするとここ1、2年の内にも実現させたいとのことで、ああ、そうしたらこうして気軽に遊びに来れなくなっちゃうなあ、なんてくだらないことを考えてしまいました。

作品はそれだけでも多くのことを語ってくれます。でも、ワタシたちはやっぱり作品そのものだけでなく作家さんとの対話を求めているのだと最近よくパパろばと話します。その時間が貴重でならないのです。作品のことを語ってもらう必要さえありません。くだならい雑談、あわよくば酒を酌み交わし一緒の食卓を囲み…。そういった時間がワタシたちにもたらしてくれる充足感は、いくら仔細に作品を眺めていても見えてはこない何かを与えてくれます。そして願わくばワタシたちもその時間を通して得られた何かを、ろばの家に並ぶ作品たちに吹き込んで行けたらいいなと思うのですが…。ただママろばが長々と熱弁をふるうことによってではなくて、宮下さんの使い込まれた作品のように内側からじんわりと。自然に。

今回届いたうつわは特に、使い込んでその変化を見てみたいと思うようなものばかりです。自然と滲み出てくる艶や色の変化をお楽しみください。…ワタクシのように焦らずゆっくり、ね。

宮下敬史さんの新着のうつわはコチラです。


工房までのアプローチ(見えている屋根は宮下さんの工房ではありません。さらに奥にあります。)
工房へのアプローチがある坂道。写真で見るより急です。

 

 

 

 

Mid Night Blue ミッドナイトブルー ~加藤仁志さんの”青の名前”~

「これ、黒ですか?ん?紺色なのかな?」そう言って手に取ったお皿を窓辺で見ている時などふとした加減でこの色があらわれると、息をのんで魅了されてしまいます。陽の光に反射した部分だけこんなに鮮やかなブルーが浮かび上がるのです。この画像、まったく色の加工も特殊な撮影もしていません。ただ、直射日光のもとで撮影しただけです。オープン以来扱わせて頂いている仁志さんのルリ釉シリーズ。今回のBlue展はこの色がきっかけで思いついたのです。…ミッドナイトブルー。その秘めごとじみた響きの名前は自然に浮かんできました。真夜中の青。限りなくブラックに近い闇のようなブルーが、一瞬見せてくれる別の顔。深い海の底や宇宙を連想させる、漢字だと青ではなくて碧、という字が使いたくなるようなブルーです。このハッとするような鮮やかな色は、けれど、太陽の光が差し込んだ時だけに見せてくれる特別な色。電灯の光ではダメなようです。黒い土にコバルト釉という真っ青に発色する釉薬をかけることでこの独特な色が出るのだそうです。はじめて加藤さんのルリ釉のうつわを見たのは17cmほどのプレートで、パッと見は黒いお皿だと思っていました。でもそれが実は黒ではなく、とても深い紺色なのだと気がついた瞬間にもうすっかりやられてしまいました。何の変哲もないオーソドックスなデザインに、でも色はちょっと他にないよというような組み合わせ、多分そういう意外性に弱いのです(笑)。形がシンプルだからこそなおのこと、特殊な色が引き立つのでしょうね。とても丁寧な作りで加藤さんのお皿や鉢はどれもラインが美しく、形も引き締まって見えるのは濃い色のせいだけではないということは青白磁の作品を見てもわかります。それでもこの特別な色を話題にしないわけにはいきませんでした。でも実際に使うのは家の中なのですからそうそうこのブルーの輝きに出会えるわけではないし、また実際料理を盛りつける時には真っ青でない方が食材が映えるでしょう。自己満足といえば自己満足。でも、上質な素材が使われたシンプルで長く着られる洋服のように、そっと心の中にしまっておきたい自分だけの満足感なのかもしれません。

そんなセクシーな色のうつわを作っている加藤仁志さんは岐阜県土岐市で作陶しています。ワタクシママろばはろばの家を始めるずっと以前にこのお皿に出会い、愛用歴もそろそろ10年くらいになります。お客さまが来た時にも便利と12枚ほど揃いで持っていたこの17cmプレートは今でも不動の万能皿として、取り皿用にはもちろんケーキ、パン、果物、と何にでも使っています。丈夫で形が普遍的で使えば使うほどそのシンプルな魅力と作りの良さに愛着が増すばかり。正直、使っていてミッドナイトブルーの秘密を意識することはありません。家にはブランチできるような広いテラスやベランダもないですし(笑)。使い込むと今よりもっと表面の艶が鈍り、マットな質感に落ち着いてゆきます。本当に素材のよいシンプルなデザインの洋服といった存在で、こういうもののことを”飽きがこない”と呼ぶのだろうなあとしみじみ思います。いつか自分でお店を始めた時にはパッと見の派手さではなく、こういう芯のある質の良さを伝えていきたいなあ、と思わせてくれた特別な存在でもあります。本当に根っから真面目で実直な方で、もう5年以上のお付き合いになるのにお電話いただくたびに「岐阜県土岐市の加藤仁志です。」と名乗るのです。おそらくは加藤と言うありふれた苗字で混同されないように名乗ってくれているのだとは思うのですが、もうワタシはお声だけでもわかっているのだと、いつか言ってみようと思いながらつい「茨城県つくば市のろばの家の福江ですが」とこちらも名乗ってしまい堂々巡り(笑)。では、そんな岐阜県土岐市の加藤仁志さんのブルーについてのあれこれ、うかがってみましょうか。


 

加藤仁志さんの青の名前

Q1、好きな色は何色ですか?理由があればそれも教えてください。
–白色。理由は特に無いです。

 Q2、よく身に着けている色があれば教えてください。また、好きな異性に身に着けていて欲しい色があれば教えてください(〇〇色が似合う人に憧れる、など)。
–仕事中に履く靴は、10年ほど前から、赤色の入ったランニングシューズ。

 Q3、青、と聞いて思い浮かぶのは何ですか?
–空と海。

Q4、ご自分の作品の青を画像を見せずにどんな色か説明するとしたらどんな青だと表現しますか?
–深い青色。

 Q5、Q4の作品の青はいつごろから作り始めた(使い始めた)のですか?またそのキッカケ、経緯を教えてください。
–10年ほど前から制作しています。学生(20年近く前)の時に買った釉薬がたまたま残っていて、普段使っていた土に使ってみたのがキッカケです。

Q6、よくブルーな気分、などと言いますね。一般に憂鬱な気分を差すようですが憂鬱な時の気分転換法を教えてください。
–子供と遊ぶ。

Q7、この世の中に『青』という言葉も『ブルー』という言葉も存在しないとします。あなたが色の名付け親です。あなたは、それを何色と呼ぶことにしますか?
–空色。(海色も良いかと思いましたが、住んでいる岐阜県には海が無いので…。)


そそそ想像通り、真面目で実直なご回答…。ミッドナイト!と勝手に盛り上がっているワタクシママろばみたいに変にロマンやストーリーを盛らないところも説得力がありますね。これ以上加藤仁志さんらしい回答はない、というくらい仁志さんらしいです。素っ気ない職人気質、にとられてしまいそうな回答ですがとっても温和でやわらかい方なんですよ。きっととっても優しいお父さんなのでしょうね。想像がつきます。声を荒げる事なんてあるのかしら。。。仁志さん、ありがとうございました!

加藤仁志さんのページはコチラです。



2018-06-17 | Posted in Blog, 加藤仁志さん Hitoshi KatoNo Comments » 

 

Antique Blueアンティークブルー  ~沼田智也さんの”青の名前”~

儚く消え入るような淡い呉須。沼田さんの絵付けの魅力はこのはかなさと絵付けのユニークさにあると思っています。こんなブルー、現代の作品ではあまり出せない色味な気がして勝手にアンティークブルーと名付けていました。今回のBlue展でそう呼び始めたのではなく、実はかなり前からそう呼んでいました。店内にある沼田さんの作品についている説明に”Antique Blue”と書いてあるのですが、実際には年代物の作品ではありませんのでご容赦ください(笑)。作家さんは現役…というかパパろばと同い年、いたって健康。それが証拠に現代にしかありえない意匠をそこここに紛れこませてくるのです。今年の新作はオバケでしたがそのオバケも発展してすでにムンクの叫び化してきている様子。「世界の名画シリーズ、できそうじゃないですか?」と冷やかして笑っていましたがこの先どんな楽しい絵柄が飛び出してくるのか、楽しみでなりません。いちヌマタファンとしては、ずっとずっと追っかけ続けたい目が離せない存在です。それにしても「青のイメージで!」とお願いしたのに赤絵…確かに蒼、と書いてありますが…。さすがヌマタさん。違った意味でも目が離せません(笑)。

では、そんな青の名手沼田智也さん。The Blueというタイトルで企画展やります!とお誘いしたら、『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』て、映画が大好きで、いつか「陶芸界の チェット・ベイカー」と呼ばれたいなと思ってます、とふたつ返事(にしては長い返答だけど)で引き受けてくださっただけあって、相変わらずNo music, no life!な回答が返ってきました。

 


沼田智也さんの青の名前

Q1、好きな色は何色ですか?理由があればそれも教えてください。
–蒼、好きです。

  黒も好きです。

  赤も好きです。

  全ての色が好きです。

  No Reason…

 

 Q2、よく身に着けている色があれば教えてください。また、好きな異性に身に着けていて欲しい色があれば教えてください(〇〇色が似合う人に憧れる、など)。
–気が付けば、黒、藍など濃いめの明度の低い服ばかり。根暗だからですかね。笑
好きな異性に身に着けていて欲しい色は特にありません。その人らしければステキだと思います。汗

 

 Q3、青、と聞いて思い浮かぶのは何ですか?
–Kind of Blue  Miles Davis

  Born to be Blue  Chet Baker

  Summer time Blues  Blue Cheer

  未来は俺等の手の中 Tha Blue Herb

 

Q4、ご自分の作品の青を画像を見せずにどんな色か説明するとしたらどんな青だと表現しますか?
–淡い青ですかね。

  存在感の希薄な青。

  曖昧で不明瞭な青。

 

 Q5、Q4の作品の青はいつごろから作り始めた(使い始めた)のですか?またそのキッカケ、経緯を教えてください。
–染付は陶芸学校での授業が最初でした。違和感が多くて初めはすごく嫌でしたが、要望を受け制作を続けるうちに面白さや自分らしさを感じるようになっていった、というカンジです。

 

Q6、よくブルーな気分、などと言いますね。一般に憂鬱な気分を差すようですが憂鬱な時の気分転換法を教えてください。
–スポーツ!ゴールにシュートをぶち込む快感は至上の悦びです。意外と熱いストライカー気質なんです。

 

Q7、この世の中に『青』という言葉も『ブルー』という言葉も存在しないとします。あなたが色の名付け親です。あなたは、それを何色と呼ぶことにしますか?
–水色か空色ですかね?自然にあるものを名前にすると思います。

 


 

ありがとうございました!…でも、全然存在感希薄じゃないと思うんですけど、沼田さんのブルー。

沼田智也さんのアンティークブルーはコチラです。



2018-06-08 | Posted in Blog, 沼田智也さん Tomoya NumataNo Comments » 

 

Cobalt Blueコバルト・ブルー ~前田育子さんの”青の名前”~

これぞ瑠璃色!と言っておきながらコバルトブルーと名付けてしまった前田育子さんの鮮やかなブルー。色名を調べると瑠璃色とコバルトブルーは別物で、瑠璃色がその名の通り半貴石のラピスラズリ(=瑠璃)に由来すると書いてあるのを見つけたのです。これからご紹介する前田さんのアンケート回答を見てあっ!と思いました。これは瑠璃色、と呼んだ方がよかったかなと。でも、瑠璃色の英訳にあたるウルトラマリンブルーという響きが、どうにも好きになれないし作品を見てもどうもしっくりきません。いずれにせよ作家さんが自らの作品をそう呼んでいるわけではなく、わたくしママろばが勝手に命名しているだけなのだから最後までコバルト・ブルーで押し切ってしまおうと思います(笑)。

ろばの家では『層』シリーズでおなじみの前田育子さん。白磁と焼き締めをミルフィーユのように薄く何層にも重ねた断面を見せている作品はとてもユニークで、定番となっているナイフレストやお箸置きをはじめあれこれ集めているという方も多いようです。そんな前田さんに今回敢えてブルーの作品だけをお願いしたのは、昨年試験的に作ったというルリ釉の作品がとても素敵だったから。そしてそのお願いは大正解でした。届いた作品はどれも初めて見る形ばかりでしたが、ひとつひとつ個性あふれていて前田さんらしさがにじみ出ています。特に今回メインで届いた花器など、育ちゃんにしか作れないよ~というような独特の間を持つ形ばかりです。形が面白くて、色も痛快で…とここまで書いていたらやはりウルトラマリンブルー、の方がよかったもと思えてきました。。。むむむ。Wikipediaにもやや紫味を帯びた鮮やかな青と載っているし…。いやいや、迷いは禁物。前田さんのコバルトブルーの作品、ぜひじっくりとご覧ください!

ブレまくっているママろばの話はさておき、育子さんのブルーについてうかがいましょう。う~ん、フェルメールブルー…もよかったかな~(笑)。

 


~前田育子さんの青の名前~

Q1、好きな色は何色ですか?理由があればそれも教えてください。
–白 、ブルーグレー

Q2、よく身に着けている色があれば教えてください。
–白

Q3、青、と聞いて思い浮かぶのは何ですか?
–海、 空、 若い頃好んで身につけた色

Q4、ご自分の作品の青を画像を見せずにどんな色か説明するとしたらどんな青だと表現しますか?
–濃い 、深い青

Q5、Q4の作品の青はいつごろから作り始めた(使い始めた)のですか?またそのキッカケ、経緯を教えてください。
–何でしょうね…藍色に馴染んでると思うので、それを焼き物で表現できる魅力。布にはない光沢。土を覆う深さ。

Q6、よくブルーな気分、などと言いますね。一般に憂鬱な気分を差すようですが憂鬱な時の気分転換法を教えてください。
–散歩、映画を観る

Q7、この世の中に『青』という言葉も『ブルー』という言葉も存在しないとします。あなたが色の名付け親です。あなたは、それを何色と呼ぶことにしますか?
–フェルメール

 


前田育子さんは、生まれ育った北海道白老町発信の海を守るプロジェクトTairyo-Hugという大漁旗をリメイクするブランドも運営されています。当店でも豆財布が入ってくるとすぐに少なくなってしまうのですが、今回はTairyo-Hugnoの作品も出展してくださいました。そちらも随時ご紹介してゆきますのでお楽しみに。前田育子さん、ありがとうございました!

前田育子さんのページはコチラ




 

2018-06-08 | Posted in Blog, 前田育子さん Ikuko MaedaNo Comments » 

 

空、海、地球、宇宙、夜空、深い闇の色…名もない青。Blueブルーの名前。

Indigo Blue、Mid Night Blue、Antique Blue、そしてCobalt Blue。今回Blue展に参加してくださった、4人の陶作家さんの作品をディスプレイしているうち、その個性の違う青たちを自然とそう呼び分けていました。中村恵子さんのインディゴブルーはデニムのように洗いこんで擦れた青が重なって生まれた色。「限りなくブラックに近い真夜中のブルー」と、昔流行った小説のタイトルをもじって呼び続けているのは加藤仁志さんのミッドナイトブルー。前田育子さんの突き抜けるようなコバルト・ブルーは、これぞ瑠璃!というべき鮮やかで濁りのない南の島のような青。アンティークブルーという呼び名こそ沼田さんの古伊万里のような淡い染付を見て浮かんできた造語ですが、それぞれの青の名前は一般にも認知されている名称で絵の具の色などに使われています。こうして考えてみると青を表す名前は相当あって、もしかすると青ほど沢山の名前を持つ色はないかもしれません。

先述の小説、村上龍さんの『限りなく透明に近いブルー』を初めて読んだ時の衝撃。当時美大の受験生であった自分が日々作りためていたアクリル絵の具の混ぜ色に使う「アクアブルー」やら「ウルトラマリン」やら、日常生活では使わないような青の名前が沢山小説中に出てきたのを書き留めながら読んでいたことを思い出します。当時はかなり話題作と騒がれていたのに今となってはストーリーさえ思い出せません(村上さんごめんなさい)。それなのに、日々使わない色の名前だけは忘れないでいるのですから何が記憶に残るのかわからないものですね。はじめてブルーブラックという言葉を知ったのは確か中学生の時だったと思います。モンブランが出している万年筆用のインクの名称で、手紙を書くのにそのインクしか使わないと話す教師になりたての兄がカッコよく思えて、すぐに画材店に走ったのを覚えています。以来万年筆を使う時はブルーブラック一辺倒(笑)。そうやってわたくしママろばの中には少しずつ、青の名前の語彙が増えていったのです。

Blue=青という日本語の英訳であるはずなのに青と呼ぶのとはまた違った印象になるのも不思議で、好んでブルーという言葉を使っていました。アンニュイやクールという言葉とは程遠いガハハな性格である自分にとって、憧れのイメージだったのかもしれません。ブルーという言葉の響きが好きで、色そのものより響きに憧れて身に着けるものをブルーだけと決めて過ごしていた時代さえありました。「わたしブルーのシャツしか着ないの」という自分に酔いしれてブルー系のシャツだけを毎日着まわしていました。ブルーなら柄物も抱負で沢山選択肢があるので全く困らないですもんね。これが「あたし黄土色しか着ないのよ」とかだと結構困ったはずです。何年かつづけた挙句自分にそんな狭い縛りを課すこと自体がふとアホらしくなって、反動のようにピンクやオレンジなどヴィヴィッドな暖色の服を買いあさったり…。若いころ自らに決めるルールというのはホントひとりよがりで恥ずかしいものですね。まあ、そんな幼い自分もかわいいじゃないかと思える歳になりましたけれど。

あなたは、どんな色が好きですか?無限にあるブルーの中からただひとつのブルーを選ぶとき、あなたがそのブルーに与える名前は、なにブルーなのでしょう。

食卓で使ううつわには選ばれることが少なく感じてしまうブルーですが、ここに集まっているブルーたちはお野菜の緑も卵の黄色もトマトの赤も、そしてパスタやリゾットの白も、驚くほど鮮やかに引き立ててくれるテーブル馴染みのよい色ばかり。実際使ってみると、黒より映えて使いやすいと思えるほどです。そんなブルーのうつわたちを届けてくださった4人の作家さんに、ブルーについて、色について、簡単なコメントをいただきました。うつわを手に取りながらそのブルーがどんな人の手によって生まれてきたのか思いをめぐらせてみてください。

KOMOさんのLinnell Blue

前田育子さんのCobalt Blue

沼田智也さんのAntique Blue

中村恵子さんのIndigo Blue

加藤仁志さんのMidnight Blue

La RenonculeさんのNatural Blue

 

 

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