白も赤もクラフトビールにも丁度よい。日本の食卓にも合う万能ワイングラス。

「そろそろ、良いワイングラスを揃えたい」というひとが増えているようで、お店でこのワイングラスを置くようになってからずいぶん色々聞かれるようになりました。世の中に出回っているワイングラスの種類の多さといったら、ちょっと、あきれてしまうくらいのもので、値段もピンキリ。それで皆さん、どんなグラスを選べばよいのか途方に暮れてしまうのでしょう。

アロマティックな白ワインにはこれ、軽めの赤ワインにはこれ、しっかり熟成した赤ワインにはこれ、と言った風にワインのタイプごとに適した形状が研究されていて、「シャルド」「キャンティ」「ブルゴーニュ」など、ワインの名前や産地、品種の名前を冠して販売されたりしています。それがまた、各メーカーがそれぞれに独自の考え方で開発するので、無数にグラスの形状が出回ってしまうことになるのです。家庭ではそんなに何種類も揃えるわけにはいかないので、どのタイプのワインにも使える汎用性の高いもので、かつ扱いやすいモノを選びたいものです。

基本的にワイングラスは薄ければ薄いほど高級なものなので、丈夫さという利便性と、薄さや軽やかさといったグラスの優雅さとのバランスの見極めが難しいところです。

この、わずかに口が外側に反った優雅な形状のワイングラスは、プロ向けに作られたシリーズで白ワイン、赤ワイン両方に使える形状、かつクラフトビールにも丁度良いサイズに設計されています。特徴は短めのステム(脚)。家庭で使うワイングラスとしては大ぶりのボディなので、ステムが長いと倒れやすく危うい感じがしますが、この手の優雅なグラスにしては珍しく、脚がかなり短めなのです。チューリップ型を膨らませたような形のためそれでもアンバランスな感じがしません。立ち姿がとても美しくかなり薄いので、リストランテやバーなどエレガントなシーンを想定して作られているシリーズです。

デザインは木村硝子さん。木村硝子さんは明治創業の工場を持たないガラスメーカーで、国内外の職人さんや工房と協力しながら自社デザインのガラス製品を手がけてきたほか、現在は海外メーカーの代理店としてもプロユースのガラス製品を紹介しています。こちらも木村硝子さんオリジナルのデザインでガラス産業の中心地スロヴァキアの工房で職人さんがひとつひとつ手吹きで仕上げています。これまで色々見てきた中で、価格と質のバランスにとても納得感のあるものでした。

良いワインは、スッと唇を滑るように口の中に流れ込んできて、液体を飲み込んだ後も長い余韻を鼻腔に残します。その滑らかな流れを邪魔しないよう媒介者の存在をいかに希薄にするか、それがグラスに薄さを求める所以です。このグラスは薄さに加えほんのわずかに口が反ったデザインで、液体を唇へそっと受け渡してくれます。グラスに注がれてから、時間とともに変化してゆく香りや味わいをゆっくりと楽しむ、それこそがワインの醍醐味だと思います。そのため飲み口に向かってすぼまる、球に近い形をしていることが多いのです。香りがグラスの膨らみ部分に溜まるように、という配慮です。

ワインの業界では「香りが開く」「閉じる」という表現を使います。年を経たワインなど芳香成分が立ちのぼるまで時間を要することも多いのですが、香りが感じられない状態を閉じているというのです。長い間酸素に触れずガラス瓶に閉じこもっていたために起きる現象ですが、酸素に触れさせてあげればだんだんと香りが開きます。古いワインをオーダーすると事前に抜栓しておいてくれたり大きなグラスでサーブされるのはそのためなのです。若いワインでも様々な要因で還元状態に陥り、香りがしなかったりワイン本来の香りとは違う還元の香りがすることがあります。特にナチュラルに作られたワインに起こりがちなことなのですが、それも、適度に大きさのあるグラスを使い、時間をかけて酸素と触れさせてあげれば本来の表情を見せてくれることが多いのです。

最近では、添加物や化学技術に頼らないナチュラルな作りの、いわゆるヴァンナチュール=ナチュラルワインを自宅で気軽に楽しむひとが増えてきました。そういったワインを作る生産者の中には、製造過程でできるだけ金属にワインを触れさせたくないという理由でステンレス槽の使用を避け、木樽や素焼きの甕などできるだけ天然の素材を用いるようにしている人も少なくありません。金属との接触は、先ほど出て来たワインが閉じた状態、つまり還元状態に陥らせてしまう要因のひとつだからです。そのようにして出来たワインは、やはりなるべく金属成分を含まない容器で楽しんで欲しい、としてクリスタルガラスの中でも鉛を含まないカリクリスタルという素材で作られたワイングラスを推奨する生産者もいます。ナチュラルワイン愛好家に絶大な人気のラディコングラスも、このカリクリスタルで作られています。

カリクリスタルとは、 鉛の代わりに木炭を精錬してできる酸化カリウムを混ぜてつくられるクリスタルガラスで、有鉛のクリスタルに比べれば透明度はやや劣るものの、輝きや音の響きの点では遜色なく、より強度が高いのが特徴。ワイン愛好家に人気の高いリーデル社はクリスタル、最高峰とよばれるロブ・マイヤー社はカリクリスタルを使用しています。特にロブ・マイヤー社のバレリーナシリーズなどは憧れの的ですが、価格的にもあまりに繊細であることからも、家庭向きとは言えません。

そして何より、ステムが長いと本当にちょっとテーブルが混み合っているだけでぶつけて脚を折るリスクが高くなってしまう。そこまで高級なグラスは、やはりリストランテで特別なワインを楽しむときだけで十分、とわたしは思います。そうそう行けないですけど(笑)。ステムが短く全体に背が低いこのグラスは、日本の作家さんの手作りのうつわや、お箸でお惣菜を楽しむような日常の食卓にもなじみやすく、その点もとても気に入ったところでした。それから、洗う時に口の中に手を入れることができる形状、というのも重要なファクターです。

「薄いグラスは割ってしまいそうで心配」という声もよく聞きます。わたくしママろばも、パパろばも長い間ワイン業界で働いていたので、ワイングラスを洗ったり拭いたりするのに、それほど手こずることはありません。けれども慣れない人が薄いクリスタルのグラスを洗ったり拭いたりする時、グラスのボディ部分をぶつけて割ってしまったり、ポキリと脚を折ってしまうところは、これまで何度も見てきました。見ていると、たいてい皆さん間違った持ち方をしてグラスを洗ったり拭いたりしているようなので、注意点とルールをまとめておきますね。参考になさってください。

1、一番大事なルール:いかなる場合も、ボディ(ふくらんだ部分)とステム(脚)・ディスク(底の丸い円盤)を同時に持たないよう注意する(同時に持つこと自体は問題ないが、異なる方向に力がかかるとステムが折れる)。
2、ボディを洗う時は両手でボディだけを持ち、力を入れすぎないように注意する。中にスポンジなどを入れて内部を洗う時は、もう片方の手でボディの外側を支え、ディスクやステムを持たない。
3、ディスクを洗う時、拭く時も両手でディスクを持ち、ボディは持たない。
4、拭き上げる時は、まずボディにクロスの一部を詰め込み、はみ出た部分でボディの外側を拭きながらくるくると回す。この時力を入れすぎないように注意する。

慣れると、自然にボディとディスクを同時に持たなくなります。複数のグラスをシンクで洗う時にシンクにいくつもグラスを入れて洗うと互いにぶつかって倒れ、割れる原因になるので、ひとつひとつ洗うようにしましょう。

自然に作られた美味しいワインは、洋食、日本食に限らずあらゆるジャンルのお料理ともケンカせず、幅広く楽しむことができます。お野菜やお出汁との相性も良く、日常のお惣菜やサラダなどでも十分におもてなしができます。ワイングラスを揃えたら、信頼できるワイン屋さんに好みのワインを選んでもらって、楽しい食卓を演出してくださいね。

木村硝子さんのオリジナル、Wine&BeerGlassワイン/ビールグラス(443ml)はコチラ。
2脚Setだとお得なプライスになります。

今回このワイングラスと一緒に、同じく木村硝子さんオリジナルのデザインでカリクリスタル製の美しいウォーターグラスも入荷しました。こちらは、手頃な価格でとても高級感のある人気のシリーズ。お水やアイスコーヒーなどはもちろん、デザートに使っても涼しげです。そして、カリクリスタルの透明感がものすごく生かされている、息をのむような緊張感を持つウォーターカラフとグラスも届きました。インゲヤード・ローマンさんはスウェーデンを代表する女性デザイナーで、匿名性を大切にするシンプルなデザインを信条としているらしいのですが、匿名を許されないほどの完成度にため息が出てしまいます。カラフにグラスをかぶせると蓋のようにピタリと合うので、ベッドサイドなどにトレイと運ぶと美しいシーンが完成しそう。



その他、もっとカジュアルに使えるソニッククリスタルを使った厚手のカラフェも数種類ですが厳選したものを揃えました。一緒にご覧ください。パーティーでワインを出す時には、お水や水出しのお茶などを一緒にテーブルに出しておいてあげるとそれぞれのペースで飲めて親切、スマートですよね。氷も入れられるカラフェや小ぶりのウォーターグラスは何点か多めに揃えておくと人が集まった時に重宝します。夏にはSabadiのリモナータやuf-fuさんの水出しティーなどをカラフェに入れておもてなし…なんていうのも気が利いていると思いますよ。

ガラスのアイテムなどをこれからの季節に重宝する涼しげなアイテムを集めた『涼を愉しむ』ページに掲載しました。ぜひご覧ください。

 

 

 

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