手織り、手紡ぎ、草木染め…天然のカタチ。風合いがひとつひとつ違うBabaghuriの道具たち。

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これまで私は石を見つけ、石を愛でるために様々な場所を訪れてきた。
すべての場所がそれぞれに異なっており、
どこへ行っても新たな種類の美に出会う歓びで有頂天になる。
もっとも、その度に穏やかならぬ思い、
自分を卑下したくなる思いが私の胸をよぎる。
その思いとは- どうすれば新たなものが創造できるというのか、
どうやってデッサンしたりデザインすればいいのか、
私たちが何をしようが、
いたるところの天然自然の中に存在する完璧さと美しさにはかないっこないのに。

(ヨーガン レール著 Babaghuriより)

写真は瓜やココナツの実などを型どり、純銀を焼き付けてつくられたBabaghuriのうつわ。銀彩はシルバー食器と同様、使い込むとうちに酸化しくすんだ色合いへとゆっくり変化してゆきます。2014年に亡くなったヨーガンレール氏は、ポーランド生まれのドイツ人デザイナーで、機械での布作りは1枚1枚に違いが無く退屈であると言い、「首尾一貫した手仕事」をモットーに天然素材の持ち味を活かした服作りに努め、その圧倒的な着心地の良さでファンを魅了し続けてきました。一貫して天然素材を用いたモノ作りを続ける中で、更に複雑な職人による手仕事への憧れや商品化へのビジョンが明確になり「ヨーガンレール」から新たに誕生したブランドが「Babaghuriババグーリ」です。ヨーガンレールの社員食堂という本で一躍彼が実践していた菜食主義のメニューが有名になりましたが、ババグーリでも日本やアジアの高品質な手仕事の生活雑貨をはじめ、自身が石垣島で栽培していた無農薬の畑で採れるハーブを用いたお茶や石鹸なども展開して、ヨーガン氏がこの日本という国でどのように豊かに暮らしていたかを私たちに教えてくれます。現在、氏亡き後も近しい仲間たちが彼の意志を引継ぎ、彼と同じ目線、厳しい基準で選びぬいたものだけをリリースしているのです。

冒頭にある彼の残した言葉のように、しょせん人間の造りだす美しさなど自然界の造形にかなうはずはないという思いから、先にでてきた銀彩のうつわのように自然界の造形から型をとっているのですが、洋服に使う生地も全て手織り、手紡ぎ、草木染めの天然素材を用いています。今回入荷した鍋つかみは、その洋服の余り生地から作られたもので、同じようなデザインでも一点一点風合いの違う仕上がりがババグーリらしい仕上がりとなっています。こんなに地味なのに、どうにも目を惹いてしまう。ババグーリの雑貨はいつもそんな感じです。鍋つかみひとつとっても、愛着を持って使えるものを選ぶ。使い込めばこむほど、風合いが変化して手に、目に、よりしっくりなじんでくる。

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「ババグーリ」(Babaghuri)とは、インド・グジャラート地方で採取される瑪瑙(めのう)石の呼び名である、とのことですが、ひとつとして同じ模様のない石を眺めてため息をつく、ヨーガンさんの憧れがその名にこめられていたのですね。最近はモノへの執着を捨てることを称賛する向きもありますが、時間の経過とともに愛着を増していけるような特別なモノだったら、とことん執着してもよいのでは、と思います。数は少なくとも。

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